選ばれ続ける場所で、私は決めない』

王宮に留まるか、去るか。
選択を迫られたそのとき、彼女は――「決めない」という選択をした。

聖女として迎えられ、象徴として扱われ、
「国のため」「本人のため」という言葉で囲い込まれていく日々。

去る理由も、留まる理由も、
いつの間にか“他人の言葉”で作られ始めていた。

ならば問い直そう。
誰が、理由を完成させるのか。

彼女は声高に反発しない。
正しさを振りかざさない。
ただ、決断と責任を静かに持ち主へ返していく。

判断しない自由。
期待されない立場。
象徴にも、逃げ場にもならない場所。

それでも――
選択肢だけは、消さない。

これは、
剣も魔法も振るわない聖女が、
「選ぶ余白」を守り続けた物語。

囲われず、縛られず、
それでも確かに、そこに在り続けた
ひとつの“留まり方”の記録。


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