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第233話 剣術大会本戦㉛
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「ぬぅん!」
バグラス大将軍は折れて半分になってしまった剣をそのまま使い、ルークの方に向けて振るう。
(!?まずいっ!)
剣が半分以下になり、軽くなったバグラス大将軍の剣速は先ほど以上。
振り切った状態のルークには躱せる余裕はない。
が、
「おぉぉぉぉぉぉ!!!」
ルークは叫びながら、護命剣から手を放す。
その驚きの光景を見ながらバグラス大将軍は動揺したが気にせずルークに向かって剣を振るう。
「なっ!!」
ブゥン
ルークは先ほどとは比べ物にならない動きでバグラス大将軍の攻撃を避けた。
そして、避けながらもバグラス大将軍の剣先の破片を空中で掴み、首筋に突き付ける。
ガン
その後遅れて護命剣が剣が落ちた音とは思えない音を立てて地面に落ちた。
「・・・降参だ」
バグラス大将軍が静かに負けを認めた。
この瞬間、ルークの勝利が確定したのだった。
「試合終了です!!勝者ルーク選手!!!見事激戦を制しました!!!!!」
「「「わぁぁぁぁぁ」」」
「すげぇぇぇぇ!」
「ルークっ」
「ルークっ」
「ルークっ」
赤服運営長の言葉に反応し、会場中の観客達が歓声を上げ、ルークコールが巻き起こる。
試合終了の言葉を聞いた後、ルークは漸く突き付けていた剣先を下ろす。
「まさか咄嗟に自分の剣を手放すとはのぉ。完敗じゃ。儂の人生の中で文句のつけようのない一番の戦いであった。もう思い残すことはない」
バグラス大将軍が感慨深げにそう呟くと手に持っていた剣を躊躇わずに自分に向けて動かす。
ルークは咄嗟にバグラス大将軍の腕を掴んだ。
「・・・手を離せ。『魔人鬼』よ」
バグラス大将軍が自分の目の前に止まった剣を見ながらルークにそう言う。
「・・・手を離すのはお前の方だ。そんな死に方が許されると思っているのか?」
バグラス大将軍がルークの目を見る。
「儂に生き恥をさらせというのか?」
ルークもバグラス大将軍の目をまっすぐ見返しながら、
「これは戦争じゃない。たかが『剣術大会』だ」
あっけらかんと言い放つ。
「・・・」
バグラス大将軍はしばらく黙ってルークを見た後、
カラン
観念したのか剣を手から離した。
「・・・まさか儂のことを心の底から憎んでいるお主に止められるとは思ってなかったわぃ」
バグラス大将軍が観念したかのようにそう呟いた。
バグラス大将軍は折れて半分になってしまった剣をそのまま使い、ルークの方に向けて振るう。
(!?まずいっ!)
剣が半分以下になり、軽くなったバグラス大将軍の剣速は先ほど以上。
振り切った状態のルークには躱せる余裕はない。
が、
「おぉぉぉぉぉぉ!!!」
ルークは叫びながら、護命剣から手を放す。
その驚きの光景を見ながらバグラス大将軍は動揺したが気にせずルークに向かって剣を振るう。
「なっ!!」
ブゥン
ルークは先ほどとは比べ物にならない動きでバグラス大将軍の攻撃を避けた。
そして、避けながらもバグラス大将軍の剣先の破片を空中で掴み、首筋に突き付ける。
ガン
その後遅れて護命剣が剣が落ちた音とは思えない音を立てて地面に落ちた。
「・・・降参だ」
バグラス大将軍が静かに負けを認めた。
この瞬間、ルークの勝利が確定したのだった。
「試合終了です!!勝者ルーク選手!!!見事激戦を制しました!!!!!」
「「「わぁぁぁぁぁ」」」
「すげぇぇぇぇ!」
「ルークっ」
「ルークっ」
「ルークっ」
赤服運営長の言葉に反応し、会場中の観客達が歓声を上げ、ルークコールが巻き起こる。
試合終了の言葉を聞いた後、ルークは漸く突き付けていた剣先を下ろす。
「まさか咄嗟に自分の剣を手放すとはのぉ。完敗じゃ。儂の人生の中で文句のつけようのない一番の戦いであった。もう思い残すことはない」
バグラス大将軍が感慨深げにそう呟くと手に持っていた剣を躊躇わずに自分に向けて動かす。
ルークは咄嗟にバグラス大将軍の腕を掴んだ。
「・・・手を離せ。『魔人鬼』よ」
バグラス大将軍が自分の目の前に止まった剣を見ながらルークにそう言う。
「・・・手を離すのはお前の方だ。そんな死に方が許されると思っているのか?」
バグラス大将軍がルークの目を見る。
「儂に生き恥をさらせというのか?」
ルークもバグラス大将軍の目をまっすぐ見返しながら、
「これは戦争じゃない。たかが『剣術大会』だ」
あっけらかんと言い放つ。
「・・・」
バグラス大将軍はしばらく黙ってルークを見た後、
カラン
観念したのか剣を手から離した。
「・・・まさか儂のことを心の底から憎んでいるお主に止められるとは思ってなかったわぃ」
バグラス大将軍が観念したかのようにそう呟いた。
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