幼女ショップ！

幼女お金を稼ぐ

悪い貴族盗賊ギルドへ行く

　カネー・ノ・モージャ子爵。表では貴族をしながら布を扱う商会をもつ男だが、裏では奴隷商で違法に誘拐した人を売る悪い男だ。

　そのカネーには金に繋がりそうな物にカンが働くという才能があった。そしてたまたま見つけた金になりそうな美幼女。カネーは何とか美幼女を捕まえるべく動き出した。

☆

　王都にはスラム街と呼ばれる場所がある。真っ当な仕事をしていない者や、親を亡くした、または親に捨てられた子供たちが暮らしている無法地帯だ。

　そのスラム街には犯罪行為も請け負う[盗賊ギルド]と呼ばれる犯罪組織があると言われている。衛兵等が何度も捕らえる為に調査をしているが、そのアジトを発見出来たことは無い。だから有るという噂はあるが未確認の為[あると言われている]となっているのだ。

　マントにフードを目深に被った者がスラム街の一角に居た。スラム街の住人ではない、彼らはこの者のようにデップリとした脂肪なんて付いていないからだ。この者は、そうカネーである。カネーは盗賊ギルドと接触するために此処に来た。部下を使えば良いのだが、カネーは部下を信用していない。だから自ら此処に来た。

　しかしカネーは此処に来るのは初めてではない。むしろ頻繁に通っているほどだ。奴隷商の商品を仕入れる為に。

　とある裏路地の突き当り。その壁にリズミカルなノックをすると、壁に偽装したドアが開く。此処が盗賊ギルドの入り口の一つだ。出入り口は複数あるが、カネーが知っているのは此処だけだ。

「どうした旦那。次の商品の納品はまだ期限があるだろ？」

　盗賊ギルドの幹部の一人、カネーとの取引担当のスキンヘッドの男が暗い室内へとやってきた。

「今回は依頼だ。一人捕まえて欲しい娘がいる。無傷でだぞ。」

「わかった。詳しく聞こう。」

　カネーは捕まえて欲しいターゲットの情報を全部話す。見た目の特徴、どのあたりに住んでいるか。大雑把でも良い。それを調査するのも盗賊ギルドの仕事だ。

「商業ギルドに定期的に納品する見目麗しい幼女・・・か。どこぞの国の貴族や王族だとかなりリスキーだが、まぁ良いだろう。この依頼受けるぞ。」

「うむ。護衛は一人だからなおヌシらなら朝飯まえであろう。」

　依頼を受けたスキンヘッドの男はスカルヘッドというコードネームで呼ばれている。盗賊ギルドでは本名はタブーなのだ。

　スカルヘッドは直属の部下にターゲットの調査を任せた。簡単な依頼でも手を抜かず情報を仕入れるのが、長くこの世界を生き抜く処世術だとスカルヘッドは考えている。

☆

　数日後、調査から戻った部下達から情報が来た。ターゲットは王都でも一等地の場所で屋敷を持っていた。しかし貴族との繋がりは一切ない。その代わり聖女が毎日来ている。いや、住んでいるようだ。さらに護衛の男は時たま冒険者ギルドの依頼を受けるため外出している。

　ターゲットは家から殆ど出ないから、聖女と護衛が出払った隙を狙えば簡単に侵入できるだろう。これならばそこそこ腕の立つ部下を一人向かわせれば良いな。

　調査を含めた料金の見積もりを書類に書いていく。最終的に決まった依頼賞金は300万ゴールドだった。盗賊ギルドの相場では安いほうだ。

　カネーはポンと300万ゴールドを支払った。いつもならば出し渋るが今回に関しては、莫大な稼ぎが約束されているのだ。300万なんてはした金という気持ちなのだろう。



　カネーもスカルヘッドもこの依頼は簡単に終わると疑わなかった。すぐに終わるからとカネーは盗賊ギルドでスカルヘッドと共に成功の知らせを待っていた。・・・しかし、結果は実行犯がターゲットの庭先で黒焦げになって死んだというものだった。念の為護衛が帰ってこないか見張っていた部下が慌てて報告に戻って来た為直ぐに失敗が分かったのだが、その男は何が起こったのは分からず半狂乱になっていた。

　後に死んだ部下は衛兵に引き渡され、魔道具で調べられた結果盗賊ギルドの一味だと判明し、スラム街に巡回する衛兵が増やされ、盗賊ギルドも仕事がし難くなり踏んだり蹴ったりだったそうだ。

　カネーも、まさか失敗するなんて思わず。スカルヘッドに嫌味を言ったが、逆に恫喝されビビって逃げ帰った。




　ちなみにユイ達はただの泥棒が入ろうとして防犯設備にやられただけという認識だった。ユイはレーザービームはやりすぎだったかな？と思ったけど、ハジメ達にこの世界では犯罪者に人権は無いから。と言われてそんなもんか。くらいに思ったそうな。