浮気されたけど特になんとも思ってません!!

みず

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第6話 無理とかしてないのよ

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「さっちゃん。いつも俺のこと心配してくれてありがとう・・・考えてくれてありがとう・・・」

普段は恥ずかしくて、お礼なんて言えないけど、今日に限ってはそんな恥ずかしいという感情はなく、スラスラ言葉が出てきた。そして目からぽろりと涙が出てきた。
悲しいから涙が出ているんじゃない。さっちゃんの優しさが嬉しいから涙が出てくるのだ。

彩花と付き合い始めてからさっちゃんとは、ちゃんと話せて無かったから、今、さっちゃんが俺のことを心配してくれてたというのが本当に嬉しい。

決して彩花が知らない男と浮気していたから泣いてるんじゃないよ・・・むしろ今あいつは、よりどうでもいい存在になってきた。

よし!なんか気分がスッキリしてきたな。

「昇くん・・・泣いてるのね・・・普段は強がってるのに・・・やっぱり辛かったんだね。ヨシヨシ、それと私にお礼なんて、ありがとうなんて要らないよ。無理はしちゃだめだよ。悲しいときはね。我慢しないで泣けば良いんだよ」

いつの間にか俺は、さっちゃんに優しく頭を撫でられていた。これはちょっと照れるぞ。多分俺の顔は真っ赤になっていると思う。
まぁでもそうだよな。無理はしちゃいけないよな。それに悲しい時は泣いたほうがいい。スッキリするもんな。さっちゃん、良いこと言ってる。



って、ん?ん?ん?



って特に悲しいなんて気持ちはなんて無いな。今は嬉しい、ありがとうって気持ちしかない。もしかしてさっちゃんは俺が浮気されて、悲しくて泣いてると思ってるのか?俺が変なタイミングで泣いたせいだな。このまま勘違いさせたままだとなんか悪いよな。

「さ、さっちゃん?俺、全然悲しくないぞ。ほら俺の顔を見てみ?全然悲しそうにしてないだろ?むしろスッキリしてるだろ?彩花のことなんてぜんぜ・・ん」

俺は涙を拭き、元気な姿をさっちゃんに見せる。

「昇くん!私に気を使わないで良いの!ほんと、無理だけはしちゃだめ!今は自分のことだけを考えていていいから」

無理とかしてないんだよ・・・。とほほ。
怒られてしまった。そして、今度はさっちゃんに抱きしめられてしまった。これは照れるってレベルじゃないぞ!!さっちゃん!?・・・柔らかいものが当たってるって・・・

だめだ。変なことを考えるな。俺!!
ちょっと、これは頭の中でお経でも唱えるしかない。邪念を払うべし!!
南無阿弥陀仏《なむあみだぶ》、南無阿弥陀仏《なむあみだぶ》、南無阿弥陀仏《なむあみだぶ》。煩悩どっかいけ~~。

さっちゃんは、俺がアホなことを考えているとは知らず、優しく背中をポンポンとたたいてくれている。背中をたたかれて気持ちが落ち着いてくる。

「どう?落ち着いてきた?」

「うん・・・」

ポンポン、ポンポンとたたかれているうちに眠くなってきた。

ふぁぁ~~あ

大きなあくびが出てきた。それにだんだんとまぶたが重たくなってきた。。。

最近、睡眠不足だったから、どんどん、ねむくなってきた・・・
そして俺は夢の中に旅立ってしまった。

* * *

目を開けると、さっちゃんが俺の顔を覗き込んでいた。凄い近い距離だ・・・。
俺はいつの間にか寝てしまったみたいだな。

「わぁっ。どど、どう?落ち着いてきた?疲れは取れたかな?」

さっちゃんの顔が赤くなっていた。急に目を開けたから驚かしちゃったか。
目を動かして状況を整理すると、俺が寝ている間、ずっと膝枕をしてくれていたみたいだ。

「俺どのくらい寝てた?」

「そ、そんなに寝てないよ。30分くらいだよ?」

思ったより、寝てなかったみたいだ。だけど、30分も膝枕は苦痛だったよな。

「ごめん。膝痛かったよな」

俺は起き上がって、さっちゃんに謝った。

「うんん。全然大丈夫だよ!!・・・むしろ、私の方こそ、ありがとうだよ・・・」

ん?最後の方、なにか言ったみたいだったけど、声が小さくて聞こえなかった。
あ、どんどん思い出してきた。さっきの誤解を解いておかないと。

「さっちゃん、さっきの話なんだけど」

「うん。菊池さんの話だね・・・」

「実は、俺もあの場所にいて、彩花が知らない男とキスしてるの見てたんだよ」

「えっ、そうだったの!?私、全然気が付かなかったよ!!動画を取るのに必死で周りを見る余裕が無かった・・・それじゃあ、余計にショックが大きいよね・・・」

「いいや、それが全然ショックじゃなかったんだよ。これは強がりとかじゃないぞ?」

「どうして?」

「さっきもさっちゃんが言ってくれてたけど、俺は彩花と付き合い始めてから色々頑張ってたんだ。だけど最近は、俺に対する態度がだんだんと冷たくなってきて、彩花への気持ちが離れていってたんだよ。だから、浮気されてても特にショックとか無かった。逆に彩花の方も俺への気持ちが離れて言ってたから浮気をしたんだと思う」

「そうだったんだね」

「全然ショックじゃなくてむしろ笑えるのが、俺もスマホで動画を撮ってたんだよ。ほら、これ!」

俺はスマホをいじり、浮気現場の動画をさっちゃんに見せた。

「あ、ほんとうだ!!私がいた場所と同じだね。てか私達やることが似てるね、はは」

さっちゃんと目を合わせて、笑いあった。

「ってことで、俺はショックを受けてませんので、心配しないで大丈夫だから」

「はぁ~。安心したよ。まぁでも今までお疲れ様だったね」

さっちゃんは、本当に安心しきった顔になっていた。
俺も誤解が解けて良かったよ。

「うん。疲れた。とりあえず、ゆっくりしたいかな~」

====================
ここまで読んで頂きありがとうございます。

次話、明日の12時頃、更新します。

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