5 / 30
第5話 王都の花の下で
しおりを挟む
春の終わりを告げる風が王都の街路を吹き抜け、城の庭園にも甘やかな花の香りを運んできた。
その朝、クロエはいつもより少し早く目を覚ました。
薄紅色に染まる空の下、窓辺から見える庭園には、淡い藤の花が垂れ下がり、露に光っていた。
朝日を受けてきらめくその光景は、まるで新しい季節が彼女を迎えてくれているように見えた。
王太子ノエルに仕える生活も、ようやく一週間が過ぎようとしていた。
最初は緊張の連続だったが、いまでは王城の空気にも少しずつ慣れてきた。
侍女として働くクロエの姿は、ほかの侍女たちのあいだでも少しずつ知られるようになっていた。
「ラーングレー伯爵令嬢」としてではなく、「王太子付きの侍女、クロエ」として。
この朝は、王太子が城下へ視察に出る予定となっていた。
同行する侍女の中に、クロエの名も含まれている。
王族の外出に同行するのは重要な役目であり、信頼を得た者しか任されない。
少しの不安と、ほんの少しの高揚感を胸に、クロエは支度を整えた。
王城の厩舎前で、すでにノエルは出発の準備を整えていた。
豪奢なわけではないが、王族らしい品のある衣をまとい、白馬に手を添えているその姿は人々の目を引いた。
「おはようございます、殿下。」
クロエが挨拶すると、ノエルは振り向き、いつもの穏やかな笑みを浮かべる。
「おはようございます、クロエ嬢。今日の風は心地良いですね。視察というより、散歩になりそうだ。」
「それは良いことですわ。外の空気を感じることは、どんな方にとっても必要なことですから。」
「そうですね。……あなたのような人がそばにいると、空気まで柔らかくなる気がします。」
それは何気ない一言だったが、クロエの胸には温かく残る。
彼の言葉はいつも自然で、けれど心の奥に届く不思議な優しさを持っていた。
馬車に乗り込み、王都の石畳を進むと、沿道には朝市の人々が行き交い、色とりどりの花や果物が並んでいた。
「久しぶりにこの風景を見ました。」
ノエルが窓の外を眺めながら呟く。
「王族であっても、外の空気を知ることは必要です。民の暮らしを知ってこそ、国を導けますから。」
クロエの言葉に、ノエルはわずかに目を細めた。
「あなたは本当に真面目ですね。……けれど、その真面目さを笑う者もいたでしょう?」
クロエは少し口を閉ざす。
「……ええ。ですがそれも過去のこと。今では、この考え方を笑う人がいない場所にいると実感しています。」
「それは良いことです。ここでは、あなたの努力も信念も、価値を持つ。」
静かな会話の中で、クロエは気づいた。
彼が自然とそう言ってくれるたび、胸の奥の傷が確かに和らいでいく。
まるで、失われた自信を少しずつ取り戻していくように。
やがて馬車は王都郊外の花園通りに到着した。
広場では季節の花が咲き乱れ、露店では子供たちが笑顔で花飾りを売っている。
王太子の視察とはいえ、今日は見学と民との交流が目的のようで、護衛たちも控えめに周囲を固めていた。
クロエが辺りの装飾品を見ていると、小さな少女が駆け寄ってきた。
「お姉さん、これ、あげる!」
差し出されたのは赤い小花で編んだ指輪。まだ器用とは言い難い仕上がりだったが、子供らしい温もりがあった。
「まあ、ありがとう。あなたが作ったの?」
「うん! お姉さん、すごく綺麗だから。」
その無邪気な言葉にクロエの頬が緩む。
「ありがとう、大切にするわ。」
そう言って受け取ると、少女は笑顔で走り去っていった。
そんな様子を遠くから見ていたノエルが歩み寄る。
「似合っていますよ。」
「え……?」
「その花の指輪です。子供の贈り物は、純粋な心の証です。きっと幸せを呼びますよ。」
「……ふふ、そうだといいですね。」
クロエの笑顔にノエルも微かに笑い返す。
二人の間に流れる穏やかな空気が、春の柔らかな風のように心地良かった。
その後、ノエルは広場で商人や花職人たちと言葉を交わし、民の声を丁寧に聞いた。
王族でありながら、彼には威圧的な気配がない。
誰に対しても自然体で、相手の目線に下りて話す姿に、クロエは思わず見惚れていた。
――この人が王太子であることを、誰もが誇りに思うに違いない。
そう思うと、胸の奥がじんわりと温かくなった。
昼下がり、視察が終わるとノエルはふと足を止めた。
「少し歩きましょうか。ここの並木道は王都で一番好きなんです。」
「はい。」
二人で歩く並木道は、花の香りと鳥のさえずりに満ちていた。
木漏れ日がクロエの髪に落ち、淡く光を宿している。
その横顔を見つめながら、ノエルは穏やかな声で言う。
「クロエ嬢、あなたは本当に変わった。」
「変わった……?」
「最初に会った夜のあなたは、悲しみで自分を責めていた。でも今は、まるで花のように力強く咲いている。」
「……殿下のおかげです。あの夜、声をかけていただけなかったら、私はきっと立ち上がれませんでした。」
「それは違います。あなたが立ち上がったのは自分の意志です。私はただ、少し背中を押しただけですよ。」
クロエはその言葉に、胸の奥が熱くなる。
どこかで“助けられた”と思っていた。けれど、ノエルは決して彼女を弱い存在として扱わない。
彼にとってクロエは、自分の力で立つひとりの人間なのだ。
そのことが何よりも嬉しかった。
「ありがとうございます、殿下。」
ゆっくり頭を下げると、ノエルは目を細め、空を見上げた。
「この王都が、あなたのような人ばかりで満たされたら、きっと優しい国になるでしょうね。」
「……それは、殿下のお導きがあるからこそです。」
「そうかな。私はまだ、誰かの力を借りなければ何もできません。」
そう言って微笑む彼の眼差しには、王太子という立場ではなく、一人の青年としての素顔があった。
風が静かに吹き抜け、花びらが舞う。
クロエはその中に小さな祈りを込めるように、一輪の花を手に取った。
「この花のように、いつかこの国も穏やかに咲き続けますように。」
「ええ、きっとそうなります。君がいれば。」
一瞬、言葉が止まる。
ノエルも自分の口にした言葉に気づいたのか、軽く微笑を浮かべて誤魔化した。
「……君、というのは不適切でしたね。侍女に向かって。」
「いえ……嫌ではありませんでした。」
思わず少しだけ小さく答えてしまい、頬が熱を帯びる。
彼女の反応に、ノエルは目を見開き、それから柔らかく笑った。
「そう言ってもらえるなら、嬉しいです。」
夕日が街を黄金色に染めていく。
馬車に乗り込み城へ戻る頃、クロエの胸の奥には静かな確信があった。
――この出会いは偶然ではなかった。
昨日までの涙と孤独が、いまでは未来への道に変わっている。
王城という檻のような場所で、新しい芽が息づきはじめていた。
揺れる馬車の窓から差す光を受けながら、クロエはそっと小花の指輪を見つめた。
まだ解けかけの細い輪――けれど壊れてはいない。
彼女はその小さな輪に、これから咲かせる自分の未来を重ねて微笑んだ。
続く
その朝、クロエはいつもより少し早く目を覚ました。
薄紅色に染まる空の下、窓辺から見える庭園には、淡い藤の花が垂れ下がり、露に光っていた。
朝日を受けてきらめくその光景は、まるで新しい季節が彼女を迎えてくれているように見えた。
王太子ノエルに仕える生活も、ようやく一週間が過ぎようとしていた。
最初は緊張の連続だったが、いまでは王城の空気にも少しずつ慣れてきた。
侍女として働くクロエの姿は、ほかの侍女たちのあいだでも少しずつ知られるようになっていた。
「ラーングレー伯爵令嬢」としてではなく、「王太子付きの侍女、クロエ」として。
この朝は、王太子が城下へ視察に出る予定となっていた。
同行する侍女の中に、クロエの名も含まれている。
王族の外出に同行するのは重要な役目であり、信頼を得た者しか任されない。
少しの不安と、ほんの少しの高揚感を胸に、クロエは支度を整えた。
王城の厩舎前で、すでにノエルは出発の準備を整えていた。
豪奢なわけではないが、王族らしい品のある衣をまとい、白馬に手を添えているその姿は人々の目を引いた。
「おはようございます、殿下。」
クロエが挨拶すると、ノエルは振り向き、いつもの穏やかな笑みを浮かべる。
「おはようございます、クロエ嬢。今日の風は心地良いですね。視察というより、散歩になりそうだ。」
「それは良いことですわ。外の空気を感じることは、どんな方にとっても必要なことですから。」
「そうですね。……あなたのような人がそばにいると、空気まで柔らかくなる気がします。」
それは何気ない一言だったが、クロエの胸には温かく残る。
彼の言葉はいつも自然で、けれど心の奥に届く不思議な優しさを持っていた。
馬車に乗り込み、王都の石畳を進むと、沿道には朝市の人々が行き交い、色とりどりの花や果物が並んでいた。
「久しぶりにこの風景を見ました。」
ノエルが窓の外を眺めながら呟く。
「王族であっても、外の空気を知ることは必要です。民の暮らしを知ってこそ、国を導けますから。」
クロエの言葉に、ノエルはわずかに目を細めた。
「あなたは本当に真面目ですね。……けれど、その真面目さを笑う者もいたでしょう?」
クロエは少し口を閉ざす。
「……ええ。ですがそれも過去のこと。今では、この考え方を笑う人がいない場所にいると実感しています。」
「それは良いことです。ここでは、あなたの努力も信念も、価値を持つ。」
静かな会話の中で、クロエは気づいた。
彼が自然とそう言ってくれるたび、胸の奥の傷が確かに和らいでいく。
まるで、失われた自信を少しずつ取り戻していくように。
やがて馬車は王都郊外の花園通りに到着した。
広場では季節の花が咲き乱れ、露店では子供たちが笑顔で花飾りを売っている。
王太子の視察とはいえ、今日は見学と民との交流が目的のようで、護衛たちも控えめに周囲を固めていた。
クロエが辺りの装飾品を見ていると、小さな少女が駆け寄ってきた。
「お姉さん、これ、あげる!」
差し出されたのは赤い小花で編んだ指輪。まだ器用とは言い難い仕上がりだったが、子供らしい温もりがあった。
「まあ、ありがとう。あなたが作ったの?」
「うん! お姉さん、すごく綺麗だから。」
その無邪気な言葉にクロエの頬が緩む。
「ありがとう、大切にするわ。」
そう言って受け取ると、少女は笑顔で走り去っていった。
そんな様子を遠くから見ていたノエルが歩み寄る。
「似合っていますよ。」
「え……?」
「その花の指輪です。子供の贈り物は、純粋な心の証です。きっと幸せを呼びますよ。」
「……ふふ、そうだといいですね。」
クロエの笑顔にノエルも微かに笑い返す。
二人の間に流れる穏やかな空気が、春の柔らかな風のように心地良かった。
その後、ノエルは広場で商人や花職人たちと言葉を交わし、民の声を丁寧に聞いた。
王族でありながら、彼には威圧的な気配がない。
誰に対しても自然体で、相手の目線に下りて話す姿に、クロエは思わず見惚れていた。
――この人が王太子であることを、誰もが誇りに思うに違いない。
そう思うと、胸の奥がじんわりと温かくなった。
昼下がり、視察が終わるとノエルはふと足を止めた。
「少し歩きましょうか。ここの並木道は王都で一番好きなんです。」
「はい。」
二人で歩く並木道は、花の香りと鳥のさえずりに満ちていた。
木漏れ日がクロエの髪に落ち、淡く光を宿している。
その横顔を見つめながら、ノエルは穏やかな声で言う。
「クロエ嬢、あなたは本当に変わった。」
「変わった……?」
「最初に会った夜のあなたは、悲しみで自分を責めていた。でも今は、まるで花のように力強く咲いている。」
「……殿下のおかげです。あの夜、声をかけていただけなかったら、私はきっと立ち上がれませんでした。」
「それは違います。あなたが立ち上がったのは自分の意志です。私はただ、少し背中を押しただけですよ。」
クロエはその言葉に、胸の奥が熱くなる。
どこかで“助けられた”と思っていた。けれど、ノエルは決して彼女を弱い存在として扱わない。
彼にとってクロエは、自分の力で立つひとりの人間なのだ。
そのことが何よりも嬉しかった。
「ありがとうございます、殿下。」
ゆっくり頭を下げると、ノエルは目を細め、空を見上げた。
「この王都が、あなたのような人ばかりで満たされたら、きっと優しい国になるでしょうね。」
「……それは、殿下のお導きがあるからこそです。」
「そうかな。私はまだ、誰かの力を借りなければ何もできません。」
そう言って微笑む彼の眼差しには、王太子という立場ではなく、一人の青年としての素顔があった。
風が静かに吹き抜け、花びらが舞う。
クロエはその中に小さな祈りを込めるように、一輪の花を手に取った。
「この花のように、いつかこの国も穏やかに咲き続けますように。」
「ええ、きっとそうなります。君がいれば。」
一瞬、言葉が止まる。
ノエルも自分の口にした言葉に気づいたのか、軽く微笑を浮かべて誤魔化した。
「……君、というのは不適切でしたね。侍女に向かって。」
「いえ……嫌ではありませんでした。」
思わず少しだけ小さく答えてしまい、頬が熱を帯びる。
彼女の反応に、ノエルは目を見開き、それから柔らかく笑った。
「そう言ってもらえるなら、嬉しいです。」
夕日が街を黄金色に染めていく。
馬車に乗り込み城へ戻る頃、クロエの胸の奥には静かな確信があった。
――この出会いは偶然ではなかった。
昨日までの涙と孤独が、いまでは未来への道に変わっている。
王城という檻のような場所で、新しい芽が息づきはじめていた。
揺れる馬車の窓から差す光を受けながら、クロエはそっと小花の指輪を見つめた。
まだ解けかけの細い輪――けれど壊れてはいない。
彼女はその小さな輪に、これから咲かせる自分の未来を重ねて微笑んだ。
続く
47
あなたにおすすめの小説
手作りお菓子をゴミ箱に捨てられた私は、自棄を起こしてとんでもない相手と婚約したのですが、私も含めたみんな変になっていたようです
珠宮さくら
恋愛
アンゼリカ・クリットの生まれた国には、不思議な習慣があった。だから、アンゼリカは必死になって頑張って馴染もうとした。
でも、アンゼリカではそれが難しすぎた。それでも、頑張り続けた結果、みんなに喜ばれる才能を開花させたはずなのにどうにもおかしな方向に突き進むことになった。
加えて好きになった人が最低野郎だとわかり、自棄を起こして婚約した子息も最低だったりとアンゼリカの周りは、最悪が溢れていたようだ。
【完結】婚約破棄、その後の話を誰も知らない
あめとおと
恋愛
奇跡によって病を癒す存在――聖女。
王国は長年、その力にすべてを委ねてきた。
だがある日、
誰の目にも明らかな「失敗」が起きる。
奇跡は、止まった。
城は動揺し、事実を隠し、
責任を聖女ひとりに押しつけようとする。
民は疑い、祈りは静かに現実へと向かっていった。
一方、かつて「悪役」として追放された令嬢は、
奇跡が失われる“その日”に備え、
治癒に頼らない世界を着々と整えていた。
聖女は象徴となり、城は主導権を失う。
奇跡に縋った者たちは、
何も奪われず、ただ立場を失った。
選ばれなかった者が、世界を救っただけの話。
――これは、
聖女でも、英雄でもない
「悪役令嬢」が勝ち残る物語。
悪役令嬢発溺愛幼女着
みおな
ファンタジー
「違います!わたくしは、フローラさんをいじめてなどいません!」
わたくしの声がホールに響いたけれど、誰もわたくしに手を差し伸べて下さることはなかった。
響いたのは、婚約者である王太子殿下の冷たい声。
わたくしに差し伸べられたのは、騎士団長のご子息がわたくしを強く床に押し付ける腕。
冷ややかな周囲のご令嬢ご令息の冷笑。
どうして。
誰もわたくしを信じてくれないまま、わたくしは冷たい牢の中で命を落とした。
『婚約破棄?結構ですわ。わたくしは何もしないで生きていきます』
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子ユリウスの婚約者だった伯爵令嬢リュシエンヌは、公衆の面前で一方的に婚約を破棄される。
だが彼女は泣かず、怒らず、復讐も選ばなかった。
「働かないと、決めましたの」
婚約者として担ってきた政務補佐、調整、裏方の仕事をすべて手放し、彼女は“何もしない”生活を始める。
すると王宮は静かに軋み、これまで彼女が支えていた日常だけが浮き彫りになっていく。
新たな婚約者を得た王太子。
外から王宮を支える女性。
そして、何もせず距離を保つ元婚約者。
誰も声高に責めず、誰も派手なざまぁをしない。
それでも、関係は変わり、立場は入れ替わり、真実だけが残っていく。
これは、頑張らないことで人生を取り戻した令嬢の物語。
婚約破棄のその先で、“何もしない”という最強の選択をした女性が、静かに自由を手に入れるまでの40話。
初恋を諦めたあなたが、幸せでありますように
ぽんちゃん
恋愛
『あなたのヒーローをお返しします。末永くお幸せに』
運命の日。
ルキナは婚約者候補のロミオに、早く帰ってきてほしいとお願いしていた。
(私がどんなに足掻いても、この先の未来はわかってる。でも……)
今頃、ロミオは思い出の小屋で、初恋の人と偶然の再会を果たしているだろう。
ロミオが夕刻までに帰ってくれば、サプライズでルキナとの婚約発表をする。
もし帰ってこなければ、ある程度のお金と文を渡し、お別れするつもりだ。
そしてルキナは、両親が決めた相手と婚姻することになる。
ただ、ルキナとロミオは、友人以上、恋人未満のような関係。
ルキナは、ロミオの言葉を信じて帰りを待っていた。
でも、帰ってきたのは護衛のみ。
その後に知らされたのは、ロミオは初恋の相手であるブリトニーと、一夜を共にしたという報告だった――。
《登場人物》
☆ルキナ(16) 公爵令嬢。
☆ジークレイン(24) ルキナの兄。
☆ロミオ(18) 男爵子息、公爵家で保護中。
★ブリトニー(18) パン屋の娘。
婚約破棄される前に、帰らせていただきます!
パリパリかぷちーの
恋愛
ある日、マリス王国の侯爵令嬢クロナは、王子が男爵令嬢リリィと密会し、自分を「可愛げのない女」と罵り、卒業パーティーで「婚約破棄」を言い渡そうと画策している現場を目撃してしまう。
普通なら嘆き悲しむ場面だが、クロナの反応は違った。
婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜
みおな
恋愛
王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。
「お前との婚約を破棄する!!」
私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。
だって、私は何ひとつ困らない。
困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。
婚約破棄?結構ですわ。公爵令嬢は今日も優雅に生きております
鍛高譚
恋愛
婚約破棄された直後、階段から転げ落ちて前世の記憶が蘇った公爵令嬢レイラ・フォン・アーデルハイド。
彼女の前世は、ブラック企業で心身をすり減らして働いていたOLだった。――けれど、今は違う!
「復讐? 見返す? そんな面倒くさいこと、やってられませんわ」
「婚約破棄? そんなの大したことじゃありません。むしろ、自由になって最高ですわ!」
貴族の婚姻は家同士の結びつき――つまりビジネス。恋愛感情など二の次なのだから、破談になったところで何のダメージもなし。
それよりも、レイラにはやりたいことがたくさんある。ぶどう園の品種改良、ワインの販路拡大、新商品の開発、そして優雅なティータイム!
そう、彼女はただ「貴族令嬢としての特権をフル活用して、人生を楽しむ」ことを決めたのだ。
ところが、彼女の自由気ままな行動が、なぜか周囲をざわつかせていく。
婚約破棄した王太子はなぜか複雑な顔をし、貴族たちは彼女の事業に注目し始める。
そして、彼女が手がけた最高級ワインはプレミア化し、ついには王室から直々に取引の申し出が……!?
「はぁ……復讐しないのに、勝手に“ざまぁ”になってしまいましたわ」
復讐も愛憎劇も不要!
ただひたすらに自分の幸せを追求するだけの公爵令嬢が、気づけば最強の貴族になっていた!?
優雅で自由気ままな貴族ライフ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる