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第288話 ・・・いつまで気絶したふりをしているつもりだ?
「あたしは心当たりはないはず・・・あっ」
ミリーナはヒルダの質問に答えた後、何かを思い出したかのように声を出す。
「ん?何かあるのか??」
ヒルダが続けて尋ねる。
「これはルークにも言えるけど、ヤムイ村の件や王城での件、とくに王城の件は首謀者のガイルが逃げているからあたしたちに逆恨みしている可能性はあるわ」
「・・・あいつか。元近衛騎士所属第三部隊部隊長のガイル・・・」
ルークがミリーナの言葉を聞いて王城での一件を思い出す。
形勢が不利になるや否やすぐさま撤退した男である。
「ふむ。なるほどのぉ。本気でこの国を盗ろうとしていたのじゃ。ルークやミリーナのことを逆恨みしていてもおかしくはないのぉ」
ヒルダはルークやミリーナから話を聞いていたので納得したように頷く。
「まぁ、どちらにせよこやつが起きたらはっきりするじゃろう。我を追って来た可能性もあるしの」
ヒルダが一番懸念していたのは自分が死んだという偽装がバレて追跡者が来たという可能性であった。
話が一区切りし、しばらく沈黙が続く。
「そうじゃ、ルーク。聞いて良いか?」
ヒルダが沈黙を破った。
「ん?どうした」
「お主の墓はあのままで良かったのかの?」
ヒルダはルークの墓をそのままにしていたことを気になっていたようだ。
「・・・俺も迷ったが、折角両親が立ててくれたからな。あのままでも別に問題ないし」
「なるほどのぉ。そう考えると手をつけない方が良いじゃろうな。そういえば、お主が死んだ事になっているのはどこまでなんじゃ?」
「恐らく村の中だけだな。俺も村に帰って初めて自分が死んだ事になったことに気づいたくらいだ。それも20年も前だから正確に認識をしている人間も少ないだろう。・・・だから、生活するには問題ない」
「・・・ということはもしかしてルークが死んでいないということは強国対策支部の誰かに聞けばはっきりしたってことよね?」
傍で聞いていたミリーナが尋ねる。
ルークの両親のことを思っていってくれているのだろう。
ルークの死に納得していなかったのはルークの両親くらいしかいなかったのだから。
「・・・いや、駄目だろうな。部外者からの問合せに対しては返事をする人間が決まっている。そうでない者は答えてはならないからな。結局首謀者のところに話がいってのらりくらりと躱していたんだろう」
「・・・そっか・・・」
ミリーナは釈然とはしないものの納得する。
「ルーク・・・お主は本当に可哀想な男じゃのぉ。いつの間にか死んだ事にされ、問題にしようにもその事実を知っているものはほとんどいないし、蒸し返そうとしてももう20年弱も経っていれば今更な話になってしまうしな・・・」
ヒルダがルークのことを憐れむ。
「その件は俺なりに決着をつけたからな、もういいさ。・・・もう夜も更けた。2人は寝ておいた方が良い」
ルークがそうミリーナとヒルダに声を掛ける。
「・・・ありがとう。途中でかわるから起こしてね」
ミリーナもルークの不遇を思ったが、あからさまに話題を変えたルークにその件については何も言わない方が良いと判断し答える。
「分かった」
ルークはミリーナの気遣いに心の中で感謝しながらそう答える。
「いつもすまぬの、ルーク。我が番をしても役に立てなくて」
ヒルダもミリーナと同様深くは掘り下げずに答える。
「気にするな」
ルークはヒルダにも心の中で感謝しながら答える。
ミリーナとヒルダがそれぞれルークに答え、休む準備をし眠り始めた。
それから更に数時間が過ぎ、
「可哀想か・・・」
ぼそりと呟く。
ミリーナとヒルダをちらりと見る。
(確かにそうかも知れない。・・・が、俺はお前たちと行動しているお陰で癒されているよ)
と心の中で呟く。
そして、ルークはおもむろに追跡者の方を見た。
「・・・いつまで気絶したふりをしているつもりだ?」
ミリーナはヒルダの質問に答えた後、何かを思い出したかのように声を出す。
「ん?何かあるのか??」
ヒルダが続けて尋ねる。
「これはルークにも言えるけど、ヤムイ村の件や王城での件、とくに王城の件は首謀者のガイルが逃げているからあたしたちに逆恨みしている可能性はあるわ」
「・・・あいつか。元近衛騎士所属第三部隊部隊長のガイル・・・」
ルークがミリーナの言葉を聞いて王城での一件を思い出す。
形勢が不利になるや否やすぐさま撤退した男である。
「ふむ。なるほどのぉ。本気でこの国を盗ろうとしていたのじゃ。ルークやミリーナのことを逆恨みしていてもおかしくはないのぉ」
ヒルダはルークやミリーナから話を聞いていたので納得したように頷く。
「まぁ、どちらにせよこやつが起きたらはっきりするじゃろう。我を追って来た可能性もあるしの」
ヒルダが一番懸念していたのは自分が死んだという偽装がバレて追跡者が来たという可能性であった。
話が一区切りし、しばらく沈黙が続く。
「そうじゃ、ルーク。聞いて良いか?」
ヒルダが沈黙を破った。
「ん?どうした」
「お主の墓はあのままで良かったのかの?」
ヒルダはルークの墓をそのままにしていたことを気になっていたようだ。
「・・・俺も迷ったが、折角両親が立ててくれたからな。あのままでも別に問題ないし」
「なるほどのぉ。そう考えると手をつけない方が良いじゃろうな。そういえば、お主が死んだ事になっているのはどこまでなんじゃ?」
「恐らく村の中だけだな。俺も村に帰って初めて自分が死んだ事になったことに気づいたくらいだ。それも20年も前だから正確に認識をしている人間も少ないだろう。・・・だから、生活するには問題ない」
「・・・ということはもしかしてルークが死んでいないということは強国対策支部の誰かに聞けばはっきりしたってことよね?」
傍で聞いていたミリーナが尋ねる。
ルークの両親のことを思っていってくれているのだろう。
ルークの死に納得していなかったのはルークの両親くらいしかいなかったのだから。
「・・・いや、駄目だろうな。部外者からの問合せに対しては返事をする人間が決まっている。そうでない者は答えてはならないからな。結局首謀者のところに話がいってのらりくらりと躱していたんだろう」
「・・・そっか・・・」
ミリーナは釈然とはしないものの納得する。
「ルーク・・・お主は本当に可哀想な男じゃのぉ。いつの間にか死んだ事にされ、問題にしようにもその事実を知っているものはほとんどいないし、蒸し返そうとしてももう20年弱も経っていれば今更な話になってしまうしな・・・」
ヒルダがルークのことを憐れむ。
「その件は俺なりに決着をつけたからな、もういいさ。・・・もう夜も更けた。2人は寝ておいた方が良い」
ルークがそうミリーナとヒルダに声を掛ける。
「・・・ありがとう。途中でかわるから起こしてね」
ミリーナもルークの不遇を思ったが、あからさまに話題を変えたルークにその件については何も言わない方が良いと判断し答える。
「分かった」
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「いつもすまぬの、ルーク。我が番をしても役に立てなくて」
ヒルダもミリーナと同様深くは掘り下げずに答える。
「気にするな」
ルークはヒルダにも心の中で感謝しながら答える。
ミリーナとヒルダがそれぞれルークに答え、休む準備をし眠り始めた。
それから更に数時間が過ぎ、
「可哀想か・・・」
ぼそりと呟く。
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(確かにそうかも知れない。・・・が、俺はお前たちと行動しているお陰で癒されているよ)
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