22 / 62
魔王城に慣れるまで
小さい執事。2
しおりを挟む
「本当のぼくはもっとしっかりしています。下準備は誰よりもします。ただ、今回は急な変更があったのです」
「なに?」
「本来担当のメイドから、急にぼくへ変更になりまして。なんでも魔王様親衛隊で、魔王様とお近づきになる女性を片っ端からいじめていたとか……」
「あー、そういう女いるね。たまにね」
言い訳としても、なんで私はこんな内々の話を聞かされているんだ?
「本人は冤罪と言い張っていますが、もうじき実家へ送り返されることでしょう。なので、レミール様はご安心ください」
この子供、笑顔でなんか変なこと言ってるぞ?
「ん?どゆこと?なんで私が安心するの?昨日飲んだのがそんなに噂になってるとか?」
嫉妬は……まあされる可能性はあるな。立場上簡単にはいじめられることもないだろうけど。
「あ、いえ……そうです」
はたとして、困り眉を更に困らせる。
まあ、人質と魔王が会食してたら話題にはなる。内部では打ち合わせもされているだろうし。
「魔王様はきっとレミール様に夢中だと思い……失言いたしました」
ペコリと頭を下げるゴート。
……なんか変だな?フェンリルの部下だからと言って安易に信頼はできなさそうだ。サイファも何度も毒盛られたって言ってたからな。
揺さぶってみるか。何を考えているか知りたい。
「ダメよ。私は勇者の婚約者なんだから。ハルを裏切ることなんかできないよ。確かにサイファは素敵だから、ちょっと惹かれてるけどね。なんちゃって」
てやんでぃ。べらぼうめぃ。
ゴートはキリッとした視線がこちらへ向けた。澄んだ目をしている。
「ぼくは心に素直に生きたほうがいいと思います。本当に勇者でいいんですか?」
味方がいた!そうなのよ!勇者でよくないです!
でもこいつ、サイファの目的からしたら裏切り者だな。サイファ本人がよくわからんことは除いたとしても……フェンリルは私とハルをくっつけようとしてるし。
本当に、ゴートが個人的にそう思って悪気なく言っているだけかもしれない。それはそうとしても、万が一もある。
もし裏切り者だった場合、今、直接言って変な魔法とか使われても困るな。武器になるものとかないしし、そもそも戦えないし。
タイミングを見計らってフェンリルにそれとなく密告しよう。万が一のため。
「ありがとう」
私はゴートの頭をポンポンと叩いた。
「子供扱いしないでください」
「はいはい。で、私は今日、何をすればいいの?」
風船みたいにぷくーと頬を膨らますゴートに、私は尋ねた。
「なに?」
「本来担当のメイドから、急にぼくへ変更になりまして。なんでも魔王様親衛隊で、魔王様とお近づきになる女性を片っ端からいじめていたとか……」
「あー、そういう女いるね。たまにね」
言い訳としても、なんで私はこんな内々の話を聞かされているんだ?
「本人は冤罪と言い張っていますが、もうじき実家へ送り返されることでしょう。なので、レミール様はご安心ください」
この子供、笑顔でなんか変なこと言ってるぞ?
「ん?どゆこと?なんで私が安心するの?昨日飲んだのがそんなに噂になってるとか?」
嫉妬は……まあされる可能性はあるな。立場上簡単にはいじめられることもないだろうけど。
「あ、いえ……そうです」
はたとして、困り眉を更に困らせる。
まあ、人質と魔王が会食してたら話題にはなる。内部では打ち合わせもされているだろうし。
「魔王様はきっとレミール様に夢中だと思い……失言いたしました」
ペコリと頭を下げるゴート。
……なんか変だな?フェンリルの部下だからと言って安易に信頼はできなさそうだ。サイファも何度も毒盛られたって言ってたからな。
揺さぶってみるか。何を考えているか知りたい。
「ダメよ。私は勇者の婚約者なんだから。ハルを裏切ることなんかできないよ。確かにサイファは素敵だから、ちょっと惹かれてるけどね。なんちゃって」
てやんでぃ。べらぼうめぃ。
ゴートはキリッとした視線がこちらへ向けた。澄んだ目をしている。
「ぼくは心に素直に生きたほうがいいと思います。本当に勇者でいいんですか?」
味方がいた!そうなのよ!勇者でよくないです!
でもこいつ、サイファの目的からしたら裏切り者だな。サイファ本人がよくわからんことは除いたとしても……フェンリルは私とハルをくっつけようとしてるし。
本当に、ゴートが個人的にそう思って悪気なく言っているだけかもしれない。それはそうとしても、万が一もある。
もし裏切り者だった場合、今、直接言って変な魔法とか使われても困るな。武器になるものとかないしし、そもそも戦えないし。
タイミングを見計らってフェンリルにそれとなく密告しよう。万が一のため。
「ありがとう」
私はゴートの頭をポンポンと叩いた。
「子供扱いしないでください」
「はいはい。で、私は今日、何をすればいいの?」
風船みたいにぷくーと頬を膨らますゴートに、私は尋ねた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,912
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる