月が導く異世界道中

あずみ 圭

文字の大きさ
496 / 551
七章 蜃気楼都市小閑編

混沌の応接室(豚)

 我がクズノハ商会新店舗には以前の店舗にはなかった数々の新機能がある!
 と戦隊もので時々ありがちな新アジトゲットの口上を思い浮かべる。
 説明しよう!
 とは続きはしないけどね。
 実際規模も間借りから独立した店舗に引越ししてるし。
 今僕が本日のお客様第一号を迎えているのは応接室(豚)、数ある応接室でも一番大きく設備も良い。
 他に鱗、網、森、翼がある。
 五つも商談可能な応接室があってフル回転している現状は偏にツィーゲの景気の凄まじさゆえ。
 そして何故か今日はその全部に顔を出す必要がある地獄日和です、と。

「ディオ君、エレンノービスなの?」

「はい」

「ハクさんは当然そのジョブの存在を知っていらっしゃると」

「名前はね。ただスキルまでは詳しくは知らないのよね」

「とりあえずダブルジョブってのとの関係を知りたいんですが……」

「だぶる……ジョブ?」

 ハクさんとディオ君を対面に座らせて話を切り出す。
 何でも珍しく荒野に出てたらしく、ハクさんも僕らに話があるとか。
 渡りに船とはこの事とすぐに時間を作ってこうなってる。
 ディオ君の方はエレンノービスになっていた事も知らないしダブルジョブについては冒険者ギルドどころかルトを含めてもさっぱり。
 知恵を借りたいと同席してるのが一見色っぽい踊り子だっていうんだから、何故自分がここにいるのかもわかってないだろうな。
 わかる。
 僕もそういう席が何度あった事か。

「です。ルトの奴、アズさんたちの誰とも連絡がつかなくて僕のとこに泣く泣く押し付けにきたんですよ」

「ディオ君がダブルジョブの資格を満たしたって訳ですか」

「ですです」

 さてどうやらエレンノービスとかってジョブはともかくダブルジョブは心当たりありそうだ。
 ラッキー。
 実に幸運である。
 ちなみにハクさんはいつも通りの恰好でいらっしゃった。
 僕の隣に座ろうとした彼女にテーブルの向こう側に行ってもらったのは、お茶を持ってきたのが澪だったからです。
 最近の商談で澪がわざわざお茶を運んでくるなんて、相当大きな商談で澪に直感による感想を聞きたくて事前にお願いするとかじゃなければ一割もない。
 でも女性が絡む商談、特に見知らぬ、あまり知らない女性が相手だと五割強で登場する。
 心配性なとこは中々治らないもんだ。

「……ダブルジョブってのは、行ってみれば特典です。冒険者への」

「特典? どんな行為に対しての?」

 聞けばディオ君は変異体になりかけた以外はただの優秀なヒューマンだ。
 何らかの実績か称号の獲得か。
 冒険者ギルドはそもそも向こうのMMOがベースになったシステムだ。
 ダブルジョブもその一つって事なんだろう。

「カンストですよ」

「カンスト。ジョブの行き止まりまでいくって事ですか?」

 カンストってのは言ってしまえばレベル上限、みたいなもんだ。
 カウントストップだったかカウンターストップだったかの略称。
 レベルなら99とか、ステータスなら999とか。

「ダブルジョブの取得条件はジョブツリーの全てを網羅する事。ライドウ君が思ってる通り、行き止まりまで行く事なんですが、少し違ってて。スキルの熟練度も最大までもっていくのが条件です。でエレンノービスというのは、言ってしまえばその行き止まりの一つでして」

「行き止まり。ってディオ君がですか!? 彼まだ二十やそこらで特に戦いに明け暮れたエキスパートでもないのに?」

 ツィーゲで修練している連中ですらまだ出た事のないダブルジョブの条件を初めて満たしたのがディオ君?
 あり得ない。

「ノービスは誰もがなる最初のジョブ。そこからノービスのままクラスアップしてなるのがエレンノービス。狙ってつこうと思わないと絶対になれないジョブでね」

「ノービスの次って。じゃソードマンとかと同じ階層のジョブなのに、ラストなんですか? そりゃまた、奇っ怪な」

「……一応。ええ一応ね。こほん、あ・な・たよりは、普通よ?」

「……うす」

 レベル1商人ですみません。

「エレンノービスのスキルを取得しきって熟練度も上げ切ったんでしょうね、ダブルジョブ出現の理由はそれしか考えられない」

「……ダブルジョブを受け入れるデメリットは?」

「何もないわね。だって特典だもの。名の通り、もう一回ジョブを選択しクラスアップしていけるのがダブルジョブ。エレンノービスとそのスキルについては保持したまま。能力への補正もそのまま。ディオ君」

「は……はい!」

「安心して恩恵を受けて大丈夫よ。何となくでももう可能性は考えていたでしょうし、もし決めているならギルドにいって新しいジョブを手に入れてくると良いわ」

「そう、だね。ディオ君、行っといで」

「……わかった。俺が知るべき事、知って良い事はライドウ殿にお任せする。今は目の前の事に尽力する事をお許し頂きたい。失礼す、失礼します!!」

 聡い子だな。
 確かに少し話しにくい事をハクさんに確認しようとしていた。
 でも、察していながらも大人しく従う器量も持ってる。
 確かに、ルトじゃないけど、良い子だな。
 ジンたちと違ってあまり捻くれてない。
 持ち前の性格はもちろん、育ちも良いんだな。
 育つ環境だけだとこれでレンブラント姉妹の過去バージョンみたいなジン曰く凄いの、が出来上がる事もあるようだし。

「エレンノービスのスキルはどれもそこまで熟練度を必要としないの。剣技と体技、回復魔術と攻撃魔術と支援魔術、屋台程度の商売スキル、日々の手入れ程度の道具スキル、出来合いのポーション同士を混ぜるような錬金スキル」

「完全にお試しスキルの羅列って感じですね」

「エレンノービス専用の装備というのもあってね。今となっては世間からも忘れられているものばかりだけど、戦闘能力自体はそこそこにある、と言えない事もなくって。やーでも傍目には確かにライドウ君が言ったようにお試しジョブ、正直私の前言を翻す事になるけどセカンドとかサード垢用の余興ジョブに近いのは確かねー」

「にしてもです」

「……うん」

「すべてのスキルの熟練度、という条件がどれだけ大変かはわかりませんが。満たせるものですか、普通の範疇の中で生きてきたヒューマンの青年に」

「まず無理。彼って……」

「ロッツガルドでどういう経緯かはわかりませんが魔族の策に落ちて一度は人で無くなった一人です」

「あー……確か変異体事件だっけ。聞きかじり程度だけど概要はわかる」

「それですね」

「可能性はそれこそ幾つもあるけど……一番はライドウ君だってわかってるんじゃない?」

「やっぱり、そうなりますか」

「ロッツガルド学園って場所はエレンノービスには良くも悪くも最高の環境だもの。熟練度だって稼ぎ放題よ……いわゆるPKプレイヤーキルってのを、おっと。PKはちと不謹慎だわね。人殺しを厭わないなら最高効率でカンストが狙える場所と言えるわ。いろんなタイプの修練を積んだヒューマンがわんさかいるんだもの」

「熟練度というのは……その方が稼ぎの効率が良いと」

 経験値や熟練度を稼げる狩場だと考えれば、ゲームなら頻繁に通うプレイヤーが多くても不思議はない。
 メリットが多ければPKをするプレイヤーだってルール内での事だもんな。
 実際に人を手にかけるとは次元が違う話なのは言うまでもない。

「経験値とは少し違うのは確か。普通に魔物や精霊を狩るよりは、効率は良いわね」

 ハクさんは淡々と僕の質問に応えてくれる。
 ディオ君、ディオは完全な変異体にはなっていない。
 だがずっと正気のまま変異体を抑え込み続けた訳でもない。
 司教のシーマさんの前で変異しかけたのだって初めての事じゃないのはあの時の彼女の反応でわかってる。
 つまり、完全には変わりきらずとも……いったりきたり、衝動に身を任せて意識を失った事は何度かあったかもしれないって事だ。
 当然そのたびに彼の犠牲者は増えただろう。
 商人か、冒険者か、学園生か。
 いずれにせよ人だ。
 戦士なり魔術師なり商人なり、己の道を研鑽してきたヒューマンや亜人だ。
 物凄く好意的に考えれば変異体になりかけるたびに謎の判定がなされスキルの熟練度が勝手に上がっていったという説もあるけれど、やはり説得力に欠ける。
 ディオのレベルは彼の自己申告よりもかなり上がっていて、学園に在籍しているのは不自然なほどの領域に達していたから。
 記憶にもないのに人殺しになっていた、か。
 何とも……重い。

「助かりました。これでエレンノービスの件もダブルジョブの件もルトにそれなりの報告は出来そうです」

 お互い同じような事を考えていたのか。
 少しばかり重い空気の沈黙を破って、僕はハクさんに礼を言う。
 
「いーのいーの! にしても、そっか。ダブルジョブって今の今まで出てなかったんだねー……」

「みたいですね。ジョブツリーの最後までいく事すら難しいんですから無理もないって気もしますが」

「……かもね」

「ハクさん? そういえばそちらも僕に話があるとか聞いてますけどご用件って」

「実はね、私たちの中でアズさんと緋綱だけは二つ目の能力までギルドに関係してるんだ」

「?」

「知っての通り、死に瀕した時や心から力を欲した時。私たちはあの能力を作る空間に飛ぶじゃない?」

「……ええ」

 能力を作る、空間?

「そこで得る能力はどうやっても継承できない個々の力。んでもアズさんと緋綱だけは獲得時期もあって自分だけじゃなくギルド全体に恩恵のある能力を創生した」

「……どんな、ものを?」

 能力の創生。
 自ら望む力を作る事が出来る場所?
 知らない。
 僕はまだそこを知らない。
 先輩や智樹は急激に力をつけた時期があったようだから、それの事だ。
 だが、具体的な方法はわからない、曖昧なまま。

「ダブルジョブ。アズさんはそれを己の二つ目の能力に選んだ。で、後に条件付けをしてギルドの中に組み込んだ。思えばギルドに組み込んで使える後付け可能な能力としてそれを選んだのかもしれない。騎士を極めたあの人はテイマーとしての頂きに辿り着いて今あの有様」

「あの人についてはその他の方が滅茶苦茶であんまり驚けません」

「だねえ。で、緋綱は符術。陰陽道みたいな新たな術式を創生したあの子は、アズさん同様その力を後の冒険者たちも扱えるようにギルドの中にそれを埋め込んだ。まだローレル以外だと符術使いのジョブやその道筋は解明されてないけど、いずれは世界中に行き渡るんだろうね」

「……」

 符術か。
 確かにこの世界の魔術と全くコンセプトが違ってた。
 符術の祖、か。
 なるほど、初代巫女は伊達じゃないな。

「で、アズさんじゃないのに君は魔獣に共通語を教え込んじゃうし」

「……へ?」

 いきなり僕の話!?

「あんな馬鹿気た事思い付いて実行しちゃうほど行動力溢れる子にはみえなかったのに、誤算よ……。それにどこにいたのか、あんな強烈で強力な魔獣。彼を素養は感じるけれど今はあまりにも未熟すぎるテイマーにさっさと預けちゃって、もう。思わず助力しちゃってるけど……問題かしら?」

「いや、むしろラッキーですが。ハクさんが見てくれるなら始末屋を護衛につける必要もなかったですかね」

「ううん。あの子たちはそれなりに危うい状況にいる。しばらくは私が見ていてあげられるけど、気にかけていた方が良いと思うわ」

「万が一を考えてアルパインにもフォローをお願いしてます。テイマーの実態を調べてみたんですがちと酷い有様で……あのバレッタって子には期待してるんですよ」

 魔獣は消耗品の弾くらいにしか思ってないのが常識、みたいな価値観だもんな。
 もっと愛でろ相棒を、と強く言いたい。

「それも同感ね。共闘するって意識も一蓮托生って感覚もあまりになさすぎるもの。クラスアップすれば命名変更が可能になるから、ひとまずそこから手をつけていくつもり。仮初めとはいえ師になったからにはあの子をまともなテイマーの見本になるよう鍛えなくちゃね。ライドウ君の了承がもらえて良かったわ」

「こちらこそ心強い援軍です」

「ブロンズマン商会の代表にも成り行きで収納スキルの事を漏らすヘマもしちゃうし。私もまだまだ寝ぼけてるわねー」

「収、納?」

「……」

「……」

「……じゃ! また!」

「!? いや最後の僕聞いてませんけど!? 今日まさにその人に会うんですけどぉぉ!?」

 収納スキルってなに!?
 マジックバッグみたいなのをスキルでも出来るの?
 なにそれ超便利じゃん。
 じゃなくてだ!
 ハクさん、カムバーーック!
 しかし脱兎のごとく退室した彼女が戻ってくる事はなかった。
 
感想 3,662

あなたにおすすめの小説

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!! 2巻2月9日電子版解禁です!! 紙は9日に配送開始、12日発売! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です