文字の大きさ
大
中
小
50 / 551
4巻
4-2
モリスの僅かな口調の変化に気付いたレンブラントが、発言を割り込ませる。
「ん、娘たちのことか。医者の言葉では、全快するのは順調にいって二ヶ月から三ヶ月先だそうだ」
「恐れ入ります。では準備もそれに合わせて進めます」
質問を読まれたモリスが、レンブラントの答えに頭を下げる。
「うむ、そろそろ動くか」
「……ステラの件、王国への報告はいかがしましょう」
「……よい、ほっておけ。今回の奪還戦は四大国の総意だろう、既に把握しているだろうさ」
「かしこまりました。しかし、復学の準備……まさかこのような日がこようとは……。思えば、ライドウ様を学園に、というのもお嬢様方のお願いでございますなあ」
「……うむ。ところで、アレらは、その、ライドウ殿に惚れている、のか?」
父親としての複雑な感情を必死に隠すように、レンブラントはモリスに尋ねた。
ライドウはレンブラント家にとって命の恩人ではあるが、これまで悪い虫がついたことのない娘二人が関心を寄せている異性の人物ともなれば、悩むのも無理はない。
彼の娘二人は正気を失った状態だったにもかかわらず、ライドウを覚えていたのか、声を揃えて彼のことを知りたがった。
とはいえ、レンブラント自身も大して情報を持っているわけではなく、詳しい話はできなかった。ツィーゲを拠点にするつもりはないということはわかっているので、長く街に滞在するわけではないようだと伝えた。
すると、妻のリサを含めた三人全員に、お礼を言うまではライドウをツィーゲに引き留めてくれと頼まれたのだった。しかし都合がつかず、妻と娘たちとライドウの対面は、まだ果たされていない。
やがて娘たちは学園への復学を口にし、モリスからライドウが新米の商人だと知らされるやいなや、ぜひ、自分たちも通うロッツガルドにある学園への入学を勧めて欲しいとレンブラントに頼んだのだ。
さすがに過ぎたお願いだ。
レンブラントは、娘たちが自分の想像以上にライドウに入れ込んでいるのではないかと考えを改めた。
だが、彼は子煩悩な上に愛妻家である。
娘二人から真剣に頼まれ、妻からも口ぞえされればこの世の法も道理も関係ない。
つまりは、にかっと笑って快諾してしまったのだ。
これが、レンブラントがライドウにロッツガルド学園入学を勧めた経緯だった。
時を同じくしてライドウが自分から学園都市に行きたいと言ってきたので、レンブラントは学園に手を回すだけで、彼の学園行きを進めることができた。
「私から申し上げられることは何も。ですが、お二方ともライドウ様に並々ならぬ関心をお持ちなのは間違いないかと」
「関心、か。そうだな……なんせ似顔絵を見せてなお、態度が変わらなかったくらいだからな」
(彼が仮面を外した時、失礼な話だがその外見のブサイ、いや不出来、残念……、いや、うーん。そう、その強烈な個性に言葉を失ったものだ)
レンブラントが最愛の家族をあのような形で傷つけられていなければ、ライドウの容姿にもっと容赦のない言葉を浴びせたかもしれない。
しかし、彼の家族への愛は、妻や娘の姿が醜く変じても不変だった。
そうした経緯もあって、レンブラントはライドウに対しても、亜人レベルならそんな容姿の者などいくらでもいるのだからと思うことにした。
むしろ、あの外見では商売上ハンデを抱えることになるだろうと、ライドウに同情さえしたほどだった。
(娘たちも、呪病で自分の姿が崩れていくのを目の当たりにして、容姿への感覚が変わったのかもしれんな。以前は姉妹揃って面食いの傾向が強かった。今の私なら娘たちの変化も良いものと受け止められる、が)
まずは状況に身を委ねてみることにするか。
レンブラントはそう思うことにした。
「尊敬か、感謝か、それとも思慕、恋慕なのか。お嬢様たちも思春期です。答えは未だ誰の中にもないのやも」
「上手いことをいう」
優秀な執事を褒めるレンブラント。
モリスに任せて失敗に終わったことは殆どなかった。
レンブラントにとって実に頼れる、心強い存在。
そう、殆ど。
だから、この時もレンブラントは確認しなかった。
油断である。
ツィーゲで最も力を持つと目されている切れ者商人レンブラントの、滅多にない油断。
後日。
モリスが作成した、ロッツガルド学園に提出するライドウ関連の提出書類の控えに、誤記が見つかった。
ライドウ、合掌。
◇◆◇◆◇
巴と澪は即座に異変に気付いた。
その、喪失感を伴う大きな異変は突然訪れた。
彼女らの主であるライドウこと、真が学園都市に向けて旅立って三日目。
唐突に、真との繋がりが絶たれたのである。
だが、二人の体に変調はない。
真と支配の契約によって結ばれている彼女らにとってそれは、最悪の事態ではない。
依然契約は継続されている。
「なんじゃ!?」
「若様!?」
真の従者である巴と澪はお互いの顔を見つめ、その感覚が自分だけのものなのかどうかを確かめる。
そして瞬時に相手も自分と同じであることを知った。
ここはツィーゲからやや離れた細い街道。
黄金街道ではない、普通の道だ。
真の命によって、巴と澪の両名は海を目指して北にのんびりと旅をしている最中だった。
ツィーゲから港町までの距離を測ると同時に、可能ならその港町に亜空と行き来できる霧の門を作る。
それが彼女達の目的だった。
ついでに道中に点在する村や、付近の地理情報を集めて周辺地図の作成に役立てる、というのもあるのだが、二人にとっては物見遊山の色が濃い旅である。
巴達に先立って同じ道を旅している森鬼たちに、情報収集の任務を任せているのだった。
ちなみに森鬼とは、巴が作り出した異空間である亜空に住んでいる亜人の一種である。
先々で二人と合流する予定の彼らは道無き道を進み、情報をくまなく収集し、宿泊予定地で二人を待つことになっている。
「澪、お前も感じたんじゃな!?」
「ええ、若様の存在が全く感じられなくなりました!!」
真には言ってないが、実は契約を結んだ主が今どこにいるのか、従者にはその大体の位置がわかるのだ。
巴も澪も、基本的には彼の学園都市への旅を邪魔しないように接触しないが、位置は常に把握していた。
さらに、今日中には学園都市に入ることができるだろう、と真に同行しているもう一人の男性従者、識から報告があった。
これらの情報で二人は――特に澪は――真の不在による寂しさを慰めている。
(巴殿、澪殿、聞こえますか!? ま、真様が消えてしまわれました!!)
焦りを感じる二人に、丁度良いタイミングで識から念話が入った。
念話とは、この異世界で日常的に用いられる、電話のような術のことである。
新参の身でありながら真の供に選ばれた彼は先輩二人を良く気遣い、今のところは上手く付き合っている。
既に二人が試していた巴、澪から真への念話は反応がなかったために、識からの知らせはありがたかった。
(消えたじゃと!? どういうことじゃ、識。落ち着いて、わかるように詳しく申せ)
(識、識!! 若様は? 若様は!?)
(ええい、澪! 少し黙らんか。今それを聞いておる。お前が五月蝿いと先に進まぬ!)
新たに現れた情報源に、澪は一番聞きたいことをそのままにぶつけてしまう。
識の様子から、彼もまた冷静ではないと感じた巴は、自身の感情を抑え込んで隣で喚く澪を宥める。
(……識、消えたと言ったな。まず、お前は今どこにおるのじゃ? 今日、どこまで進んでおった?)
(私と若様は……学園都市まであと転移二回の位置にあるフェリカという街へ向かうため、その一つ前の街、オビットで転移魔法陣に乗ったところまでは一緒におりました。ですが、転移魔法陣でフェリカに到着したのは私のみで、真様がいませんでした。すぐに戻ったのですが、街中に真様は見当たらず、そしてどちらの街の陣の係員も姿を見ていないと)
(それは確かか?)
(はい。私も狼狽しておりまして、少々強引な方法で口を割らせましたので、虚言とは考えられません)
識が珍しく自らの焦りを口にする。
学者、研究者然としている彼は常に落ち着いた態度で、冷静に事態を見ることができる。
その識が、主の姿が突如として消えた異様な事態に落ち着きを失っていた。
(若との繋がりは?)
(……それが、姿が消えてしばらくして突然切れたようになり、今は何も感じません)
(お前もか。儂と澪もじゃ。じゃが、少なくともお前は儂らより事態についての情報を持っておるのは確か。良いか、できる限り落ち着いて、若がいなくなった前後のことを思い出せ)
巴は逸る心を抑え、識から情報を引き出そうとする。
彼と同じように自分も焦って急がせては、結局なにもわからないままになってしまう恐れもあるからだ。
識を問い詰めてやりたかったが、巴は真の為に耐えた。
(わ、わかりました)
(前の街に戻っている可能性も、先にフェリカに到着している可能性もないんじゃな? 強引な方法といったが……暗示か催眠の類か?)
(その通りです。後遺症のことなど考えず問答無用でやりましたから、嘘を吐けるはずはありません)
(わかった。となると、転移の準備、または最中に何かがなかったか?)
識が強力な暗示を用いたことを、巴は責めなかった。
本来であれば思慮に欠ける行いだが、識も、そして巴も名も知らぬヒューマンに後遺症が残ることなど、どうでもいいことだった。
識の心を乱さないための配慮でもなんでもなく、彼のとった強引な方法について、巴は完全にスルーした。
(識! いいからとにかく若様を探しなさい! お前の場所からなら何か痕跡があるでしょう!? ありますね!? 見つけなさい今すぐ!!)
完全に取り乱している澪が騒ぐ。
(澪、もう少しじゃから大人しくせい! 識、こやつは気にせずゆっくり思い出せ)
(転移の準備、最中といわれましても……そこからはただ待つばかりで、あとは光に包まれて……あ)
転移魔法陣を利用する際のお約束の進行を思い出していた識が、何かに気付いた。
(うむ! 何か引っかかることがあったか!?)
巴がここぞと聞き返す。
(光、転移の光がいつもと少し違ったような気がします。微かにですが……そう、いつもの水色に金色が混ざったような……)
(金、か)
(あと、僅かですが、ざらついた、妙な違和感があった気がします。申し訳ありません。私の感覚的なものなのですが。しかし私はちゃんとフェリカに到着したので、転移魔法陣に問題があったわけではないのは明らかですよ?)
(……)
識の発言を聞き、巴が沈黙する。
(巴殿?)
金色。
その色は、この世界では特殊な意味を持つことがある。
魔力が金色を帯びる、というのはただごとではない。
何か強大な力が、この出来事に関与している可能性が出てきたのだ。
固有の魔力の色に金色を持つ存在は、巴の知る限りではこの世界で二人だけ。
一人は彼女と同じ上位竜の一角。
そしてもう一人は……神。
少なくとも、人や亜人が操る魔法に宿る色ではない。
(金、金か。その色の変化の他に覚えていることはないか?)
(いえ、特には。一瞬のことでしたし、あくまで私的な感覚でしたので……)
他人の作った転移魔法陣の術式に、それも発動後に一瞬で割り込みをかけ、更に二人の転移対象者のうち一人だけを攫う。
これを意図的に行ったとすると、その力は相当なものだ。
魔力量もさることながら、魔法そのものへの理解が深い者の仕業。
巴の想像した二つの存在が真を連れ去った犯人である可能性が彼女の中で濃くなった。
(識、今から問題の転移魔法陣を探れるか?)
(難しいです。既に我々以外の者が使っていますので)
(そうか……。ならば識、お前は予定通り学園都市に向かえ。若が提出する予定の書類はお前が持っておるんじゃったな? それを先に出しておけ。それに、お前が学園におれば、若は直接そちらに飛べる。再びツィーゲから転移しては、若に対していらぬ疑いを持たれる可能性もある)
(そんな! 若様の安否さえわからぬのに私だけが先に行くなど!)
(そうですよ巴さん! 識は若様の一番近くにいたんですよ!? 何を考えているんですか!)
巴の発案に識ばかりか澪も反論した。
(転移魔法陣は使用の痕跡が残る。その中で若とお前は跡を残してロッツガルドに向かっている。お前は、係員や街の住民にお前が若と一緒にいる暗示を掛けてそのままロッツガルドまで進め)
真の無事が確認されているなら巴の意見は案として間違いではない。が、状況に即していないように感じた澪は不満そうな顔をしている。
(……若様は無事だと?)
識が訝しげに尋ねる。
(識!? そんな保証などどこにありますか!)
(……澪、若は攫われたと見るべきじゃ。そしてその犯人、儂には二人まで絞れる。おそらくな)
(な!)
澪が巴の言葉に驚きを返す。
(識が口にした金色の光とざらついた違和感。それらが正しいと仮定しての場合じゃがな。じゃが、儂らにはこれ以上推理できる材料もないし、かといってこのまま何もしない訳にもいかぬ)
(当然です!!)
澪が巴の言葉の後半に、強く賛同した。
このまま事態の推移を見守るなど、今の澪にできるはずもない。
(若との契約自体は生きておるから、この状態は攫われた先で我らとの繋がり、例えば外部との接続を阻むといった妨害が施されていると考えるのが妥当じゃろう。そして金色の魔力と、転移魔法陣への割り込みから儂が考えている犯人は二人。一人は『万色』と呼ばれる上位竜ルト。もう一人は……女神じゃ)
本来の巴なら、もっと他の可能性を含めた考察ができたであろうし、結論も違っていたかもしれない。
即座に二つの可能性に絞るのは彼女には珍しいことで、それだけ巴の視野が狭まっている証でもあった。
(上位竜に、女神ですか。金色の魔力ならば確かにありえることではありますが、しかし女神がこのような真似をするとは……)
少し冷静さを取り戻した識が、巴の発言に疑問を投げかける。彼の中にある女神は、少なくともこのような無体な暴挙を働くものではない。
ヒューマンであった頃の女神観が残っているのか、識は女神に対して神々しいイメージを有していた。
(ルトへは儂が連絡をつける。が、もし奴ではなく女神の仕業だとすれば……残念ながら現状で儂らができることは殆どない)
(そんな!)
悔しさが滲んだ巴の言葉に、澪が非難の声を向ける。
(じゃから、各々にできることをして若を待つ。識は予定通り学園都市に向かい、そこで若を待て。まだ独力で亜空に出入りできんお前には歯痒いじゃろうが、それ位しかできることはない)
(ぐ、むっ!! しかし! しかし巴殿! 近辺を捜索するなど、やってみてはいけませんか!? まだ女神や竜の仕業と決まった訳でもありません!)
(それは……いや、そうじゃな。……わかった、フェリカ周辺を捜索してみよ。終わったら学園都市を目指し、そこでもお前なりの捜索をしてよい)
(わかりました!)
力強い返事を残し、三人で交わしていた念話から識が外れる。
「澪、聞いておったな。識はあのように、儂はルトのもとに急ぐ。お前は――」
「ええ、巴さんと一緒に行きますわ!」
巴の言葉が終わるのを待たず、勢いよく答える澪。
「いや、亜空に戻って待機していて欲しい」
「嫌です! ルトやらの仕業ならばその場で、この手で、己の愚行を思い知らせてやります!」
「駄目じゃ」
「駄目もお留守番も嫌です!! どうして――!」
今度は巴が澪の悲痛な叫びを遮る。
「もしも! もしも女神の仕業なら、さっきも言ったが儂らにできることは殆どない。神を相手に先手を打たれて若の場所もわからんとなっては完全にお手上げじゃ。どんな妨害かは知らんが加勢も封じられておる。既に儂らは負けておるんじゃ」
「殆ど、というなら何かやれることはあるのでしょう!? それを教えなさい!」
完全に取り乱す澪。
だが、彼女が取り乱しているから、巴は冷静になることができた。
焦って感情のままに振舞ってくれた澪を見て落ち着きを取り戻せた巴は、内心彼女に感謝すらしていた。
「……信じること、祈ることじゃ。若ご自身が儂らを呼べる状況を作り出してくださるか、さもなければ自力で脱出してくださるかをな」
「そんな……きっと若様だってご自分の状況に混乱しておいでなのに、そんな……」
澪は悲壮な表情で巴を見る。
「……もし独力で逃げ出されるならその行く先は……わかるな?」
「亜空……」
澪が呟く。
「そうじゃ。その時若が傷を負っておられたりしたら介抱するものが必要になろう。治癒に長けた識が一番じゃが、奴を亜空へ連れ戻す手間も今は惜しい。頼む」
「巴さん……」
頼む。
そう最後に口にした巴の手が、食い込むほど握りこまれているのを見た澪は、巴の名を弱々しく呟く。
「儂とて、正直どう扱ってよいかわからぬ感情が内で暴れまわって叫びだしたい気分よ。本当は二日三日かけてでも識の奴を呼び戻して最悪の事態に備える方が良いのかもしれぬ。じゃが、一方で儂の仮定が実は全て間違っていて、若はフェリカ周辺で悪戯をしながら昼寝でもしておられるかも、と願ってもおるのじゃ」
「……」
澪は黙って巴を見つめる。
「怖い、どうしようもなく。こんなことは生まれて初めてじゃ。真様を失うことが恐ろしくて仕方ない。それも、こんな不意打ちでなど、到底納得もできぬ。もし、ルトが真様を攫った張本人なら、事情など聞かず問答無用で血祭りにして若と帰ってくるさ。儂よりも格上じゃが、知ったことか」
巴が真を若ではなく、真様と呼んだ。
巴から、いつもの芝居がかった飄々とした雰囲気が、抜け落ちていた。
「わかり、ました。私は……若様を亜空で待ちます。もしこちらに戻られたらすぐに知らせますわ」
「ああ、よろしく頼む。その時は瞬時に戻る。ふふ、亜空に戻ってくださるのが一番嬉しいし安心できることだが、そうなると識の奴は完全に無駄骨になってしまうのう」
巴が弱さを見せたのは一瞬だった。すぐに普段の調子に戻り、澪に語りかける。
「新参の分際で若様のお供をさせてもらっているんですもの。そのくらいは我慢してもらいますわ」
互いに行動を開始するために別れる直前、巴と澪は笑ってみせた。
主人を信頼して待つ。
それはとても辛いことだ。
信頼して待つ、と言えば聞こえはいいが、要は手を出すことができず、ただ経緯を見守ることしかできないということでもあるから。
だからこそ、その不安を打ち消す為に二人は笑ったのだ。
亜空へ向かうため、巴が生んだ霧の門をくぐる澪の顔に浮かんだ苦悶の表情が、そのどうしようもない状況を如実に物語っていた。
「若、どうかご無事で」
自らも戦闘になるかもしれない巴は、それでも真の身を案じ、その場から消え去った。
「ん、娘たちのことか。医者の言葉では、全快するのは順調にいって二ヶ月から三ヶ月先だそうだ」
「恐れ入ります。では準備もそれに合わせて進めます」
質問を読まれたモリスが、レンブラントの答えに頭を下げる。
「うむ、そろそろ動くか」
「……ステラの件、王国への報告はいかがしましょう」
「……よい、ほっておけ。今回の奪還戦は四大国の総意だろう、既に把握しているだろうさ」
「かしこまりました。しかし、復学の準備……まさかこのような日がこようとは……。思えば、ライドウ様を学園に、というのもお嬢様方のお願いでございますなあ」
「……うむ。ところで、アレらは、その、ライドウ殿に惚れている、のか?」
父親としての複雑な感情を必死に隠すように、レンブラントはモリスに尋ねた。
ライドウはレンブラント家にとって命の恩人ではあるが、これまで悪い虫がついたことのない娘二人が関心を寄せている異性の人物ともなれば、悩むのも無理はない。
彼の娘二人は正気を失った状態だったにもかかわらず、ライドウを覚えていたのか、声を揃えて彼のことを知りたがった。
とはいえ、レンブラント自身も大して情報を持っているわけではなく、詳しい話はできなかった。ツィーゲを拠点にするつもりはないということはわかっているので、長く街に滞在するわけではないようだと伝えた。
すると、妻のリサを含めた三人全員に、お礼を言うまではライドウをツィーゲに引き留めてくれと頼まれたのだった。しかし都合がつかず、妻と娘たちとライドウの対面は、まだ果たされていない。
やがて娘たちは学園への復学を口にし、モリスからライドウが新米の商人だと知らされるやいなや、ぜひ、自分たちも通うロッツガルドにある学園への入学を勧めて欲しいとレンブラントに頼んだのだ。
さすがに過ぎたお願いだ。
レンブラントは、娘たちが自分の想像以上にライドウに入れ込んでいるのではないかと考えを改めた。
だが、彼は子煩悩な上に愛妻家である。
娘二人から真剣に頼まれ、妻からも口ぞえされればこの世の法も道理も関係ない。
つまりは、にかっと笑って快諾してしまったのだ。
これが、レンブラントがライドウにロッツガルド学園入学を勧めた経緯だった。
時を同じくしてライドウが自分から学園都市に行きたいと言ってきたので、レンブラントは学園に手を回すだけで、彼の学園行きを進めることができた。
「私から申し上げられることは何も。ですが、お二方ともライドウ様に並々ならぬ関心をお持ちなのは間違いないかと」
「関心、か。そうだな……なんせ似顔絵を見せてなお、態度が変わらなかったくらいだからな」
(彼が仮面を外した時、失礼な話だがその外見のブサイ、いや不出来、残念……、いや、うーん。そう、その強烈な個性に言葉を失ったものだ)
レンブラントが最愛の家族をあのような形で傷つけられていなければ、ライドウの容姿にもっと容赦のない言葉を浴びせたかもしれない。
しかし、彼の家族への愛は、妻や娘の姿が醜く変じても不変だった。
そうした経緯もあって、レンブラントはライドウに対しても、亜人レベルならそんな容姿の者などいくらでもいるのだからと思うことにした。
むしろ、あの外見では商売上ハンデを抱えることになるだろうと、ライドウに同情さえしたほどだった。
(娘たちも、呪病で自分の姿が崩れていくのを目の当たりにして、容姿への感覚が変わったのかもしれんな。以前は姉妹揃って面食いの傾向が強かった。今の私なら娘たちの変化も良いものと受け止められる、が)
まずは状況に身を委ねてみることにするか。
レンブラントはそう思うことにした。
「尊敬か、感謝か、それとも思慕、恋慕なのか。お嬢様たちも思春期です。答えは未だ誰の中にもないのやも」
「上手いことをいう」
優秀な執事を褒めるレンブラント。
モリスに任せて失敗に終わったことは殆どなかった。
レンブラントにとって実に頼れる、心強い存在。
そう、殆ど。
だから、この時もレンブラントは確認しなかった。
油断である。
ツィーゲで最も力を持つと目されている切れ者商人レンブラントの、滅多にない油断。
後日。
モリスが作成した、ロッツガルド学園に提出するライドウ関連の提出書類の控えに、誤記が見つかった。
ライドウ、合掌。
◇◆◇◆◇
巴と澪は即座に異変に気付いた。
その、喪失感を伴う大きな異変は突然訪れた。
彼女らの主であるライドウこと、真が学園都市に向けて旅立って三日目。
唐突に、真との繋がりが絶たれたのである。
だが、二人の体に変調はない。
真と支配の契約によって結ばれている彼女らにとってそれは、最悪の事態ではない。
依然契約は継続されている。
「なんじゃ!?」
「若様!?」
真の従者である巴と澪はお互いの顔を見つめ、その感覚が自分だけのものなのかどうかを確かめる。
そして瞬時に相手も自分と同じであることを知った。
ここはツィーゲからやや離れた細い街道。
黄金街道ではない、普通の道だ。
真の命によって、巴と澪の両名は海を目指して北にのんびりと旅をしている最中だった。
ツィーゲから港町までの距離を測ると同時に、可能ならその港町に亜空と行き来できる霧の門を作る。
それが彼女達の目的だった。
ついでに道中に点在する村や、付近の地理情報を集めて周辺地図の作成に役立てる、というのもあるのだが、二人にとっては物見遊山の色が濃い旅である。
巴達に先立って同じ道を旅している森鬼たちに、情報収集の任務を任せているのだった。
ちなみに森鬼とは、巴が作り出した異空間である亜空に住んでいる亜人の一種である。
先々で二人と合流する予定の彼らは道無き道を進み、情報をくまなく収集し、宿泊予定地で二人を待つことになっている。
「澪、お前も感じたんじゃな!?」
「ええ、若様の存在が全く感じられなくなりました!!」
真には言ってないが、実は契約を結んだ主が今どこにいるのか、従者にはその大体の位置がわかるのだ。
巴も澪も、基本的には彼の学園都市への旅を邪魔しないように接触しないが、位置は常に把握していた。
さらに、今日中には学園都市に入ることができるだろう、と真に同行しているもう一人の男性従者、識から報告があった。
これらの情報で二人は――特に澪は――真の不在による寂しさを慰めている。
(巴殿、澪殿、聞こえますか!? ま、真様が消えてしまわれました!!)
焦りを感じる二人に、丁度良いタイミングで識から念話が入った。
念話とは、この異世界で日常的に用いられる、電話のような術のことである。
新参の身でありながら真の供に選ばれた彼は先輩二人を良く気遣い、今のところは上手く付き合っている。
既に二人が試していた巴、澪から真への念話は反応がなかったために、識からの知らせはありがたかった。
(消えたじゃと!? どういうことじゃ、識。落ち着いて、わかるように詳しく申せ)
(識、識!! 若様は? 若様は!?)
(ええい、澪! 少し黙らんか。今それを聞いておる。お前が五月蝿いと先に進まぬ!)
新たに現れた情報源に、澪は一番聞きたいことをそのままにぶつけてしまう。
識の様子から、彼もまた冷静ではないと感じた巴は、自身の感情を抑え込んで隣で喚く澪を宥める。
(……識、消えたと言ったな。まず、お前は今どこにおるのじゃ? 今日、どこまで進んでおった?)
(私と若様は……学園都市まであと転移二回の位置にあるフェリカという街へ向かうため、その一つ前の街、オビットで転移魔法陣に乗ったところまでは一緒におりました。ですが、転移魔法陣でフェリカに到着したのは私のみで、真様がいませんでした。すぐに戻ったのですが、街中に真様は見当たらず、そしてどちらの街の陣の係員も姿を見ていないと)
(それは確かか?)
(はい。私も狼狽しておりまして、少々強引な方法で口を割らせましたので、虚言とは考えられません)
識が珍しく自らの焦りを口にする。
学者、研究者然としている彼は常に落ち着いた態度で、冷静に事態を見ることができる。
その識が、主の姿が突如として消えた異様な事態に落ち着きを失っていた。
(若との繋がりは?)
(……それが、姿が消えてしばらくして突然切れたようになり、今は何も感じません)
(お前もか。儂と澪もじゃ。じゃが、少なくともお前は儂らより事態についての情報を持っておるのは確か。良いか、できる限り落ち着いて、若がいなくなった前後のことを思い出せ)
巴は逸る心を抑え、識から情報を引き出そうとする。
彼と同じように自分も焦って急がせては、結局なにもわからないままになってしまう恐れもあるからだ。
識を問い詰めてやりたかったが、巴は真の為に耐えた。
(わ、わかりました)
(前の街に戻っている可能性も、先にフェリカに到着している可能性もないんじゃな? 強引な方法といったが……暗示か催眠の類か?)
(その通りです。後遺症のことなど考えず問答無用でやりましたから、嘘を吐けるはずはありません)
(わかった。となると、転移の準備、または最中に何かがなかったか?)
識が強力な暗示を用いたことを、巴は責めなかった。
本来であれば思慮に欠ける行いだが、識も、そして巴も名も知らぬヒューマンに後遺症が残ることなど、どうでもいいことだった。
識の心を乱さないための配慮でもなんでもなく、彼のとった強引な方法について、巴は完全にスルーした。
(識! いいからとにかく若様を探しなさい! お前の場所からなら何か痕跡があるでしょう!? ありますね!? 見つけなさい今すぐ!!)
完全に取り乱している澪が騒ぐ。
(澪、もう少しじゃから大人しくせい! 識、こやつは気にせずゆっくり思い出せ)
(転移の準備、最中といわれましても……そこからはただ待つばかりで、あとは光に包まれて……あ)
転移魔法陣を利用する際のお約束の進行を思い出していた識が、何かに気付いた。
(うむ! 何か引っかかることがあったか!?)
巴がここぞと聞き返す。
(光、転移の光がいつもと少し違ったような気がします。微かにですが……そう、いつもの水色に金色が混ざったような……)
(金、か)
(あと、僅かですが、ざらついた、妙な違和感があった気がします。申し訳ありません。私の感覚的なものなのですが。しかし私はちゃんとフェリカに到着したので、転移魔法陣に問題があったわけではないのは明らかですよ?)
(……)
識の発言を聞き、巴が沈黙する。
(巴殿?)
金色。
その色は、この世界では特殊な意味を持つことがある。
魔力が金色を帯びる、というのはただごとではない。
何か強大な力が、この出来事に関与している可能性が出てきたのだ。
固有の魔力の色に金色を持つ存在は、巴の知る限りではこの世界で二人だけ。
一人は彼女と同じ上位竜の一角。
そしてもう一人は……神。
少なくとも、人や亜人が操る魔法に宿る色ではない。
(金、金か。その色の変化の他に覚えていることはないか?)
(いえ、特には。一瞬のことでしたし、あくまで私的な感覚でしたので……)
他人の作った転移魔法陣の術式に、それも発動後に一瞬で割り込みをかけ、更に二人の転移対象者のうち一人だけを攫う。
これを意図的に行ったとすると、その力は相当なものだ。
魔力量もさることながら、魔法そのものへの理解が深い者の仕業。
巴の想像した二つの存在が真を連れ去った犯人である可能性が彼女の中で濃くなった。
(識、今から問題の転移魔法陣を探れるか?)
(難しいです。既に我々以外の者が使っていますので)
(そうか……。ならば識、お前は予定通り学園都市に向かえ。若が提出する予定の書類はお前が持っておるんじゃったな? それを先に出しておけ。それに、お前が学園におれば、若は直接そちらに飛べる。再びツィーゲから転移しては、若に対していらぬ疑いを持たれる可能性もある)
(そんな! 若様の安否さえわからぬのに私だけが先に行くなど!)
(そうですよ巴さん! 識は若様の一番近くにいたんですよ!? 何を考えているんですか!)
巴の発案に識ばかりか澪も反論した。
(転移魔法陣は使用の痕跡が残る。その中で若とお前は跡を残してロッツガルドに向かっている。お前は、係員や街の住民にお前が若と一緒にいる暗示を掛けてそのままロッツガルドまで進め)
真の無事が確認されているなら巴の意見は案として間違いではない。が、状況に即していないように感じた澪は不満そうな顔をしている。
(……若様は無事だと?)
識が訝しげに尋ねる。
(識!? そんな保証などどこにありますか!)
(……澪、若は攫われたと見るべきじゃ。そしてその犯人、儂には二人まで絞れる。おそらくな)
(な!)
澪が巴の言葉に驚きを返す。
(識が口にした金色の光とざらついた違和感。それらが正しいと仮定しての場合じゃがな。じゃが、儂らにはこれ以上推理できる材料もないし、かといってこのまま何もしない訳にもいかぬ)
(当然です!!)
澪が巴の言葉の後半に、強く賛同した。
このまま事態の推移を見守るなど、今の澪にできるはずもない。
(若との契約自体は生きておるから、この状態は攫われた先で我らとの繋がり、例えば外部との接続を阻むといった妨害が施されていると考えるのが妥当じゃろう。そして金色の魔力と、転移魔法陣への割り込みから儂が考えている犯人は二人。一人は『万色』と呼ばれる上位竜ルト。もう一人は……女神じゃ)
本来の巴なら、もっと他の可能性を含めた考察ができたであろうし、結論も違っていたかもしれない。
即座に二つの可能性に絞るのは彼女には珍しいことで、それだけ巴の視野が狭まっている証でもあった。
(上位竜に、女神ですか。金色の魔力ならば確かにありえることではありますが、しかし女神がこのような真似をするとは……)
少し冷静さを取り戻した識が、巴の発言に疑問を投げかける。彼の中にある女神は、少なくともこのような無体な暴挙を働くものではない。
ヒューマンであった頃の女神観が残っているのか、識は女神に対して神々しいイメージを有していた。
(ルトへは儂が連絡をつける。が、もし奴ではなく女神の仕業だとすれば……残念ながら現状で儂らができることは殆どない)
(そんな!)
悔しさが滲んだ巴の言葉に、澪が非難の声を向ける。
(じゃから、各々にできることをして若を待つ。識は予定通り学園都市に向かい、そこで若を待て。まだ独力で亜空に出入りできんお前には歯痒いじゃろうが、それ位しかできることはない)
(ぐ、むっ!! しかし! しかし巴殿! 近辺を捜索するなど、やってみてはいけませんか!? まだ女神や竜の仕業と決まった訳でもありません!)
(それは……いや、そうじゃな。……わかった、フェリカ周辺を捜索してみよ。終わったら学園都市を目指し、そこでもお前なりの捜索をしてよい)
(わかりました!)
力強い返事を残し、三人で交わしていた念話から識が外れる。
「澪、聞いておったな。識はあのように、儂はルトのもとに急ぐ。お前は――」
「ええ、巴さんと一緒に行きますわ!」
巴の言葉が終わるのを待たず、勢いよく答える澪。
「いや、亜空に戻って待機していて欲しい」
「嫌です! ルトやらの仕業ならばその場で、この手で、己の愚行を思い知らせてやります!」
「駄目じゃ」
「駄目もお留守番も嫌です!! どうして――!」
今度は巴が澪の悲痛な叫びを遮る。
「もしも! もしも女神の仕業なら、さっきも言ったが儂らにできることは殆どない。神を相手に先手を打たれて若の場所もわからんとなっては完全にお手上げじゃ。どんな妨害かは知らんが加勢も封じられておる。既に儂らは負けておるんじゃ」
「殆ど、というなら何かやれることはあるのでしょう!? それを教えなさい!」
完全に取り乱す澪。
だが、彼女が取り乱しているから、巴は冷静になることができた。
焦って感情のままに振舞ってくれた澪を見て落ち着きを取り戻せた巴は、内心彼女に感謝すらしていた。
「……信じること、祈ることじゃ。若ご自身が儂らを呼べる状況を作り出してくださるか、さもなければ自力で脱出してくださるかをな」
「そんな……きっと若様だってご自分の状況に混乱しておいでなのに、そんな……」
澪は悲壮な表情で巴を見る。
「……もし独力で逃げ出されるならその行く先は……わかるな?」
「亜空……」
澪が呟く。
「そうじゃ。その時若が傷を負っておられたりしたら介抱するものが必要になろう。治癒に長けた識が一番じゃが、奴を亜空へ連れ戻す手間も今は惜しい。頼む」
「巴さん……」
頼む。
そう最後に口にした巴の手が、食い込むほど握りこまれているのを見た澪は、巴の名を弱々しく呟く。
「儂とて、正直どう扱ってよいかわからぬ感情が内で暴れまわって叫びだしたい気分よ。本当は二日三日かけてでも識の奴を呼び戻して最悪の事態に備える方が良いのかもしれぬ。じゃが、一方で儂の仮定が実は全て間違っていて、若はフェリカ周辺で悪戯をしながら昼寝でもしておられるかも、と願ってもおるのじゃ」
「……」
澪は黙って巴を見つめる。
「怖い、どうしようもなく。こんなことは生まれて初めてじゃ。真様を失うことが恐ろしくて仕方ない。それも、こんな不意打ちでなど、到底納得もできぬ。もし、ルトが真様を攫った張本人なら、事情など聞かず問答無用で血祭りにして若と帰ってくるさ。儂よりも格上じゃが、知ったことか」
巴が真を若ではなく、真様と呼んだ。
巴から、いつもの芝居がかった飄々とした雰囲気が、抜け落ちていた。
「わかり、ました。私は……若様を亜空で待ちます。もしこちらに戻られたらすぐに知らせますわ」
「ああ、よろしく頼む。その時は瞬時に戻る。ふふ、亜空に戻ってくださるのが一番嬉しいし安心できることだが、そうなると識の奴は完全に無駄骨になってしまうのう」
巴が弱さを見せたのは一瞬だった。すぐに普段の調子に戻り、澪に語りかける。
「新参の分際で若様のお供をさせてもらっているんですもの。そのくらいは我慢してもらいますわ」
互いに行動を開始するために別れる直前、巴と澪は笑ってみせた。
主人を信頼して待つ。
それはとても辛いことだ。
信頼して待つ、と言えば聞こえはいいが、要は手を出すことができず、ただ経緯を見守ることしかできないということでもあるから。
だからこそ、その不安を打ち消す為に二人は笑ったのだ。
亜空へ向かうため、巴が生んだ霧の門をくぐる澪の顔に浮かんだ苦悶の表情が、そのどうしようもない状況を如実に物語っていた。
「若、どうかご無事で」
自らも戦闘になるかもしれない巴は、それでも真の身を案じ、その場から消え去った。
感想 3,667
あなたにおすすめの小説
月が導く異世界道中extra
あずみ 圭 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
由香皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
「お姉様の刺繍は素人ね」と笑った義妹の婚礼衣装——裏地を見た女官十二人が、一斉に針を置いた
歩人(あゆと)「お姉様の刺繍は、素人の手習いに見えますわね」――王太子妃となる異母妹アデリーナは、王宮女官たちの前で姉ローゼを笑った。翌週の婚礼の朝。式典装の最終確認のため、十二人の女官が衣装の裏地を検めた瞬間――一人、また一人と、針を置いた。裏地に縫い込まれていたのは、女官たちが十二年間ずっと探していた一筆の銀糸。即位式の絹外套、二人の王女の婚礼ドレス、亡き王太后の弔意の喪服。王家儀礼衣装のすべての裏地に、同じ手で、同じ糸で、同じ銀の花が縫い込まれていた。「アデリーナ様、これは――あなた様の手では、ございません」縫い手は、ずっと一人だった。それを十二年間、誰の名でも呼べなかっただけのこと。
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
黄色いひよこ@Index ©薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさんパーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃコミカライズ企画進行中です!!
3巻発売です!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&3巻出版!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(3巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
夏にはいよいよコミカライズ連載開始予定です!乞うご期待!!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)
