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5.生きた宝石
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おれとマナトはすっかり仲良くなった。
休み時間はテレパシーで会話する、なんてことはしょっちゅうだ。
例えば今なんかは、おれとマナトとでおれの同小の友だちたちとしゃべりつつ、
頭の中ではふたりで会話をしている。
マナトから許可をもらって、おれはマナトの心の声を読ませてもらっているのだ。
もちろん、そんなに深くは読まない。
あくまでも、心の表面の方を読み取っている。
【幻獣かぁ。
おれはやっぱドラゴンが好きだな】
【まあ、そうだよなー。
人間界でも有名どころだもんな。
おれはフェニックスかな】
【フェニックスって、不死鳥だっけ。
ノワールといい、マナトって鳥好きだな】
【おれは犬派でも猫派でもなく、鳥派だからな】
幻獣ってのは、ドラゴンにユニコーン、ペガサスに人魚などなど。
人間界では「想像上の動物」と思われているものたちを、幻獣って言うんだと。
そいつらは、マナトの住んでた魔法界では、フツーに存在するものらしい。
人間界と魔法界は、きちんとくぎられてる、隣りあわせの世界なんだって。
でも、たまにふたつの世界の間にほころびっていうか、ゲート?
みたいなのができて、そこから幻獣が逃げ出してしまうのだとか。
だから、人間界でも幻獣の目撃情報があるんだな。
この絵空市には、そのゲートができやすいらしい。
そんで、マナトの父さんの仕事は、幻獣保護管なんだと。
だから、仕事の都合上人間界に住んだ方がいいってことで、
こっちの世界に引っ越してきたんだって。
そうそう、ビックリしたのは、マナトの飛び級だ。
マナト、こっちでいう高校までの魔法を、十一歳にしてもう習得しちまったらしい。
だから、一年前。
マナトが小学六年生の時に、マナトの父さんの
「オマエも人間界に来てみるか?」
って誘いにのって、こっちにやってきたんだと。
マナトは高校卒業してるから、「幻獣保護管」の資格もゲットして、正式に親父さんの仕事を手伝っているらしい。
「マナトって、天才じゃね?」って言ったら、「オマエも似たようなもんだろ」とかえされた。
そうか?
「おい、リキ、聞いてるか?」
「へ、ごめん、ぼーっとしてた」
同じ小学校から上がってきた、ショウタ、トモヒサがあきれた顔をしている。
「なんか最近、うわのそらって感じだな。
悩みでもあんのか?」
「いや、大丈夫。ごめんな」
トモヒサに謝ると、
「なんかあったら言えよ~」と言ってくれた。
ショウタもうなずいている。
うう、いいヤツら。
それにしても、いかんいかん。
たまにマナトとのテレパシーに夢中になって、
口でしてる会話を聞きのがすことがあるんだよな。
気をつけないと。
【油断すんなよ~】
心の中でマナトに笑われる。
マナトはふたつ同時の会話でも、ボロを出すことがない。
頭の切り替えがしっかりしてるんだな。
【あ、そうだ。オマエ、ドラゴン好きだって行ったよな。
よかったら、見てみるか?
今夜あたりどうだ?】
「えっ!」
マナトの予想外のお誘いに、おれは思わず叫び声を口に出した。
ショウタとトモヒサが不思議そうな顔で見てくる。
「あ、あれ?
ひゃっくりかな……。
えっ、ひえっく」
無理矢理ひゃっくりのフリをしてごまかす。
うん、ホント無理矢理だな!
「そうそう、ひゃっくりは、大きく息を吸って、吸って、
限界まで吸って肺を満杯にしてから息をとめると、なおるらしいぞ」
マナトの豆知識のおかげで、ショウタとトモヒサはそっちに興味をうつしてくれた。
「へ~、今度やってみよう」
「ひゃっくりを百回すると死ぬってウワサ、
だれが言い出したんだろうな?」
こんな感じで、マナトがくわわった、おれの新たな日常は過ぎていくのだった。
いや、ドラゴンを見れるんだったら、非日常か?
とにかく、今日の夜が楽しみだ!
休み時間はテレパシーで会話する、なんてことはしょっちゅうだ。
例えば今なんかは、おれとマナトとでおれの同小の友だちたちとしゃべりつつ、
頭の中ではふたりで会話をしている。
マナトから許可をもらって、おれはマナトの心の声を読ませてもらっているのだ。
もちろん、そんなに深くは読まない。
あくまでも、心の表面の方を読み取っている。
【幻獣かぁ。
おれはやっぱドラゴンが好きだな】
【まあ、そうだよなー。
人間界でも有名どころだもんな。
おれはフェニックスかな】
【フェニックスって、不死鳥だっけ。
ノワールといい、マナトって鳥好きだな】
【おれは犬派でも猫派でもなく、鳥派だからな】
幻獣ってのは、ドラゴンにユニコーン、ペガサスに人魚などなど。
人間界では「想像上の動物」と思われているものたちを、幻獣って言うんだと。
そいつらは、マナトの住んでた魔法界では、フツーに存在するものらしい。
人間界と魔法界は、きちんとくぎられてる、隣りあわせの世界なんだって。
でも、たまにふたつの世界の間にほころびっていうか、ゲート?
みたいなのができて、そこから幻獣が逃げ出してしまうのだとか。
だから、人間界でも幻獣の目撃情報があるんだな。
この絵空市には、そのゲートができやすいらしい。
そんで、マナトの父さんの仕事は、幻獣保護管なんだと。
だから、仕事の都合上人間界に住んだ方がいいってことで、
こっちの世界に引っ越してきたんだって。
そうそう、ビックリしたのは、マナトの飛び級だ。
マナト、こっちでいう高校までの魔法を、十一歳にしてもう習得しちまったらしい。
だから、一年前。
マナトが小学六年生の時に、マナトの父さんの
「オマエも人間界に来てみるか?」
って誘いにのって、こっちにやってきたんだと。
マナトは高校卒業してるから、「幻獣保護管」の資格もゲットして、正式に親父さんの仕事を手伝っているらしい。
「マナトって、天才じゃね?」って言ったら、「オマエも似たようなもんだろ」とかえされた。
そうか?
「おい、リキ、聞いてるか?」
「へ、ごめん、ぼーっとしてた」
同じ小学校から上がってきた、ショウタ、トモヒサがあきれた顔をしている。
「なんか最近、うわのそらって感じだな。
悩みでもあんのか?」
「いや、大丈夫。ごめんな」
トモヒサに謝ると、
「なんかあったら言えよ~」と言ってくれた。
ショウタもうなずいている。
うう、いいヤツら。
それにしても、いかんいかん。
たまにマナトとのテレパシーに夢中になって、
口でしてる会話を聞きのがすことがあるんだよな。
気をつけないと。
【油断すんなよ~】
心の中でマナトに笑われる。
マナトはふたつ同時の会話でも、ボロを出すことがない。
頭の切り替えがしっかりしてるんだな。
【あ、そうだ。オマエ、ドラゴン好きだって行ったよな。
よかったら、見てみるか?
今夜あたりどうだ?】
「えっ!」
マナトの予想外のお誘いに、おれは思わず叫び声を口に出した。
ショウタとトモヒサが不思議そうな顔で見てくる。
「あ、あれ?
ひゃっくりかな……。
えっ、ひえっく」
無理矢理ひゃっくりのフリをしてごまかす。
うん、ホント無理矢理だな!
「そうそう、ひゃっくりは、大きく息を吸って、吸って、
限界まで吸って肺を満杯にしてから息をとめると、なおるらしいぞ」
マナトの豆知識のおかげで、ショウタとトモヒサはそっちに興味をうつしてくれた。
「へ~、今度やってみよう」
「ひゃっくりを百回すると死ぬってウワサ、
だれが言い出したんだろうな?」
こんな感じで、マナトがくわわった、おれの新たな日常は過ぎていくのだった。
いや、ドラゴンを見れるんだったら、非日常か?
とにかく、今日の夜が楽しみだ!
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