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4、職人の仕込み作業
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たまきと慧のもろこしポップ パーソナリティ 北河たまき/鳴島慧
第68回放送分 北河調理師嘘専門学校プレゼンツ おふくろの味ねこまたぎ風味~一子相伝風味のコーナーより一部抜粋
鳴島「というわけでこのコーナーは家族にはぶっちゃけ不評な、猫もまたいじゃうようなおふくろの味をマーマ達に内緒で北河料理長兼校長とワタクシ鳴島に教えてもらうコーナーでーす。
えー、というわけで一通目『うちの母、キャミィのおふくろの味は、』この人、本名すんごい日本人だけど、お母様外国の方?」
北河「複雑な家庭かもしんないし(笑)」
鳴島「そっか(笑)えー、『あん肝パスタです!』ジャジャーン!(自前SE)」
北河「ほほう、旨そうじゃないか」
鳴島「『作り方はまず近所のスーパー ヨイショあけぼので、母 希美江が』お母さん希美江じゃん!」
北河「(笑)」
鳴島「『母 希美江があん肝500グラムパック300円を購入』結構あるよね500グラムって。どれぐらい?」
北河「ひき肉パックのおっきいサイズぐらい」
鳴島「ハンバーグとか作るやつ?」
北河「それ全部あん肝(笑)」
鳴島「あん肝ハンバーグ!?」
北河「はいはい(笑)」
鳴島「あの繋ぎとか何入れ…、あれ?えっ、繋ぎってナンダ?」
北河「はい、続き(笑)」
鳴島「はい(笑)すいません興奮し過ぎました。えー、『最初はあん肝ポン酢などにしますが、使い道がなく、足も早いので早く使わなきゃって焦って作るのがあん肝パスタです』」
北河「あー、これはあれですね。消化料理ですね」
鳴島「ほお、料理長。消化料理というのは」
北河「冷蔵庫にある、なんかもう使わなきゃっ!てやつを使った料理です」
鳴島「あれですよね、料理長のお母様が作ったピクルス卵とじとか。咳が止まらなくなるメニューですよね」
北河「お酢でむせるむせる(笑)」
鳴島「ケッヘー!ケッヘー!っつって。そしてそれを朝メシに出すという(笑)」
北河「使い切れないならなんで買うんだよ!(笑)っていう」
鳴島「瓶でね(笑)大瓶でね、しかも。それ系ですか。えー?お母さんなんであん肝500グラムも買うんだろ」
北河「結構卸市場に近いとこにあるスーパーだと珍しい魚とか売ってたりしますけどね。鮫とか」
鳴島「サメっ!?」
北河「(笑)結構もっちりしてて好きよー、あたし。いまだに食べ方よくわかんなくて」
鳴島「へえー。鮫…」
北河「バター醤油でステーキ風にするんだけど。でもたぶんこれはぁー、あのー、普通にまぐろセールやるとアラとか血合の部分が安く売ってたりとか、鰤安売りすると鰤かまが安く売ってたりするじゃない?だからこれも冬場のお鍋のシーズンにあんこうが安売りしてて、その時に出たあん肝をお母さんが買っているんではないかと」
鳴島「すいません料理長、わたし料理まったくしないんで。そーゆー料理上手あるあるみたいのわかんないんで(笑)」
北河「ああ、そっか(笑)」
鳴島「すいません(笑)最初の設定忘れないでください。これ、元々まったく料理しないわたしでも出来るメニューをリスナーさんのお母様方に教えてもらうっていうコーナーなんで」
北河「すいません(笑)失念しておりました料理長」
鳴島「もおーっ(笑)料理長しっかり!いや、でも、へえー。そーゆー買い方があるんですねえ。…あー、メール続き(笑)『母はウニパスタみたいでしょと言ってましたが、自分はまったりし過ぎてあまり好きではありませんでした。』へえー、これ味付けはなんでしょうね」
北河「オリーブオイルと醤油とかかな。バター…、だとちょっと重いよね」
鳴島「あん肝だからフライパン、オレンジ色ですよね(笑)真オレンジ色」
鳴島「えー、続いて。もろぽぷネーム 幼稚園バス手配係くん『我が家のおふくろの味は、余ったさつまいものレモン煮で作ったスイートポテトパイと、余ったさつまいものレモン煮で作ったスイートポテトプリンです』」
北河「余らせすぎだろ、レモン煮(笑)」
鳴島「『誰も食べずに冷蔵庫で朽ちていくレモン煮をウラゴシシパイ…』
北河「なんて?(笑)」
鳴島「(笑)裏漉しし、パイ生地で包めばスイートポテトパイ!プリン液に混ぜて固めればプリンに!どちらも酸っぱく、食べるたびにちょっと大丈夫かな?と思います。あとおだしの味がほんのりします』」
北河「(笑)」
鳴島「『あとレモン煮炊き込みご飯もあります』」
北河「うわあ(笑)」
鳴島「『これは美味しいです』」
北河「それは美味しいんだ!(笑)」
鳴島「煮物はねー。なんか家族みんなが好きなやつは無くなるのあっという間だけど、みんな好きじゃないやつはいつまでも冷蔵庫にありますよね。里芋とか」
北河「えっ、うち里芋はあっという間だった。みんな大好き」
鳴島「うち、糸引く確率高かった」
作家・北河「(爆笑)」
北河「それ完全にダメな糸ですよね(笑)本来の里芋のねっとり感じゃないですよね」
鳴島「ダメェー!食べないでぇー!っていう危険を知らせる糸(笑)」
北河「はあーっ…(笑)へえー、でも煮物…、がめ煮とかは?」
鳴島「ガメニ???」
北河「(笑)あー、なんか筑前煮みたいの。あれ?方言か。がめ煮って」
鳴島「ガメニ…」
北河「はい次のメール(笑)」
鳴島「あー、これ。俺おふくろの味、一子相伝風味コーナー宛てに来てます。えーとこれはリスナーさんでぇ、うちはお母さんが料理しないから僕が料理作ってましたという方用の、あるいは料理好きなリスナーさんがおふくろになりきってぜひ我が子に伝えたいという料理を、珍料理含むをですね(笑)えー、紹介するコーナーです。結構来てますね。えーと、ラジオネーム、」
「ねえ響季ー。あたしのヘアバンド知らない?」
「知らなーい。洗面所じゃないの?」
自室で深夜の声優ラジオ番組を聞いていた響季に、姉が声をかけてくる。
姉は韓国旅行の準備に取りかかっていた。
明日とはいうが、日付が変わってもう今日である。
「こっちから持っていかなくてもホテル行ったらあるんじゃないの?」
「うーん」
姉は無理やり納得し、妹の部屋を出ていった。響季は再びラジオに耳を戻す。
鳴島「『僕の俺おふくろは、イカフライカレーです。以前カレーに合う揚げ物は何かと考え色々試したところ、イカフライ、鮭フライ、ハムカツ、春菊天、舞茸天ぷらと試し、一番おいしかったのは最初に食べたイカフライでした。カツカレーが重い祖父母にイカフライカレー、よく噛んで食べることを教える幼児にイカフライカレーと、どの世代の家族にもおすすめです』これ思ったんだけどさあ、最初に食べたやつが一番おいしいっていう(笑)」
北河「食べ比べで後半きついから、最初に食べたのが一番うまいっていう」
鳴島「そうだよね(笑)」
作家「(笑)」
北河「でも春菊天カレーはちょっと美味しそう」
鳴島「えー?」
北河「美味しそうじゃんっ」
鳴島「えっ、春菊天って、どんな?」
北河「ちょっ、おい、知らないんじゃん(笑)」
作家「(笑)」
北河「なんかモワァとした、草?っぽい野菜?(笑)」
鳴島「草なの!?」
北河「野草っぽい(笑)で、蕎麦とかにね」
作家「(深く頷く)」
北河「春菊天そばメッチャ美味いですよね!」
作家「(大きく頷く)」
鳴島「えー?食べたことない。モワァッてしてんの」
北河「食べるとパリッてしてる」
鳴島「モワ…、パリ…」
作家「(笑)想像して想像して」
北河「(笑)で、苦味がある。あれ、でも一番ポピュラーなのとかだと、すき焼きとかに入ってるでしょ」
鳴島「ああーっ、あいつか。苦いから食べない(笑)」
北河「じゃあダメかも(笑)大人の味ですよね?春菊天」
作家「(頷く)」
鳴島「えー?」
北河「ああ、でも食感がやっぱ。食感を楽しむなら天ぷらにするといい」
鳴島「えー、でも食べてみたい!今日食べたい!どこで食べれる?」
北河「駅の立ち食い蕎麦とかで」
鳴島「じゃあ帰りに食べる!」
北河「でも無いかも。意外と人気ですよね、春菊天そば」
作家「(細かく頷く)」
鳴島「ウッソ!」
北河「意外と売り切れとか。あの、食券式の蕎麦屋さんで春菊天そばが赤ランプ付いてた時の絶望感ったらないですよね(笑)売り切れだあーっ!あああーっ!ていう。両膝ガクー、床につくぐらい」
作家「(大きく頷く)」
鳴島「そんなに!!(笑)えーっ?もう絶対食べたい!残しとけよっ!アタイの分!!」
北河「アタイ(笑)」
鳴島「じゃあもう早く行こう!!早く収録終わらせよう!!」
北河「いや、まだ収録始まったばっかですからね(笑)」
作家「コーナーまだ一個しかやってない(笑)」
おふくろの味ねこまたぎ風味コーナーが終わると、零児は自室のベッドに横たわったままラジオの、カセットウォークマンの音量を絞った。
もう2時近いのに、まだ眠りにはつけない。いつもはメールが採用されたことが確認出来ればすぐに電源を切るが、イヤホンから聴こえてくる声優の深夜ラジオが眠りへと誘うまでは、今日はこのまま聴いていようと思った。
同時に、良かった、意図した部分を、ボケをきちんと拾ってくれたと喜びを反芻する。
一番美味しいと見せかけて、実は食べ比べの落とし穴にはまっているというボケ。
比較的わかりやすいボケだったが、パーソナリティの鳴島慧の方が気付かないかと思った。
しかしきちんとツッこんでいた。どうやら侮っていたようだ。
「まあまあかな」
暗闇の中で零児がケータイを手に取り、一週間ほど前に送り、今の放送で採用されていたメールを保護する。
そして文面を改めて見ながら、おいしいのかな、と呟く。
舞茸天ぷらカレーと春菊天カレー。
そんなもの食べたことも作ったこともない。
適当にでっちあげた作りネタだ。
第68回放送分 北河調理師嘘専門学校プレゼンツ おふくろの味ねこまたぎ風味~一子相伝風味のコーナーより一部抜粋
鳴島「というわけでこのコーナーは家族にはぶっちゃけ不評な、猫もまたいじゃうようなおふくろの味をマーマ達に内緒で北河料理長兼校長とワタクシ鳴島に教えてもらうコーナーでーす。
えー、というわけで一通目『うちの母、キャミィのおふくろの味は、』この人、本名すんごい日本人だけど、お母様外国の方?」
北河「複雑な家庭かもしんないし(笑)」
鳴島「そっか(笑)えー、『あん肝パスタです!』ジャジャーン!(自前SE)」
北河「ほほう、旨そうじゃないか」
鳴島「『作り方はまず近所のスーパー ヨイショあけぼので、母 希美江が』お母さん希美江じゃん!」
北河「(笑)」
鳴島「『母 希美江があん肝500グラムパック300円を購入』結構あるよね500グラムって。どれぐらい?」
北河「ひき肉パックのおっきいサイズぐらい」
鳴島「ハンバーグとか作るやつ?」
北河「それ全部あん肝(笑)」
鳴島「あん肝ハンバーグ!?」
北河「はいはい(笑)」
鳴島「あの繋ぎとか何入れ…、あれ?えっ、繋ぎってナンダ?」
北河「はい、続き(笑)」
鳴島「はい(笑)すいません興奮し過ぎました。えー、『最初はあん肝ポン酢などにしますが、使い道がなく、足も早いので早く使わなきゃって焦って作るのがあん肝パスタです』」
北河「あー、これはあれですね。消化料理ですね」
鳴島「ほお、料理長。消化料理というのは」
北河「冷蔵庫にある、なんかもう使わなきゃっ!てやつを使った料理です」
鳴島「あれですよね、料理長のお母様が作ったピクルス卵とじとか。咳が止まらなくなるメニューですよね」
北河「お酢でむせるむせる(笑)」
鳴島「ケッヘー!ケッヘー!っつって。そしてそれを朝メシに出すという(笑)」
北河「使い切れないならなんで買うんだよ!(笑)っていう」
鳴島「瓶でね(笑)大瓶でね、しかも。それ系ですか。えー?お母さんなんであん肝500グラムも買うんだろ」
北河「結構卸市場に近いとこにあるスーパーだと珍しい魚とか売ってたりしますけどね。鮫とか」
鳴島「サメっ!?」
北河「(笑)結構もっちりしてて好きよー、あたし。いまだに食べ方よくわかんなくて」
鳴島「へえー。鮫…」
北河「バター醤油でステーキ風にするんだけど。でもたぶんこれはぁー、あのー、普通にまぐろセールやるとアラとか血合の部分が安く売ってたりとか、鰤安売りすると鰤かまが安く売ってたりするじゃない?だからこれも冬場のお鍋のシーズンにあんこうが安売りしてて、その時に出たあん肝をお母さんが買っているんではないかと」
鳴島「すいません料理長、わたし料理まったくしないんで。そーゆー料理上手あるあるみたいのわかんないんで(笑)」
北河「ああ、そっか(笑)」
鳴島「すいません(笑)最初の設定忘れないでください。これ、元々まったく料理しないわたしでも出来るメニューをリスナーさんのお母様方に教えてもらうっていうコーナーなんで」
北河「すいません(笑)失念しておりました料理長」
鳴島「もおーっ(笑)料理長しっかり!いや、でも、へえー。そーゆー買い方があるんですねえ。…あー、メール続き(笑)『母はウニパスタみたいでしょと言ってましたが、自分はまったりし過ぎてあまり好きではありませんでした。』へえー、これ味付けはなんでしょうね」
北河「オリーブオイルと醤油とかかな。バター…、だとちょっと重いよね」
鳴島「あん肝だからフライパン、オレンジ色ですよね(笑)真オレンジ色」
鳴島「えー、続いて。もろぽぷネーム 幼稚園バス手配係くん『我が家のおふくろの味は、余ったさつまいものレモン煮で作ったスイートポテトパイと、余ったさつまいものレモン煮で作ったスイートポテトプリンです』」
北河「余らせすぎだろ、レモン煮(笑)」
鳴島「『誰も食べずに冷蔵庫で朽ちていくレモン煮をウラゴシシパイ…』
北河「なんて?(笑)」
鳴島「(笑)裏漉しし、パイ生地で包めばスイートポテトパイ!プリン液に混ぜて固めればプリンに!どちらも酸っぱく、食べるたびにちょっと大丈夫かな?と思います。あとおだしの味がほんのりします』」
北河「(笑)」
鳴島「『あとレモン煮炊き込みご飯もあります』」
北河「うわあ(笑)」
鳴島「『これは美味しいです』」
北河「それは美味しいんだ!(笑)」
鳴島「煮物はねー。なんか家族みんなが好きなやつは無くなるのあっという間だけど、みんな好きじゃないやつはいつまでも冷蔵庫にありますよね。里芋とか」
北河「えっ、うち里芋はあっという間だった。みんな大好き」
鳴島「うち、糸引く確率高かった」
作家・北河「(爆笑)」
北河「それ完全にダメな糸ですよね(笑)本来の里芋のねっとり感じゃないですよね」
鳴島「ダメェー!食べないでぇー!っていう危険を知らせる糸(笑)」
北河「はあーっ…(笑)へえー、でも煮物…、がめ煮とかは?」
鳴島「ガメニ???」
北河「(笑)あー、なんか筑前煮みたいの。あれ?方言か。がめ煮って」
鳴島「ガメニ…」
北河「はい次のメール(笑)」
鳴島「あー、これ。俺おふくろの味、一子相伝風味コーナー宛てに来てます。えーとこれはリスナーさんでぇ、うちはお母さんが料理しないから僕が料理作ってましたという方用の、あるいは料理好きなリスナーさんがおふくろになりきってぜひ我が子に伝えたいという料理を、珍料理含むをですね(笑)えー、紹介するコーナーです。結構来てますね。えーと、ラジオネーム、」
「ねえ響季ー。あたしのヘアバンド知らない?」
「知らなーい。洗面所じゃないの?」
自室で深夜の声優ラジオ番組を聞いていた響季に、姉が声をかけてくる。
姉は韓国旅行の準備に取りかかっていた。
明日とはいうが、日付が変わってもう今日である。
「こっちから持っていかなくてもホテル行ったらあるんじゃないの?」
「うーん」
姉は無理やり納得し、妹の部屋を出ていった。響季は再びラジオに耳を戻す。
鳴島「『僕の俺おふくろは、イカフライカレーです。以前カレーに合う揚げ物は何かと考え色々試したところ、イカフライ、鮭フライ、ハムカツ、春菊天、舞茸天ぷらと試し、一番おいしかったのは最初に食べたイカフライでした。カツカレーが重い祖父母にイカフライカレー、よく噛んで食べることを教える幼児にイカフライカレーと、どの世代の家族にもおすすめです』これ思ったんだけどさあ、最初に食べたやつが一番おいしいっていう(笑)」
北河「食べ比べで後半きついから、最初に食べたのが一番うまいっていう」
鳴島「そうだよね(笑)」
作家「(笑)」
北河「でも春菊天カレーはちょっと美味しそう」
鳴島「えー?」
北河「美味しそうじゃんっ」
鳴島「えっ、春菊天って、どんな?」
北河「ちょっ、おい、知らないんじゃん(笑)」
作家「(笑)」
北河「なんかモワァとした、草?っぽい野菜?(笑)」
鳴島「草なの!?」
北河「野草っぽい(笑)で、蕎麦とかにね」
作家「(深く頷く)」
北河「春菊天そばメッチャ美味いですよね!」
作家「(大きく頷く)」
鳴島「えー?食べたことない。モワァッてしてんの」
北河「食べるとパリッてしてる」
鳴島「モワ…、パリ…」
作家「(笑)想像して想像して」
北河「(笑)で、苦味がある。あれ、でも一番ポピュラーなのとかだと、すき焼きとかに入ってるでしょ」
鳴島「ああーっ、あいつか。苦いから食べない(笑)」
北河「じゃあダメかも(笑)大人の味ですよね?春菊天」
作家「(頷く)」
鳴島「えー?」
北河「ああ、でも食感がやっぱ。食感を楽しむなら天ぷらにするといい」
鳴島「えー、でも食べてみたい!今日食べたい!どこで食べれる?」
北河「駅の立ち食い蕎麦とかで」
鳴島「じゃあ帰りに食べる!」
北河「でも無いかも。意外と人気ですよね、春菊天そば」
作家「(細かく頷く)」
鳴島「ウッソ!」
北河「意外と売り切れとか。あの、食券式の蕎麦屋さんで春菊天そばが赤ランプ付いてた時の絶望感ったらないですよね(笑)売り切れだあーっ!あああーっ!ていう。両膝ガクー、床につくぐらい」
作家「(大きく頷く)」
鳴島「そんなに!!(笑)えーっ?もう絶対食べたい!残しとけよっ!アタイの分!!」
北河「アタイ(笑)」
鳴島「じゃあもう早く行こう!!早く収録終わらせよう!!」
北河「いや、まだ収録始まったばっかですからね(笑)」
作家「コーナーまだ一個しかやってない(笑)」
おふくろの味ねこまたぎ風味コーナーが終わると、零児は自室のベッドに横たわったままラジオの、カセットウォークマンの音量を絞った。
もう2時近いのに、まだ眠りにはつけない。いつもはメールが採用されたことが確認出来ればすぐに電源を切るが、イヤホンから聴こえてくる声優の深夜ラジオが眠りへと誘うまでは、今日はこのまま聴いていようと思った。
同時に、良かった、意図した部分を、ボケをきちんと拾ってくれたと喜びを反芻する。
一番美味しいと見せかけて、実は食べ比べの落とし穴にはまっているというボケ。
比較的わかりやすいボケだったが、パーソナリティの鳴島慧の方が気付かないかと思った。
しかしきちんとツッこんでいた。どうやら侮っていたようだ。
「まあまあかな」
暗闇の中で零児がケータイを手に取り、一週間ほど前に送り、今の放送で採用されていたメールを保護する。
そして文面を改めて見ながら、おいしいのかな、と呟く。
舞茸天ぷらカレーと春菊天カレー。
そんなもの食べたことも作ったこともない。
適当にでっちあげた作りネタだ。
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