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第3章:帝国境への道――刻まれる宿命の足音
22話
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2.国境の町・ランフレア
さらに数日をかけて旅を続け、ようやく一つの大きな町にたどり着いた。ここは、王国と帝国を結ぶ主要街道が交差する交易拠点。ランフレアという名の国境の町だ。
周囲を高い塀で囲まれ、町の入り口には監視塔がそびえ立っている。明らかに先ほどまで巡ってきた小さな集落とは違う、しっかりした防備が整えられている様子だ。
正門には衛兵が数人立ち、旅人や商人の馬車をチェックしていた。アストリッドとクラリッサも順番を待って列に並ぶ。
いざ番が来ると、衛兵の一人が素っ気なく言う。
「名前と目的を言え。あと入場税として銀貨2枚だ」
アストリッドは偽名で「アストリン・ユーレイア」と名乗り、クラリッサも「クラリス・ユーレイア」と、便宜上は姉妹ということにした。そもそも、二人の容姿はそこまで似ていないが、偽名ということで深く追及されないだろう。
衛兵はとりあえず税を受け取り、そのまま手をひらひらと振るだけだ。
「通れ。滞在日数が長引くなら追加で宿泊税がかかるから覚えておけ」
投げやりな態度に、クラリッサは少し面食らった表情をするが、アストリッドは気にせず町の中へ足を踏み入れた。
ランフレアの町は、それまでの辺境とはまるで違っていた。道はそこそこ整備され、多くの露店や宿屋が並ぶ。商人や旅人、冒険者風の武装集団があちこちにおり、まるで小さな王都のような賑わいがある。
――しかし、どこか荒っぽい空気も漂っている。人通りが多いということは、それだけトラブルも増えるのだろう。道端には隠し武器を持っていそうな男たちがたむろしていた。
「ここで新しい情報を集められそうね。帝国への道や、途中の危険地帯なんかも」
「はい、お嬢様……いえ、アストリン様。まずは宿を取りましょう。ゆっくり腰を落ち着けて話を聞いた方がいいかと思います」
アストリッドは軽く頷く。ランフレアほど大きな町なら、まずはちゃんとした宿に泊まって身を休めつつ、地図や噂話を集めることが先決だ。
二人は道案内をしていた少年に小銭を渡し、評判の良いという宿屋へ向かった。
さらに数日をかけて旅を続け、ようやく一つの大きな町にたどり着いた。ここは、王国と帝国を結ぶ主要街道が交差する交易拠点。ランフレアという名の国境の町だ。
周囲を高い塀で囲まれ、町の入り口には監視塔がそびえ立っている。明らかに先ほどまで巡ってきた小さな集落とは違う、しっかりした防備が整えられている様子だ。
正門には衛兵が数人立ち、旅人や商人の馬車をチェックしていた。アストリッドとクラリッサも順番を待って列に並ぶ。
いざ番が来ると、衛兵の一人が素っ気なく言う。
「名前と目的を言え。あと入場税として銀貨2枚だ」
アストリッドは偽名で「アストリン・ユーレイア」と名乗り、クラリッサも「クラリス・ユーレイア」と、便宜上は姉妹ということにした。そもそも、二人の容姿はそこまで似ていないが、偽名ということで深く追及されないだろう。
衛兵はとりあえず税を受け取り、そのまま手をひらひらと振るだけだ。
「通れ。滞在日数が長引くなら追加で宿泊税がかかるから覚えておけ」
投げやりな態度に、クラリッサは少し面食らった表情をするが、アストリッドは気にせず町の中へ足を踏み入れた。
ランフレアの町は、それまでの辺境とはまるで違っていた。道はそこそこ整備され、多くの露店や宿屋が並ぶ。商人や旅人、冒険者風の武装集団があちこちにおり、まるで小さな王都のような賑わいがある。
――しかし、どこか荒っぽい空気も漂っている。人通りが多いということは、それだけトラブルも増えるのだろう。道端には隠し武器を持っていそうな男たちがたむろしていた。
「ここで新しい情報を集められそうね。帝国への道や、途中の危険地帯なんかも」
「はい、お嬢様……いえ、アストリン様。まずは宿を取りましょう。ゆっくり腰を落ち着けて話を聞いた方がいいかと思います」
アストリッドは軽く頷く。ランフレアほど大きな町なら、まずはちゃんとした宿に泊まって身を休めつつ、地図や噂話を集めることが先決だ。
二人は道案内をしていた少年に小銭を渡し、評判の良いという宿屋へ向かった。
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