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第十三話 歪んだ勝利
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第十三話 歪んだ勝利
ヴェルド侯爵家の家令が去ったあと、フォルディア伯爵家の屋敷はさらに奇妙な静けさに包まれた。
婚約解消は正式に通達された。
けれど、その先にミレイユの席は用意されていない。
その事実は、屋敷中に冷たい水を浴びせたようなものだった。
使用人たちは顔には出さない。だが、彼らの間を流れる空気は明らかに変わった。今までなら“可哀想な妹”の顔を作れば済んだことも、もうそう簡単にはいかない。ミレイユが勝者として堂々と歩くには、現実があまりにも不格好すぎた。
だが当の本人だけは、その不格好さをまだ認めきれていないらしい。
セレナが客間を離れて半刻ほど経ったころ、屋敷の東棟からガラスの割れる音が響いた。
遠くても分かるほど鋭い音だった。
その瞬間、廊下にいた侍女たちがびくりと身を縮める。誰もが“また始まった”と思ったに違いない。
セレナは手元の書簡から顔を上げた。今いたのは、執務室ではなく中庭に面した小さな応接室だった。昼のうちに届いた礼状の整理をしていたところだ。
「東棟ですね」
グレアムが低く言う。
「ええ」
それだけで十分だった。
音のした方角も、誰が暴れているかも、考えるまでもない。
ミレイユだ。
セレナはしばらく動かなかった。
今までなら、こういう時は真っ先に駆けつけていた。被害が広がる前に止めるために。侍女が泣かされる前に。継母が無意味に取り乱す前に。
けれど今は違う。
自分が駆けつけて何になるのだろう。
また“後始末をする長女”として使われるだけではないのか。
次の瞬間、別の音がした。今度は何か重いものが倒れる音。続けて甲高い声が廊下の向こうからかすかに響く。
「どうしてよ!」
その声には涙も芝居もなかった。むき出しの癇癪だった。
「どうして私じゃないのよ!」
セレナは小さく息を吐いた。
義妹はようやく、自分が“選ばれた”わけではない可能性にぶつかったのだ。だがそれでもなお、考えるべきはルシアンの本心ではなく、“どうして私がその席に座れないのか”という一点だけらしい。
「お嬢様」
応接室の外に控えていた若い侍女が、おそるおそる顔を出した。
「東棟のほうが……」
「聞こえています」
セレナが静かに答えると、侍女は言葉に詰まった。今までなら、ここで「私が行きます」と言うと思っていたのだろう。
「グレアム」
「はい」
「庭師長に、東棟の外回りへ人を回してもらって。窓から物を投げられても怪我人が出ないように」
「かしこまりました」
「それから、若い侍女はできるだけ近づけないで。年嵩の者を二人だけ待機させて」
「承知いたしました」
そこまで指示すると、若い侍女は明らかにほっとした顔になった。止めには行かない。けれど、被害は最小にする。その割り切りは、今のセレナにできるぎりぎりの線だった。
グレアムが去り、応接室に再び静けさが戻る。
だが東棟からはまだ物音が続いていた。
何かを叩きつける音。
喚き散らす声。
継母らしき高い制止の声。
そして途中からは父の怒鳴り声も混ざった。
屋敷中に響くその騒ぎは、もはや“貴族の家の内輪事”の範囲を越えつつある。外まで聞こえていないことを祈るしかない。
セレナは机の上の礼状へ視線を落とした。だが文字は少しも頭に入ってこない。
ふと、昨日のミレイユの顔が浮かぶ。
『選ばれたのは、私だということ』
あの自信は、今もまだ完全には壊れていないのだろう。壊れていたら、あんなふうには暴れない。むしろ怒り狂うことで、現実を拒んでいるのだ。
選ばれたはず。
優しくされたはず。
皆の前で隣に立ったはず。
なのに、どうして。
彼女の頭の中は今、その言葉だけでいっぱいに違いない。
そこへ再びノックがあり、今度は中年の侍女頭が入ってきた。
「失礼いたします」
いつもは落ち着いている彼女の顔にも、さすがに疲れが見えていた。
「東棟のご様子は」
セレナが問うと、侍女頭は少し言いづらそうに口を開いた。
「ミレイユ様が、お部屋の中のものを幾つか……その……」
「壊しているのね」
「はい」
侍女頭は目を伏せた。
「鏡台、香水瓶、飾り棚の置物などを。若い侍女が一人、近くにいて頬を打たれましたが、大事には至っておりません」
セレナは目を閉じた。
やはりだ。
自分が傷ついた時、この義妹はまず自分より弱い者を殴る。悲しむのではなく、怒る。怒りの向き先はいつも、自分に反撃しづらい相手へ流れる。
「今は誰がついているの」
「伯爵夫人と、旦那様が」
侍女頭が少しだけためらってから続ける。
「ですが、旦那様は……ミレイユ様のお言葉に逆上なさって」
「何を言ったの」
侍女頭はさらに言いにくそうな顔になる。
「……『役に立たないなら黙っていて』と」
セレナは何も言わなかった。
父にも母にも容赦しない。
それはこれまで何度も見てきた。だが、今はもうその暴虐が隠しきれない場所まで出てきている。婚約者を奪って勝ったと思った途端、親すら自分の下に置けるとでも思っているのだろう。
「お嬢様、どうなさいますか」
侍女頭の問いは慎重だった。
行くべきか。
止めるべきか。
それとも放っておくべきか。
セレナは少し考えた。
「怪我人だけ、こちらで手当てを」
「はい」
「それから、壊れた物の片づけは、ミレイユが落ち着いてからにして。今入ればまた誰かが傷つくわ」
侍女頭は頷いた。セレナが自ら東棟へ向かわないことに、驚きよりも安堵があった。たぶん皆、どこかで思っているのだろう。もう長女だけがあの暴風の受け皿になる必要はないのではないかと。
侍女頭が下がったあと、応接室にはまた沈黙が戻った。
セレナは机に両肘をつき、額に指を当てた。
疲れている。
昨夜からほとんど息をつく暇もない。
婚約は壊れ、屋敷は荒れ、父は鈍く、継母は役に立たず、義妹は癇癪を起こしている。
普通なら、もうとっくに泣いてもおかしくない。
なのに自分は泣けない。
かわりに、妙に冷静だった。
これは、自分が冷たいからなのだろうか。
それとも、もうずっと前から疲れすぎていたのだろうか。
東棟の騒ぎがようやく少し静かになった頃、今度は控えめな足音が廊下を近づいてきた。扉が軽く叩かれ、若い従僕が小箱を抱えて入ってくる。
「レーヴェン公爵家より、お届け物でございます」
セレナは一瞬だけ顔を上げた。
アルベルトからだった。
差し出された小箱は、派手さのない深緑の包みに包まれている。封を解くと、中には小さな硝子瓶が入っていた。薄い琥珀色の液体。香油ではない。見るからに薬用だ。
箱の底に、短い紙片が一枚添えられている。
『侍女頭から、昨夜あなたが少し手を傷めていたと聞いた。
傷薬です。使わないならそれでいい。
ただ、放っておくと痕が残る。
アルベルト』
セレナはその文面を見つめた。
胸の中で、何かが静かにほどける。
婚約者だったルシアンは、彼女が傷ついてもそれを観察した。
だが今、婚約者でも何でもないアルベルトは、傷のことだけを淡々と気にかけてくる。
そこに甘い言葉はない。
慰めも、同情もない。
ただ、傷は放っておけば痕が残る、と言う。
その現実的な優しさが、ひどく胸に沁みた。
セレナは瓶をそっと指先で包んだ。冷たい硝子の感触が掌に残る。
「ありがとうございます、と……」
言いかけて、従僕に向かって首を振る。
「いいえ、今はこれだけ受け取っておくわ」
「かしこまりました」
従僕が下がったあと、セレナはしばらく小瓶を見つめていた。
その向こうで、東棟の喧騒はようやく収まったらしい。もう物が壊れる音はしない。代わりに広い屋敷のどこかで、人々が後始末のために静かに動き始めている気配がする。
歪んだ勝利だと思った。
ミレイユは姉の婚約者を奪ったつもりで、今はなお“自分こそ勝者”だと信じたい。けれどその勝利は、手にした瞬間からもう歪んでいる。
正式な席はない。
約束もない。
新しい婚約もない。
あるのはただ、姉の婚約を壊したという事実だけ。
それでも彼女は、それを“勝利”と呼び続けるのだろう。
そうしなければ、自分が何を拾ったのか直視できないから。
セレナは小さな瓶を机の隅へ置いた。
その時、不意に思う。
もしかしたら、自分が今見ているのは義妹の絶頂ではない。
崩れはじめの、最初のひびなのではないかと。
そう考えると、胸の奥の冷たい重さが少しだけ形を持った。
これは終わりではない。
まだ序章なのだ。
そしてその先で、自分がどこへ立つのかを決めなければならない。
もう、同じ席へは戻れないのだから。
ヴェルド侯爵家の家令が去ったあと、フォルディア伯爵家の屋敷はさらに奇妙な静けさに包まれた。
婚約解消は正式に通達された。
けれど、その先にミレイユの席は用意されていない。
その事実は、屋敷中に冷たい水を浴びせたようなものだった。
使用人たちは顔には出さない。だが、彼らの間を流れる空気は明らかに変わった。今までなら“可哀想な妹”の顔を作れば済んだことも、もうそう簡単にはいかない。ミレイユが勝者として堂々と歩くには、現実があまりにも不格好すぎた。
だが当の本人だけは、その不格好さをまだ認めきれていないらしい。
セレナが客間を離れて半刻ほど経ったころ、屋敷の東棟からガラスの割れる音が響いた。
遠くても分かるほど鋭い音だった。
その瞬間、廊下にいた侍女たちがびくりと身を縮める。誰もが“また始まった”と思ったに違いない。
セレナは手元の書簡から顔を上げた。今いたのは、執務室ではなく中庭に面した小さな応接室だった。昼のうちに届いた礼状の整理をしていたところだ。
「東棟ですね」
グレアムが低く言う。
「ええ」
それだけで十分だった。
音のした方角も、誰が暴れているかも、考えるまでもない。
ミレイユだ。
セレナはしばらく動かなかった。
今までなら、こういう時は真っ先に駆けつけていた。被害が広がる前に止めるために。侍女が泣かされる前に。継母が無意味に取り乱す前に。
けれど今は違う。
自分が駆けつけて何になるのだろう。
また“後始末をする長女”として使われるだけではないのか。
次の瞬間、別の音がした。今度は何か重いものが倒れる音。続けて甲高い声が廊下の向こうからかすかに響く。
「どうしてよ!」
その声には涙も芝居もなかった。むき出しの癇癪だった。
「どうして私じゃないのよ!」
セレナは小さく息を吐いた。
義妹はようやく、自分が“選ばれた”わけではない可能性にぶつかったのだ。だがそれでもなお、考えるべきはルシアンの本心ではなく、“どうして私がその席に座れないのか”という一点だけらしい。
「お嬢様」
応接室の外に控えていた若い侍女が、おそるおそる顔を出した。
「東棟のほうが……」
「聞こえています」
セレナが静かに答えると、侍女は言葉に詰まった。今までなら、ここで「私が行きます」と言うと思っていたのだろう。
「グレアム」
「はい」
「庭師長に、東棟の外回りへ人を回してもらって。窓から物を投げられても怪我人が出ないように」
「かしこまりました」
「それから、若い侍女はできるだけ近づけないで。年嵩の者を二人だけ待機させて」
「承知いたしました」
そこまで指示すると、若い侍女は明らかにほっとした顔になった。止めには行かない。けれど、被害は最小にする。その割り切りは、今のセレナにできるぎりぎりの線だった。
グレアムが去り、応接室に再び静けさが戻る。
だが東棟からはまだ物音が続いていた。
何かを叩きつける音。
喚き散らす声。
継母らしき高い制止の声。
そして途中からは父の怒鳴り声も混ざった。
屋敷中に響くその騒ぎは、もはや“貴族の家の内輪事”の範囲を越えつつある。外まで聞こえていないことを祈るしかない。
セレナは机の上の礼状へ視線を落とした。だが文字は少しも頭に入ってこない。
ふと、昨日のミレイユの顔が浮かぶ。
『選ばれたのは、私だということ』
あの自信は、今もまだ完全には壊れていないのだろう。壊れていたら、あんなふうには暴れない。むしろ怒り狂うことで、現実を拒んでいるのだ。
選ばれたはず。
優しくされたはず。
皆の前で隣に立ったはず。
なのに、どうして。
彼女の頭の中は今、その言葉だけでいっぱいに違いない。
そこへ再びノックがあり、今度は中年の侍女頭が入ってきた。
「失礼いたします」
いつもは落ち着いている彼女の顔にも、さすがに疲れが見えていた。
「東棟のご様子は」
セレナが問うと、侍女頭は少し言いづらそうに口を開いた。
「ミレイユ様が、お部屋の中のものを幾つか……その……」
「壊しているのね」
「はい」
侍女頭は目を伏せた。
「鏡台、香水瓶、飾り棚の置物などを。若い侍女が一人、近くにいて頬を打たれましたが、大事には至っておりません」
セレナは目を閉じた。
やはりだ。
自分が傷ついた時、この義妹はまず自分より弱い者を殴る。悲しむのではなく、怒る。怒りの向き先はいつも、自分に反撃しづらい相手へ流れる。
「今は誰がついているの」
「伯爵夫人と、旦那様が」
侍女頭が少しだけためらってから続ける。
「ですが、旦那様は……ミレイユ様のお言葉に逆上なさって」
「何を言ったの」
侍女頭はさらに言いにくそうな顔になる。
「……『役に立たないなら黙っていて』と」
セレナは何も言わなかった。
父にも母にも容赦しない。
それはこれまで何度も見てきた。だが、今はもうその暴虐が隠しきれない場所まで出てきている。婚約者を奪って勝ったと思った途端、親すら自分の下に置けるとでも思っているのだろう。
「お嬢様、どうなさいますか」
侍女頭の問いは慎重だった。
行くべきか。
止めるべきか。
それとも放っておくべきか。
セレナは少し考えた。
「怪我人だけ、こちらで手当てを」
「はい」
「それから、壊れた物の片づけは、ミレイユが落ち着いてからにして。今入ればまた誰かが傷つくわ」
侍女頭は頷いた。セレナが自ら東棟へ向かわないことに、驚きよりも安堵があった。たぶん皆、どこかで思っているのだろう。もう長女だけがあの暴風の受け皿になる必要はないのではないかと。
侍女頭が下がったあと、応接室にはまた沈黙が戻った。
セレナは机に両肘をつき、額に指を当てた。
疲れている。
昨夜からほとんど息をつく暇もない。
婚約は壊れ、屋敷は荒れ、父は鈍く、継母は役に立たず、義妹は癇癪を起こしている。
普通なら、もうとっくに泣いてもおかしくない。
なのに自分は泣けない。
かわりに、妙に冷静だった。
これは、自分が冷たいからなのだろうか。
それとも、もうずっと前から疲れすぎていたのだろうか。
東棟の騒ぎがようやく少し静かになった頃、今度は控えめな足音が廊下を近づいてきた。扉が軽く叩かれ、若い従僕が小箱を抱えて入ってくる。
「レーヴェン公爵家より、お届け物でございます」
セレナは一瞬だけ顔を上げた。
アルベルトからだった。
差し出された小箱は、派手さのない深緑の包みに包まれている。封を解くと、中には小さな硝子瓶が入っていた。薄い琥珀色の液体。香油ではない。見るからに薬用だ。
箱の底に、短い紙片が一枚添えられている。
『侍女頭から、昨夜あなたが少し手を傷めていたと聞いた。
傷薬です。使わないならそれでいい。
ただ、放っておくと痕が残る。
アルベルト』
セレナはその文面を見つめた。
胸の中で、何かが静かにほどける。
婚約者だったルシアンは、彼女が傷ついてもそれを観察した。
だが今、婚約者でも何でもないアルベルトは、傷のことだけを淡々と気にかけてくる。
そこに甘い言葉はない。
慰めも、同情もない。
ただ、傷は放っておけば痕が残る、と言う。
その現実的な優しさが、ひどく胸に沁みた。
セレナは瓶をそっと指先で包んだ。冷たい硝子の感触が掌に残る。
「ありがとうございます、と……」
言いかけて、従僕に向かって首を振る。
「いいえ、今はこれだけ受け取っておくわ」
「かしこまりました」
従僕が下がったあと、セレナはしばらく小瓶を見つめていた。
その向こうで、東棟の喧騒はようやく収まったらしい。もう物が壊れる音はしない。代わりに広い屋敷のどこかで、人々が後始末のために静かに動き始めている気配がする。
歪んだ勝利だと思った。
ミレイユは姉の婚約者を奪ったつもりで、今はなお“自分こそ勝者”だと信じたい。けれどその勝利は、手にした瞬間からもう歪んでいる。
正式な席はない。
約束もない。
新しい婚約もない。
あるのはただ、姉の婚約を壊したという事実だけ。
それでも彼女は、それを“勝利”と呼び続けるのだろう。
そうしなければ、自分が何を拾ったのか直視できないから。
セレナは小さな瓶を机の隅へ置いた。
その時、不意に思う。
もしかしたら、自分が今見ているのは義妹の絶頂ではない。
崩れはじめの、最初のひびなのではないかと。
そう考えると、胸の奥の冷たい重さが少しだけ形を持った。
これは終わりではない。
まだ序章なのだ。
そしてその先で、自分がどこへ立つのかを決めなければならない。
もう、同じ席へは戻れないのだから。
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