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2度目

帰りたいの

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 陛下が美味しいスイーツを用意するからと、お茶に誘ってくれた。
 元気のない私を気遣ってくれているようだ。その時に、日本に帰りたいって頼んでみようかな。

 お茶は、天気が良くて庭園の花が綺麗に咲いているからと、外のガゼボで頂くことになった。
 テーブルの上には可愛らしいスイーツが沢山並んでいる。こんな贅沢ももう終わりなのね。

「リーナの好きな物を沢山用意した。何が食べたい?私がとってやろう。」

 今日も優しい陛下だわ。忘れないうちにお願いしよう。

「陛下。スイーツを頂く前に、お願いしたいことがあります。」

「リーナからのお願いなんて初めてだな。言ってみるといい。」

 ニコニコの陛下だ。機嫌が良さそうだから、言ってみよう。

「そろそろ元の世界に帰りたいと思います。次の満月の日は大丈夫でしょうか?」

 ガシャーン!

 陛下がお皿を落としてしまったようだ。

「陛下、大丈夫でしょうか?お怪我は?」

 あれ?陛下の従者や護衛騎士達の表情が…。みんな顔色が悪い。
 もしかして、陛下にまだ呪いが残っていて、急に気分が悪くなってしまったとか?よく見ると、陛下も顔色が悪い気がする。

「陛下。もしかして…、呪いがまだ残っていますか?それで急に気分が悪くなられたとか?」

「………。」

「…陛下?」

 やっぱり具合が悪そうだ。慌てて陛下に駆け寄る私。

「やはり具合が悪いのですね。大丈夫でしょうか?すぐに休まれた方がい……ぐっ!」

 突然、グイッと抱きしめられる私。

「リーナ。確かにまだ呪いが残っているのかもしれない。しかし、こうしていると楽になる。だから、今、リーナがいなくなるのは困るのだ。私の呪いにはリーナの聖魔法しか効かないのだから。」

「…そうですか。ではあと少しだけ。陛下が元気になるまではいますね。」

「分かってくれて嬉しい。それと、リーナの毒のことだが、私の弟とその側近達が犯人を追い詰めているから安心しろ。もうすぐ解決するからな。」

「陛下の弟?王弟殿下と側近の方達ですか?なぜ王弟殿下が?」

「弟達はリーナのおかげで助かったと言っていた。前線で死を覚悟した時に、リーナの聖魔法と攻撃魔法と戦術で命拾いしたようだ。命の恩人であるリーナを狙うヤツは許さないと激怒していた。私が言うのも何だが、弟達はなかなかキレるからな。すぐに解決すると思う。だから、元の世界に帰りたいなんて言わないでくれ。」

 うっ!毒でこの世界にいるのがイヤになったとバレてたか。

「陛下のお体が落ち着くまでは、こちらでお世話になりますね。」

「ああ。リーナ、ありがとう。」

 陛下。人前でおでこにキスしないでよ!



 結局、しばらくはまだ異世界にいることになりそうだ。

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