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二年目

07.冬の戯れ3

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 風呂から上がると、早速ジークフリートはロゼッタをベッドに連れ込んだ。


「はぁ…はぁ……」
 ジークフリートはロゼッタの胸の上に乗り、夢中で腰を振った。
 こらえきれずにこぼした先走りの汁でロゼッタの胸元はぐっしょりと濡れている。

 ロゼッタの乳は子の大事な食事でもある。
 その乳房を欲望で穢すのは後ろめたく、産後一度も胸で吐精していない。
 だが、ロゼッタの乳房は白く美しい。まだ子に乳を与えているため張りすぎなくらいハリがある。
 その胸に、ジークフリートのペニスは挟まれている。
「あっ…あっ…」
 ロゼッタもギンギンに勃起したペニスに乳房と乳首を擦られ快楽に喘いでいる。
 整った綺麗な顔に淫乱としかいいようない表情が浮かぶ。
 極上の美人が閨で夫だけに晒す痴態だ。
 ジークフリートが冷静でいられる訳がない。

 ジークフリート自身も精を放ちたくてたまらないが、この時間が終わってしまうのが惜しい。
 そんな葛藤も長くはなかった。
「ロゼ……出していいか?」
 かすれた声でねだるとロゼッタは頷く。
「だっ、出して……」

 ジークフリートは自分の欲求をロゼッタの胸元にぶちまけた。


 一度したが収まりがつかない。
 ロゼッタを抱き寄せてキスする。
 白い喉元に唇を付けると、ロゼッタは、
「ああっ」
 とわななく。
 ロゼッタは嬌声を上げてから、慌てて自分の口元に手を当てる。
「もっと聞かせてくれ」
「で、ですが……」
 ロゼッタは躊躇う。
 宿は辺境伯家一行以外は泊まっておらず、辺りは静まりかえっている。
『きっと供の者に聞こえてしまうわ……』
 そう思うとロゼッタは恥ずかしくて声を上げられない。
 が、ジークフリートは抱き上げて背中の、腰の辺りを撫でる。
「あっ……!」
 そのまま尻の割れ目まで指を這わせた。ロゼッタがここが弱い。
「あぁ…」
 ロゼッタはジークフリートの腕の中で身を震わせて、か細く喘いだ。
 胸をいじられたせいか、何処も彼処も感じやすくなっている。

 ジークフリートはロゼッタを愛撫した。
 先程吐いた精液を塗りつけるように真っ白な乳房を揉みしだき、全身を撫で回す。
「可愛いよ、ロゼッタ」
「ああ……ジークフリートさま……あんっ…そんな……」
 ロゼッタは良い声で喘いだ。
 自らの声にロゼッタも昂っていく。
「ああんっ」
 ほっそりとした綺麗な肢体が、桜色に染まる。
「あ…あっ…んっ、そこ、気持ちいい……の…」
 首をいやいやしながら夢中で嬌声を上げる。

「ひっ…ん…!」
 ペニスを突き入れるとロゼッタはそれだけでイった。

 続けて抽送を始めると、
「ゃ…だめっ…ジークさま、…やっ…こっ怖い……」
 とロゼッタは嫌がったが、すぐに甘ったるい喘ぎ声に変わる。
「ぁあ!」
 とロゼッタは喜悦する。
 一度鳴き始めるともうロゼッタはあんあん鳴きっぱなしになった。
「いっ、いいの…ジークフリートさま……あっ、す、すごい……」
 ジークフリートは淫らな声を楽しみながら、腰を奥まで突っ込み、グラインドさせて思う様ロゼッタをむさぼる。
 情欲に心地良く身を委ねて、ひたすらロゼッタを屠った。



 コトが終わったロゼッタはぼーっと弛緩して天井を見上げていた。
 ジークフリートは立ち上がって暖炉で湯を沸かしている。
 冬場でなければ後戯の一つもするのだが、暢気に乳繰り合っていると暖房を焚いた室内でも凍える。
 ましてロゼッタは産後の大事な時だ。

 体が冷えないようにお湯で濡れタオルを作るとロゼッタの体を拭い、清めた後は乳首に羊毛脂を塗る。
 母乳をあげていると乳首が痛くなる。場合によっては切れたりするらしい。
 ジークフリートはこの事実を従姉妹達から教えられ、驚愕した。

「切れてしまう前に」
 ジークフリートはロゼッタとセックスした後、必ずせっせと羊毛脂を塗り込む。
 羊毛から取れる脂は羊が多いグリューニング領では一般的な保湿剤で、良く効くと言われていた。
 ロゼッタに水分を取らせて、暖かい寝間着を着込ませ、羊毛の毛布と羽根布団を寝心地のいいように敷き直す。
 ロゼッタも手伝いたいが、ジークフリートが手際が良いのとセックスの後で疲れ切っているので、おろおろしている間に終わっている。

「寝ようか」
「はい」
 枕を並べて二人で眠りにつく。
『暖かい』
 ロゼッタにはすぐ側に感じる夫の体温がくすぐったく嬉しかった。
 領主の仕事で忙しいジークフリートも雪の積もる冬のこの時期だけは泊まりで出掛けることは滅多にない。
 春も夏も秋も好きだ。だが、冬はロゼッタの一番好きな季節になった。




 ***

 翌朝には宿の朝食を食べるジークフリートとロゼッタをランドルフが興味津々で見つめていた。
 乳母に抱かれたランドルフは食事する二人に、
「あーうー」
 と腕を伸ばす。

 ジークフリートは子煩悩な父親だったが、生活行動も違うためランドルフの前で朝食を食べることはほとんどない。
 食事しながら、珍しそうにランドルフの様子を眺めている。
 そんなジークフリートをランドルフも見つめている。

 ジークフリートとランドルフは同じ銀髪に緑の瞳だ。
 良く似た親子がじっと見つめ合う光景に、ロゼッタも侍女達も笑い出しそうになる。

 ジークフリートはロゼッタに尋ねた。
「ランダルも飯を食いたいのかな?」
 夫婦はランドルフをランダルと愛称で呼んでいる。
「そうですね。お友達の話ですと、そろそろ大人の食べる物が気になってくるそうです。そうすると離乳食を与えてもいいとか」
「大人の食べ物ではいかんよな」
 と自分が食べている物に目を落とす。
 今日の朝食は麦のミルク粥だった。
 冬は寒いので良く朝食に暖かい粥が出る。更にハム、タマゴ、チーズが副菜に付いている。

「はい。リンゴのすりおろしたものなどから始めるらしいです」
「そうか、リンゴか……旨いリンゴをたくさん用意しないとな」
 ジークフリートが真面目な顔で言うのがおかしくてロゼッタは吹き出した。

「まあ、ジークフリート様。最初は食べてもほんのひとかけらですよ」
「そんなものか?」
「ふふふっ、はい、そうですよ。まだこの子はこんなに小さいんですから」

 ロゼッタと一緒に侍女達も晴れやかに笑う。
 ロゼッタに着いてきた二人の侍女は、春に結婚を控えている。
 一人はジークフリートの従兄で、一人はジークフリートの腹心の騎士だった。
 ロゼッタと同じようにここに根付くことに決めたのだ。
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