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第9章 Freedom国の発展!
67話 マルシェイム聖教国のピンチ
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ケンジはさっそく、マルシェイム聖教国の聖都マルルドにFreedom支店を設置予定としたのである。ケンジはまだ予定としたのは、まずメイガン商会のガンスとの約束で、王都にあるメイガン商会のある町に、あと3店舗ほど、Freedom支店を開くつもりでいたのである。
その後に、聖教国に支店を開くつもりであった。この事は早速、教会本部から町へと知らされたのである。
聖女アリサから、Freedomの商品を購入する様にと伝えられるのだが、これら商品の事は王都からの行商人のおかげで、噂が広まっていたのである。
そして、ずっと前からギルド受付嬢が本部に送り届けられた時期から、聖都の町のはずれに真っ白で綺麗な建物があり、誰も入れない建物があり隠れた名所となっていたのである。
その建物が、聖女からFreedomの支店だと聞かされた時には、聖都中が歓喜に溢れたのである。歓喜に溢れた理由は、女神クローティアの友人が治める土地に行けるからである。
少しでも御利益が受けれるのではないかという期待と、巷で噂になっている商品が、やっと聖都でも使える事にあったのである。
だが、これをよく思わないのはギルド総本部である。
「どうしたらいいのだ!とうとうこのギルド本部がある聖都にまで、Freedomが進出してくるぞ!」
「なんとしても阻止しなければ……」
「だが、どうやって?」
「Freedomが進出した町は、確かに発展はするがギルドは別だぞ……」
「わかっておる!」
「進出した町では、ギルドの発明品の保管庫やその他の魔道具は使い物にならなくなり、今や女性用の下着さえ売れなくなっておる!」
ギルド総本部は教会本部に、Freedomの進出を止めてもらおうと嘆願書を提出したが、町の衛生が悪くなる一方で、聖教国としてはすぐにでも進出して欲しいのが実状なのだ。ギルドの言い分も分かるが、聖教国としてはこのままだと、疫病が発症してもおかしくない状態なので、その嘆願書を棄却したのである。
「聖女様!お願いです……Freedomが進出してしまうと、我がギルドは経営困難となり潰れてしまいます!」
「ですが、このままでは聖教国は、汚染水を浄化できる人間が足りなくて、ケンジさんの便器に頼らなくてはどうしようもないのです!」
「でしたら、我々ギルドに依頼を出して貰えれば。Fランク依頼として、受けさせれば!」
「何を言っているのですか!公衆便所とは違い、下水道の一時貯水場はクリーンの魔法でないと、とてもじゃないですが無理です!」
「聖属性の適性を持った冒険者は少ないですが、そいつらを駆り出せば何とかなる!だから、聖教国にFreedomを進出させないでくれ!」
「聖職者が誕生するまで3年間……いえ、それ以上かかります!その間ずっと、その方たちに負担をかけるおつもりですか?」
「それで、我々ギルドがピンチにならずに済むなら!」
「馬鹿な事を言わないでください!その方達を使い潰すおつもりですか?」
「そんな事は考えてはおらん!聖教国で便利な魔道具開発をするつもりだ!そうすれば、Freedomが進出しなくても、やっていけるような地盤を作り上げるつもりだ‼」
「では、その計画書や魔道具の案を見せていただけませんか?それが本当に、有益なものなのか検討をしましょう!ギルドとも、今まで教皇との付き合いがあったし無下にはしません!」
「……」
ギルドマスターと幹部達は、聖女の企画書を見せてほしいと言う言葉に黙ってしまったのである。
「どうしたのですか?Freedomが進出するまでまだ余裕があるとはいえ、聖教国には余裕はないのです」
「いえ……それらの企画はこれから立てて行こうと……」
「それじゃ、話にもならないじゃないです!貴方達は自分の保身の為だけに、我儘を言っているに過ぎないじゃないですか!」
「だから、それはこれから考えるとしてですな!まずはFreedomの進出を止めることから……」
「そんな事言っている場合ではないのですよ!このままでは、疫病が蔓延してもおかしくないのです!魔道具にしても完成の目途が立っているのならまだしも、これから開発して何年かかると言うのですか?」
「Freedomの、便器に代わる浄化器はずっと研究してます!」
ギルドでは、便器や冷蔵庫がFreedomから販売されてから研究を続けていて、それに代わるものを開発しようとしていたが、ケンジが採掘した神鋼魔石に代わる、便利な物がどうしてもできなかったのである。
「研究していると言うのはわかります!ですが、それはいまだ完成に至ってはいないではありませんか。そのような事で、Freedomを進出させないというのは、めちゃくちゃではないですか?」
「めちゃくちゃでも、なんとでも言えばいい!Freedomが進出してくれば、本当にギルド総本部は立ち行かなくなる……なんとしてでも、聖女様には承諾していただかないといかんのだ!」
「そんなバカな事を……話にならない!もう、貴方達は帰ってください!ちゃんとした案を持ってくるなら、又検討しましょう!」
「本当に良いのですか?このまま私達を追い返して!」
「何を言っているのですか!まともな案も出さずして……」
「本来ならこんな事を言わずに、我々の言う事を承諾して頂きたかったのですがしょうがないですね」
ギルドマスターと幹部連中は、ヤラシイ笑みを浮かべニヤニヤしだしたのである。
「何勝ち誇っているのですか?強気に出られても、Freedomの商品より良いモノがなければ、決定は覆りませんよ!」
「そんな事言って、本当に良いのですかな?」
「何を言っているのです!」
「もしこのまま、マルシェイム聖教国にFreedomを進出させると言うなら、我々は聖教国と断絶させていただく!」
聖女アリサは、ギルド組織が何を強気に出ているのかわからなかった。別に断絶すると言うなら、気兼ねなくFreedomを招き入れる事が出来て、ちょうどいいとさえ思ったのだが、聖女の側近である司教が慌てて、アリサを大声で阻止したのである。
「聖女アリサ様!」
「司教なんですか?いきなり大声出して!」
「司教はどういうことかわかった様子ですなぁ~~~!」
「ギルドマスターどういう事ですか?」
「このままFreedomを招き入れると言うなら、我々は本拠地をヒューマン領から魔族の領地に移し、聖教国から断絶させていただき、町の結界は解除!そして2度と結界の仕事はしない!」
ギルドマスターは、声高々に宣言したのである。そして、聖女は町の結界が無くなると言う事に、顔を青ざめ冷や汗が流れたのである。
「聖女様!そんな事になれば、万が一スタンピードが起これば、マルシェイム聖教国はテンペの町の二の舞に……」
「ギルドマスター……貴方と言う人は!」
「なんとでも言えばいいさ!これ以上Freedomを、調子に乗らせる訳には行かないからのう!」
大陸中の町の結界は、ギルドが各国王に依頼され、インゴットを錬成し独自のシステムで稼働しているのである。
これらの技術はギルドの魔道具であり、錬金術士がいないとインゴットが手に入らないので、稼働する事が出来ないのである。
ギルドは、最終手段としてこの魔道具を引き合いにして、国と対等の立場を主張してきたのである。これがギルドの実力と言わんばかりに大声で笑ってきたのである。
「まあ、すぐに結論を出す事はありませんよ!考える期間を2週間ほど与えましょう!まあ、考えても結論は一緒でしょうが!がはははははは!」
ギルドマスターは、勝ち誇ったように教会本部から、出て行ってしまったのである。
「聖女様……これではFreedomに引いてもらうしかないのでは?」
「ですが……そうなれば、聖教国は最低3年間は、衛生的に問題が出て疫病との戦いに……」
「それでも、町の結界がなくなれば民衆は、魔物からの危険にさらされる事となります!」
聖女は、天秤にかける事としたのである。ギルドを受け入れ、町の結界は維持できるが疫病と戦う事にするのか?
又、Freedomを招き入れて、疫病の対策は立てられるが町の結界が消えるのか。
聖女は病気になった時、今いる聖職者で町の人達を治療できるのか?それとも、スタンピードが起きた時魔物退治に特化したテンプルナイトに、スタンピードを止める事はできるのかと色々考えるのである。
だが、どう考えても町に重要なのは、結界がなくなるとどうにも立ち行かなくなるのである。テンプルナイトもスタンピードが起こったとしても、町の結界があって初めて対応できるのである。
ギルドを言う事を聞かそうとしても、Freedomを受け入れたら聖教国領を出ると言われれば、打つ手は無くなるのである。
そうなれば、冒険者や生産者、商人や行商人は聖教国に寄りつく事もなくなり、経済も停止してしまうのである。
聖女アリサは頭を悩ましたが、ギルドが聖教国から、いや……ギルドが国からいなくなるのは、メリットよりデメリットの方が多かったのだった。
そして、聖女達教会本部の人間達は、ギルドが立ち去って1週間会議した結果、どうにもならないと言う結論に達して、聖女と司教達でFreedom国に訪問し、支店を建てる件を断る事にしたのであった。
その後に、聖教国に支店を開くつもりであった。この事は早速、教会本部から町へと知らされたのである。
聖女アリサから、Freedomの商品を購入する様にと伝えられるのだが、これら商品の事は王都からの行商人のおかげで、噂が広まっていたのである。
そして、ずっと前からギルド受付嬢が本部に送り届けられた時期から、聖都の町のはずれに真っ白で綺麗な建物があり、誰も入れない建物があり隠れた名所となっていたのである。
その建物が、聖女からFreedomの支店だと聞かされた時には、聖都中が歓喜に溢れたのである。歓喜に溢れた理由は、女神クローティアの友人が治める土地に行けるからである。
少しでも御利益が受けれるのではないかという期待と、巷で噂になっている商品が、やっと聖都でも使える事にあったのである。
だが、これをよく思わないのはギルド総本部である。
「どうしたらいいのだ!とうとうこのギルド本部がある聖都にまで、Freedomが進出してくるぞ!」
「なんとしても阻止しなければ……」
「だが、どうやって?」
「Freedomが進出した町は、確かに発展はするがギルドは別だぞ……」
「わかっておる!」
「進出した町では、ギルドの発明品の保管庫やその他の魔道具は使い物にならなくなり、今や女性用の下着さえ売れなくなっておる!」
ギルド総本部は教会本部に、Freedomの進出を止めてもらおうと嘆願書を提出したが、町の衛生が悪くなる一方で、聖教国としてはすぐにでも進出して欲しいのが実状なのだ。ギルドの言い分も分かるが、聖教国としてはこのままだと、疫病が発症してもおかしくない状態なので、その嘆願書を棄却したのである。
「聖女様!お願いです……Freedomが進出してしまうと、我がギルドは経営困難となり潰れてしまいます!」
「ですが、このままでは聖教国は、汚染水を浄化できる人間が足りなくて、ケンジさんの便器に頼らなくてはどうしようもないのです!」
「でしたら、我々ギルドに依頼を出して貰えれば。Fランク依頼として、受けさせれば!」
「何を言っているのですか!公衆便所とは違い、下水道の一時貯水場はクリーンの魔法でないと、とてもじゃないですが無理です!」
「聖属性の適性を持った冒険者は少ないですが、そいつらを駆り出せば何とかなる!だから、聖教国にFreedomを進出させないでくれ!」
「聖職者が誕生するまで3年間……いえ、それ以上かかります!その間ずっと、その方たちに負担をかけるおつもりですか?」
「それで、我々ギルドがピンチにならずに済むなら!」
「馬鹿な事を言わないでください!その方達を使い潰すおつもりですか?」
「そんな事は考えてはおらん!聖教国で便利な魔道具開発をするつもりだ!そうすれば、Freedomが進出しなくても、やっていけるような地盤を作り上げるつもりだ‼」
「では、その計画書や魔道具の案を見せていただけませんか?それが本当に、有益なものなのか検討をしましょう!ギルドとも、今まで教皇との付き合いがあったし無下にはしません!」
「……」
ギルドマスターと幹部達は、聖女の企画書を見せてほしいと言う言葉に黙ってしまったのである。
「どうしたのですか?Freedomが進出するまでまだ余裕があるとはいえ、聖教国には余裕はないのです」
「いえ……それらの企画はこれから立てて行こうと……」
「それじゃ、話にもならないじゃないです!貴方達は自分の保身の為だけに、我儘を言っているに過ぎないじゃないですか!」
「だから、それはこれから考えるとしてですな!まずはFreedomの進出を止めることから……」
「そんな事言っている場合ではないのですよ!このままでは、疫病が蔓延してもおかしくないのです!魔道具にしても完成の目途が立っているのならまだしも、これから開発して何年かかると言うのですか?」
「Freedomの、便器に代わる浄化器はずっと研究してます!」
ギルドでは、便器や冷蔵庫がFreedomから販売されてから研究を続けていて、それに代わるものを開発しようとしていたが、ケンジが採掘した神鋼魔石に代わる、便利な物がどうしてもできなかったのである。
「研究していると言うのはわかります!ですが、それはいまだ完成に至ってはいないではありませんか。そのような事で、Freedomを進出させないというのは、めちゃくちゃではないですか?」
「めちゃくちゃでも、なんとでも言えばいい!Freedomが進出してくれば、本当にギルド総本部は立ち行かなくなる……なんとしてでも、聖女様には承諾していただかないといかんのだ!」
「そんなバカな事を……話にならない!もう、貴方達は帰ってください!ちゃんとした案を持ってくるなら、又検討しましょう!」
「本当に良いのですか?このまま私達を追い返して!」
「何を言っているのですか!まともな案も出さずして……」
「本来ならこんな事を言わずに、我々の言う事を承諾して頂きたかったのですがしょうがないですね」
ギルドマスターと幹部連中は、ヤラシイ笑みを浮かべニヤニヤしだしたのである。
「何勝ち誇っているのですか?強気に出られても、Freedomの商品より良いモノがなければ、決定は覆りませんよ!」
「そんな事言って、本当に良いのですかな?」
「何を言っているのです!」
「もしこのまま、マルシェイム聖教国にFreedomを進出させると言うなら、我々は聖教国と断絶させていただく!」
聖女アリサは、ギルド組織が何を強気に出ているのかわからなかった。別に断絶すると言うなら、気兼ねなくFreedomを招き入れる事が出来て、ちょうどいいとさえ思ったのだが、聖女の側近である司教が慌てて、アリサを大声で阻止したのである。
「聖女アリサ様!」
「司教なんですか?いきなり大声出して!」
「司教はどういうことかわかった様子ですなぁ~~~!」
「ギルドマスターどういう事ですか?」
「このままFreedomを招き入れると言うなら、我々は本拠地をヒューマン領から魔族の領地に移し、聖教国から断絶させていただき、町の結界は解除!そして2度と結界の仕事はしない!」
ギルドマスターは、声高々に宣言したのである。そして、聖女は町の結界が無くなると言う事に、顔を青ざめ冷や汗が流れたのである。
「聖女様!そんな事になれば、万が一スタンピードが起これば、マルシェイム聖教国はテンペの町の二の舞に……」
「ギルドマスター……貴方と言う人は!」
「なんとでも言えばいいさ!これ以上Freedomを、調子に乗らせる訳には行かないからのう!」
大陸中の町の結界は、ギルドが各国王に依頼され、インゴットを錬成し独自のシステムで稼働しているのである。
これらの技術はギルドの魔道具であり、錬金術士がいないとインゴットが手に入らないので、稼働する事が出来ないのである。
ギルドは、最終手段としてこの魔道具を引き合いにして、国と対等の立場を主張してきたのである。これがギルドの実力と言わんばかりに大声で笑ってきたのである。
「まあ、すぐに結論を出す事はありませんよ!考える期間を2週間ほど与えましょう!まあ、考えても結論は一緒でしょうが!がはははははは!」
ギルドマスターは、勝ち誇ったように教会本部から、出て行ってしまったのである。
「聖女様……これではFreedomに引いてもらうしかないのでは?」
「ですが……そうなれば、聖教国は最低3年間は、衛生的に問題が出て疫病との戦いに……」
「それでも、町の結界がなくなれば民衆は、魔物からの危険にさらされる事となります!」
聖女は、天秤にかける事としたのである。ギルドを受け入れ、町の結界は維持できるが疫病と戦う事にするのか?
又、Freedomを招き入れて、疫病の対策は立てられるが町の結界が消えるのか。
聖女は病気になった時、今いる聖職者で町の人達を治療できるのか?それとも、スタンピードが起きた時魔物退治に特化したテンプルナイトに、スタンピードを止める事はできるのかと色々考えるのである。
だが、どう考えても町に重要なのは、結界がなくなるとどうにも立ち行かなくなるのである。テンプルナイトもスタンピードが起こったとしても、町の結界があって初めて対応できるのである。
ギルドを言う事を聞かそうとしても、Freedomを受け入れたら聖教国領を出ると言われれば、打つ手は無くなるのである。
そうなれば、冒険者や生産者、商人や行商人は聖教国に寄りつく事もなくなり、経済も停止してしまうのである。
聖女アリサは頭を悩ましたが、ギルドが聖教国から、いや……ギルドが国からいなくなるのは、メリットよりデメリットの方が多かったのだった。
そして、聖女達教会本部の人間達は、ギルドが立ち去って1週間会議した結果、どうにもならないと言う結論に達して、聖女と司教達でFreedom国に訪問し、支店を建てる件を断る事にしたのであった。
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