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No04 次期君主も飼ってるからには山猫に愛されたい
052 言った者勝ち、行動した者勝ち 1
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喉に力を入れて発する音無き声で飛び立ち、滑空を開始する禿鷲の姿を確認してから…、シャンマオは婕妤の視界を奪い、婕妤に背を向け走り…、ジエンを護る為、ジエンの後頭部を手で護る様にして押し倒す……。地面に倒されたジエンの方は、滑空し迫ってくる禿鷲からシャンマオを護ろうと、咄嗟にシャンマオを抱き締めていた。そこへ吹き付ける風、ホバリングする禿鷲、駆け寄る複数の足音。血の臭い。
一呼吸置いてゆっくり起き上がる2人に「無事か?」と声を掛けたのはドウンで、シャンマオは幼い頃から付き合いのある禿鷲のドゥイジャンが、自分の指示よりドウンの持つ犬笛の指示の方を優先した事を知り、振り返り、複数の者に取り押さえられ、数人掛かりで縄で縛られていく婕妤を見て安堵と、今の自分に馴染んできていた生活の終わりを覚悟していた。
ドウンに対するジエンとシャンマオからの返事は無かった。その代わり、ジエンの頬に手を伸ばし「怪我はしていないか?」と言うシャンマオの肘から液体が滴り落ちる。月明かりに照らされたシャンマオの手の甲から手首に掛けてはザックリと切り込みが入り、流血していた。「オマエこそ」と言って、シャンマオの手首を掴んだジエンはヌルリとした生暖かい感触に驚き、シャンマオの傷にやっと気が付いて慌て「今すぐ、医局長のジルイを呼べ!」と叫び出す。シャンマオはクスクス笑い「罪人の妹に、その必要は無い。」と言い切り「領主や、その身内に害を成した者及び、その親族は極刑だろ?」と言ってジエンの手を振り払った。
2人に無視されていたドウンは、その光景を何か言いた気に黙って目の当たりにした上で「兄上、短絡に考えて安易に自らの死を選ぶ猫の捕獲を御願いします。今、逃がしてしまうと自害されてしまうかもしれませんよ?」とジエンを小声で脅し、後押しするかの如く肩を叩いて、自らは捕縛の完了した婕妤の元へ向かう。
ドウンに脅かされたジエンは「前回同様、今回も極刑にはしない。俺がさせない。」と言ってシャンマオを逃がさぬ為、担ぐ様にして抱き上げ、貴妃の屋敷にそのまま連れ帰る。
貴妃の屋敷では、捕り物劇を鑑賞していた貴妃とモンファが出迎え、ジエンが通った後に点々と続く滴った鮮血とシャンマオの傷に気が付いた貴妃が、モンファに白湯と傷薬、包帯を持ってこさせ、シャンマオの手に傷の中に入った砂を洗い流して、その場で止血した。
担がれる事で出血量が増え、貴妃の荒っぽい治療で更に血を流し、ここ最近の諸々の事で血の足りていなかったシャンマオは、何時の間にか眠る様に意識を手放し、今度は疑心暗鬼になったジエンの要望で再び鎖に繋がれる事に成る。
そんな翌昼の事、シャンマオは夢現に安心感と幸せを感じながら、妓楼である程度の馴染みがあり、前は少し苦手だったイランイランの癖のある甘い香りに包まれ、ジエンに抱かれる感覚に翻弄されていた。夢みたいに自分の思う様に動かない、スローモーションの様にゆっくりしか動かせない、痺れも重みも強く感じる身体が、現実感を無くさせる。
今まで経験した事の無い感覚、滑りを持ち触れて這うジエンの手、摩擦が存在しないかの如く滑り激しく動くジエンの身体。その割に妙にリアルな音…、濡れた音、ゲル状の物を掻き混ぜるみたいな音、時に激しく肌と肌を打ち合わせる音……。ソレに準ずる抗い切れぬ感覚に追い詰められて身を震わせ、仰け反り呼吸を詰らせ、時には耐え切れなくなってジエンにしがみつき、あられもない声を上げ、息を切らしながらシャンマオは何度も繰り返し自分の身体を抱く男の名を囁く様に口にしては、違う場所に強めの刺激を与えられ、軽く果てさせられ、落ち着いた所で、また、ゆっくり抜いて押し込まれ、次第に激しく責め立てられて、を繰り返す。自分では何もしていないのに滴る汗、激しく脈打つ鼓動、目の前に点滅する粒子が見え出し、視界がゆっくりと暗転して行ったのは夢か?現実か?シャンマオは次に覚醒した時に実感する事に成った。
ジエンは微かに喘ぎ、気持ちよさ気に身体を振るわせた後、達成感に頬を緩め、満足気に手の甲で汗を拭い、目を覚ましたシャンマオに気付いて幸せそうに微笑む。
シャンマオが、まだ眠そうに目を擦り「ジエン…、これってどう言う事で、何をしてるんだ?」と質問するとジエンは「シャンマオに種付けをしていたんだw」と笑った。
「は?なんだソレ…、それ、寝込みを襲ってしちゃ駄目なヤツだろ?」
「ん~でも、やってる最中に一度は受け入れてくれただろ?」
「え?あっ…(あれって、夢とかでは無く、現実だったのか…)……。」
「あの時、ちゃんと言質を取って、互いの薬指に指輪を付けたじゃないかw」
「えぇ~…それって有りなのか?」
シャンマオは包帯を巻かれた手で左手の薬指の指輪に触れ、溜息を吐いた。
一呼吸置いてゆっくり起き上がる2人に「無事か?」と声を掛けたのはドウンで、シャンマオは幼い頃から付き合いのある禿鷲のドゥイジャンが、自分の指示よりドウンの持つ犬笛の指示の方を優先した事を知り、振り返り、複数の者に取り押さえられ、数人掛かりで縄で縛られていく婕妤を見て安堵と、今の自分に馴染んできていた生活の終わりを覚悟していた。
ドウンに対するジエンとシャンマオからの返事は無かった。その代わり、ジエンの頬に手を伸ばし「怪我はしていないか?」と言うシャンマオの肘から液体が滴り落ちる。月明かりに照らされたシャンマオの手の甲から手首に掛けてはザックリと切り込みが入り、流血していた。「オマエこそ」と言って、シャンマオの手首を掴んだジエンはヌルリとした生暖かい感触に驚き、シャンマオの傷にやっと気が付いて慌て「今すぐ、医局長のジルイを呼べ!」と叫び出す。シャンマオはクスクス笑い「罪人の妹に、その必要は無い。」と言い切り「領主や、その身内に害を成した者及び、その親族は極刑だろ?」と言ってジエンの手を振り払った。
2人に無視されていたドウンは、その光景を何か言いた気に黙って目の当たりにした上で「兄上、短絡に考えて安易に自らの死を選ぶ猫の捕獲を御願いします。今、逃がしてしまうと自害されてしまうかもしれませんよ?」とジエンを小声で脅し、後押しするかの如く肩を叩いて、自らは捕縛の完了した婕妤の元へ向かう。
ドウンに脅かされたジエンは「前回同様、今回も極刑にはしない。俺がさせない。」と言ってシャンマオを逃がさぬ為、担ぐ様にして抱き上げ、貴妃の屋敷にそのまま連れ帰る。
貴妃の屋敷では、捕り物劇を鑑賞していた貴妃とモンファが出迎え、ジエンが通った後に点々と続く滴った鮮血とシャンマオの傷に気が付いた貴妃が、モンファに白湯と傷薬、包帯を持ってこさせ、シャンマオの手に傷の中に入った砂を洗い流して、その場で止血した。
担がれる事で出血量が増え、貴妃の荒っぽい治療で更に血を流し、ここ最近の諸々の事で血の足りていなかったシャンマオは、何時の間にか眠る様に意識を手放し、今度は疑心暗鬼になったジエンの要望で再び鎖に繋がれる事に成る。
そんな翌昼の事、シャンマオは夢現に安心感と幸せを感じながら、妓楼である程度の馴染みがあり、前は少し苦手だったイランイランの癖のある甘い香りに包まれ、ジエンに抱かれる感覚に翻弄されていた。夢みたいに自分の思う様に動かない、スローモーションの様にゆっくりしか動かせない、痺れも重みも強く感じる身体が、現実感を無くさせる。
今まで経験した事の無い感覚、滑りを持ち触れて這うジエンの手、摩擦が存在しないかの如く滑り激しく動くジエンの身体。その割に妙にリアルな音…、濡れた音、ゲル状の物を掻き混ぜるみたいな音、時に激しく肌と肌を打ち合わせる音……。ソレに準ずる抗い切れぬ感覚に追い詰められて身を震わせ、仰け反り呼吸を詰らせ、時には耐え切れなくなってジエンにしがみつき、あられもない声を上げ、息を切らしながらシャンマオは何度も繰り返し自分の身体を抱く男の名を囁く様に口にしては、違う場所に強めの刺激を与えられ、軽く果てさせられ、落ち着いた所で、また、ゆっくり抜いて押し込まれ、次第に激しく責め立てられて、を繰り返す。自分では何もしていないのに滴る汗、激しく脈打つ鼓動、目の前に点滅する粒子が見え出し、視界がゆっくりと暗転して行ったのは夢か?現実か?シャンマオは次に覚醒した時に実感する事に成った。
ジエンは微かに喘ぎ、気持ちよさ気に身体を振るわせた後、達成感に頬を緩め、満足気に手の甲で汗を拭い、目を覚ましたシャンマオに気付いて幸せそうに微笑む。
シャンマオが、まだ眠そうに目を擦り「ジエン…、これってどう言う事で、何をしてるんだ?」と質問するとジエンは「シャンマオに種付けをしていたんだw」と笑った。
「は?なんだソレ…、それ、寝込みを襲ってしちゃ駄目なヤツだろ?」
「ん~でも、やってる最中に一度は受け入れてくれただろ?」
「え?あっ…(あれって、夢とかでは無く、現実だったのか…)……。」
「あの時、ちゃんと言質を取って、互いの薬指に指輪を付けたじゃないかw」
「えぇ~…それって有りなのか?」
シャンマオは包帯を巻かれた手で左手の薬指の指輪に触れ、溜息を吐いた。
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