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インド洋作戦
第37話 サマヴィル提督
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太陽が昇りはじめた頃、夜間攻撃に参加したアルバコア雷撃機が次々に帰還してきた。
もちろん、これは偶然ではなく、母艦に戻るのが夜明け以降になるように出撃時間を調整していたからだ。
ただでさえ気を遣う夜間飛行に加え、さらに敵に対して肉薄雷撃を実施するのだから、その分だけ搭乗員の疲労は激しいものになる。
そんな彼らに夜間着艦を強いるなど、罰ゲームもいいところだ。
しかし、母艦に降り立ちコクピットから這い出てきた搭乗員らは疲れを感じさせないような晴れ晴れとした表情をしていた。
そのことで、東洋艦隊の将兵らはその誰もが夜間雷撃が成功したことを確信した。
母艦に降り立った雷撃隊の搭乗員らは、日本艦隊を相手に英海軍航空隊のお家芸とも言える夜間雷撃を敢行していた。
その戦技は冴えわたり、日本空母の横腹に次々に魚雷を突きこんでいった。
そして、「インドミタブル」それに「フォーミダブル」の搭乗員たちの報告を信じるのであれば、これら雷撃隊は三隻の日本空母に対して最低でも七本の魚雷を叩き込んだらしい。
ただ、一方でその戦果に疑いの目を向ける者もいた。
「死線をくぐり抜けた雷撃隊搭乗員の戦果を根拠もなく値切るつもりはないが、しかし展開の速い航空攻撃であれば戦果の誤認も起こりやすい。それが夜間であればなおのことだ。おそらく他隊が命中させたことで生じた水柱に対し、これを自分たちが命中させたのだと勘違いしてしまったのだろう」
そう言ってサマヴィル提督は現実を見据える。
現時点において、日本艦隊には二隻の空母が存在することが接触維持任務にあたっている「ハーミーズ」三号機ならびに四号機によって確認されていた。
つまり、撃破あるいは撃沈した日本の空母は二隻にとどまるということだ。
そうであれば、七本が命中したとされる戦果についても、実際にはこれが過大報告である可能性が高い。
さらに「ハーミーズ」三号機が続報を送ってくる。
残る二隻の空母の艦型についてだ。
同機は、そのシルエットから「蒼龍」と「飛龍」で間違いないと報告してきた。
さらに、それらの飛行甲板には多数の艦上機が並べられていること、それに一〇隻以上あった護衛艦艇が、今ではその数が五隻にまで減じていることも併せて打電してきている。
戦果そのものについては懐疑的なサマヴィル提督だったが、しかし艦型の報告については全面的にこれを信用していた。
世界の空母の中で最も腰高な「赤城」「加賀」と、まるで海面を這っているのかと思わせるくらいに乾舷が低い「蒼龍」「飛龍」とではそのシルエットはあまりにも違い過ぎる。
これを間違うようであれば、それは確認した者がどうかしていると言っていい。
もちろん、英海軍航空隊にそのような粗忽者は存在しないはずだった。
いずれにせよ、この情報は東洋艦隊にとっては明らかに朗報だと言えた。
「赤城」や「加賀」は「蒼龍」や「飛龍」に比べて二倍以上も排水量が大きい。
艦型が大きければその分だけ格納庫も広く、そのことで搭載する艦上機もまた多くなるはずだ。
その「赤城」と「加賀」が戦列を去った。
避退を企てているのか、あるいはすでに沈んでしまったのかは今のところは判然としない。
護衛艦艇の減り方が著しいことから、おそらくは避退のほうだろう。
ただ、今のところはそれら二隻が退場したという事実だけで十分だった。
サマヴィル提督が分からないのは、航空戦力が半分以下に減じてなお一航艦それに第二艦隊に撤退する様子が見られないということだ。
しかも、そこに含まれている二隻の空母の飛行甲板には艦上機が並べられているという。
つまり、連中は戦いをあきらめていない。
ならば、こちらもまた手を緩めるようなことはできない。
「攻撃隊を発進させる。目標は残る二隻の空母だ。これを始末してしまえば、日本艦隊に戦う手段は無い」
サマヴィル提督としては、帰還してさほど間の無い搭乗員たちに再度の出撃を命じるのは不本意もいいところだった。
彼らは肉体的にも、そして精神的にも疲労のピークにある。
その疲れ切った部下たちに対し、もう一度死地に飛び込めと命令するのだ。
愉快であろうはずがなかった。
それでも、敵が立ち向かってくる以上は、これを迎え撃たなければならない。
戦前、「インドミタブル」それに「フォーミダブル」には合わせて五〇機のアルバコアがあった。
しかし、夜間攻撃で二機が未帰還となり、さらに四機が再飛行不能と判定される損傷を被るか、あるいは発動機不調に陥っていた。
いずれにせよ、被害がこの程度で済んだのは、対空火器の照準がつけにくい夜間攻撃だったからだろう。
「攻撃隊を発進させるとして、戦闘機はいかが致しますか。双方の距離が詰まっていますので、脚の短いシーハリケーンでも十分に護衛が務まります」
航空参謀の具申にも似た問いかけに、サマヴィル提督は脳内の算盤を弾く。
戦闘機の護衛をつけることについては、すでにこれを決心していた。
夜間攻撃とは違い、昼間攻撃であれば敵戦闘機の迎撃を受けることは必至だからだ。
問題は攻撃隊につけてやるシーハリケーンの数だった。
「インドミタブル」それに「フォーミダブル」はともに一三機の戦闘機しか搭載していない。
「戦闘機については、両空母ともにこれを六機とする。本来であれば、もっと付けてやりたいところだが、しかし艦隊上空をがら空きにするわけにもいかん」
少し考えて、サマヴィル提督はさらに命令を付け足す。
「A部隊とB部隊の間隔を詰めよう。そうすれば『ハーミーズ』の戦闘機も防空戦闘に参加することができるはずだ」
B部隊の「ハーミーズ」には一〇機のシーハリケーンが搭載されていた。
これを加えれば、直掩任務にあたる戦闘機は一四機から一気に二四機に増える。
もちろん、これだって十分な数だとは言えないが、しかし相手は小ぶりな空母が二隻のみだ。
それゆえに、こちらに向かってくる攻撃隊の規模も、それほど大きなものではないはずだった。
そうであれば、敵の攻撃を完全に封じるのは難しくとも、それでもかなりの数の敵機を阻止してくれることは間違いない。
それがかなえば、後は各艦の対空砲火と個艦の回避運動で被害は最小限に抑えることができる。
「奇跡だな」
小さくつぶやき、サマヴィル提督は神に感謝を捧げる。
圧倒的に不利な状況で迎えたこの戦いで、自分たちは互角どころかむしろ優勢に戦うことができている。
もはや、日本艦隊にセイロン島の友軍基地をどうこう出来る力は残っていない。
まして、インド洋の制海権の奪取など夢のまた夢だ。
つまり、自分たちはインド洋を日本軍の魔手から守り抜くという戦略目標をすでに達成しているのだ。
そして、これから始まるであろう洋上航空戦に勝利すれば、戦略的勝利に続いて戦術的勝利もまたこれを得ることが出来る。
そうなれば、東洋艦隊の完全勝利だ。
そのようなことを思いつつ、サマヴィル提督は次々に命令を出していく。
そのことで動き出した幕僚、それに将兵らの動きは機敏だ。
誰もが疲労の極にあるのにもかかわらず意気軒昂なのは、これが勝ち戦だと分かっているからだろう。
その頼れる部下たちの背中を見て、サマヴィル提督は改めて勝利を確信した。
もちろん、これは偶然ではなく、母艦に戻るのが夜明け以降になるように出撃時間を調整していたからだ。
ただでさえ気を遣う夜間飛行に加え、さらに敵に対して肉薄雷撃を実施するのだから、その分だけ搭乗員の疲労は激しいものになる。
そんな彼らに夜間着艦を強いるなど、罰ゲームもいいところだ。
しかし、母艦に降り立ちコクピットから這い出てきた搭乗員らは疲れを感じさせないような晴れ晴れとした表情をしていた。
そのことで、東洋艦隊の将兵らはその誰もが夜間雷撃が成功したことを確信した。
母艦に降り立った雷撃隊の搭乗員らは、日本艦隊を相手に英海軍航空隊のお家芸とも言える夜間雷撃を敢行していた。
その戦技は冴えわたり、日本空母の横腹に次々に魚雷を突きこんでいった。
そして、「インドミタブル」それに「フォーミダブル」の搭乗員たちの報告を信じるのであれば、これら雷撃隊は三隻の日本空母に対して最低でも七本の魚雷を叩き込んだらしい。
ただ、一方でその戦果に疑いの目を向ける者もいた。
「死線をくぐり抜けた雷撃隊搭乗員の戦果を根拠もなく値切るつもりはないが、しかし展開の速い航空攻撃であれば戦果の誤認も起こりやすい。それが夜間であればなおのことだ。おそらく他隊が命中させたことで生じた水柱に対し、これを自分たちが命中させたのだと勘違いしてしまったのだろう」
そう言ってサマヴィル提督は現実を見据える。
現時点において、日本艦隊には二隻の空母が存在することが接触維持任務にあたっている「ハーミーズ」三号機ならびに四号機によって確認されていた。
つまり、撃破あるいは撃沈した日本の空母は二隻にとどまるということだ。
そうであれば、七本が命中したとされる戦果についても、実際にはこれが過大報告である可能性が高い。
さらに「ハーミーズ」三号機が続報を送ってくる。
残る二隻の空母の艦型についてだ。
同機は、そのシルエットから「蒼龍」と「飛龍」で間違いないと報告してきた。
さらに、それらの飛行甲板には多数の艦上機が並べられていること、それに一〇隻以上あった護衛艦艇が、今ではその数が五隻にまで減じていることも併せて打電してきている。
戦果そのものについては懐疑的なサマヴィル提督だったが、しかし艦型の報告については全面的にこれを信用していた。
世界の空母の中で最も腰高な「赤城」「加賀」と、まるで海面を這っているのかと思わせるくらいに乾舷が低い「蒼龍」「飛龍」とではそのシルエットはあまりにも違い過ぎる。
これを間違うようであれば、それは確認した者がどうかしていると言っていい。
もちろん、英海軍航空隊にそのような粗忽者は存在しないはずだった。
いずれにせよ、この情報は東洋艦隊にとっては明らかに朗報だと言えた。
「赤城」や「加賀」は「蒼龍」や「飛龍」に比べて二倍以上も排水量が大きい。
艦型が大きければその分だけ格納庫も広く、そのことで搭載する艦上機もまた多くなるはずだ。
その「赤城」と「加賀」が戦列を去った。
避退を企てているのか、あるいはすでに沈んでしまったのかは今のところは判然としない。
護衛艦艇の減り方が著しいことから、おそらくは避退のほうだろう。
ただ、今のところはそれら二隻が退場したという事実だけで十分だった。
サマヴィル提督が分からないのは、航空戦力が半分以下に減じてなお一航艦それに第二艦隊に撤退する様子が見られないということだ。
しかも、そこに含まれている二隻の空母の飛行甲板には艦上機が並べられているという。
つまり、連中は戦いをあきらめていない。
ならば、こちらもまた手を緩めるようなことはできない。
「攻撃隊を発進させる。目標は残る二隻の空母だ。これを始末してしまえば、日本艦隊に戦う手段は無い」
サマヴィル提督としては、帰還してさほど間の無い搭乗員たちに再度の出撃を命じるのは不本意もいいところだった。
彼らは肉体的にも、そして精神的にも疲労のピークにある。
その疲れ切った部下たちに対し、もう一度死地に飛び込めと命令するのだ。
愉快であろうはずがなかった。
それでも、敵が立ち向かってくる以上は、これを迎え撃たなければならない。
戦前、「インドミタブル」それに「フォーミダブル」には合わせて五〇機のアルバコアがあった。
しかし、夜間攻撃で二機が未帰還となり、さらに四機が再飛行不能と判定される損傷を被るか、あるいは発動機不調に陥っていた。
いずれにせよ、被害がこの程度で済んだのは、対空火器の照準がつけにくい夜間攻撃だったからだろう。
「攻撃隊を発進させるとして、戦闘機はいかが致しますか。双方の距離が詰まっていますので、脚の短いシーハリケーンでも十分に護衛が務まります」
航空参謀の具申にも似た問いかけに、サマヴィル提督は脳内の算盤を弾く。
戦闘機の護衛をつけることについては、すでにこれを決心していた。
夜間攻撃とは違い、昼間攻撃であれば敵戦闘機の迎撃を受けることは必至だからだ。
問題は攻撃隊につけてやるシーハリケーンの数だった。
「インドミタブル」それに「フォーミダブル」はともに一三機の戦闘機しか搭載していない。
「戦闘機については、両空母ともにこれを六機とする。本来であれば、もっと付けてやりたいところだが、しかし艦隊上空をがら空きにするわけにもいかん」
少し考えて、サマヴィル提督はさらに命令を付け足す。
「A部隊とB部隊の間隔を詰めよう。そうすれば『ハーミーズ』の戦闘機も防空戦闘に参加することができるはずだ」
B部隊の「ハーミーズ」には一〇機のシーハリケーンが搭載されていた。
これを加えれば、直掩任務にあたる戦闘機は一四機から一気に二四機に増える。
もちろん、これだって十分な数だとは言えないが、しかし相手は小ぶりな空母が二隻のみだ。
それゆえに、こちらに向かってくる攻撃隊の規模も、それほど大きなものではないはずだった。
そうであれば、敵の攻撃を完全に封じるのは難しくとも、それでもかなりの数の敵機を阻止してくれることは間違いない。
それがかなえば、後は各艦の対空砲火と個艦の回避運動で被害は最小限に抑えることができる。
「奇跡だな」
小さくつぶやき、サマヴィル提督は神に感謝を捧げる。
圧倒的に不利な状況で迎えたこの戦いで、自分たちは互角どころかむしろ優勢に戦うことができている。
もはや、日本艦隊にセイロン島の友軍基地をどうこう出来る力は残っていない。
まして、インド洋の制海権の奪取など夢のまた夢だ。
つまり、自分たちはインド洋を日本軍の魔手から守り抜くという戦略目標をすでに達成しているのだ。
そして、これから始まるであろう洋上航空戦に勝利すれば、戦略的勝利に続いて戦術的勝利もまたこれを得ることが出来る。
そうなれば、東洋艦隊の完全勝利だ。
そのようなことを思いつつ、サマヴィル提督は次々に命令を出していく。
そのことで動き出した幕僚、それに将兵らの動きは機敏だ。
誰もが疲労の極にあるのにもかかわらず意気軒昂なのは、これが勝ち戦だと分かっているからだろう。
その頼れる部下たちの背中を見て、サマヴィル提督は改めて勝利を確信した。
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