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第13章

第68話 楽しかったわ…。

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 これで粗方話しは終わったかしら?
 あっ、そうだわ!モーリスにお手紙を渡して貰えないかしら?ルース様に聞いて頼めないかしら?

「あの、ルース様?失礼なのですが…ひとつ頼み事をしても宜しいかしら?」
「頼み事ですか?」
「ええ、ルース様はモーリス様とご連絡が付きまして?」
「モーリス殿ですか?」
「ええ、私事で恥ずかしいのですが…。今私は、少し厄介事に巻き込まれてまして。あまり自由に行動が出来ないのです」
「それは……また大変ですね?何かお力に為れる事があれば、言って下さい。私にもお力に為れる事もあるかと」
「そうですか?そのお言葉に甘えても宜しいかしら?」
「ええ、それで……あぁそれでモーリス殿にご連絡ですか?」
「ええ、モーリス様と連絡は付くでしょうか?」
「モーリス殿なら、私から連絡は取れますが?何かご用でも?」
「はい、先日のカフェの件ですわ。お会いする日程の予定が付かなくて」
「ああ、そういうお話をされて居られましたね?所で、店をお開きになるとのことですが。王女様直々に店に立つおつもりですか?」
「…出来ればそうしたいのですが、それは叶わないと思いますので。信頼出来る方を雇ってと!思って居りますわ」
「そうでしたか……。ですが、人を雇用するのはどうするのですか?」
「それも相談したいのですが、まぁ場所を見てからになりますし。そのお店を改造を、しないと為らないのですが…。その話しは未だ先に為ると思うのです。それに、今は動けないのです。ですから購入予定の空き家を、どうしょうか相談したいのですが…。それも今は出来ない状態なので…」

 従兄弟達の事がハッキリしないと動けないなんて…。
 お父様との話し合いで、大人しく協力すると言うなら手間ではないのに…。
 そうは、いかないのかしらね?

 本当に厄介よ!あの人達に手の内を見られたくないし。

「なにがあったのかは、私は分かりませんが。でしたら、私が力に為りますよ!いえ為らせて下さい」
「ありがとうございます。それでは、ルース様にはご迷惑をお掛け致しますが。これを、モーリス様にこの文をお渡しくださいませ」
「分かりました、此方の文はお預り致します。必ずモーリス殿に渡しますね」
「申し訳ありません…ルース様、なんか使ってしまって。あ!そうですわ!これをお御持ちに為ってください」

 お土産にと、用意しておいた木箱をルース様に渡した。

「王女様これは?」
「大した物ではありませんのよ?今日のお礼ですわ。お土産にどうぞ」
「あ、ありがとうございます。それではお預かりした文は、必ずモーリス殿に渡しておきますので。ご心配しないで下さいね?それと……」
「……何にか?」
「……また、私にお時間を頂けませんか?」
「え?」
「あ、あの大変不敬な事とは思いますが…。私の様な者が…。あ、あの…出来ればまたお話がしたく...」

 まぁ、私と話しを?
 本当に…と喜んでも良いのかしら。
 本当にですの…………私とですか?

「あ、あの…私で良ければまた…、お時間をあ、あの………」

 わ、私ったらなにを照れてるのかしら?
 勘違いしないように…ほ、ほらルース様は商人ですからお仕事の話しよ!

「ほ、本当ですか?」
「ええ、ルース様が宜しければ。次回もまた商品の話しをしましょう。それにルース様は、今日お渡したレシピで何かお試しに為るのでしょ?次回は是非、そのお話を聞かせて下さいませ。楽しみにしてますわね?ご連絡は、お兄様宛に文をお出し下されば私に伝わりますので」
「承知しました。それでは、本日はありがとうございました。また是非時間を儲けて下さい」
「ええ、喜んでまたお会いしましょう。グレン申し訳ありませんが、護衛を一人連れてルース様を馬車までお送りして貰っても良いかしら?」
「畏まりました、ではニルス殿を連れて参ります。さあルース様お送り致しますので此方に」
「ええ、ありがとうございます。それでは、王女様、本日はありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにして居りますね」
「ええ、ルース様。またお会いしましょう」

 そして、グレンの後ろを歩き部屋から出ていくルース様を見送り、扉が閉まるとソファーに座り直して一息付いた。

「ふぅ~疲れた。でも…楽しかったわ」

 と、独り呟いた。


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