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番外編
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「ッぁヒっ!」
ガクンと揺れた体を、ゆっくりと熱い掌が撫でてくる。
「ッァ、ぁ、う……っ!」
肌を擦られるだけでも甘い絶頂が全身を覆って、震えが一向に治まらない。
「あさひ、」
「ぁっ……、ッら……っ」
やっと顔を上げた晃が、頬を紅潮させて覆い被さってくる。
「っひ……ィッ、んぁあっ! ぁっ、ァ……ッ」
腹を優しく撫でてから、ぐっと力を加えてきた。
バチッとまた視界が弾け、ぼたぼたと涙や唾液が滴り落ちる。
「ッぁ……っぁ゛ー……っ」
ひゅうひゅうと細い音を立てる喉に、皮膚を貫かないギリギリの力で牙が食い込んできた。
痙攣を大きくする喉仏に、晃が甘ったるい息を吹きかけてくる。
「旭陽……もうここ、物足りない? いじめてほしい?」
割れた腹筋をなぞりながら、期待が滲んだ声音でおれに求めさせようとしてくる。
……違えよ、ばか。その言葉じゃ不足だ。
「わ、っ」
絡み合った手以外の三肢を、圧し掛かってきている男へ巻き付けた。
バランスを崩しかけて近付いた顔に、乱れきった呼吸が全く整っていない唇を寄せる。
「ッた、りね……っ、から…………ッ愛、でろ、よ……っ」
「――――っ!」
どれだけ掠れて碌な音になっていなくても、晃はおれの声を聞き逃さない。
耳の中へ吹き込むように、おれが好む言い方を教えてやった。
嚥下の音を響かせる男の耳へ、ちゃんと聞き取れた褒美に口付けを落としてやる。
「ッア、っ」
片膝が掴まれ、胸元に触れるまでぐっと押し上げられる。
肌が擦れ合う快感に悶えるおれを、密着するまで身を寄せてきた体がシーツに押し付ける。
「もちろん。……俺だけが、お前を愛でていいんだから」
甘ったるい声で囁き、腰が掴まれる。
強い力で触れられる快感に呻けば、柔らかなキスが降ってきた。
「ッぁ……――ッっぁ゛あアァあ゛ーーッッ!!」
片足だけ押し上げられた不安定な体勢で、上から一気に貫かれる。
何と触れても甘イキするだけ高められていた体は、また胎の奥から噴き上がる深い絶頂の嵐に飲み込まれた。
何度も意識が途切れかけては、自分の肉襞が晃に絡み付く快感で叩き起こされる。
激しく痙攣する体が、幾度もシーツの上で跳ね上がろうとしては晃の体に遮られて益々白の波に埋められた。
「かッ……ッヒ、ひぅッ…………っ」
「あさひ…………」
息の吸い方を忘れた喉に、唇を合わせた晃が酸素を送り込んでくる。
何度も息を吹き込みながら、男が何かを囁く。
「ッひ……、ぁ……っ」
唇に触れる空気の揺らぎに、新たな嬌声が零れた。
おれが聞き取れていないことを悟った晃が、腰から手を離して背中を抱き締めてくる。
「ッぁ゛、ぁ゛アう……っ!」
触れる範囲が広がったことに、また次の絶頂が全身を貫く。
イき続ける体は一向に収まらないが、ふらふらしていた意識は少しだけ安定を取り戻した。
ああ、やっぱこれが一番落ち着く。
「……旭陽、これがいい?」
「ぁッ、ぁ……っ?」
どうにか息を整えようとしていると、晃がそっと囁いてくる。
なんのことだ……?
酸欠でまともに働かない頭を動かそうとしているおれに、晃が瞳を和らげた。
ああ、それは分かるな。
切羽詰まった状況で、それでもおれが自分の言葉を理解しようとしてくれてるのが嬉しいって顔だ。
「この愛で方が、一番好き?」
背中を掻き抱いてきている腕が、少しだけ力を増す。
何を今更。
おれの全身を抱き締めて、おれに全身で抱き縋られて。
牙突き立てておれに爪立てられながら、腹ん中も口腔も全部ぐちゃぐちゃにすんの――一番好きなのは、晃だろ。
おまえがとろとろに蕩けた目で悦んでんのがおれの一番だって、教えてやるつもりはねえけどよ。
「んっ……、ぁ……ッ」
こくこくと頷いて舌を伸ばしてやれば、糖度を深めた瞳で笑って唇を降らせてきた。
「ンん゛ぅーー……ッ!」
舌が絡め取られた瞬間、また絶頂の渦が戻ってくる。
痙攣する指がまた強く握り締められて、力が入らない手でどうにか握り返す。
喉の奥で、晃が嬉しそうに笑ったのが伝わってきた。
「ッんン゛ぅうっ! んっぁ゛、ッんん゛ーっ!」
ずりずりと太すぎる熱が腹のナカを擦り上げ、また一気に貫かれる。
抽挿の度に跳ねる体は、密着したことで晃の体に自ら肌を擦り寄せることになってますます絶頂の深さが増していく。
何度も歯が絡め取られた舌に当たるが、晃は痛がるどころか呼吸の甘さを強くしていった。
視界が効かなくとも、どれだけ甘ったるい視線を注がれているのかは肌に伝わってくる。
激しく穿たれるたびに、自分と晃の腹筋に挟まれたペニスが強く押し潰され擦り上げられた。
「ィあ゛アーーッッ! ぁ゛、ぎっ、ひゃぅうッ! かっ、ヒッぃ゛ィう……ッ!」
あまりに強すぎる悦楽に、もうずっと制御から離れたままの体が跳ね踊る。
唇が離れそうになれば、晃はすぐに追い掛けてきてまた深く塞がれた。
じゅうじゅうと舌を吸い上げられて、抱き寄せられている背筋に絶頂の電流が迸る。
一層強く腰が押し付けられ、奥の壁が抉じ開けられた。
「ッ ぁ゛ ッが――ッ、っ゛ッ~~ーーーーッッ!!」
あたたかい肌に触れている指が、大きく痙攣した拍子に皮膚を裂く。
骨が軋みそうなほど三肢に力が籠もったまま、深い場所へと意識が弾け沈んだ。
ガクンと揺れた体を、ゆっくりと熱い掌が撫でてくる。
「ッァ、ぁ、う……っ!」
肌を擦られるだけでも甘い絶頂が全身を覆って、震えが一向に治まらない。
「あさひ、」
「ぁっ……、ッら……っ」
やっと顔を上げた晃が、頬を紅潮させて覆い被さってくる。
「っひ……ィッ、んぁあっ! ぁっ、ァ……ッ」
腹を優しく撫でてから、ぐっと力を加えてきた。
バチッとまた視界が弾け、ぼたぼたと涙や唾液が滴り落ちる。
「ッぁ……っぁ゛ー……っ」
ひゅうひゅうと細い音を立てる喉に、皮膚を貫かないギリギリの力で牙が食い込んできた。
痙攣を大きくする喉仏に、晃が甘ったるい息を吹きかけてくる。
「旭陽……もうここ、物足りない? いじめてほしい?」
割れた腹筋をなぞりながら、期待が滲んだ声音でおれに求めさせようとしてくる。
……違えよ、ばか。その言葉じゃ不足だ。
「わ、っ」
絡み合った手以外の三肢を、圧し掛かってきている男へ巻き付けた。
バランスを崩しかけて近付いた顔に、乱れきった呼吸が全く整っていない唇を寄せる。
「ッた、りね……っ、から…………ッ愛、でろ、よ……っ」
「――――っ!」
どれだけ掠れて碌な音になっていなくても、晃はおれの声を聞き逃さない。
耳の中へ吹き込むように、おれが好む言い方を教えてやった。
嚥下の音を響かせる男の耳へ、ちゃんと聞き取れた褒美に口付けを落としてやる。
「ッア、っ」
片膝が掴まれ、胸元に触れるまでぐっと押し上げられる。
肌が擦れ合う快感に悶えるおれを、密着するまで身を寄せてきた体がシーツに押し付ける。
「もちろん。……俺だけが、お前を愛でていいんだから」
甘ったるい声で囁き、腰が掴まれる。
強い力で触れられる快感に呻けば、柔らかなキスが降ってきた。
「ッぁ……――ッっぁ゛あアァあ゛ーーッッ!!」
片足だけ押し上げられた不安定な体勢で、上から一気に貫かれる。
何と触れても甘イキするだけ高められていた体は、また胎の奥から噴き上がる深い絶頂の嵐に飲み込まれた。
何度も意識が途切れかけては、自分の肉襞が晃に絡み付く快感で叩き起こされる。
激しく痙攣する体が、幾度もシーツの上で跳ね上がろうとしては晃の体に遮られて益々白の波に埋められた。
「かッ……ッヒ、ひぅッ…………っ」
「あさひ…………」
息の吸い方を忘れた喉に、唇を合わせた晃が酸素を送り込んでくる。
何度も息を吹き込みながら、男が何かを囁く。
「ッひ……、ぁ……っ」
唇に触れる空気の揺らぎに、新たな嬌声が零れた。
おれが聞き取れていないことを悟った晃が、腰から手を離して背中を抱き締めてくる。
「ッぁ゛、ぁ゛アう……っ!」
触れる範囲が広がったことに、また次の絶頂が全身を貫く。
イき続ける体は一向に収まらないが、ふらふらしていた意識は少しだけ安定を取り戻した。
ああ、やっぱこれが一番落ち着く。
「……旭陽、これがいい?」
「ぁッ、ぁ……っ?」
どうにか息を整えようとしていると、晃がそっと囁いてくる。
なんのことだ……?
酸欠でまともに働かない頭を動かそうとしているおれに、晃が瞳を和らげた。
ああ、それは分かるな。
切羽詰まった状況で、それでもおれが自分の言葉を理解しようとしてくれてるのが嬉しいって顔だ。
「この愛で方が、一番好き?」
背中を掻き抱いてきている腕が、少しだけ力を増す。
何を今更。
おれの全身を抱き締めて、おれに全身で抱き縋られて。
牙突き立てておれに爪立てられながら、腹ん中も口腔も全部ぐちゃぐちゃにすんの――一番好きなのは、晃だろ。
おまえがとろとろに蕩けた目で悦んでんのがおれの一番だって、教えてやるつもりはねえけどよ。
「んっ……、ぁ……ッ」
こくこくと頷いて舌を伸ばしてやれば、糖度を深めた瞳で笑って唇を降らせてきた。
「ンん゛ぅーー……ッ!」
舌が絡め取られた瞬間、また絶頂の渦が戻ってくる。
痙攣する指がまた強く握り締められて、力が入らない手でどうにか握り返す。
喉の奥で、晃が嬉しそうに笑ったのが伝わってきた。
「ッんン゛ぅうっ! んっぁ゛、ッんん゛ーっ!」
ずりずりと太すぎる熱が腹のナカを擦り上げ、また一気に貫かれる。
抽挿の度に跳ねる体は、密着したことで晃の体に自ら肌を擦り寄せることになってますます絶頂の深さが増していく。
何度も歯が絡め取られた舌に当たるが、晃は痛がるどころか呼吸の甘さを強くしていった。
視界が効かなくとも、どれだけ甘ったるい視線を注がれているのかは肌に伝わってくる。
激しく穿たれるたびに、自分と晃の腹筋に挟まれたペニスが強く押し潰され擦り上げられた。
「ィあ゛アーーッッ! ぁ゛、ぎっ、ひゃぅうッ! かっ、ヒッぃ゛ィう……ッ!」
あまりに強すぎる悦楽に、もうずっと制御から離れたままの体が跳ね踊る。
唇が離れそうになれば、晃はすぐに追い掛けてきてまた深く塞がれた。
じゅうじゅうと舌を吸い上げられて、抱き寄せられている背筋に絶頂の電流が迸る。
一層強く腰が押し付けられ、奥の壁が抉じ開けられた。
「ッ ぁ゛ ッが――ッ、っ゛ッ~~ーーーーッッ!!」
あたたかい肌に触れている指が、大きく痙攣した拍子に皮膚を裂く。
骨が軋みそうなほど三肢に力が籠もったまま、深い場所へと意識が弾け沈んだ。
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