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一部 同じ日のループ

4-②空き教室に連れ込まれました

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「なあ、三浦なんであんなにキレてるの?俺三浦がキレてるの初めて見たけど」
「さあ……?」


 俺は見たことあるけどね、と涼太は思ったが言わなかった。
 二回目の時、手紙を無視した時の三浦は恐ろしかった。でも今回の三浦はその時以上に怖い。柴田が好きなんて適当なことを言っても騙されてはくれなかったのだろう。だからあんなに怒っているのだ。

 でもああでも言わないとどうしてダメなのかと聞かれ続けて流されてしまいそうだったのだ。だって圧がすごいのだ。


 涼太は柴田と一緒に、大人しく三浦の後をついていく。あまりいいことにはならないだろうなと思ったけど、どうも逃げられる空気ではない。
 まあ柴田もいるし、おかしなことにはならないだろう。

 そう、思っていたのだけど。





 空き教室に入った途端、柴田は後ろ手に手錠をかけられて、床に転がされた。どこでそんなものを用意したのか、ご丁寧に猿ぐつわまで噛まされている。
 あ、これやばいやつだ。
 柴田を見捨てて逃げようとしたが、腕を強く引かれ、バランスを崩してしまう。


「――そいつのこと、忘れさせてあげる」


 耳元で囁かれる。
 逃げないといけないのに、腰が抜けて力が入らない。

 よく考えたら、三浦はいつだって人前で涼太を犯そうとしていたではないか。二回目の時はトイレのドアを開けようかと言った。三回目の時は電車の中で。
 じゃあ、今は「好きな人」の前で?
 柴田の前で犯せば、涼太が柴田を諦めると思って?

 机の上にゆっくりと押し倒される。教室の小さな机だから、少し暴れれば落ちてしまいそうだった。

 ネクタイを解かれ、シャツの前が全開にされる。

「や、やだ……」

 ぷくんと尖って期待に震えた乳首は、最初に触られた時より少しずつ敏感になっているように思える。

「ひっ!」

 乱暴に乳首を摘ままれる。くにくにと先端をいじられると、乳首が更にツンとする。

「んっ……ひっ」
「本当はあいつに触られたいの?」
「ち、ちがっ」
「涼太の乳首、敏感でいやらしいね……自分でも触ったりしてた?あいつのこと考えながら?」
「ちが、……やだ、やだっ」

 転がされた柴田の前で、乳首をさらけ出して、そこを三浦にいじられている。
 柴田のことを好きというわけではないが、友人にそんなところを見られているという異常なシチュエーションに、どこか興奮してしまう。
  
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