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第二章 超ハードモードの人生を終わらせるために頑張ります
甘過ぎたわ
しおりを挟む静観すると決めたものの、見世物小屋の動物状態は変わらないみたいね。今日も相変わらず腫れ物扱いだ。ちゃんと毎回鉄格子が見えてるよ。
あっでも、あの男子学生四人組はあれから大人しいわね。私の一言が効いたのか、殿下が裏から手を回したのか分かんないけど反省はしたみたい。形だけかは分かんないけど、このまま大人しくしてくれるならどっちでもいいかな。
彼らはやらかしちゃったけど、Aクラスの大半は傍観者に徹するみたいね。下手に男子学生たちと同じようにやらかして、王家と公爵家に目つけられたくないでしょ。後々に自分の身に返ってくるくらい、その頭でも分かるよね。
なので、例の悪意のある噂を私の前で囁く馬鹿もいなくなった。消えたとは思えないから、たぶん表面下で囁かれているんでしょうね。私が知らない場所でね。物凄く腹が立つけど。こればかりは、現場をおさえないと注意出来ないよね。
大半は傍観者だけど、やっぱりというか、期待通りというか、ディア様の周囲は違った。
正確にいえば、ディア様と彼女の取り巻き三人の周囲かな。
確か……取り巻きの方々は侯爵家と伯爵家の方々だと記憶している。成人前だからちょっと自信がないけど。王太子妃の勉強で、貴族籍の子息と令嬢の名前は出来る限りは一通り覚えているからね。
それにしても、リーダー格のディア様は相変わらず私を憎々しい目で睨み付けている。口元は微笑を浮かべながらね。マジ怖いわ。もう立派に女よね。まぁ睨み付けてくるだけで、何もしては来ないけどね。それでも、少なくとも私に対してしていい顔じゃない。よほど、殿下の婚約者になりたかったようね。今も虎視眈々と狙ってるみたい。取り巻き三人たちも、殿下を慕ってるのかディア様を慕ってるのか分かんないけど、ディア様と似たりよったりの表情をしている。完全にアウトだよね。影が見てるって。
悪意のある視線に見られ続けるのって、意外と苦痛よね。それも気付かない振りをしつつとなると、苦痛は倍増だわ。
はぁ~~。私は誰にも気付かれないように、小さく溜め息を吐いた。
魔法学の基礎講座は週に三回。
講座の終了までこの状態が続けばいい。そう安易に考えてた。
本当に安易だったわ。今にして思えばね。
さすがにまさか、あんなことをしでかすなんて考えもしていなかった。だって、私が死ぬのは八年後でしょ。今までがそうだったから。今回もそうだと思ってた。そう信じ込んでいた。
何回も言うけど、その考えは甘過ぎたわ。
まさか、学園内で命を狙われるとはね。
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