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Story6 3年後…
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3年後…。
タミオは、デビュー曲から連続でランキング1位を獲得し、ワールドツアーも行うほどの人気となっていた。飛び回る様な毎日を過ごしている中、最近ではモデルのユリと付き合っているとの噂も出ていた。
碧もまた、仕事で全国展開を成功し、世界に目を向け始めている。ビジネス誌にも取り上げられるほど会社が成長していた。
そんなある日、
碧が出張でニューヨークへ行き、取引先との会食を終え、宿泊しているホテルのBARで1人飲んでいると、男性が声をかけてきた。
「碧…ちゃん?どうして…」
「えっ?タミオさんこそ…
どうしてここに?」
「ツアーの真っ最中で
ここに泊まってるんだ。
碧ちゃんは?」
「私は出張でここに…」
「偶然…だね」
「ホント…偶然」
お互いに、こんな所で会えるとは思わなかった。
「隣、座って良いかな?」
「ええ、もちろん」
お互いに話したい事は沢山あった…でも何から話していいかわからず、何となく無言が続いた。
「ワールドツアーなんて
凄いじゃない!」
「碧ちゃんの方こそ。
雑誌も見たよ。
仕事の幅を海外にまで展開
させるなんて凄いね」
「ありがとう。今日も、
企業との取引が成立して
1人で祝杯を上げてたの。
お互い、この3年は
頑張ってきたって事だね。
それじゃあ、努力を
積み重ねた2人に、乾杯!」
「そうだね。お互いの
仕事の成功に…乾杯!」
本当は、お互いに相手を忘れる為に必死だっただけ。そして結局、忘れることは出来なかった…とは言えなかった。
「そうだ!前に会った
モデルのユリさん…元気?」
「あぁ…元気だよ。今は
モデルと女優の両立で、
毎日忙しいみたいだよ」
「みたい…って2人は
結婚の話が進んで
いるんじゃないの?」
「あーあれは、週刊誌が
面白おかしく書いただけ。
ユリも紛らわしいことを
言ったりしたから、大変
だったんだよ」
「そう…なんだ」
碧は少しホッとした。
「碧ちゃんこそ…彼氏は
いないの?何か、公私共に
順調とか書いてあったよ」
「いないよ。それこそ噂。
そんなヒマないし。会社を
大きくすることで精一杯。
この3年…それを目指して
きたからね。大変な事も
多いけど、今日みたいに、
楽しい祝杯が上げられる
ように今は頑張ってる、
ってとこかな」
「そっか…」
タミオは、碧に彼がいない嬉しさと同時に、充実した人生を歩んでいる彼女の時間に、自分が入り込む隙がないのだと…少し複雑な気持ちで聞いていた。
「今日は?もう
仕事って終わり?」
「うん。今日は、さすがに
終わった…いやぁ疲れた」
「お疲れ様。もう少し…
一緒に飲める?」
「もう少しなら…」
「良かった。じゃあ、
もう少しだけ付き合って。
知らない土地での偶然の
再会なんて普通ないからさ…
楽しいじゃん」
「確かに。こんな珍しい事
なんてないもんねー。あっ!
そういえば…あのカフェ、
まだあるのかな?」
「どうだろうね…オレも
忙しくて、しばらく
行ってないな…」
「バイクにも乗れて
ないけど、その代わりに
こうやって新しい場所にも
行ける様になったからね」
「確かに、あの時は
見れなかった世界を、
今は見れる様になってる
からね。それは
嬉しい発見だよね」
碧とタミオは離れている時間を埋めるように、この時間が終わらないように…止めどなく話していた。
「あっ!もうこんな時間!
明日帰るから、そろそろ
部屋へ戻らなきゃ…」
「そうなんだ…残念」
「それじゃあ、お先に。
今夜は久しぶりに会えて
嬉しかった。今まで
頑張った、ご褒美かな。
ホントありがとう」
「こちらこそだよ。
会えて嬉しかった。
オレもご褒美かな。
ありがとう」
「そういえば昔も…。
こんな偶然、あったよね?
ちょっと思い出しちゃった」
「うん、覚えてるよ。
懐かしいね…」
「身体に気を付けて…。
ツアーの成功、祈ってます」
「ありがとう。碧ちゃん
こそ…身体大事にしてね。
仕事、頑張って」
「ありがとう。おやすみ」
「おやすみ」
碧は部屋へ戻って行った。明日に備えて休む準備を進めていると、携帯が鳴った。タミオからだった。
「もしもし…タミオさん?」
「良かった。繋がるか
ドキドキしてた。碧ちゃん、
オレの番号…まだ残して
くれてたんだね」
「タミオさんこそ…
私の番号、覚えてて
くれたんだね。でも…
どうしたの?」
「もう少しだけ…
声を聞いていたいなと
思って。いいかな?」
「うん。ありがとう」
「良かった…」
「本当は私も…このまま
話していたいなと思ってた」
「そうなの?」
「もう遠い存在なんだって
ずっと思ってたのに、
まさか異国の地で、
こんな偶然、本当に
嬉しかったから…」
「オレもだよ」
「また会えなくなるなら
寂しくなる前に気持ちを
切り替えたくて先に部屋へ
戻ってきたの…ゴメンね。
こんな事、言うつもり
なかったのに…」
「碧ちゃん…今から部屋へ
行っても…良いかな?」
「えっ…」
「ダメ…かな?」
「う…うん。少しなら」
碧が部屋番号を教えると、10分後にタミオが来た。
「やっぱりもう一度、
顔が見たくてさ…」
「ありがとう。電話より
ずっと嬉しい!」
碧がそう言うと、タミオは抱きしめた。
「あの日からずっと…
連絡が来なかったから
ずっと嫌われたと
思ってた…」
「あの時は…デビューが
決まったタミオさんの
邪魔をしたくなかっただけ」
「オレだって何度も
忘れようとしたよ…。
でも忘れられなかった」
タミオに抱きしめられている腕の中で碧は溢れる涙を抑えられなかった。
「私だって。タミオさんを
忘れる為に頑張ったよー。
本当に好きだから才能を
潰しちゃいけないって、
自分に言い聞かせてきた。
忙しくしていれば、きっと
忘れると思って…だから…」
「ストップ…」
タミオは静かに人差し指で碧の唇を抑えた。
碧の涙をそっと指で拭うと、そのままキスをした。碧もゆっくり目を閉じた。
2人とも、どれだけ…この時間を夢見ては諦めてきたことだろう。そしてこのキス。もう好きになっちゃいけないと、この3年言い聞かせてきた。でも今、互いの鼓動を感じて2人は幸せだった。
この日初めて、同じベッドで眠った…。
タミオは、デビュー曲から連続でランキング1位を獲得し、ワールドツアーも行うほどの人気となっていた。飛び回る様な毎日を過ごしている中、最近ではモデルのユリと付き合っているとの噂も出ていた。
碧もまた、仕事で全国展開を成功し、世界に目を向け始めている。ビジネス誌にも取り上げられるほど会社が成長していた。
そんなある日、
碧が出張でニューヨークへ行き、取引先との会食を終え、宿泊しているホテルのBARで1人飲んでいると、男性が声をかけてきた。
「碧…ちゃん?どうして…」
「えっ?タミオさんこそ…
どうしてここに?」
「ツアーの真っ最中で
ここに泊まってるんだ。
碧ちゃんは?」
「私は出張でここに…」
「偶然…だね」
「ホント…偶然」
お互いに、こんな所で会えるとは思わなかった。
「隣、座って良いかな?」
「ええ、もちろん」
お互いに話したい事は沢山あった…でも何から話していいかわからず、何となく無言が続いた。
「ワールドツアーなんて
凄いじゃない!」
「碧ちゃんの方こそ。
雑誌も見たよ。
仕事の幅を海外にまで展開
させるなんて凄いね」
「ありがとう。今日も、
企業との取引が成立して
1人で祝杯を上げてたの。
お互い、この3年は
頑張ってきたって事だね。
それじゃあ、努力を
積み重ねた2人に、乾杯!」
「そうだね。お互いの
仕事の成功に…乾杯!」
本当は、お互いに相手を忘れる為に必死だっただけ。そして結局、忘れることは出来なかった…とは言えなかった。
「そうだ!前に会った
モデルのユリさん…元気?」
「あぁ…元気だよ。今は
モデルと女優の両立で、
毎日忙しいみたいだよ」
「みたい…って2人は
結婚の話が進んで
いるんじゃないの?」
「あーあれは、週刊誌が
面白おかしく書いただけ。
ユリも紛らわしいことを
言ったりしたから、大変
だったんだよ」
「そう…なんだ」
碧は少しホッとした。
「碧ちゃんこそ…彼氏は
いないの?何か、公私共に
順調とか書いてあったよ」
「いないよ。それこそ噂。
そんなヒマないし。会社を
大きくすることで精一杯。
この3年…それを目指して
きたからね。大変な事も
多いけど、今日みたいに、
楽しい祝杯が上げられる
ように今は頑張ってる、
ってとこかな」
「そっか…」
タミオは、碧に彼がいない嬉しさと同時に、充実した人生を歩んでいる彼女の時間に、自分が入り込む隙がないのだと…少し複雑な気持ちで聞いていた。
「今日は?もう
仕事って終わり?」
「うん。今日は、さすがに
終わった…いやぁ疲れた」
「お疲れ様。もう少し…
一緒に飲める?」
「もう少しなら…」
「良かった。じゃあ、
もう少しだけ付き合って。
知らない土地での偶然の
再会なんて普通ないからさ…
楽しいじゃん」
「確かに。こんな珍しい事
なんてないもんねー。あっ!
そういえば…あのカフェ、
まだあるのかな?」
「どうだろうね…オレも
忙しくて、しばらく
行ってないな…」
「バイクにも乗れて
ないけど、その代わりに
こうやって新しい場所にも
行ける様になったからね」
「確かに、あの時は
見れなかった世界を、
今は見れる様になってる
からね。それは
嬉しい発見だよね」
碧とタミオは離れている時間を埋めるように、この時間が終わらないように…止めどなく話していた。
「あっ!もうこんな時間!
明日帰るから、そろそろ
部屋へ戻らなきゃ…」
「そうなんだ…残念」
「それじゃあ、お先に。
今夜は久しぶりに会えて
嬉しかった。今まで
頑張った、ご褒美かな。
ホントありがとう」
「こちらこそだよ。
会えて嬉しかった。
オレもご褒美かな。
ありがとう」
「そういえば昔も…。
こんな偶然、あったよね?
ちょっと思い出しちゃった」
「うん、覚えてるよ。
懐かしいね…」
「身体に気を付けて…。
ツアーの成功、祈ってます」
「ありがとう。碧ちゃん
こそ…身体大事にしてね。
仕事、頑張って」
「ありがとう。おやすみ」
「おやすみ」
碧は部屋へ戻って行った。明日に備えて休む準備を進めていると、携帯が鳴った。タミオからだった。
「もしもし…タミオさん?」
「良かった。繋がるか
ドキドキしてた。碧ちゃん、
オレの番号…まだ残して
くれてたんだね」
「タミオさんこそ…
私の番号、覚えてて
くれたんだね。でも…
どうしたの?」
「もう少しだけ…
声を聞いていたいなと
思って。いいかな?」
「うん。ありがとう」
「良かった…」
「本当は私も…このまま
話していたいなと思ってた」
「そうなの?」
「もう遠い存在なんだって
ずっと思ってたのに、
まさか異国の地で、
こんな偶然、本当に
嬉しかったから…」
「オレもだよ」
「また会えなくなるなら
寂しくなる前に気持ちを
切り替えたくて先に部屋へ
戻ってきたの…ゴメンね。
こんな事、言うつもり
なかったのに…」
「碧ちゃん…今から部屋へ
行っても…良いかな?」
「えっ…」
「ダメ…かな?」
「う…うん。少しなら」
碧が部屋番号を教えると、10分後にタミオが来た。
「やっぱりもう一度、
顔が見たくてさ…」
「ありがとう。電話より
ずっと嬉しい!」
碧がそう言うと、タミオは抱きしめた。
「あの日からずっと…
連絡が来なかったから
ずっと嫌われたと
思ってた…」
「あの時は…デビューが
決まったタミオさんの
邪魔をしたくなかっただけ」
「オレだって何度も
忘れようとしたよ…。
でも忘れられなかった」
タミオに抱きしめられている腕の中で碧は溢れる涙を抑えられなかった。
「私だって。タミオさんを
忘れる為に頑張ったよー。
本当に好きだから才能を
潰しちゃいけないって、
自分に言い聞かせてきた。
忙しくしていれば、きっと
忘れると思って…だから…」
「ストップ…」
タミオは静かに人差し指で碧の唇を抑えた。
碧の涙をそっと指で拭うと、そのままキスをした。碧もゆっくり目を閉じた。
2人とも、どれだけ…この時間を夢見ては諦めてきたことだろう。そしてこのキス。もう好きになっちゃいけないと、この3年言い聞かせてきた。でも今、互いの鼓動を感じて2人は幸せだった。
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