戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石

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第289話 命の保証

「・・・何故分かった」

ルークの問い掛けに追跡者が返事をする。

「気絶状態かどうかなんて気配ですぐ分かる」

ルークが何ということもないと言った様子で答える。

「・・・流石は『魔人鬼』ということか」

追跡者が呟く。

「・・・そうか。狙いはヒルダだったんだな」

ルークがそう結論付けた。

「そうだ。・・・頭の回転も良いんだな」

追跡者が素直に認める。

「それで、何故すんなり認める?」

ルークが追跡者の表情を見ながら尋ねる。

追跡者は縛られた状態にも関わらず器用に肩を竦める動作をし、

「戦闘では勝てない。縄で縛られ身動きも取れない。自決用の仕込みも取られた。拷問を受けてもある程度までなら耐えられる自信はあるが『魔人鬼』相手に口を割らない自信は正直無い。ならいっそのことすんなり答えてもし無事で生きて帰れるなら堅気になるのも悪く無いと思っただけさ」

聞いているルークが拍子抜けするくらいあっさりと話した。

「ふっ。あんた。面白いな」

ルークはこんな潔い暗部がいることに正直興味を持った。

「・・・そんなことを言ってくれたのはお前さんくらいだ。同僚たちはこぞって変人扱いしてきたぞ」

追跡者がきょとんとしながら答える。

「まぁ、同僚からしたらそれはそうだろうな。それで、今の話からするとすんなり話してくれるということで良いんだな?」

「ああ。もちろんだ。俺の命の保証をしてくれるのならな」

追跡者がルークの目をまっすぐ見ながら答える。

「保証しよう」

ルークはあっさりと返事をした。

「二人を起こすから、待っていろ」

ルークは追跡者に言い放つとミリーナとヒルダを起こすために立ち上がった。

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