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第172話 剣術大会⑲
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「ありがとうの、ルーク」
メリッサが部屋を出てから少し経ち、ヒルダがルークに礼を言う。
「いや。礼を言われるようなことはしてないぞ。当たり前のことを言っただけだからな」
ルークは何ということもなく、言う。
「それでもじゃ」
「そうか」
「・・・ルーク、本当にメリッサ様の返答次第ではセインツ王国相手に立ち向かうつもりだったの?」
ミリーナが恐る恐ると言った感じでルークに尋ねる。
「本気だ」
「・・・そうなのね」
ミリーナがルークの言葉に考える。その時はあたしはどう行動するのか。
「まあ、そうはならないことは見込んでだったがな」
「えっ?」
ミリーナは思考の渦に入るのをやめ、ルークの言葉に疑問の声を上げた。
「メリッサは頭の切れる人間だ。そのような愚かなことはしない。どちらかというとヒルダのことをセインツ王国として許容して貰いたかっただけだ」
ルークにはヒルダのことを許容して貰えるという目算があったらしい。
「なるほど。そういうことね。ただ、心臓に悪いから今度からは教えてね」
あの時、本気でルークがセインツ王国に対して相手取るとミリーナは思ってしまった。
「悪かったな。今回は、思いがけずメリッサに遭遇してしまったから事前に話す時間も無かったんだ。勘弁してくれ。先に言っておくが、余程のことがない限り俺がセインツ王国と対立することはない。これだけは覚えておいてくれ。こういうのも持っているしな」
そういうとルークが先ほどメリッサに見せた短剣をミリーナにも見せながら言う。
「ふぅ。分かったわ」
「そうじゃ、それは何なのじゃ?それにゼーラの街とやらのことも気になる」
ヒルダが思い出したかのようにルークに尋ねる。
ルークは、後で話してやろうと思っていたので、簡単にヒルダに伝えてあげた。
「ふーむ。そんなことがあったんじゃのぉ。しかも『国王代行』とな?ルークよ、我以上に中々、波乱万丈じゃの」
ヒルダがルークの話を聞き、感心したように呟く。
「そうよね。ルークってば、波乱万丈よね・・・あたしも人の事言えないけど、、、」
「・・・やはりそうだよな。あまり考えないようにしていたんだが、改まって言われると軍を出てからの生活が劇的過ぎる気がしてならなくなってきた」
ヒルダやミリーナの言葉にルークは珍しくボヤく。
「まぁ、暇すぎるよりはいいから構わないさ」
「ふふふ、ルークったらそれで済ませられるなんてやはり只者じゃないわよね」
「まったくじゃ」
ルークの言葉にミリーナとヒルダが二人して笑う。
「そうか?まぁ、何でも良いか。ヒルダが連れて行かれるようなことが無くなったから良しとしよう」
一通り話が終わった後、ルークとミリーナとヒルダの三人は、タイミングを見計らったように来た飲み物とお菓子を食べながらメリッサが再び来るまでの間、まったりと過ごしたのだった。
メリッサが部屋を出てから少し経ち、ヒルダがルークに礼を言う。
「いや。礼を言われるようなことはしてないぞ。当たり前のことを言っただけだからな」
ルークは何ということもなく、言う。
「それでもじゃ」
「そうか」
「・・・ルーク、本当にメリッサ様の返答次第ではセインツ王国相手に立ち向かうつもりだったの?」
ミリーナが恐る恐ると言った感じでルークに尋ねる。
「本気だ」
「・・・そうなのね」
ミリーナがルークの言葉に考える。その時はあたしはどう行動するのか。
「まあ、そうはならないことは見込んでだったがな」
「えっ?」
ミリーナは思考の渦に入るのをやめ、ルークの言葉に疑問の声を上げた。
「メリッサは頭の切れる人間だ。そのような愚かなことはしない。どちらかというとヒルダのことをセインツ王国として許容して貰いたかっただけだ」
ルークにはヒルダのことを許容して貰えるという目算があったらしい。
「なるほど。そういうことね。ただ、心臓に悪いから今度からは教えてね」
あの時、本気でルークがセインツ王国に対して相手取るとミリーナは思ってしまった。
「悪かったな。今回は、思いがけずメリッサに遭遇してしまったから事前に話す時間も無かったんだ。勘弁してくれ。先に言っておくが、余程のことがない限り俺がセインツ王国と対立することはない。これだけは覚えておいてくれ。こういうのも持っているしな」
そういうとルークが先ほどメリッサに見せた短剣をミリーナにも見せながら言う。
「ふぅ。分かったわ」
「そうじゃ、それは何なのじゃ?それにゼーラの街とやらのことも気になる」
ヒルダが思い出したかのようにルークに尋ねる。
ルークは、後で話してやろうと思っていたので、簡単にヒルダに伝えてあげた。
「ふーむ。そんなことがあったんじゃのぉ。しかも『国王代行』とな?ルークよ、我以上に中々、波乱万丈じゃの」
ヒルダがルークの話を聞き、感心したように呟く。
「そうよね。ルークってば、波乱万丈よね・・・あたしも人の事言えないけど、、、」
「・・・やはりそうだよな。あまり考えないようにしていたんだが、改まって言われると軍を出てからの生活が劇的過ぎる気がしてならなくなってきた」
ヒルダやミリーナの言葉にルークは珍しくボヤく。
「まぁ、暇すぎるよりはいいから構わないさ」
「ふふふ、ルークったらそれで済ませられるなんてやはり只者じゃないわよね」
「まったくじゃ」
ルークの言葉にミリーナとヒルダが二人して笑う。
「そうか?まぁ、何でも良いか。ヒルダが連れて行かれるようなことが無くなったから良しとしよう」
一通り話が終わった後、ルークとミリーナとヒルダの三人は、タイミングを見計らったように来た飲み物とお菓子を食べながらメリッサが再び来るまでの間、まったりと過ごしたのだった。
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