9 / 30
第9話 再会──氷の視線
しおりを挟む
茶会から数日が経った。
あの日の光景――元婚約者ルシアンの顔、そして彼と言葉を交わした瞬間の空気――が、今もクロエの胸の片隅に残っていた。
過去は過去のはずなのに、彼と視線を交わしたとき、心の奥で何かがひやりと揺れた。
もう傷つかないつもりでいたのに、何かが確かに疼いていた。
けれど、それでも彼女は笑ってみせた。
誰かの記憶に縛られるような自分ではいたくなかった。
王妃セレーネからの評価も高く、クロエは引き続き王室の行事補佐を任されるようになっていた。
一方でノエルとの距離も、少しずつ近づいているように感じる。
彼はいつも穏やかに彼女を気にかけ、時折茶会後の報告を共に確認する。
「殿下、先日の件、王妃陛下より特にお褒めの言葉をいただきました。」
「そうか……それは君の功績だ。僕ではなく、君が場を支えてくれた。」
「恐れ入ります。」
「それにしても――」とノエルは少し目を細めた。「あの場で君があれほど落ち着いていたとは思わなかった。」
ノエルは、ルシアンとクロエの過去を知っている。
王太子としての立場を通じて、宮廷で流れる噂のほとんどを耳にしていた。
だが彼はそのことを一切詮索せず、ただ見守るように微笑んでいた。
「殿下、まるで私の心を見透かしていらっしゃるようです。」
「見えているのではなく、知っているんです。……人は皆、過去の痛みを一つは抱えているものですよ。」
「では、殿下にも?」
ノエルは一瞬だけ黙り、そして微笑んだ。
「僕の話はまたいつか、君が笑顔で聞けるようになった時にしましょう。」
その笑みを見て、クロエはそれ以上は尋ねなかった。
彼の中にも、過去と呼べる何かがあるのだろうと感じた。
その午後。
クロエは王城の中庭で王妃の手紙を届けるために歩いていた。
春の名残と夏の気配が入り混じる風が頬を撫でる。
花壇の手入れをしている庭師たちの姿を横目に、回廊へ差しかかったその時だった。
「……やあ、クロエ。」
背後から声が降ってくる。その声を聞いた瞬間、足が止まった。
どうしても忘れられない声。振り返ると、そこにルシアンが立っていた。
「ルシアン様……。」
「まさか、こんなところでまた会えるとは。今日はお仕事中かな?」
彼の柔らかな笑みは、以前と何も変わっていないように見えた。
だが、クロエは思わず半歩下がる。
まるで、身体が心より先に反応したかのように。
「はい、お仕事中です。王妃陛下への届け物がございますので失礼いたします。」
そう言って立ち去ろうとするが、ルシアンが行く手を遮るように一歩進んだ。
「待ってくれ。少しだけ時間をもらえないか? 話したいことがある。」
「話……?」
「謝りたいんだ。あの時のことを。」
クロエはまばたきを一度だけして、静かに彼を見た。
「今さら謝って、何を変えたいのですか?」
「君にひどいことを言った。逃げたのは僕だ。あの時は自分でもどうかしていたんだ。」
ルシアンの声は必死だった。
けれどその必死さが、クロエの心には届かなかった。
「貴方がどう思おうと、私の人生はもう別の道を歩いています。あの時の私は死んだのです。」
ルシアンの目がわずかに見開かれた。
「……死んだ?」
「ええ。貴方に“努力は重い”と切り捨てられた日、私の中の“令嬢クロエ”は終わりました。けれど今、私は侍女として誇りを持って生きています。」
「誇り……侍女に、誇り?」
思わず漏らした彼の言葉に、クロエの表情が静かに揺らぐ。
「侍女を見下すのですか?」
「違う! そういう意味じゃない……ただ、君ほどの生まれの人が――」
「身分が何になろうと、私は今の立場で幸せです。それを軽んじるような方とは、同じ空気も吸いたくありません。」
その冷たい声に、ルシアンは言葉を失った。
そして、ようやく気づいた。
目の前にいるのは、もはや自分が知っていた“完璧な令嬢”ではなく、自分を捨てた男の言葉など必要としない、強い女性。
その変化に、彼は小さく息を呑む。
「……君、変わったね。」
「そうでしょうか。ただ、ようやく偽りの笑顔ではなく、本当の自分で笑えるようになっただけです。」
クロエはそのまま通り過ぎた。
何も振り返らない。
けれど背中に、去りがたい視線を感じた。
その視線が胸の奥を少しだけ痛ませたのも事実だった。
回廊を抜けた先、階段を上ったところで、誰かが彼女を待っていた。
ノエルだった。
「すれ違ったのを見ました。」
「殿下……。」
「大丈夫ですか?」
静かな問いに、クロエは一瞬だけ口を結ぶ。その優しい眼差しを見て、ふっと心が緩んだ。
「……少しだけ、寒い風にあたったような気がしました。けれど、もう大丈夫です。」
ノエルは一歩近づき、視線を彼女の背越しに向ける。
遠く離れた回廊の端で、ルシアンがこちらを見ていた。
二人が視線を交わしたその一瞬、ノエルの瞳に氷のような光が走った。
王太子としての品位を崩さぬまま、彼は静かに言う。
「クロエ嬢。あの男が再び貴女を傷つけることがあれば、私は君臨する王としてそれを許さない。」
その声は、いつもの穏やかさではなかった。
それは、王族としての威厳と怒りが混じった音だった。
クロエは思わず息を呑む。
「殿下……?」
ノエルは彼女の方へ振り向きなおすと、わずかに微笑んだ。
「失礼、つい感情的になりました。……けれど、貴女が涙を流す姿は二度と見たくないんです。」
その言葉に、胸がじんと痛む。優しさという名の鋭い刃が、かえって心を震わせる。
「ありがとうございます、殿下。でも私はもう大丈夫です。私の涙は、自分のためにしか流しませんから。」
「それがいい。」
ノエルは頷き、階段の上で立ち止まった。
「人は皆、過去から目を逸らす時に弱くなる。貴女はそれを見据えた。だから、もう怖がる必要はありません。」
沈黙の中で、遠く鐘の音が響いた。
午後の祈りを告げる穏やかな音色。
クロエはその音を聞きながら、胸に手を当てる。
冷たく感じた心が、今では温もりに変わっているのを確かに感じた。
「殿下。」
「なんでしょう。」
「貴方のような方に出会えたのは、きっと神のいたずらですわ。」
その言葉に、ノエルは柔らかく笑った。
「もし神が本当にそうしたのなら、そのいたずらに感謝しましょう。」
二人の笑い声が微かに混じり、やがて廊下に消えていった。
その後ろ姿を、陰からひそかに見つめる瞳があったことに、誰も気づいていなかった。
それは宰相派の密偵。彼は小さく記録用の魔石を握りしめ、何かに満足げな笑みを浮かべた。
王城の穏やかな午後の光の裏で、静かな陰がゆっくりと動き出していた。
クロエの再会は、一つの終わりではなく、新たな波乱の幕開けでしかなかった。
続く
あの日の光景――元婚約者ルシアンの顔、そして彼と言葉を交わした瞬間の空気――が、今もクロエの胸の片隅に残っていた。
過去は過去のはずなのに、彼と視線を交わしたとき、心の奥で何かがひやりと揺れた。
もう傷つかないつもりでいたのに、何かが確かに疼いていた。
けれど、それでも彼女は笑ってみせた。
誰かの記憶に縛られるような自分ではいたくなかった。
王妃セレーネからの評価も高く、クロエは引き続き王室の行事補佐を任されるようになっていた。
一方でノエルとの距離も、少しずつ近づいているように感じる。
彼はいつも穏やかに彼女を気にかけ、時折茶会後の報告を共に確認する。
「殿下、先日の件、王妃陛下より特にお褒めの言葉をいただきました。」
「そうか……それは君の功績だ。僕ではなく、君が場を支えてくれた。」
「恐れ入ります。」
「それにしても――」とノエルは少し目を細めた。「あの場で君があれほど落ち着いていたとは思わなかった。」
ノエルは、ルシアンとクロエの過去を知っている。
王太子としての立場を通じて、宮廷で流れる噂のほとんどを耳にしていた。
だが彼はそのことを一切詮索せず、ただ見守るように微笑んでいた。
「殿下、まるで私の心を見透かしていらっしゃるようです。」
「見えているのではなく、知っているんです。……人は皆、過去の痛みを一つは抱えているものですよ。」
「では、殿下にも?」
ノエルは一瞬だけ黙り、そして微笑んだ。
「僕の話はまたいつか、君が笑顔で聞けるようになった時にしましょう。」
その笑みを見て、クロエはそれ以上は尋ねなかった。
彼の中にも、過去と呼べる何かがあるのだろうと感じた。
その午後。
クロエは王城の中庭で王妃の手紙を届けるために歩いていた。
春の名残と夏の気配が入り混じる風が頬を撫でる。
花壇の手入れをしている庭師たちの姿を横目に、回廊へ差しかかったその時だった。
「……やあ、クロエ。」
背後から声が降ってくる。その声を聞いた瞬間、足が止まった。
どうしても忘れられない声。振り返ると、そこにルシアンが立っていた。
「ルシアン様……。」
「まさか、こんなところでまた会えるとは。今日はお仕事中かな?」
彼の柔らかな笑みは、以前と何も変わっていないように見えた。
だが、クロエは思わず半歩下がる。
まるで、身体が心より先に反応したかのように。
「はい、お仕事中です。王妃陛下への届け物がございますので失礼いたします。」
そう言って立ち去ろうとするが、ルシアンが行く手を遮るように一歩進んだ。
「待ってくれ。少しだけ時間をもらえないか? 話したいことがある。」
「話……?」
「謝りたいんだ。あの時のことを。」
クロエはまばたきを一度だけして、静かに彼を見た。
「今さら謝って、何を変えたいのですか?」
「君にひどいことを言った。逃げたのは僕だ。あの時は自分でもどうかしていたんだ。」
ルシアンの声は必死だった。
けれどその必死さが、クロエの心には届かなかった。
「貴方がどう思おうと、私の人生はもう別の道を歩いています。あの時の私は死んだのです。」
ルシアンの目がわずかに見開かれた。
「……死んだ?」
「ええ。貴方に“努力は重い”と切り捨てられた日、私の中の“令嬢クロエ”は終わりました。けれど今、私は侍女として誇りを持って生きています。」
「誇り……侍女に、誇り?」
思わず漏らした彼の言葉に、クロエの表情が静かに揺らぐ。
「侍女を見下すのですか?」
「違う! そういう意味じゃない……ただ、君ほどの生まれの人が――」
「身分が何になろうと、私は今の立場で幸せです。それを軽んじるような方とは、同じ空気も吸いたくありません。」
その冷たい声に、ルシアンは言葉を失った。
そして、ようやく気づいた。
目の前にいるのは、もはや自分が知っていた“完璧な令嬢”ではなく、自分を捨てた男の言葉など必要としない、強い女性。
その変化に、彼は小さく息を呑む。
「……君、変わったね。」
「そうでしょうか。ただ、ようやく偽りの笑顔ではなく、本当の自分で笑えるようになっただけです。」
クロエはそのまま通り過ぎた。
何も振り返らない。
けれど背中に、去りがたい視線を感じた。
その視線が胸の奥を少しだけ痛ませたのも事実だった。
回廊を抜けた先、階段を上ったところで、誰かが彼女を待っていた。
ノエルだった。
「すれ違ったのを見ました。」
「殿下……。」
「大丈夫ですか?」
静かな問いに、クロエは一瞬だけ口を結ぶ。その優しい眼差しを見て、ふっと心が緩んだ。
「……少しだけ、寒い風にあたったような気がしました。けれど、もう大丈夫です。」
ノエルは一歩近づき、視線を彼女の背越しに向ける。
遠く離れた回廊の端で、ルシアンがこちらを見ていた。
二人が視線を交わしたその一瞬、ノエルの瞳に氷のような光が走った。
王太子としての品位を崩さぬまま、彼は静かに言う。
「クロエ嬢。あの男が再び貴女を傷つけることがあれば、私は君臨する王としてそれを許さない。」
その声は、いつもの穏やかさではなかった。
それは、王族としての威厳と怒りが混じった音だった。
クロエは思わず息を呑む。
「殿下……?」
ノエルは彼女の方へ振り向きなおすと、わずかに微笑んだ。
「失礼、つい感情的になりました。……けれど、貴女が涙を流す姿は二度と見たくないんです。」
その言葉に、胸がじんと痛む。優しさという名の鋭い刃が、かえって心を震わせる。
「ありがとうございます、殿下。でも私はもう大丈夫です。私の涙は、自分のためにしか流しませんから。」
「それがいい。」
ノエルは頷き、階段の上で立ち止まった。
「人は皆、過去から目を逸らす時に弱くなる。貴女はそれを見据えた。だから、もう怖がる必要はありません。」
沈黙の中で、遠く鐘の音が響いた。
午後の祈りを告げる穏やかな音色。
クロエはその音を聞きながら、胸に手を当てる。
冷たく感じた心が、今では温もりに変わっているのを確かに感じた。
「殿下。」
「なんでしょう。」
「貴方のような方に出会えたのは、きっと神のいたずらですわ。」
その言葉に、ノエルは柔らかく笑った。
「もし神が本当にそうしたのなら、そのいたずらに感謝しましょう。」
二人の笑い声が微かに混じり、やがて廊下に消えていった。
その後ろ姿を、陰からひそかに見つめる瞳があったことに、誰も気づいていなかった。
それは宰相派の密偵。彼は小さく記録用の魔石を握りしめ、何かに満足げな笑みを浮かべた。
王城の穏やかな午後の光の裏で、静かな陰がゆっくりと動き出していた。
クロエの再会は、一つの終わりではなく、新たな波乱の幕開けでしかなかった。
続く
49
あなたにおすすめの小説
手作りお菓子をゴミ箱に捨てられた私は、自棄を起こしてとんでもない相手と婚約したのですが、私も含めたみんな変になっていたようです
珠宮さくら
恋愛
アンゼリカ・クリットの生まれた国には、不思議な習慣があった。だから、アンゼリカは必死になって頑張って馴染もうとした。
でも、アンゼリカではそれが難しすぎた。それでも、頑張り続けた結果、みんなに喜ばれる才能を開花させたはずなのにどうにもおかしな方向に突き進むことになった。
加えて好きになった人が最低野郎だとわかり、自棄を起こして婚約した子息も最低だったりとアンゼリカの周りは、最悪が溢れていたようだ。
【完結】婚約破棄、その後の話を誰も知らない
あめとおと
恋愛
奇跡によって病を癒す存在――聖女。
王国は長年、その力にすべてを委ねてきた。
だがある日、
誰の目にも明らかな「失敗」が起きる。
奇跡は、止まった。
城は動揺し、事実を隠し、
責任を聖女ひとりに押しつけようとする。
民は疑い、祈りは静かに現実へと向かっていった。
一方、かつて「悪役」として追放された令嬢は、
奇跡が失われる“その日”に備え、
治癒に頼らない世界を着々と整えていた。
聖女は象徴となり、城は主導権を失う。
奇跡に縋った者たちは、
何も奪われず、ただ立場を失った。
選ばれなかった者が、世界を救っただけの話。
――これは、
聖女でも、英雄でもない
「悪役令嬢」が勝ち残る物語。
悪役令嬢発溺愛幼女着
みおな
ファンタジー
「違います!わたくしは、フローラさんをいじめてなどいません!」
わたくしの声がホールに響いたけれど、誰もわたくしに手を差し伸べて下さることはなかった。
響いたのは、婚約者である王太子殿下の冷たい声。
わたくしに差し伸べられたのは、騎士団長のご子息がわたくしを強く床に押し付ける腕。
冷ややかな周囲のご令嬢ご令息の冷笑。
どうして。
誰もわたくしを信じてくれないまま、わたくしは冷たい牢の中で命を落とした。
働きませんわ。それでも王妃になります
鷹 綾
恋愛
「私は働きませんわ」
そう宣言して、王太子から婚約破棄された公爵令嬢エルフィーナ。
社交もしない。慈善もしない。政務にも口を出さない。
“怠け者令嬢”と陰で囁かれる彼女を、王太子アレクシスは「王妃に相応しくない」と切り捨てた。
――だが彼は知らなかった。
彼女が動かないからこそ、王家は自力で立つことを覚えたのだということを。
エルフィーナは何もしない。
ただ保証を更新せず、支援を継続せず、静かに席を外すだけ。
その結果――
王家は自らの足で立つことを強いられ、王太子は“誰の力にも頼らない王”へと変わっていく。
やがて外圧が王国を揺らしたとき、彼は気づく。
支配でも依存でもなく、並んで立てる存在が誰だったのかを。
「君と並びたい」
差し出されたのは、甘い救済ではない。
対等という選択。
それでも彼女の答えは変わらない。
「私は働きませんわ」
働かない。
支配しない。
けれど、逃げもしない。
これは――
働かないまま王妃になる、公爵令嬢の静かなざまあ恋愛譚。
優雅で、合理的で、そしてどこまでも強い。
“何もしない”という最強の選択が、王国を変えていく。
私が、全てにおいて完璧な幼なじみの婚約をわざと台無しにした悪女……?そんなこと知りません。ただ、誤解されたくない人がいるだけです
珠宮さくら
恋愛
ルチア・ヴァーリは、勘違いされがちな幼なじみと仲良くしていた。周りが悪く言うような令嬢ではないと心から思っていた。
そんな幼なじみが婚約をしそうだとわかったのは、いいなと思っている子息に巻き込まれてアクセサリーショップで贈り物を選んでほしいと言われた時だった。
それを拒んで、証言者まで確保したというのにルチアが幼なじみの婚約を台無しにわざとした悪女のようにされてしまい、幼なじみに勘違いされたのではないかと思って、心を痛めることになるのだが……。
『婚約破棄?結構ですわ。わたくしは何もしないで生きていきます』
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子ユリウスの婚約者だった伯爵令嬢リュシエンヌは、公衆の面前で一方的に婚約を破棄される。
だが彼女は泣かず、怒らず、復讐も選ばなかった。
「働かないと、決めましたの」
婚約者として担ってきた政務補佐、調整、裏方の仕事をすべて手放し、彼女は“何もしない”生活を始める。
すると王宮は静かに軋み、これまで彼女が支えていた日常だけが浮き彫りになっていく。
新たな婚約者を得た王太子。
外から王宮を支える女性。
そして、何もせず距離を保つ元婚約者。
誰も声高に責めず、誰も派手なざまぁをしない。
それでも、関係は変わり、立場は入れ替わり、真実だけが残っていく。
これは、頑張らないことで人生を取り戻した令嬢の物語。
婚約破棄のその先で、“何もしない”という最強の選択をした女性が、静かに自由を手に入れるまでの40話。
初恋を諦めたあなたが、幸せでありますように
ぽんちゃん
恋愛
『あなたのヒーローをお返しします。末永くお幸せに』
運命の日。
ルキナは婚約者候補のロミオに、早く帰ってきてほしいとお願いしていた。
(私がどんなに足掻いても、この先の未来はわかってる。でも……)
今頃、ロミオは思い出の小屋で、初恋の人と偶然の再会を果たしているだろう。
ロミオが夕刻までに帰ってくれば、サプライズでルキナとの婚約発表をする。
もし帰ってこなければ、ある程度のお金と文を渡し、お別れするつもりだ。
そしてルキナは、両親が決めた相手と婚姻することになる。
ただ、ルキナとロミオは、友人以上、恋人未満のような関係。
ルキナは、ロミオの言葉を信じて帰りを待っていた。
でも、帰ってきたのは護衛のみ。
その後に知らされたのは、ロミオは初恋の相手であるブリトニーと、一夜を共にしたという報告だった――。
《登場人物》
☆ルキナ(16) 公爵令嬢。
☆ジークレイン(24) ルキナの兄。
☆ロミオ(18) 男爵子息、公爵家で保護中。
★ブリトニー(18) パン屋の娘。
婚約破棄される前に、帰らせていただきます!
パリパリかぷちーの
恋愛
ある日、マリス王国の侯爵令嬢クロナは、王子が男爵令嬢リリィと密会し、自分を「可愛げのない女」と罵り、卒業パーティーで「婚約破棄」を言い渡そうと画策している現場を目撃してしまう。
普通なら嘆き悲しむ場面だが、クロナの反応は違った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる