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2度目
毒殺が嫌なので
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夢を見た。友人達と夏休みに旅行に行く夢。バイト代が貯まったら、友人達と海外旅行に行きたいねって話していたよね…。
「…リーナ様?リーナ様が目覚めたから、すぐに陛下をお呼びして!」
メイド達の声が聞こえる。ああ、ここは異世界だった…。なんだか頭がボーっとする。
廊下が騒がしい。勢いよく扉の開く音がする。
「リーナ!!ああ、良かった…。」
私の手を握りしめて、涙を流しているのは陛下だ。陛下が泣いているの?何があった?まだ頭がスッキリしていない私は、状況が把握できない。
喉がカラカラだ。水が欲しいかも。
「……ず…を。」
「リーナ?どうした?」
「水を…くださ…い。」
「分かった。」
陛下は私の上半身を起こして支えてくれた。メイドは水の入ったコップを渡してくれるが、陛下がコップを受け取る。あれ?
陛下が水を口に入れ、……うん?陛下からの口移しで水を飲まされる私。陛下!みんな見てるってば!
「リーナ、もっと飲むか?」
この状況にも関わらず真顔の陛下。恥ずかしいのは私だけ??メイド達はキラキラした目で見ないでよ!
「……大丈夫…で…す。」
陛下はそのまま私をぎゅっと抱きしめる。だから、みんな見てるんだってば!
「リーナ、目覚めて良かった。君は2週間も意識がなかった。私はリーナが目覚めなかったらどうしようかと、生きた心地がしなかった。」
2週間?はっ?何で?
「ワイングラスに毒が塗られていたようだ。君は毒殺されそうになったのだ。」
「毒殺?」
ひぇー!ショックなんだけど。
「守れなくて、すまない。でも、生きていてくれて良かった。」
陛下はまた私をぎゅっとする。私達の関係って何?
その後、お医者や治癒魔法使いが来て私を診てくれてもう大丈夫だと言われると、陛下は執務に戻って行った。
私の護衛騎士が増えた。結界を張る旅で仲良くなった騎士達だ。よく知っている騎士なら安心だろうからと、陛下が配慮してくれたようだ。そしてメイドには、やはりあの旅で仲良くなった女騎士の2人が加わることになる。
しかし毒殺って。へこむわー。平成の大事件スペシャルでやっていた、カレー事件みたいじゃん。
日本に帰ろう…。いい潮時だ。
普通に生活していれば毒殺なんてないし、魔物もいないし、女の子が1人で歩けるし、治安もいい。普通に大学生活は楽しいし、卒業したらそこそこの企業に就職して、楽しい独身生活を送りたい。美味しい日本のご飯も食べたいし、温泉に行きたい。家族や友達にも会いたい。
よし!陛下に、すぐに帰らせて欲しいってお願いしよう。
「…リーナ様?リーナ様が目覚めたから、すぐに陛下をお呼びして!」
メイド達の声が聞こえる。ああ、ここは異世界だった…。なんだか頭がボーっとする。
廊下が騒がしい。勢いよく扉の開く音がする。
「リーナ!!ああ、良かった…。」
私の手を握りしめて、涙を流しているのは陛下だ。陛下が泣いているの?何があった?まだ頭がスッキリしていない私は、状況が把握できない。
喉がカラカラだ。水が欲しいかも。
「……ず…を。」
「リーナ?どうした?」
「水を…くださ…い。」
「分かった。」
陛下は私の上半身を起こして支えてくれた。メイドは水の入ったコップを渡してくれるが、陛下がコップを受け取る。あれ?
陛下が水を口に入れ、……うん?陛下からの口移しで水を飲まされる私。陛下!みんな見てるってば!
「リーナ、もっと飲むか?」
この状況にも関わらず真顔の陛下。恥ずかしいのは私だけ??メイド達はキラキラした目で見ないでよ!
「……大丈夫…で…す。」
陛下はそのまま私をぎゅっと抱きしめる。だから、みんな見てるんだってば!
「リーナ、目覚めて良かった。君は2週間も意識がなかった。私はリーナが目覚めなかったらどうしようかと、生きた心地がしなかった。」
2週間?はっ?何で?
「ワイングラスに毒が塗られていたようだ。君は毒殺されそうになったのだ。」
「毒殺?」
ひぇー!ショックなんだけど。
「守れなくて、すまない。でも、生きていてくれて良かった。」
陛下はまた私をぎゅっとする。私達の関係って何?
その後、お医者や治癒魔法使いが来て私を診てくれてもう大丈夫だと言われると、陛下は執務に戻って行った。
私の護衛騎士が増えた。結界を張る旅で仲良くなった騎士達だ。よく知っている騎士なら安心だろうからと、陛下が配慮してくれたようだ。そしてメイドには、やはりあの旅で仲良くなった女騎士の2人が加わることになる。
しかし毒殺って。へこむわー。平成の大事件スペシャルでやっていた、カレー事件みたいじゃん。
日本に帰ろう…。いい潮時だ。
普通に生活していれば毒殺なんてないし、魔物もいないし、女の子が1人で歩けるし、治安もいい。普通に大学生活は楽しいし、卒業したらそこそこの企業に就職して、楽しい独身生活を送りたい。美味しい日本のご飯も食べたいし、温泉に行きたい。家族や友達にも会いたい。
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