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第5話 言いづらいんだけど
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「やっほ~。昇くん、元気?来ちゃった!!」
さっちゃんはとびっきりの笑顔でそう言った。
改めて紹介すると彼女は中条幸《なかじょうさち》。子供の頃からさっちゃんって呼んでいる。簡単に言うと俺の親友の1人だ。さっちゃんとは幼稚園より前から一緒にいるので、たけよりも付き合いが長い。さらに両親同士が仲良しなので、良くお互いの家に行って遊んでいた。
ただ悲しいことにさっちゃんとは小中高と同じクラスになったことが無い・・・。残念過ぎる。なんでだろうね。同じクラスになって、一緒の班で遠足とか行きたかったな。そうしたら絶対にもっと楽しかったと思う。今度ゆっくり旅行とか行きたいな。
「昇くん?どうしたの?やっぱり元気ないのかな?」
俺がぼーっとしていたせいで、さっちゃんは不安げな顔になってしまった。
「あ、いや、ごめん、ごめん。考え事してただけだよ。この通り俺は元気いっぱいだよ」
俺は、腕にグッと力を入れて力こぶを見せた。
「ほら、どう?すごい筋肉だろ?」
「お~~」
ボディービルダーみたいに色々なポーズをしてみる。
ふん。ふん。
「・・・」
「・・・」
あれ?さっきは驚いたフリをしてくれたのに、今のさっちゃんは笑顔を無くして、ぼんやりとして目つきで俺を見ている。あれ、笑顔を失くしちゃった?
「ほら、ほら~」
・
・
・
「・・・」
ごめんなさい、ふざけすぎました。もうやらないからそんな目で見ないで・・・
なんか虚しくなってきたな。やめるか。
「ゴホン、ゴホン、で、さっちゃんこそどうしたの?俺の家に来るの久しぶりだよね?」
俺は咳払いをして、話を無理やり変えた。
さっちゃんがこの家に来るのは1年以上ぶりになる。
俺と彩花が付き合い始めてから、俺達に気を使ってあまり一緒に行動しなくなった。
小中高とずっと一緒に登校していたのも止めたし、俺とたけとさっちゃんで、一緒にお昼を食べるのも無くなった。
それで当時の俺は、さっちゃんに「気を使わないで大丈夫だよ。今まで通り一緒にいようよ」と言ったが、それに対して、すごく怒られたのを覚えている。
「昇くんには、菊池さんっていう素敵な恋人ができたんだよ!それなのに私と一緒にいたら、彼女どう思う?絶対に傷つくよ!菊池さんの事を第一に考えたほうが良いよ。それに想像してみてよ。逆に菊池さんの近くにいつも仲が良い男の人がいたらどう?一緒に登校してたらどう?昇くんはどう思う?」
俺はそれを聞いてハッとした。初めての恋人ができて浮かれていて、自分のことしか見えてなかった。周りが全然見えていなかった。彼女の彩花に対して不誠実だし、気を使ってくれたさっちゃんにも失礼だと思った。
このことがあって以降、俺は彼女、彩花に対して誠実になろうと思った。
それと失って気づく、大切なこと。当たり前は当たり前じゃないってことだ。
と話はずれたな。
「まぁちょっとね。確かに久しぶりに昇くんの家に来たね。じゃあ、お邪魔していい?」
「おっけ」
「おじゃましま~す。って結構片付いてる。1人暮らしを始めた時はあんなに、あんなに汚かった汚部屋が今ではこんなにきれいな部屋になっているなんて・・・昇くん成長したんだね。嬉しいな~嬉しくて泣いちゃう」
さっちゃんは、泣いたフリをはじめた。
「上から目線だし、大袈裟すぎない?」
「だってね~。あの頃の汚部屋を知っているからさ」
1人暮らしをはじめた頃は、家事が全然出来なくて、さっちゃんに助けてもらっていた。
流石に1年以上経って、一通りの家事はできるようになっていた。
「汚部屋っていうな!まぁその節はありがとうでした」
「いえいえ」
「で、本当に今日はどうしたの?なにかあった?」
「ちょっと言いづらいんだけど、菊池さんさ」
「うん。彩花がどうかしたか?」
「・・・」
「・・・」
「うわきしてない?」
「は?」
なんでさっちゃんが知ってるんだろう?
「ちょっと、これ見てほしいんだけどさ」
さっちゃんは、バックからスマホを取り出し、少しスマホをいじりある動画を見せてくれた。
「ここはどこだろう?ん~~~~~~。ん?」
見覚えがある場所だぞ。
動画の始めは学校の校舎裏が見えた。でその後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彩花と知らない男が熱いキスしている動画がスタートした。
こっここぅこれって、俺が撮った動画と同じやつじゃないか?しかも別角度バージョン!!俺が撮ったやつよりも見やすい動画となっている。なんてことでしょう。ていうかさっちゃん、動画取るの上手いね。
って言ってる場合か!!
ってことは。てことはだよ?あの時、さっちゃんもあそこにいたってことか?全然気づかなかった・・・俺は、ん~~と頭を抱えている。
「こんなもの、信じたくないよね。私も始めは信じられなかった。菊池さんじゃないと思いたかった。ただ気付いたときにはスマホで写真じゃなくて動画を撮ってたよ。だってこれって証拠になるもんね」
さっちゃんと俺、思考が似てないか?
「私は本当に悔しいよ・・・昇くんが初めての彼女の菊池さんのために色々頑張ってたの知ってるよ?最近というか、ここ数ヶ月、昇くん寝不足気味だったよね。頑張ってたんだよね。」
さ、さっちゃん。そこまで俺のことを心配してくれてたなんて・・・。俺は嬉しいよ!!
俺は女運には恵まれなかったけど、親友に恵まれていたんだな。
泣き泣き・・・
====================
ここまで読んで頂きありがとうございます。
次話、明日の12時頃、更新します。
良かったら「お気に入り登録」「感想」を頂ければ、書くモチベーションが上がりますので、宜しくお願いします。
コメントも頂けると嬉しいです。できるだけ返信しようかと思ってます。
ただし、あまり強い言葉ですと、コメントを消すかもですのでご了承ください。
さっちゃんはとびっきりの笑顔でそう言った。
改めて紹介すると彼女は中条幸《なかじょうさち》。子供の頃からさっちゃんって呼んでいる。簡単に言うと俺の親友の1人だ。さっちゃんとは幼稚園より前から一緒にいるので、たけよりも付き合いが長い。さらに両親同士が仲良しなので、良くお互いの家に行って遊んでいた。
ただ悲しいことにさっちゃんとは小中高と同じクラスになったことが無い・・・。残念過ぎる。なんでだろうね。同じクラスになって、一緒の班で遠足とか行きたかったな。そうしたら絶対にもっと楽しかったと思う。今度ゆっくり旅行とか行きたいな。
「昇くん?どうしたの?やっぱり元気ないのかな?」
俺がぼーっとしていたせいで、さっちゃんは不安げな顔になってしまった。
「あ、いや、ごめん、ごめん。考え事してただけだよ。この通り俺は元気いっぱいだよ」
俺は、腕にグッと力を入れて力こぶを見せた。
「ほら、どう?すごい筋肉だろ?」
「お~~」
ボディービルダーみたいに色々なポーズをしてみる。
ふん。ふん。
「・・・」
「・・・」
あれ?さっきは驚いたフリをしてくれたのに、今のさっちゃんは笑顔を無くして、ぼんやりとして目つきで俺を見ている。あれ、笑顔を失くしちゃった?
「ほら、ほら~」
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「・・・」
ごめんなさい、ふざけすぎました。もうやらないからそんな目で見ないで・・・
なんか虚しくなってきたな。やめるか。
「ゴホン、ゴホン、で、さっちゃんこそどうしたの?俺の家に来るの久しぶりだよね?」
俺は咳払いをして、話を無理やり変えた。
さっちゃんがこの家に来るのは1年以上ぶりになる。
俺と彩花が付き合い始めてから、俺達に気を使ってあまり一緒に行動しなくなった。
小中高とずっと一緒に登校していたのも止めたし、俺とたけとさっちゃんで、一緒にお昼を食べるのも無くなった。
それで当時の俺は、さっちゃんに「気を使わないで大丈夫だよ。今まで通り一緒にいようよ」と言ったが、それに対して、すごく怒られたのを覚えている。
「昇くんには、菊池さんっていう素敵な恋人ができたんだよ!それなのに私と一緒にいたら、彼女どう思う?絶対に傷つくよ!菊池さんの事を第一に考えたほうが良いよ。それに想像してみてよ。逆に菊池さんの近くにいつも仲が良い男の人がいたらどう?一緒に登校してたらどう?昇くんはどう思う?」
俺はそれを聞いてハッとした。初めての恋人ができて浮かれていて、自分のことしか見えてなかった。周りが全然見えていなかった。彼女の彩花に対して不誠実だし、気を使ってくれたさっちゃんにも失礼だと思った。
このことがあって以降、俺は彼女、彩花に対して誠実になろうと思った。
それと失って気づく、大切なこと。当たり前は当たり前じゃないってことだ。
と話はずれたな。
「まぁちょっとね。確かに久しぶりに昇くんの家に来たね。じゃあ、お邪魔していい?」
「おっけ」
「おじゃましま~す。って結構片付いてる。1人暮らしを始めた時はあんなに、あんなに汚かった汚部屋が今ではこんなにきれいな部屋になっているなんて・・・昇くん成長したんだね。嬉しいな~嬉しくて泣いちゃう」
さっちゃんは、泣いたフリをはじめた。
「上から目線だし、大袈裟すぎない?」
「だってね~。あの頃の汚部屋を知っているからさ」
1人暮らしをはじめた頃は、家事が全然出来なくて、さっちゃんに助けてもらっていた。
流石に1年以上経って、一通りの家事はできるようになっていた。
「汚部屋っていうな!まぁその節はありがとうでした」
「いえいえ」
「で、本当に今日はどうしたの?なにかあった?」
「ちょっと言いづらいんだけど、菊池さんさ」
「うん。彩花がどうかしたか?」
「・・・」
「・・・」
「うわきしてない?」
「は?」
なんでさっちゃんが知ってるんだろう?
「ちょっと、これ見てほしいんだけどさ」
さっちゃんは、バックからスマホを取り出し、少しスマホをいじりある動画を見せてくれた。
「ここはどこだろう?ん~~~~~~。ん?」
見覚えがある場所だぞ。
動画の始めは学校の校舎裏が見えた。でその後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彩花と知らない男が熱いキスしている動画がスタートした。
こっここぅこれって、俺が撮った動画と同じやつじゃないか?しかも別角度バージョン!!俺が撮ったやつよりも見やすい動画となっている。なんてことでしょう。ていうかさっちゃん、動画取るの上手いね。
って言ってる場合か!!
ってことは。てことはだよ?あの時、さっちゃんもあそこにいたってことか?全然気づかなかった・・・俺は、ん~~と頭を抱えている。
「こんなもの、信じたくないよね。私も始めは信じられなかった。菊池さんじゃないと思いたかった。ただ気付いたときにはスマホで写真じゃなくて動画を撮ってたよ。だってこれって証拠になるもんね」
さっちゃんと俺、思考が似てないか?
「私は本当に悔しいよ・・・昇くんが初めての彼女の菊池さんのために色々頑張ってたの知ってるよ?最近というか、ここ数ヶ月、昇くん寝不足気味だったよね。頑張ってたんだよね。」
さ、さっちゃん。そこまで俺のことを心配してくれてたなんて・・・。俺は嬉しいよ!!
俺は女運には恵まれなかったけど、親友に恵まれていたんだな。
泣き泣き・・・
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