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第8章 Freedom国の設立!
30話 テンペの町滅亡②
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一方、こちらはテンペの町を脱出した貴族達。
「早く!急ぐのだ‼あの町はもうスタンピードには耐えられないんだから、魔物達がやってきてしまうぞ!」
「はっ!私が先行しますので後に続いて下さい……」
(私は何をしているのだ……いくら貴族の命令でも町の人達を見捨てて……くそっ……でも……)
「団長……このままで本当によろしいのですか?」
「わかっている!だが、貴族の言う事には……」
テンペの町の団長達は、町の人達を見捨ててきてしまった事に、後悔の念で潰されそうになっていたのだった。そして、とうとうその重圧に隊の行進を止めたのだった。
「どうしたのだ!なぜ、止まる?早く逃げないと!」
「ガルムンクス公!申し訳ありません!我々はテンペの町に戻ります」
「何を言っておる!お主達が戻ったら誰が我々の護衛をするのだ!」
「我々は町の人達を見捨てて、このまま逃げるわけにはいかないのです!」
「馬鹿な事を言う出ない!貴族と平民の命どちらが大切だと思っておる!当然貴族に決まっておるだろうが!馬鹿な事を言ってないで早く出発しろ‼」
団長は部隊に号令をかけたのだった。
「俺はこのまま、町の人達を見捨てる訳に行かない!俺に賛同する者は俺についてこい!」
「何を馬鹿な事を言っているのだ!そんな事をしてみろ。お前達の騎士職を剥奪するぞ!そんな事になっても良いのか?」
「好きにしてください‼我々は、主君から町の治安や町の人達の暮らしを守るようにと言われ、その誇りに命を懸けているんだ!」
そう言って、団長は進行方向と逆の方向を向き、今来た道を戻っていってしまったのだ。それを見た、心ある騎士団の部下達も、団長について行ってしまったのだ。
そして、騎士団の3分の2が引き返してしまったのである。その中で唯一、善政をしていた貴族の一人もまた、馭者に命令を出し引き返したのだった。
「団長ぉ~~~~~!待ってください!我々も、団長と行きます!」
「いいのか?死にに行くようなものだぞ」
「我々は団長と共にしたい!町の人達を救いたいんです。我々も連れて行ってください!」
団長は涙が出そうになり、グッとこらえるのだった。
「皆の者!我の続け‼」
「「「「「おおぉ~~~~!」」」」」
そして貴族達を残し、騎士団は来た道を引き返してしまったのである。
「馬鹿者共が!」
「ガルムンクス公!大丈夫です。騎士団は3分の1になりましたが、我々が貴方様の護衛につきます!」
騎士団の第3部隊の隊長が、不気味な笑みを浮かべながら話しかけるのだった。
「そうか!あいわかった。お主達の労は、必ずわしから王に取り次いでやる」
隊長は、ガルムンクス公の言葉にニヤリと笑い、これで俺も団長の座に出世できると思ったのだ。そして、この選択が命運を分ける事となるのを、この時誰もわからなかったのだ。
「団長!待ってください!貴族様の一人が我々を追ってきます!」
「な、何っ⁉」
団長は馬を止め、貴族を待ったのだ。
「ムシュダルグ公!どうしたのですか?」
「す、すまない!我々も連れて行ってくれないか?」
ムシュダルグ公一家が不安そうにしていたが、奥方や息子娘の4人は難く手を握り合い、結束を固めていたようだった。
「なぜ、いきなり戻ろうと思うのですか?このまま逃げた方が……戻っても生き残れる確率はほぼないのですよ!」
「頼む!我々も連れて行ってくれ!最初……恐怖にかられ民衆を置いて逃げようとしたが、これで助かっても我々はこの先の人生罪悪感に苦しみながら生きる事となる……」
「そ、それは……」
「そんな、人生を送るなら死んだ方がマシだと思ったのだ!」
「そうです!私達が戻っても力にならないかもしれませんが、どうか連れて行ってください!」
「わ、分かりました……少し抑えて走りますが、気を付けて追ってきてください!」
「あ、ありがとう!」
こうして、ムシュダルク公と団長達は、テンペの町へと戻ったのである。
そして、テンペの町ではパニックが起こっていたのである。
「どういう事だよ!」
「これからあたし達はどうなるの?」
「お前達!ちょっと落ち着けよ!」
「落ち着けるわけねぇだろうが!貴族も、ギルマスも逃げちまったんだぞ!」
その時、バァーンという大きな音が鳴り響いたのだった。その音がした方向を見ると、カウンターをハンマーで叩きつぶしたレーラがいたのだ。
「あなた達!いい加減にしなさい‼そんな事を言いあっててどうするのですか!」
「レーラさん……そんな事言ってもこの状況は……」
「いい?この町は今これまでにないピンチをむかえているわ!でも、貴方達がパニックになってどうするのよ!ギルドはこういう時にこそ、町の人達を守らないと本当に何のためにギルドがあるっていうのよ!」
「だが、そのギルドの長はとっくに逃げちまったんだぜ!」
「そ、それは申し訳ないと思います。だからあなた達構成員の力が必要なんです。勝手な事を言っているのは理解していますが、どうか……ギルドの為なんていいません!町の人達の命を守る為、力を貸してください!」
レーラ達、ギルド職員は構成員達に頭を床につけ、お願いをするのだった。その姿を見た、冒険者達は何も言えなくなってただ黙っているしかなかったのだ。
その静まりの中、ギルドの入り口の所に人影が現れたのだった。
「みんな大丈夫だったか?」
ギルドの中にいた人間すべてが、入り口の方に目を向けたのだった。そこには、逆光で見づらかったが甲冑を身に纏った人影があったのだった。
「みんな、すまなかった……我々も力にならせてくれ!」
そこには、騎士団の面々が頭を下げて立っていたのだった。これには冒険者達の士気が上がったのだ。そして、そこには立派な服を着た貴族も一人いたのだ。
「ムシュダルク公!」
その姿を見た冒険者達は、驚きひざまつくのだった。ムシュダルク公は平民から人気があり、気さくな貴族の一人であった。平民の事をいつも気にかけていて、その為平民から人気があるのだ。
「みんな、申し訳なかった!私は恐怖のあまり、君達の信頼を裏切ってしまった……本当に申し訳ない!」
ムシュダルク公は、冒険者達に土下座をしたのだった。この行為は本当に冒険者達は目を剥き驚いたのだ。貴族が平民に頭を下げるどころか、土下座するなんて聞いた事も見た事もなかったからだ。
それにはみんなで止めて、貴族が自分達に土下座するくらい反省したとおもい、許さざるを得なかったのだ。
「「「「ムシュダルク公おやめください‼」」」」
「そんな土下座するくらい反省したので、謝罪はお受けしますから……お願いですから頭をあげてください!」
ムシュダルク公はみんなに囲まれて、頭を上げたのだった。そして、この状況を何とかすべく提案をし始めたのだった。
「みんな、私がこんな事を言う資格がないかもしれないが、私の指揮下に入ってくれないか?」
そのように言ってくれて、冒険者達ギルド職員から歓声が上がったのだ。今まで、頭がいなくて烏合の衆となっていた冒険者達は、リーダーが出来た事により結束ができあがったのである。
ムシュダルク公は、中級ダンジョンも溢れた事を初めて知り驚愕したのだった。
それを聞き、すぐに戦略を立て指示を出したのだ。
騎士団と魔導士達を上級ダンジョン側、高ランク冒険者と低ランク魔法使いを中級ダンジョン側に、そして低ランク冒険者を、後二つの城門に分けて配置したのだった。
そして、ムシュダルク公は生産ギルドの職員に指示を出し、生産者にインゴットを提出させるように命令を出したのだ。
これは緊急事態であり、町の結界を復活させるしかないと思い、遅いかもしれないが錬成をさせようとしたのだった。この錬成が成功できるかは、神のみが知る博打そのものだったが、ヒイロカネが4本出来れば、町の装置に設置が出来るのである。
ただ成功率は低く、ヒイロカネのインゴットが1本錬成するのに、4時間は最低かかるのだ。
ギルド職員達は、ムシュダルク公の指示に従い、自宅待機している生産者達にムシュダルク公の命により、オリハルコンとアダマンタイトのインゴットを徴収したのだった。
このインゴットは、ケンジの店で各自購入した物で、生産者達もムシュダルク公が言っているのであればと分かると、快くインゴットの提出をしてくれたのであった。
そのインゴットの数は、なんとかヒイロカネのインゴットが4本できるかどうかの数だったが、すぐさま魔道ギルドに提出され、錬成が開始されたのだ。
魔道ギルドは、出来るだけ成功率を上げる為、錬金術士のステータスを開示させ、スキル値とLUK(幸運値)の高い人間を選んだのだった。
その時、中級ダンジョンの方角から、大量の魔物の姿が遠くに見えたのだった。
「早く!急ぐのだ‼あの町はもうスタンピードには耐えられないんだから、魔物達がやってきてしまうぞ!」
「はっ!私が先行しますので後に続いて下さい……」
(私は何をしているのだ……いくら貴族の命令でも町の人達を見捨てて……くそっ……でも……)
「団長……このままで本当によろしいのですか?」
「わかっている!だが、貴族の言う事には……」
テンペの町の団長達は、町の人達を見捨ててきてしまった事に、後悔の念で潰されそうになっていたのだった。そして、とうとうその重圧に隊の行進を止めたのだった。
「どうしたのだ!なぜ、止まる?早く逃げないと!」
「ガルムンクス公!申し訳ありません!我々はテンペの町に戻ります」
「何を言っておる!お主達が戻ったら誰が我々の護衛をするのだ!」
「我々は町の人達を見捨てて、このまま逃げるわけにはいかないのです!」
「馬鹿な事を言う出ない!貴族と平民の命どちらが大切だと思っておる!当然貴族に決まっておるだろうが!馬鹿な事を言ってないで早く出発しろ‼」
団長は部隊に号令をかけたのだった。
「俺はこのまま、町の人達を見捨てる訳に行かない!俺に賛同する者は俺についてこい!」
「何を馬鹿な事を言っているのだ!そんな事をしてみろ。お前達の騎士職を剥奪するぞ!そんな事になっても良いのか?」
「好きにしてください‼我々は、主君から町の治安や町の人達の暮らしを守るようにと言われ、その誇りに命を懸けているんだ!」
そう言って、団長は進行方向と逆の方向を向き、今来た道を戻っていってしまったのだ。それを見た、心ある騎士団の部下達も、団長について行ってしまったのだ。
そして、騎士団の3分の2が引き返してしまったのである。その中で唯一、善政をしていた貴族の一人もまた、馭者に命令を出し引き返したのだった。
「団長ぉ~~~~~!待ってください!我々も、団長と行きます!」
「いいのか?死にに行くようなものだぞ」
「我々は団長と共にしたい!町の人達を救いたいんです。我々も連れて行ってください!」
団長は涙が出そうになり、グッとこらえるのだった。
「皆の者!我の続け‼」
「「「「「おおぉ~~~~!」」」」」
そして貴族達を残し、騎士団は来た道を引き返してしまったのである。
「馬鹿者共が!」
「ガルムンクス公!大丈夫です。騎士団は3分の1になりましたが、我々が貴方様の護衛につきます!」
騎士団の第3部隊の隊長が、不気味な笑みを浮かべながら話しかけるのだった。
「そうか!あいわかった。お主達の労は、必ずわしから王に取り次いでやる」
隊長は、ガルムンクス公の言葉にニヤリと笑い、これで俺も団長の座に出世できると思ったのだ。そして、この選択が命運を分ける事となるのを、この時誰もわからなかったのだ。
「団長!待ってください!貴族様の一人が我々を追ってきます!」
「な、何っ⁉」
団長は馬を止め、貴族を待ったのだ。
「ムシュダルグ公!どうしたのですか?」
「す、すまない!我々も連れて行ってくれないか?」
ムシュダルグ公一家が不安そうにしていたが、奥方や息子娘の4人は難く手を握り合い、結束を固めていたようだった。
「なぜ、いきなり戻ろうと思うのですか?このまま逃げた方が……戻っても生き残れる確率はほぼないのですよ!」
「頼む!我々も連れて行ってくれ!最初……恐怖にかられ民衆を置いて逃げようとしたが、これで助かっても我々はこの先の人生罪悪感に苦しみながら生きる事となる……」
「そ、それは……」
「そんな、人生を送るなら死んだ方がマシだと思ったのだ!」
「そうです!私達が戻っても力にならないかもしれませんが、どうか連れて行ってください!」
「わ、分かりました……少し抑えて走りますが、気を付けて追ってきてください!」
「あ、ありがとう!」
こうして、ムシュダルク公と団長達は、テンペの町へと戻ったのである。
そして、テンペの町ではパニックが起こっていたのである。
「どういう事だよ!」
「これからあたし達はどうなるの?」
「お前達!ちょっと落ち着けよ!」
「落ち着けるわけねぇだろうが!貴族も、ギルマスも逃げちまったんだぞ!」
その時、バァーンという大きな音が鳴り響いたのだった。その音がした方向を見ると、カウンターをハンマーで叩きつぶしたレーラがいたのだ。
「あなた達!いい加減にしなさい‼そんな事を言いあっててどうするのですか!」
「レーラさん……そんな事言ってもこの状況は……」
「いい?この町は今これまでにないピンチをむかえているわ!でも、貴方達がパニックになってどうするのよ!ギルドはこういう時にこそ、町の人達を守らないと本当に何のためにギルドがあるっていうのよ!」
「だが、そのギルドの長はとっくに逃げちまったんだぜ!」
「そ、それは申し訳ないと思います。だからあなた達構成員の力が必要なんです。勝手な事を言っているのは理解していますが、どうか……ギルドの為なんていいません!町の人達の命を守る為、力を貸してください!」
レーラ達、ギルド職員は構成員達に頭を床につけ、お願いをするのだった。その姿を見た、冒険者達は何も言えなくなってただ黙っているしかなかったのだ。
その静まりの中、ギルドの入り口の所に人影が現れたのだった。
「みんな大丈夫だったか?」
ギルドの中にいた人間すべてが、入り口の方に目を向けたのだった。そこには、逆光で見づらかったが甲冑を身に纏った人影があったのだった。
「みんな、すまなかった……我々も力にならせてくれ!」
そこには、騎士団の面々が頭を下げて立っていたのだった。これには冒険者達の士気が上がったのだ。そして、そこには立派な服を着た貴族も一人いたのだ。
「ムシュダルク公!」
その姿を見た冒険者達は、驚きひざまつくのだった。ムシュダルク公は平民から人気があり、気さくな貴族の一人であった。平民の事をいつも気にかけていて、その為平民から人気があるのだ。
「みんな、申し訳なかった!私は恐怖のあまり、君達の信頼を裏切ってしまった……本当に申し訳ない!」
ムシュダルク公は、冒険者達に土下座をしたのだった。この行為は本当に冒険者達は目を剥き驚いたのだ。貴族が平民に頭を下げるどころか、土下座するなんて聞いた事も見た事もなかったからだ。
それにはみんなで止めて、貴族が自分達に土下座するくらい反省したとおもい、許さざるを得なかったのだ。
「「「「ムシュダルク公おやめください‼」」」」
「そんな土下座するくらい反省したので、謝罪はお受けしますから……お願いですから頭をあげてください!」
ムシュダルク公はみんなに囲まれて、頭を上げたのだった。そして、この状況を何とかすべく提案をし始めたのだった。
「みんな、私がこんな事を言う資格がないかもしれないが、私の指揮下に入ってくれないか?」
そのように言ってくれて、冒険者達ギルド職員から歓声が上がったのだ。今まで、頭がいなくて烏合の衆となっていた冒険者達は、リーダーが出来た事により結束ができあがったのである。
ムシュダルク公は、中級ダンジョンも溢れた事を初めて知り驚愕したのだった。
それを聞き、すぐに戦略を立て指示を出したのだ。
騎士団と魔導士達を上級ダンジョン側、高ランク冒険者と低ランク魔法使いを中級ダンジョン側に、そして低ランク冒険者を、後二つの城門に分けて配置したのだった。
そして、ムシュダルク公は生産ギルドの職員に指示を出し、生産者にインゴットを提出させるように命令を出したのだ。
これは緊急事態であり、町の結界を復活させるしかないと思い、遅いかもしれないが錬成をさせようとしたのだった。この錬成が成功できるかは、神のみが知る博打そのものだったが、ヒイロカネが4本出来れば、町の装置に設置が出来るのである。
ただ成功率は低く、ヒイロカネのインゴットが1本錬成するのに、4時間は最低かかるのだ。
ギルド職員達は、ムシュダルク公の指示に従い、自宅待機している生産者達にムシュダルク公の命により、オリハルコンとアダマンタイトのインゴットを徴収したのだった。
このインゴットは、ケンジの店で各自購入した物で、生産者達もムシュダルク公が言っているのであればと分かると、快くインゴットの提出をしてくれたのであった。
そのインゴットの数は、なんとかヒイロカネのインゴットが4本できるかどうかの数だったが、すぐさま魔道ギルドに提出され、錬成が開始されたのだ。
魔道ギルドは、出来るだけ成功率を上げる為、錬金術士のステータスを開示させ、スキル値とLUK(幸運値)の高い人間を選んだのだった。
その時、中級ダンジョンの方角から、大量の魔物の姿が遠くに見えたのだった。
応援ありがとうございます!
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