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第13章
第26話 否めない………。
しおりを挟む一通り使用人達に屋敷の説明を終えて、屋敷のリビングに入り一休みです。
だけど、未だ転移門の場所を決めて無いのよね?
あ!そうだ三階に空き部屋一部屋あるわね。
あそこにしましょうか?
「グレン」
「なんですか?今お茶を出しますよ?」
「そうじゃなくて!転移門よ!」
「ああそう言えば……」
ポンと手を叩いてそうだったと言いますが…。
「そういえばよ!グレン。で、場所なのですが三階に空き部屋が一室、残ってるのよ。そこにしょうかしら?」
「それでしたら、私達も使えますね?」
「でしょ?でも使用人って、城に戻りたい人居るのかしら?」
出来れば鍵を付けたいのよね?
セキュリティーの為にも。
勝手に往き来…、ん………?
あら出来ないわね?
でも勝手にされても困るのよね。
なら、使用人達は厨房から往き来して貰う様にしましょうか。
「………そうですねぇ、私が聞いて確認しますか?でも、どうされましたか?」
「防犯の為に、扉に鍵を付けたいのよ」
「……そうですね…勝手に出入りされても困りますか…」
「そうなのよ。でもねぇ…もう鍵を増やすのも?と思って………あ!」
「な、なんですか?驚かせないで下さい」
「なら、手の平魔力認証にしましょうか?」
「お嬢様……それは?」
「えっと、扉の脇に魔石を嵌め込んで置いて。始めに扉を使う人達全員に、魔石に触って貰って。予め魔力を登録しておくのよ!」
「………?はぁそうすると?」
「そうすると、部屋に入りたい時に魔石を触ると、魔石が使う者の魔力を認証して、扉の鍵が開く仕組みにするのよ」
「触って開く?ですか?」
「そうそう、人の魔力って人それぞれでしょ?だから勝手に中に入れない」
「そうですか……なら、この不思議なお屋敷には、丁度良いかも知れないですね?」
「なに?不思議な屋敷って?」
何気に失礼なんですが!
「フフフ。気を悪くしないで下さい。悪い意味ではないですよ。お嬢様が、私共の仕事を不便なく出来る様に…お考下ださり。屋敷を作ってくれてるのでしょうから、感謝してます」
なにかしら?含みがあるわね?
「……誉められてないわね?」
「いえ、そんな事は御座いませんよ?さあ、それなら魔石を嵌めに行きましょう」
なんか、はぐらかされてる気がして…否めないですわね!
「わ、分かったわよ!なら、三階に行きましょうか?それと今夜のお夕食は、多分城で取る事に為るわよ?」
「……多分ですか?」
「ええ、お兄様のお話し次第ですもの」
「なら、少しお待ち下さい。料理長に伝えて参ります」
「ええ、そうして頂戴。その間お茶を飲んで待ってるから。グレン、お茶入れなくて良いわよ?私が持ってる物で済ませるから」
「承知しました。でしたら少しお待ち下さい」
グレンを見送ると、大事な事を思い出したわ。
そうだ!ルクス達はどうしましょう。
(ルクス!出て来て)
すると影からルクスにルト、カイにリズそれとグランにホワイが、ポンポンと出てくると私に飛び付いてくる。
毎度の事ながら……、お腹目掛けて突進してくるのは何故かしら……?
《《なにぃ~!》おやつ?》
「おやつ……ああ、そろそろ時間ね?」
《うん、おやつ食べたい》
時計を見ると、時間はもう3時を回ってたわね。
お皿に6匹分のおやつを出すと、みんな嬉しそうに食べ始めて……秒で終わるルクスはもっと欲しいと目で訴えてくる。
「ルクス美味しかった?」
《うん!もっと》
「お代わりはもう、駄目よ?もう少しすると夕御飯です」
《ええ、もっと!》
「駄目よ。それより、ルクスお部屋が変わったのよ。後で皆で行きましょうね?」
《《また変わったの?》なんだか、ここの部屋も変わった?》
「あら、わかるの?ルト」
《なんとなく?》
「そう、お家全体が変わったわよ?大きくなったわ」
《……お庭で遊べるの?》
「あ、お庭……なにもしてないわ。忘れてた。皆!影に入って!お庭を直すわ!」
《ええ、またなの?》
「ごめんね?またなのよ」
《もう!仕方ないな!なら、後で遊んでね?》
「分かったわ!」
それだけ答えるとルクス達が影に入って行った。
なんだかとっても忙しいわね、飲み物も出す暇がないわ。
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