侍女の恋日記

桜 詩

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エセルの章

婚礼の日☆

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鏡に映る、きらびやかな少女。
ほんのり赤みのある金髪、ストロベリーブロンドを結い上げて、紫の瞳はぱっちりとキラキラと輝き、唇はチェリーピンクにつやつやと。頬は薔薇色。
華奢な肩を大きく出した純白のウェディングドレス。
大きなダイヤモンドを嵌め込まれた首飾りが胸元て光を受けてキラキラと輝いていた。細い腕に肘をこす手袋。
細くコルセットで締められた掴めそうなほど細い腰。それはいま理想とされる体形だった。
優秀な侍女とメイドたちにこの一年、作り上げられた作品だ。
そして、この衣装は仕立て屋たちの名誉がかかっていて、立ち居振舞いはシエラの成果。
全てはこの日に、イングレス王国の第2王子妃としてふさわしい女性をアルベルトの隣にたたせてお披露目するために。

「…大丈夫。大丈夫。ちゃんの練習してきた。毎日、努力もした。だから大丈夫。みんなも、助けてくれた。頑張らなきゃ…」
ぶつぶつと口の中で呟いた。

大聖堂で待つのは、たくさんの諸侯たち。
「さっ、最後の仕上げよ」
セラフィーナがベールをつける。
エセルはうなずいて、席をたった。

ヒールも同じ型のをはいて毎日血豆と靴擦れを作りながらがんばった。だから、もう痛くない!優雅にも歩ける!
腰に長いバッスルをつけて歩く練習もたっぷりした。あとは、優雅に歩くだけ!

大聖堂は、今日は扉が大きく開かれ、たくさんの民衆たちも王子の婚礼を見にきてきた。
「エセル、行こうか」
叔父が正装のテールコートを来て迎えにきた。
「驚くほど美しいよ、エセル」
叔父の目は少し潤んでいる。
「叔父様、ずっと育てて下さりありがとうございました。エセルは幸せです。」
「エセル…!」
叔父は声を詰まらせた。
「頑張りなさい。辛いときはなんでも相談しなさい。私は君のお父様なんだからね」
うんうんと叔父はうなずく。
叔父の手をとり戸口にたつと、わぁぁぁーと歓声が聞こえた。

婚礼の行進曲が流れるなか、叔父と共にヴァージンロードを一歩ずつ進む。長く長く引くトレーンに女性たちの感嘆の声が漏れた。
神父の、前にたつのは真っ白に金の飾りのついた華麗なテールコートを着たアルベルト。
アルベルトが叔父の手から、エセルの手をとり、手の甲にキスをする。
「そういえばちゃんと言っていなかったね」
手順にない言葉にすこし混乱する。
アルベルトは膝をついて手をとると
「レディ エセル・メイスフィールド 俺と結婚して、一生隣にいてください。ずっと貴女を愛し続けます」
と言った。
「は、はい。ずっとあなたの側にいさせてください。」 
と緊張しながら答えた。アルベルトは手を腕にかけて、祭壇に向き直った。
神父は
「それでは婚礼を執り行います」
神父が二人に手を向け、誓いの言葉をのべ、それに誓いますと答えた。
国王が出て来て、
「アルベルトの妻となった、エセル・メイスフィールドに、王子妃の位を授ける」
そう告げると、紅のクッションにのせられた金色にサファイアのついた小降りなティアラをもち、屈んだエセルの頭に載せた。

わぁっと拍手と歓声が起こる。
「では、両殿下誓いのキスを」
アルベルトは、エセルの腕をそっと引き寄せ、唇を重ねた。
エセルは夢のようなひとときに、胸が高鳴り感動して、目が潤んだ。
アルベルトは優しく微笑むと、そっと涙を指ですくってくれた。
聖堂の入り口までいき、民衆に手を振る。
歓声が押し寄せ圧倒される。

アルベルトと共に屋根のない真っ白な馬車にのり、パレードにいく。エセルの肩にはふわふわのケープがかけられた。
白馬の引く馬車はゆっくり進み、見目麗しい近衛騎士たちも騎乗し、周りを行軍する。
アルベルトとエセルは笑顔で手を振り続けた。
キャーキャーと女性たちの声がすごい!男たちや子供たちも興奮して、手を振っている。

「エセル、大丈夫?」
「あ、アル。なんだかもう。胸がいっぱいで今すぐ号泣しちゃいたい」
「ぷっ!なにそれ」
民衆の目がなくなったところでやっと気楽な会話をした。
アルベルトが、エセルにキスをする。
「うん。俺はね、綺麗なエセルをこのままベッドに直行したいよ」
「駄目よ!せっかく侍女たちが作ってくれたのに」
「エセルってやっぱり面白いね!」
くくくっとおかしそうにアルベルトは笑った。

馬車を降りると、ステラとセラフィーナがドレスの後ろを持ってくれる。
この後は披露パーティだ。
今度は主役なんて信じられない! 

式とは違う、白のドレス。ビスチェタイプの肩を出したぴったりとした上に、腰をぎゅっと絞って、スカートは大きく膨らみ、後ろは同布で作られた薔薇があしらわれ、シフォンでふわふわと、長くなっていた。
式は華麗なら、こちらは愛らしいデザインだった。
髪はふわり緩く結われ、襟足にいく筋か足らし緩やかに巻いて、頭のてっぺんにはティアラが輝く。
アルベルトは今度は黒のテールコートに着替えていた。

国王に続いて、大広間に入り国王の言葉のあと、二人だけで踊る。
広間の光を受けて、エセルのティアラも、首飾りも、キラキラと輝いていた。躍りの輪がたくさん広がって、アルベルトとエセルは、壇上の席に着いた。
ステラが飲み物をそっと渡してくれる。

挨拶を一通り落ち着いた所で、
「そろそろ行こうか、エセル」
「えっ?でも。」
アルベルトはニヤリと笑うと
「今日は初夜だよ。早々に消えても誰も不思議に思わないさ」
アルベルトがエセルの手を引き、大広間を後にする。

「では、殿下、妃殿下は準備がありますからこちらで」
「はいはい。じゃ後でねエセル」
にこっとアルベルトは笑った。

エセルはこれまで以上に念入りにすみずみまで磨かれ、毛の処理をされて クリームでマッサージされ、髪を丁寧にすかれた。
ヒラヒラの透け透けの夜着を着せられた。
な、なんだか、恥ずかしいよ…!

アルベルトの部屋に入ると、アルベルトもガウン姿で、お酒を飲んで寛いでいた。
「やぁ、俺の可愛い奥さん、こっちにおいでよ」
アルベルトのよこをポンポンと叩く。
「うん。」
ちょっと緊張しながら近づくと、
「なに?どうしたのエセル。そんなに緊張して」
「う、なんだか。し、初夜って雰囲気にドキドキして」
エセルが、もじもじ座りながらいうと
「ぷっ!エセルってほんとに可愛いよね!」
アルベルトが笑いながら、エセルを抱き寄せると
「もう、いっぱい恥ずかしい事、経験してるのに?」
ぼんっと赤くなると、
「それとは、またなんだか違うっていうか、なんていうか」
「お腹はすいたでしょ?ほとんど食べれてないんじゃない?」
うん、とうなずき、テーブルにある軽食を食べた。
アルベルトは、合間でがっつり食べていたらしく、エセルが食べるのをにこにことみている。

エセルが食べ終わると
「じゃあ、今夜は初夜らしく」
とアルベルトはエセルを抱き上げて寝室に運んだ。
そっとベッドに寝かせると、ガウンを脱ぎ、横に寝る。
「エセル、愛してる」
アルベルトは言うと、キスをする。
やさしい口づけから次第に濃厚な口づけとなり、エセルは夢中で口づけに、没頭した。
胸元の紐をほどくと、すぐにエセルの乳房がアルベルトの視線にさらされる。16の頃よりふっくらとしたそこは、メイドたちにより、ぷるぷるに仕上げられていた。
アルベルトの、手が乳房を愛撫してそこはやわやわと形を変えた。
アルベルトの唇か、首をなで鎖骨をねっとりと舐めて、胸に触れた。
先端を口に含む。
「あっ…」
エセルの口から吐息がもれる。
「エセル、やっと結婚できたね!」
「はじめて会ったときは、まだ可愛い男の子だったものね」
アルベルトの顔にふれ、エセルは笑った。
「もう、子供じゃないよ…エセル」
アルベルトはエセルの片足を抱えあげると、エセルの割れ目に口づけた。
「はぁ…っん!アルぅ…!」
エセルが舌で花芯を愛撫するアルベルトの頭をサラサラと撫でた。くちゅくちゅと音をたて蠢かされる舌にエセルは悶える。
「…はぁ…!アル、も、いっちゃ…!」
エセルは喘ぐと、ビクビクと身体を戦慄かせて達した。
蜜壺に指を挿入して、エセルの愛液をぐちょぐちょと音をさせて、責め立てながら花芯をなめると、エセルからは声が絶え間なくあふれ
「あぁぁーーー!も、おかしくなっちゃ…!!」
エセルの蜜壺からは潮が飛び出して、アルベルトにかかった。
「エセル、今日はほんとうにすごいよ」
熱情を秘めたまなざして、エセルをみて口づけると、アルベルトは一気にエセルに男根を突き立て、激しく打ち付けた。
「んんーっ!」
打ち付けれる音と、じゅぷじゅぷと淫らな音にエセルはより高く官能の高みに押し上げられ、夢中でアルベルトの唇をむさぼり、腕で逞しい背中にすがり付いた。
「はぁぁ…ぁん、アル!」
アルベルトもエセルの感じている様子にまた、余裕を無くし、ガツガツと抉るようにうちつけて、
「くっ!!も、イクよ!」
掠れた声でいうと、エセルの中で弾けさせた。エセルもはじめて中で受け止め、背を反らして、ピクピクと痙攣させた。
アルベルトはすっぽりと収まるエセルを腕の中に閉じ込め官能の余韻に、浸った。

少しして、アルベルトはエセルが泣いているのに気づいた。
「えっ?な、なに?どうした?苦しい?痛い?」
焦るアルベルトに、首を横に振る
「…なんだか、ほんとに幸せすぎて泣けてきちゃった…!」
「そ、そうなの?」
泣かれてうろたえているアルベルト
「私、結婚なんて出来ないって思ってたのに、アルみたいな素敵な人と結婚して、しかもたくさんの人がお祝いしてくれて、ほんとに夢みたいで…」
エセルがめそめそと言った。
「素敵なって、俺、腹黒だし、年下だし、しかも、面倒くさい王子なんて身分もついてるし。割りと強引に結婚前に襲っちゃったし。いいとこないと思うよ?」
ぷっ!と泣きながら笑うと、
「うん、でもそうやって強引に来てくれて嬉しかった。好きだって私を欲してくれるのも」
エセルはアルベルトの腕を掴んでキスをして
「私、アルから離れないからね?ずっと。これからずっと。他の女の人をみたら許さないから」
「もちろん、エセルしか見ないよ!」
エセルはアルベルトの首に手をまわしてキスをした。アルベルトもエセルの腰に手をまわして、抱き寄せた。
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