ブリアール公爵家の第二夫人

大城いぬこ

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愛し合う二人




 揺れる…視界が揺れる…寝台の軋む音がリズムを作り…荒い呼吸が足されて音楽のように聞こえる。 

「ロシェル…ロシェル」 

 名を呼びながら私の中を穿つディオルド様の局部が熱くて気持ちいい。 

「ディ…」 

「ロシェル…」 

 激しい快感の時、私はまた漏らしてしまった。あの高い快感は太く長い局部を入れられただけでおかしくさせた。 

「気持ち…いい」 

 まだ明るいのに裸にされ、秘所に夢中でむしゃぶりつくディオルド様の姿に恥ずかしさと期待に心を占められ、得た快感は私を淫らにしていく。 

「…そうか…ロシェル…俺もだ」 

「くち…」 

 口づけが足りないと言いたかった。口づけが短かったと不満を言いたかった。 

「舌を出してみろ」 

 言われた通り、口を開けて舌を出せば、ディオルド様は口の端を小さく上げて顔を近づけた。優しい突き上げは止めぬまま、ディオルド様の舌先が私の舌に触れる。 

「ふ…ん…う…んあ…」 

 舌を伝い落ちてくる唾液は飲み込めずに頬へ流れていく。

 唇は合わせず舌だけで絡み合うなんてしたことがなくて、でも柔らかく滑った舌が触れあうと気持ちがよくて中に入れたくなり、ディオルド様の頭を引き寄せ舌を咥えて吸い込む。 ディオルド様も気持ちがいいのか、恍惚とした臙脂と見つめ合う。 

「気持ちいい…です…か?」 

 この喜びをあなたも感じていて欲しい。 

「ああ…すごくな…俺は…若僧のように…お前を…欲しがってる」 

 唇で触れあい、秘所で繋がり、しっとりとした肌が触れあう。まるで一つのなにかになったようで、こうしていると感覚が共有できそうと、もっと近くにもっと深くと願ってしまう。 

「欲しかったんだ…ロシェル…馬車でも…本当は我慢していた…ロシェル」 

「ディオルド…」 

「ああ…ロシェル」 

 緩やかな突き上げにもどかしくなり、汗ばむ額に触れて乱れた髪へ手を伸ばす。整えるために着けていた香油を感じて、指を鼻に近づけ嗅いでみると匂いがしなかった。ディオルド様らしい無香の香油を使っていると頭に浮かび頬が緩んだ。 

「…ロシェル」 

「ディオルド…奥がせつない…」 

「…せつない…?」 

「奥…突いてほし…い…」 

 緩やかな動きは私が口づけを求めたからなのはわかっていたけれど物足りなくなった。激しく揺らして欲しい。寝台が壊れるほど激しく… 

「ぐ…ロシェル…」 

 私の中で局部が跳ねた。 

「あっ…」 

 ディオルド様は険しい顔をして私の中から出ていってしまった。もうおしまいなのかもしれない。

 視線を窓へ向けると薄暗くなっていた。お腹が空いたのかもしれないと思った時、私の体が回されうつ伏せになった。そして熱く大きな手がお尻を掴んで上げさせ、局部が突き入れられた。 

「あああ!」 

「奥…だろ…?…突いてやる」 

 固定されたお尻に後ろから激しく突き入れられ引かれ、時折押し付けたまま、もっと奥へもっと深くと局部を入れられ、私は何度も絶頂を繰り返した。

 注がれる熱い子種を何度も味わい、私はただ喘いで泣いて揺らされた。この強烈な快感を失いたくなかったけれど、激しい抽挿に耐えられず意識は落ちていった。 




 止まった喘ぎと脱力した体に気を失ったのは理解したが、だからといって止められるものじゃない。 

 小さな尻を両手で掴むと、柔らかすぎで形が面白いほど変わることと、少し広げれば見えるもう一つの穴に興奮は高ぶるばかりだ。 

 子種と膣液で十分に濡れた尻の穴は慎ましく閉じているが、入れてみろと俺に囁いたように思え、指先で触れると腟内が締まった。 

「く…」 

 快楽の入り口二巻に書かれていた…連動はこういうことか…? 

『ロシェル様に傷を作れませんからねぇ~爪は丁寧に整えましょうねぇ~』 

 などと言いながら俺の爪にヤスリをあてていたガガは穴のことを予見してか…?俺が穴に興味を抱くと…なんてやつだ…恐ろしいやつめ…百戦錬磨とは口だけではなかったのだな… 

 指の腹で何度も穴を撫で、腰も振りながら反応を確かめ、ぬるぬるする指先が吸い込まれるように穴に入れば、陰茎に抗えぬほどの締まりを与えられ吐き出してしまった。

「く…ぐぅ…」 

 穴に指を入れたまま、腰を押し付け最奥へ注ぎ入れるとロシェルの体は喜ぶように痙攣した。 

「はあ…はあ…どうする…」 

 入れるか?指が入ったが、親指の第一関節までだぞ…明らかに…陰茎では切れるぞ…痛むぞ…だが… 

 欲求には素直な俺だと、沈めた親指を根本まで入れると絶頂している腟内の痙攣が伝わり頬が緩んだ。 

「ははっ…なるほどな……これは滾る…ロシェル…怒るか?」 

 尻の穴など触れられたと知ればロシェルは怒ると思う。気を失っているときだけ触れられる場所とは…なんとも…いい… 

 ロシェルに寸止めを味わわせている間に一度、中に三度も吐き出したおかげで、ずいぶん冷静になっている。ビアデットの丸薬がなければ理性を失い、尻の穴に躊躇なく突っ込んでいたろう。 

 腰を引いて陰茎を抜くとロシェルの体は寝台に落ちた。

 うつ伏せに眠るロシェルの体を仰向けにし、その裸体を眺める。 銀色の髪が絡まり乱れてシーツに広がり、乳首が触れろと言うように誘っている。

 焦らされて苛ついて乳首にはあまり触れなかったが、腰を振っている最中は摘まんだり潰したりと苛めたせいで赤くなっている。くびれた腰とぬらぬらと淫らに濡れている秘毛を順に眺めている時、ふと思いつき、ロシェルの腕を動かし、脇をさらして匂いを胸いっぱいに吸い込む。甘い匂いが脳へと運ばれ陰茎が腹につくほど立ち上がった。 

「くくく…四度も出した後だぞ…」 

 汗ばむ脇に舌を伸ばし舐め上げると小さな喘ぎが聞こえた。中毒になりそうな匂いを吸いながら何度も舐め、乳首に移動し口に含む。柔らかさだけではなくなった乳首を歯で挟み、先端を舌で執拗に舐めながら、もう片方の乳首を指で弄んでいるとロシェルの体が強ばり痙攣した。 

「…あ…あ!んぅ…」 

 視線を向ければ、顎が震え顔がゆっくりと左右に振られた。 

「ディ…」 

「ここだ」 

 水色の瞳が俺を捉え、安心したように垂れた。 

「私…また…」 

「ああ…だが…前よりもってる…気を失っても…短い…」 

 乳首を咥えながら話す俺は無様だろうか? 

「ん……あ…ディ…」 

 喘ぎを我慢しているように唇を硬く結んだロシェルの腹の音が聞こえた。 

「はは…俺も空いた」 

「ふふ…」 

 咥えていた乳首を放し、ロシェルが重いと感じない程度に体重を乗せ、頬を胸にくっつける。

 ロシェルの速い鼓動が伝わり、頬を擦り付けていた。心地よい感覚を味わっているなか、ロシェルが俺の頭を撫で始めた。優しい指先が撫でる度に、愛しいと言っているようで胸が熱くなった。 

「ふ…風呂に…入らねば…な」 

「ええ…一緒に」 

「ああ」 

 二十も年の離れた女に、すがるように身を寄せ放せない俺は情けないと思われていないだろうか? 

「繋がれて幸せでした」 

「…さみしかったか?」 

 月の物のせいで繋がれなかった。 

「はい。あなたの肌が気持ちよくて…もちろん繋がることも…でも触れてくれることが嬉しくて」 

「ああ…触れる…お前が駄目だと言っても…すべてに触れてすべてを見てやる」 

「まあ、ふふ…湯を求めたことを怒っていますの?」 

「…焦らしたろ?」 

 鼓動がだんだん穏やかなものになる。このまま眠ってしまえば、さぞいい夢が見れるだろうと確信するほど幸せを感じている。お前に出会うまで幸せと思う瞬間はなかった。今はどうだ?幸せだ。 

「清めたいと思うのは当たり前です。ディオルド様は…あんなところを…舐めますもの」 

「お前の汚れがなんだ?汚れてても俺は好きだ」 

 俺の言葉にロシェルはなにも返さなかった。俺は無神経なことを言ったか? 

「…ディオルド様は…私のどんな姿でも…好きと言ってくれそうで…私は…どれだけ恥ずかしい格好でも…あなたになら見られても…あなただけ…」 

「ああ…俺にすべてを預けろ…信じろ」 

 お前がどんな姿になろうともこの愛しさは失くならん。







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