2 / 17
研修
紐ビキニにお着換え
しおりを挟む英吏の、人からお願いすると断れない性格が起因し"練習台"になることを了承した。
「悪いようにはしないから安心して」
と店長の神幹。
「どうか力を貸してください」
と専門学生の飛虎。
二人のお願いに項垂れる英吏。
「うう、ただ単に寝っ転がっていたらいいんですよね」
「そうだよ、ベッドに寝っ転がってくれてたらいいんだ。あとは痛くないかとか質問に答えてくれたらいい。それで給料も出るんだから本島さんにとってもオイシイ話だろ」
(もちろん服は脱いでもらって、イッたかどうかのフィードバックはもらうがそれぐらいだ。嘘は言っていないよ)
「分かりました」
神幹はパンと手をたたき、にっこりと微笑む。
「じゃあさっそく明日からお願いするよ」
翌日。
店は定休日だ。
普段なら定休日に英吏は来ないが、今日は練習台のために出勤だ。
「お疲れ様です~」
「こんばんは!」
店に英吏が着くとそこには施術着に着替えた飛虎が立っていた。
「すみません、練習台なんて嫌なことを……!」
えらく恐縮そうに頭を下げる飛虎の様子に英吏は自分が虐めているように感じ、慌てて大丈夫だからとフォローをする。身長の高い飛虎が頭を下げる様子は、大型ワンコがキューンと縮こまるようだ。
何度も「本島さん、すみません」「本島さん、申し訳ないです」と謝るものだから、英吏もほどされる。
「飛虎くん、大丈夫だから。私の方こそ良い練習台になれるかわからないんだけど、飛虎くんが採用されるように協力するから」
「すみません」
「もう、すみませんはいいからね。あとは、ほらそんなに年齢も変わらないんだし、本島さんなんていいから。下の名前で呼んでよ」
英吏は何度も謝る飛虎のことを気に入り、仲良くなれるようにと提案した。
「じゃあ、、英吏さんとお呼びします。僕のことも健って呼んでください。飛虎って名前、正直いかつくて好きじゃないんです」
「ふふふ、そうなんだね。じゃあ健くん、研修頑張って」
◆◆◆◆
奥の部屋で準備をしていた神幹も現れ、英吏にシャワーを浴びてくるよう指示した。
「体を洗ったら更衣室に用意した着替えを着たらいい。オイルで服が汚れたらいけないからね」
そう指示を受けた英吏はじゃあ行ってきますとシャワー室へと向かった。
「さて、飛虎くん。本島さんがシャワーを浴びてる間にこの店の基本的なことを伝えるから」
「はい!」
飛虎はペンと小さなメモを取り出した。
「まずうちの店は90分コース、120分コース、180分コースがある。もっと短い時間のコースを設けている店もあるが、時間が少ないとお客様も十分には楽しめない。だから最短でも90分からだ。」
「はい」
「それぞれの時間でマッサージの内容も違ってくるが、今回の研修は一番人気の120分コースの内容でいく。じゃあ中身だが……」
神幹が早口で説明をしながら、飛虎が必死にメモを取る。神幹が早口になるのは、英吏がシャワーを浴びて着替え終わったらすぐに施術の実践に入りたいからだ。温まった体が冷えてしまうとマッサージの効果も小さくなる。
◆◆◆◆
一方、英吏はというと。
手早くシャワーを浴びて体を清めていた。ただの練習台だ、本格的に触られることはないだろうが体の隅々まで洗い上げる。
職場で裸になっていることは変な感じだが、これも仕事と言い聞かせながらシャワーを終えて更衣室に出る。
「着替え、用意してくれてるんだったよね」
自分の脱いだ服は軽く畳んで、着替えを探すとバスローブと白い布切れの入った籠を見つける。これかなと籠の中身を出すと……
「……っ!これに着替えるの!?」
白い布切れの正体は、ビキニの上下。しかも生地が透けそうなほど薄い。
「こんなの着たら見えちゃうよ」
ビキニの上は三角形で紐で結ぶもの。布の面積も小さく、胸を全部は覆わないだろう。ボトムは両サイドを紐で結ぶタイプで股のところはハイレグ気味。
英吏はふるふると震えながら「こんなの着れないよ」とべそをかく。
いやでも、バスローブを着たままかもしれないと自身を奮い立たせる。
「きっとそう、バスローブは着たままだよ」
自分に言い聞かせ全裸のままでは寒いと、ビキニに着替え始めた。
英吏の豊満な胸はかろうじてビキニに支えられているが、少しでも動けばポロンとこぼれそうだ。乳首の色もほんのりと透けている。
そしてボトムはというと、むちむちの尻に食い込んでいやらしく、前は割れ目がくっきりと出ている。履いていない方がマシなのではと思わせるものだった。
更衣室には自分だけしかいないが早く隠したいとすぐにバスローブを羽織る。バスローブの腰ひもはぎゅっと縛り、中が見えてしまわないようにした。
見えないよね、大丈夫だよねとバスローブの裾を引っ張っていると、更衣室の施術室につながるドアがトントンと叩かれる。
飛虎の声だ。
「英吏さん、準備できましたか?」
「あ、、、うん、、、」
「じゃあこちらに来て下さい」
英吏はぎゅうっとバスローブの裾を握りながら、歩を進める。ブラジャーをつけているときでも揺れる柔らかい大きな胸が、歩くたびにぷるんっ、ぷるんっ、ぷるんっとバスローブの中で揺れた。
(ああぁ、こんな状態で男の人の前に出るなんて……っ)
膝を擦り合わせながら、英吏はゆっくりとドアノブを回した。
31
あなたにおすすめの小説
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる