24 / 28
フランスへ
開戦準備2
しおりを挟む
中に入る。そこに置いてあったのは、箱だ。何の変哲もなく、特に何か特別ってわけでもなさそうな箱。いや、遺産なんだから特別ではあるか。
「これが……ジャンヌの遺産?」
あっさり過ぎる。まあ、ここに来るまでが一苦労なんだけれども。それでも、こんなにザル警備なのはどうなのだろうか。
「取れ。伊勢谷。それで開戦の準備は完了だ」
開戦の準備……そうか。そうだよな。これを取ればもう戦うしかなくなるんだよな。でも――僕はっ!
箱を取る。その瞬間、僕は異常なほどのまでの頭痛に襲われる。なんだ、これ。いてえ。くっそいてえ……
痛くてもがいている僕に、見ていた3人は何か言っていたが、何も聞こえなかった。
15分間、頭痛は続いた。頭痛が引くと、立てるようにはなったが、少しふらつく。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫……今はもう引いたから」
そう返しても、少し不穏な雰囲気は残った。この箱は、本当に僕たちにとって最強の切り札になりえるのだろうか? 世界線だって、大きく変えてはいけない。ならば、残っているのは願い事だけだ。しかし、これを使うのは最後の最後。そんな気がする。父さんが最後の死後で使ったのだって、理由があったかもしれない。だから、怖くて無理だった。
「伊勢谷さん、それに頼るのはどうしようもなくなた時だけです。それを分かったうえで……行きましょう。政府に」
そうだ。政府に、殴り込むんだ。殴り込んで……晴ちゃんを助ける。そして、ついでに政府の野望も食い止める。
「行きましょうか」
向かう。車で。もちろん、ケビンの車ではなく、美雨さんの車でだ。
……というか、車で行けるってどんなだよ……
「車で行けなきゃ困ります。政府的にも」
ま、まあ。そりゃそうだよな。うん……
「伊勢谷さん、向こうについたらまず……」
「分かってる。僕にしかできないことだ。やって見せる」
あれ? なんだっけ……何やるんだっけ……
緊張している……? 失敗すれば跡がないから。緊張している? ……緊張しないはずがない。人一人、国を動かす。そんな重いことだ。これは。最初は美雨さんに誘われただけだと思ってたけど……まさかこんなことになるとは。こうなる運命だったのだろうか? まあ、そんなことはいい。政府に殴り込んで失敗すれば確実に処刑だよな……失敗できない。まあ、最悪遺産があるからどうにかはなる……どうにかは……でも、物の力でどうこうってあまり好みじゃないんだけども……
でも、政府に向かった後、晴ちゃんを助けることに徹する。そうして、全員で必ず帰るんだ。
「これが……ジャンヌの遺産?」
あっさり過ぎる。まあ、ここに来るまでが一苦労なんだけれども。それでも、こんなにザル警備なのはどうなのだろうか。
「取れ。伊勢谷。それで開戦の準備は完了だ」
開戦の準備……そうか。そうだよな。これを取ればもう戦うしかなくなるんだよな。でも――僕はっ!
箱を取る。その瞬間、僕は異常なほどのまでの頭痛に襲われる。なんだ、これ。いてえ。くっそいてえ……
痛くてもがいている僕に、見ていた3人は何か言っていたが、何も聞こえなかった。
15分間、頭痛は続いた。頭痛が引くと、立てるようにはなったが、少しふらつく。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫……今はもう引いたから」
そう返しても、少し不穏な雰囲気は残った。この箱は、本当に僕たちにとって最強の切り札になりえるのだろうか? 世界線だって、大きく変えてはいけない。ならば、残っているのは願い事だけだ。しかし、これを使うのは最後の最後。そんな気がする。父さんが最後の死後で使ったのだって、理由があったかもしれない。だから、怖くて無理だった。
「伊勢谷さん、それに頼るのはどうしようもなくなた時だけです。それを分かったうえで……行きましょう。政府に」
そうだ。政府に、殴り込むんだ。殴り込んで……晴ちゃんを助ける。そして、ついでに政府の野望も食い止める。
「行きましょうか」
向かう。車で。もちろん、ケビンの車ではなく、美雨さんの車でだ。
……というか、車で行けるってどんなだよ……
「車で行けなきゃ困ります。政府的にも」
ま、まあ。そりゃそうだよな。うん……
「伊勢谷さん、向こうについたらまず……」
「分かってる。僕にしかできないことだ。やって見せる」
あれ? なんだっけ……何やるんだっけ……
緊張している……? 失敗すれば跡がないから。緊張している? ……緊張しないはずがない。人一人、国を動かす。そんな重いことだ。これは。最初は美雨さんに誘われただけだと思ってたけど……まさかこんなことになるとは。こうなる運命だったのだろうか? まあ、そんなことはいい。政府に殴り込んで失敗すれば確実に処刑だよな……失敗できない。まあ、最悪遺産があるからどうにかはなる……どうにかは……でも、物の力でどうこうってあまり好みじゃないんだけども……
でも、政府に向かった後、晴ちゃんを助けることに徹する。そうして、全員で必ず帰るんだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる