戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石

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第353話 勢い余って②(side ミリーナ)

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あたしとヒルダちゃんは示し合わせたわけではないものの自然とルークに向かって抱きつく。

やだ。あたしったら何てことを!?

と思ったがルークはよろけることもなくあたしたちをしっかりと受け止めてくれる。

「おいおい、二人ともどうした?」

ルークの戸惑う声が掛けられる。

「どうしたもこうしたもないわ!」

あたしはつい大きめの声を上げる。

心配したのだ。

これくらいは甘んじて受け入れて欲しい。

「そうじゃ!心配かけおって!!」

ヒルダちゃんもあたしと同じ気持ちなのか同じく大きな声を出す。

「・・・すまん」

抱きついていたため顔は見れないがきっと申し訳ない顔をしているのだろう。ルークが謝る。

「・・・もうしないでね?」

あたしはこんな心配はしたくなかったのでついルークを困らせるようなことを言ってしまう。

「・・・するんじゃないぞ?」

ヒルダちゃんもやはり同じことを続けて言う。

すると、ルークはあたし達を地面に下ろす。

あたしはもう少しくっついていたかったので残念な気持ちになる。

ルークはあたしとヒルダちゃんを順に見た後、困った顔をしながら、

「・・・約束はできなそうだな」

と呟く。

確かにルークの意思に関係なく厄介事が舞い込んでいる。

ルークがこういうのも理解は出来るとあたしの冷静な部分が言う。

だけど、あたしの感情的な部分がとんでもないことを言わせた。

「だったら、何があってもあたしの所に返ってくると約束して」

流石に直視は出来ずに俯いてしまい、声も思ったより出ず小声になってしまった。

・・・たぶんルークには聞こえなかったかな。

傍にいたヒルダちゃんはあしの言葉が聞こえたのか驚いている雰囲気がする。

「ミリーナ、何て言ったんだ?」

やはり、ルークには聞こえなかったのかそう尋ねてくる。

あたしはもう一度言おうと頑張って顔をルークに向ける。

面と向かうとなると更に恥ずかしくて顔が赤くなる。そして、思ったように言葉が出てこず、口が声を発せず、ただパクパクする。

よ、よーし

あたしは覚悟が決める。

言うぞ!

あたしはルークが大好き

ずっと一緒に居たい

ただ、その気持ちを言葉にするだけよ!

「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」

と口から出たのはとんでもない言葉だった。
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