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新人魔女と突然の婚約者(8)
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リッカはそう言ってニッコリと微笑む。その笑顔にリゼの頬が一瞬ピクリと引き攣った。
「わがまま……とは?」
リッカは少し恥ずかしそうにしながらもハッキリと答える。
「わたしが望む幸せは、立派な賢者になるために、たくさんの研鑽を積むこと。そのためにはこの工房にいることが必要不可欠です。それが、わたしの一番の望みです。それから、わたしの周りの人たちが幸せであること。そこにはもちろん、リゼさんやエルナさんも入っています」
リッカの答えにリゼは呆気に取られている。しかし、エルナは優しい笑みを浮かべた。
自分に何ができるか、まだ分からない。だが、リッカの中に迷いはもうなかった。リッカはリゼの目をジッと見つめ真剣な面持ちで話を続ける。
「……わたしでは本当に何もお役に立てません。……でも、やはりお二人には本当に幸せであってほしいんです。だから、わたしはマリアンヌ様からエルナさんを頂こうと思います」
リッカの決意に満ちた眼差しにリゼとエルナはお互い顔を見合わせる。やがて、リゼが小さくため息をついた。
「どう言うことだ?」
リッカは真剣な表情で言葉を続ける。リッカは新国王のマリアンヌに、リゼとの結婚祝いとして、エルナの下賜を申し出るつもりだという。そうすれば、リゼもエルナもこれまで通り互いのそばに居られるし、なによりリッカもこの工房に残ることができる。
リッカの考えを聞いているうちに、リゼの眉間に皺が寄っていく。
「君が私の幸せの心配をする必要はない。エルナさんのことは、私が何とかする」
そう突っぱねるリゼに、リッカは首を横に振って真っ直ぐにリゼを見つめる。
「これから結婚すると言うのに、男性のリゼさんが、女性のエルナさんを所望するというのは、外聞的に良くないでしょう。エルナさんの件は、わたしの方が適任なのです」
笑顔でそんな提案をするリッカにリゼは渋い顔をする。リッカの声は穏やかで、その笑顔も普段以上に大人びているように見えた。
「何より、わたしがこれまで通りエルナさんにここに居てほしいのです」
リゼは思わず口を噤む。一瞬訪れた静寂の中に、エルナがお茶をすする音が響いた。
しばらくして、リゼが静かな口調で口を開く。
「エルナさんはそれで良いのですか?」
リゼの問いかけに、エルナは静かに微笑む。少しの間逡巡したリゼはやがてゆっくりと頷いた。
「分かった。国王陛下にはその様に伝えよう」
リゼの言葉に、リッカは大きく息をついた。
「わがまま……とは?」
リッカは少し恥ずかしそうにしながらもハッキリと答える。
「わたしが望む幸せは、立派な賢者になるために、たくさんの研鑽を積むこと。そのためにはこの工房にいることが必要不可欠です。それが、わたしの一番の望みです。それから、わたしの周りの人たちが幸せであること。そこにはもちろん、リゼさんやエルナさんも入っています」
リッカの答えにリゼは呆気に取られている。しかし、エルナは優しい笑みを浮かべた。
自分に何ができるか、まだ分からない。だが、リッカの中に迷いはもうなかった。リッカはリゼの目をジッと見つめ真剣な面持ちで話を続ける。
「……わたしでは本当に何もお役に立てません。……でも、やはりお二人には本当に幸せであってほしいんです。だから、わたしはマリアンヌ様からエルナさんを頂こうと思います」
リッカの決意に満ちた眼差しにリゼとエルナはお互い顔を見合わせる。やがて、リゼが小さくため息をついた。
「どう言うことだ?」
リッカは真剣な表情で言葉を続ける。リッカは新国王のマリアンヌに、リゼとの結婚祝いとして、エルナの下賜を申し出るつもりだという。そうすれば、リゼもエルナもこれまで通り互いのそばに居られるし、なによりリッカもこの工房に残ることができる。
リッカの考えを聞いているうちに、リゼの眉間に皺が寄っていく。
「君が私の幸せの心配をする必要はない。エルナさんのことは、私が何とかする」
そう突っぱねるリゼに、リッカは首を横に振って真っ直ぐにリゼを見つめる。
「これから結婚すると言うのに、男性のリゼさんが、女性のエルナさんを所望するというのは、外聞的に良くないでしょう。エルナさんの件は、わたしの方が適任なのです」
笑顔でそんな提案をするリッカにリゼは渋い顔をする。リッカの声は穏やかで、その笑顔も普段以上に大人びているように見えた。
「何より、わたしがこれまで通りエルナさんにここに居てほしいのです」
リゼは思わず口を噤む。一瞬訪れた静寂の中に、エルナがお茶をすする音が響いた。
しばらくして、リゼが静かな口調で口を開く。
「エルナさんはそれで良いのですか?」
リゼの問いかけに、エルナは静かに微笑む。少しの間逡巡したリゼはやがてゆっくりと頷いた。
「分かった。国王陛下にはその様に伝えよう」
リゼの言葉に、リッカは大きく息をついた。
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