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手紙
しおりを挟む次の日の朝、リョクは英に、なんでいるんだとか文句を言って、機嫌が悪いまま学校に行った。
ばあちゃんには昨日買ってきた出汁とか大福、洗剤を見せた、今日はハンドクリームとアイスクリームを頼まれた。
僕と英はそれぞれ仕事場に行った。
僕は自分の事務所で仕事を、と言っても、今日は珍しく楽な一日だ、本の後書きを書き上げるので外には出ない、時間にゆとりがあったので、英とは、これからどうするか考えた。
真剣な付き合いより、今まで通り気が向いたらでいいのかなぁと、、安定したパートナーは欲しいが、リョクが英を嫌がっている、リョクを説得出来るくらい僕は英の事、本気じゃない、、暇つぶしの恋愛かぁ、、、暇じゃないけどなぁ。
本気の恋愛の前に、
いつも有がいる。
一生、恋愛出来ないだろう。
有、君に会いたい、、。
物思いに耽っていたら、昨日のファンの手紙を思い出した。
はじめまして
突然手紙を渡され驚いている事と思います。
まず、読んで下さい、お願い致します。
私は父親から葉様宛ての手紙を預かりました。
私は、七(ナナ)と言います28歳です。
いきなりですが、私の一身上を書きます。
私は生まれてから、母親に育てられました、
もう少し詳しくいうと、学生結婚で僕を産んだ母は自分の両親に僕を預けました。母は学生のまま両親と私の4人で生活しました。(僕は間違えて出来た子供のようです。)
私の父親と言う人には、会った事ありませんが、毎年誕生日7月7日にノートを一冊、母を通してくれました。
母の説明によるとノートを20歳になるまでの分20冊と封筒(封筒は私が10歳くらいの時、預かったそうです)。
1冊、1冊に、1歳おめでとう2歳おめでとう、、と1ページめにコメント付きで、ナナの誕生日に渡すよう頼んできたとの事で、
20歳になった時最後のノートと、もし父が死んでいないときには、封筒をナナに渡して欲しいと父は母に頼んだようです。
私は父が生きているのか、死んでいないのか知らされていませんが、18歳くらいの時、戸籍謄本が必要な事があり、私が10歳くらいの時亡くなった事は知っていました。
父の話は、僕が知っている限り、我が家では1度も出て来ません、唯一誕生日のノートをくれる時だけです。
父と母は僕の為に籍を入れた、実際は好き同士ですらなかった。可哀想な2人です。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
怪訝な手紙だと思っているでしょう。
20歳の時母づてに、父から渡された封筒を開けると、
20歳おめでとう
君は、どんな風に育ったんだろう、父親の記憶がないナナに、今更父親面は出来ない 、
全て至らなさのせいで、ナナには申し訳なかった。謝っても謝りきれない、、父がいない現実は辛かったでだろう、相談したい事、遊びたい事、たくさんあったと思う。
申し訳なかった、、、。
ナナが、この手紙を読んでいると言う事は、
死んでいるんだなぁ。
迷惑かけ通しのなのに、、、頼みたい事がある。、、ナナにしか頼めないんだ、、。
ナナ、君のお父さんからのお願いだ
もう死んでいないのに、お願い事なんて、ナナには、、、迷惑な事だと思う、いい加減にしろって思っていると思う、。
会ったこともないのになぁ、。
ごめんなぁ、、さっさと居なくなって
なんにも、してやれなくて、、
良い父親じゃなくて、、ごめんなぁ、、
本当に申し訳なかった。
今28歳なんだ。未来のナナにどう向き合っていいのか、正直わからない、どう言葉を残していいかも、、、わからない。
未熟過ぎて、ガッツリしないでくれ、、
ナナ、父を通り超して大きくなれ、なれるから
大丈夫だ、。
一緒に入っている封筒を、美容家の葉と言う人に渡してもらいたい。検索すると出てくるはずだ。
今、直ぐじゃなくていい、ナナが良いと思う時でいい、10年後でも、20年後でも。
何回も書くけど、ナナ、良い父親じゃなくて申し訳なかった、ナナとは合わせてもらえず残念だった、自分のやりたい事を大事にした結果だと思う、
ナナのお母さん、お爺さん、お婆さんには、感謝している、ナナを立派に育ててくれた。
この手紙を見ていると言う事は、立派に育った、
ありがとう、、本当にありがとう、。
あれ、なんか涙が出て来た、、、
この手紙をナナが見ているのを想像すと、、、おれ、ナナの父親、いないんだ。
そうなるんだなぁ、、。
ナナ、自分の道を歩いてほしい、ゆっくりで大丈夫だ、
ナナ、お前の父親はいつもお前を見ている、、、、守っている大丈夫だ。
もし困った事があったら、ヨウに会いに行ってほしい、助けてくれるから、、
何も心配する事はないよ、楽しく生きてほしい 、大丈夫だ。
父 有。
便箋に書かれてました。内容は殆ど私宛ですが、葉様にも父の一面を知って頂きたく記しました。
同封している手紙を、渡して欲しいと言われても、20歳の私では受け止めきれない事でした。
父が亡くなった同じ28歳になれば、私の中でも何かが変わり、何かが見えるような気がしました。
同封している手紙(内容はわかりません)を、わざわざ残す父の気持ち、受けとる葉様の気持ち、考えると泣けてきました、。
私は、父が亡くなった28歳で渡すと決めました。私と手紙を書いた父、有は同じ年齢です。
僕は、何を読んでいるんだ、涙で見えない。
有の生きてきた足跡が今見えた。この手紙は、、なんなんだ、、、。
一緒に入っていた封筒を開けた。
ヨウ、元気か、
この手紙をヨウが読んでいると言う事は、おれは死んでもういないんだな、もう40歳は超えているな、、、
先に書いておく、手紙を届けたの、おれの息子ナナだ、ナナが困った時、助けてやってくれ、、
ごめん、大事な事忘れないうちに、書いておこうと思った。おれ生きて書いているから、なんか上手く書けない、、あれぇ涙落ちた、。
今、おれ28歳だ、。
ヨウと知り合って5年、楽しいよ、、ヨウの活躍自分の事のように嬉しいって、
大好きだ、おれはこの手紙書いていて、生きている、目の前にしては恥ずかしくて言えなかった。
ヨウが大好きだ、あの着物の講習会で会い、一目で恋に落ちた、知れば知るほど、良いやつだし、ヨウはカッコイイよな、ずっと言いたかった。
一生共に歩きたい、と言いたかった。
大好きだ。
けど、この先も言わない、言えない。
おれ、子供がいるんだ、今10歳くらいかな。この手紙をヨウが見る頃、ナナも30歳とか40歳とかになっているかもなぁ、。
おれの籍に入っているけど1度も会った事がない、
18歳で、デキ婚した。成り行きで1回したら出来た。子供の事考え籍を入れた。
相手の両親は跡取りが出来たと喜び、籍だけ入れて、ナナには会わない条件で、大学もそのまま続けて、好きな人生歩んでいいと言われたた。
18歳のおれはその言葉に甘えた。大学院を卒業して、見て見たかった美容の世界に入ったんだ。生活面では、独り暮らしの独身と同じだった。
今思えば、1人の人間の父親として最低の決断だと思う。 今更、父親やりますなんて言えない、遠くから見守ってやるしか出来ない。
恋愛して自分だけが幸せになっては、ダメなんだ。
ヨウ、君には片想いで、充分おれは満足だ。
ヨウ、君に会えて良かった。
今おれは、生きて書いているけど、
ヨウ、おれは今、側にいないよなぁ。
ヨウの隣にいない、それを想像すると寂しい。
おれ、いないんだよなぁ。
ごめんなぁ、湿っぽくなった。
ヨウ 今おれ勝手な想像ばかりだ。
ヨウが結婚して今、幸せなら、おれも幸せだ。
もしかして、子供5人くらいに囲まれ楽しくやってんのか、それでもおれは嬉しい。
言っていなかった大事な事。
おれ病気なんだ、m症候群って言って、急に心臓が止まるらしい、治療法もなく、わからないんだ。
たぶん、
急に会えなくなったんだよな、
ごめん、心配かけたなぁ。
今、自分の元気な思いだけで書いているけど、これを読んでいるヨウは、何十年も経ったよな、、、、
好き勝手に色々書いたけど、、、、
おれの事覚えている、、、有だよ。
もしかして、今更だよね、子供いる事、
いつ死ぬわからない病気持っている事、
何か自己満足の手紙になっているね、
おれの事忘れてたら、手紙捨ててくれ、
ヨウが今、幸せならおれも満足だ、良かった。
おれは、覚えているずっと
大好きだって、、ヨウ、
ヨウ、、来世でも、出会いたいなぁ、
おっと、また湿っぽいなぁ、
なんで何だ、書いていて涙が止まらない、、教えてくれ、、ヨウ。
おれが急に居なくなって、もし、、引きずっていたら、全部、忘れろ、なぁ、それが一番だ。おれからのお願いだ。
なぁヨウ、忘れられないって言うだろうなぁ、ヨウ、、優しいからなぁ。
でもお願いだ、忘れて心から、、全て楽しんでくれ、絶対にそうしろよ。
聞いてくれよ、お願いだよ。
最初も書いたけど、この手紙を届けたの、おれの息子のナナだ、、と思う。
おれはナナに会った事がない。
ヨウ、もしナナが、ヨウに助けを求めたら、ヨウの出来る範囲でいい、手を貸してあげてくれないか、
最低な父親のお願いだ。宜しくだ。
人生の先輩としての話相手でも良い、おれが大好きなヨウだ、ナナとも合うと思う。
なんだかぁなぁ、自分の良いような
願いばかりの文章だな、、、
天国からヨウへ、、
って小説みたいだなぁ。
なんだか涙止まらないんだ、目が腫れると後でヨウ心配するな、
涙、止まれ、、、笑笑。
大好きだ、ヨウ
出会えて、良かった、、今思う。
ヨウ、、君に会いたい、、。
死んでも想う。
おれは、今日の夜ヨウに会える。
楽しみだ。
泣くなよ、ヨウ、、おれは元気だ
有。
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