戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石

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第313話 ルークの字

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「よし。書けた」

ルークは手紙を書き終えるとミリーナとヒルダの方に見せる。

「どうだ?」

ミリーナとヒルダは手紙を受け取り、2人で読み始める。

「・・・うん。要点もしっかりと押さえていて良いと思うわ」

まず、ミリーナがそう言い。

「うむ。こんなものじゃろうのう」

ヒルダもミリーナと同意見を口にする。

「ありがとう。なら、封をするか」

ルークが2人から手紙を返してもらい、丁寧に折りたたんだ後に封をしていく。

「それにしてもルークってば字もきれいなのね」

ミリーナがルークの動作を見ながらそう言う。

「きれいというか・・・達筆という感じじゃないかのぉ?」

ヒルダが少しだけミリーナの言葉を訂正する。

「そうね・・・うん。そうだわ。達筆というのがしっくりくるわね」

ミリーナもヒルダの意見を肯定する。

「そうか?字なんて誰が書いても変わらんだろう」

ルークが不思議そうに答える。

「いやいやいやいや、誰が書いても変わるわよ。騎士学校の生徒達の字を見て来たけどピンからキリまで居たわ」

ミリーナがルークの言葉に過剰に反応する。

ここまで否定するのも珍しい。

もしかして、騎士学校時代に苦労したのだろうか。

ルークはそんなことを考えながら、

「そ、そうか・・・」

少しミリーナの勢いに押され気味で答える。

「そうじゃぞ。そもそも文字の読み書きができるというだけでも稀有なんじゃからな。あれ?・・・セインツ王国でもそうじゃよな?」

ヒルダがしゃべりながら、はたと気づく。

「ヒルダちゃんの認識で間違いないわ。セインツ王国でも読み書きができるだけでも珍しいわよ」

ミリーナがヒルダの疑問に答える。

「そ、そうじゃよな。といっても我も知識として知っているだけで識字率が低いという実感はないのではあるがの」

ヒルダがミリーナの言葉に自分の常識がこの国でも同じことを聞いてほっとしながらしゃべる。

「・・・そうね。ヒルダちゃんのいたところを考えるとそうよね」

ミリーナは王族なら、実際に識字率が低いということを体感する機会はないだろうと思いながら相槌を打つ。

「ルークはどこで字を覚えたの?」

ミリーナが気になって尋ねる。

「・・・子供の頃に父さんと母さんに教えて貰った」

ルークが昔のことを思い出しながら答えた。

「・・・そう。ごめんなさい。思い出させちゃったわね」

ミリーナがルークに謝る。

「いいさ。お陰で、忘れて居た記憶が思い出せた」

ルークはミリーナを見て嬉しそうに言った。
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