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閑話 ギルバート
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私はパッとしない子爵家の3番目の息子だった。
末っ子だからと可愛がられたことなんてない。なぜなら私は、父親が愛人に産ませた婚外子だからだ。
母親は商家の娘で、美しい母に父が惚れ込んで愛人にしたらしい。そんな母は私を出産した後に亡くなり、父が私を引き取ってくれたようだ。
父は本妻の機嫌を取るためなのか、私を特別可愛がったりはしなかったし、本妻は私をいない者として扱い、全く相手にしなかった。そして上の兄達は私を愛人の子だと虐めた。
そんな子爵家が大嫌いで早く独り立ちをしたいと思った私は、勉学だけは頑張った。
私が14歳になった時だった。
子爵家に親戚のベネット伯爵がやって来る。
「君がギルバートかい?君の優秀さは家庭教師達の噂で聞いているよ。
うちの息子にならないか?生活に不自由はさせないし、これからも変わらず努力してくれるなら、うちの跡取りになってもらいたい。」
ベネット伯爵家といったら大金持ちの名門伯爵家だということは知っていた。そんなすごい家門の養子になれるなら…。
しかし、義母や兄達は黙っていなかった。
「ベネット伯爵様。ギルバートよりも次男の方が優秀で性格も明るくて良い子ですわよ。
うちの次男を養子にしてくださいませ。」
「ぜひ僕の方を養子にして下さい!絶対に後悔させません!」
長男は跡取りだから手元におき、後を継げない次男を金持ちのベネット伯爵家に養子に出したいのだろう。
しかし、ベネット伯爵は…
「私はギルバートと話がしたくてここに来たのだ。
どうせ、愛人の子だからと蔑ろにしていたのだろう?
14歳なら、本人が同意すれば養子に迎えられる決まりになっているのだから、夫人も子息も口を挟まないでくれるか?
ギルバート、君はどうしたい?」
この邸から出られるならば…
私は迷わなかった。
「ベネット伯爵家の養子にして下さい。」
「分かった。では、直ぐに養子縁組の書類にサインをして、すぐに出発しよう。
荷物は君の大切な物だけを持って来なさい。必要な物はベネット家で用意するから身一つでも構わない。」
養子縁組の書類にサインをした後、自分の部屋で、大切にしていた本や母の形見などを鞄に詰めている時だった。
「お前、富豪のベネット家の養子になれるからと調子に乗るなよ。
ベネット家には、俺と同じ学年の令嬢がいるんだ。美しくて、生徒会に所属するくらいの才女だ。
お前なんかが養子に入っても相手にされないだろうし、ベネット家を横取りにしに来た余所者だって、冷遇されるだろうな。
新しい家でもせいぜい苦しむがいい。」
私の一つ年上の次兄は、それだけ言って去っていった。
冷遇されたとしても、こんな家よりはマシなはずだ。望まれて養子に入るのだから、ベネット伯爵を信じたい。
希望と不安の混ざり合った気持ちで、ベネット家に向かった私は、拍子抜けすることになる。
「貴方がギルバートね。来てくれてありがとう。私は貴方の義理の母になるから、義母上って呼んでくれたら嬉しいわ。
私達は商売をしているから、忙しくしていることが多いけど、お互いが家にいる時は、必ず家族で一緒に食事やお茶をするって決めているのよ。ギルバートも今夜から一緒に食事をしましょうね。
好きな食べ物は何かしら?食べられない物はある?
家族になるのだから、貴方のことを色々教えてちょうだいね。」
美しい伯爵夫人が迎えてくれた。穏やかで優しそうな夫人だ。この人が義理の母になるのか…。
好きな食べ物なんて生まれて初めて聞かれたかもしれない。
「ギルバートです。今日からどうぞよろしくお願い致します。
好きな食べ物も嫌いな食べ物も、特に何もありませんから、お気遣いなく。」
「ふふっ!徐々に本音で話せるようになればいいわね。
そういえば、私達には娘がいるのよ。貴方の義理の姉になるわね。今は学園に行っているから、帰って来たら紹介するわね。」
次兄が言っていた令嬢だな。恐らく私を良くは思わないだろうから、仲良くするのは難しいだろう。
こんな大金持ちの家の一人娘だし、気位が高くて我儘かもしれないが、揉めたくはないな…。
義理の姉になる令嬢が帰ってきたのは、暗くなってからだった。
「ギルバート、紹介するわね。娘のエレノアよ。仲良くしてあげてね。」
義母が紹介してくれたのは、義母に似た顔立ちの美少女だった。
「ギルバートです。どうぞよろしくお願いします。」
「エレノアよ。義姉さんって呼んでね。よろしく!
ギルって呼んでいい?
ギルはもうすぐ学園に入学するわよね?絶対に私と仲良くしてね!」
「……は、はい。義姉さん、よろしくお願いします。」
見た目と、喋る雰囲気があまりにも違い過ぎて驚いてしまった。
「お母様、早く夕飯にしましょう。今日も悪魔に酷使され過ぎて、お腹が空いてしまったわー。
ギルも一緒にダイニングに行きましょう。」
…悪魔に酷使された?
「ノア、不敬になるようなことは言わないでちょうだい!
ギルバート、義姉のようになってはダメよ。行きましょう。」
「…は、はい。」
ベネット家が予想していた雰囲気とあまりにも違い過ぎて、今後の私の生活がどうなるのかが、全く分からなかった。
末っ子だからと可愛がられたことなんてない。なぜなら私は、父親が愛人に産ませた婚外子だからだ。
母親は商家の娘で、美しい母に父が惚れ込んで愛人にしたらしい。そんな母は私を出産した後に亡くなり、父が私を引き取ってくれたようだ。
父は本妻の機嫌を取るためなのか、私を特別可愛がったりはしなかったし、本妻は私をいない者として扱い、全く相手にしなかった。そして上の兄達は私を愛人の子だと虐めた。
そんな子爵家が大嫌いで早く独り立ちをしたいと思った私は、勉学だけは頑張った。
私が14歳になった時だった。
子爵家に親戚のベネット伯爵がやって来る。
「君がギルバートかい?君の優秀さは家庭教師達の噂で聞いているよ。
うちの息子にならないか?生活に不自由はさせないし、これからも変わらず努力してくれるなら、うちの跡取りになってもらいたい。」
ベネット伯爵家といったら大金持ちの名門伯爵家だということは知っていた。そんなすごい家門の養子になれるなら…。
しかし、義母や兄達は黙っていなかった。
「ベネット伯爵様。ギルバートよりも次男の方が優秀で性格も明るくて良い子ですわよ。
うちの次男を養子にしてくださいませ。」
「ぜひ僕の方を養子にして下さい!絶対に後悔させません!」
長男は跡取りだから手元におき、後を継げない次男を金持ちのベネット伯爵家に養子に出したいのだろう。
しかし、ベネット伯爵は…
「私はギルバートと話がしたくてここに来たのだ。
どうせ、愛人の子だからと蔑ろにしていたのだろう?
14歳なら、本人が同意すれば養子に迎えられる決まりになっているのだから、夫人も子息も口を挟まないでくれるか?
ギルバート、君はどうしたい?」
この邸から出られるならば…
私は迷わなかった。
「ベネット伯爵家の養子にして下さい。」
「分かった。では、直ぐに養子縁組の書類にサインをして、すぐに出発しよう。
荷物は君の大切な物だけを持って来なさい。必要な物はベネット家で用意するから身一つでも構わない。」
養子縁組の書類にサインをした後、自分の部屋で、大切にしていた本や母の形見などを鞄に詰めている時だった。
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ベネット家には、俺と同じ学年の令嬢がいるんだ。美しくて、生徒会に所属するくらいの才女だ。
お前なんかが養子に入っても相手にされないだろうし、ベネット家を横取りにしに来た余所者だって、冷遇されるだろうな。
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冷遇されたとしても、こんな家よりはマシなはずだ。望まれて養子に入るのだから、ベネット伯爵を信じたい。
希望と不安の混ざり合った気持ちで、ベネット家に向かった私は、拍子抜けすることになる。
「貴方がギルバートね。来てくれてありがとう。私は貴方の義理の母になるから、義母上って呼んでくれたら嬉しいわ。
私達は商売をしているから、忙しくしていることが多いけど、お互いが家にいる時は、必ず家族で一緒に食事やお茶をするって決めているのよ。ギルバートも今夜から一緒に食事をしましょうね。
好きな食べ物は何かしら?食べられない物はある?
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そういえば、私達には娘がいるのよ。貴方の義理の姉になるわね。今は学園に行っているから、帰って来たら紹介するわね。」
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「ノア、不敬になるようなことは言わないでちょうだい!
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