離婚するはずの旦那様を、なぜか看病しています

「結婚とは、貴族の義務。そこに愛など不要――」

そう割り切っていた公爵令嬢アルタイは、王命により辺境伯ベガと契約結婚することに。
お互い深入りしない仮面夫婦として過ごすはずが、ある日ベガが戦地へ赴くことになり、彼はアルタイにこう告げる。

「俺は生きて帰れる自信がない。……だから、お前を自由にしてやりたい」

あっさりと“離婚”を申し出る彼に、アルタイは皮肉めいた笑みを浮かべる。

「では、戦争が終わり、貴方が帰るまで離婚は待ちましょう。
  戦地で女でも作ってきてください。そうすれば、心置きなく別れられます」

――しかし、戦争は長引き、何年も経ったのちにようやく帰還したベガは、深い傷を負っていた。
彼を看病しながら、アルタイは自分の心が変化していることに気づく。

「早く元気になってもらわないと、離婚できませんね?」

「……本当に、離婚したいのか?」

最初は“義務”だったはずの結婚。しかし、夫婦として過ごすうちに、仮面は次第に剥がれていく。
やがて、二人の離婚を巡る噂が王宮を騒がせる中、ベガは決意を固める――。


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