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第14章
第7話 召喚状!
しおりを挟む「ルース!」
エンバス商会は今日も賑わっていた、店では猫の手も借りたいくらい忙しい。
ルースも店の手伝いに駆り出され、仕事をしていると突然父に呼ばれたので父親の側に近寄った。
「何でしょうか?父上、今は忙しいのですが?」
「店は他の者に任せて、ちょっと奥に来なさい」
「は、はぁ……少しお待ちください。おいここを頼むぞ?」
「は、はい!」
「父上お待たせしました」
「…行くぞ」
店を他の店員に任せて父の後ろついていく。
いったいなんですか?私は何も………はっ!まさか!
父と一緒に執務室に入ると兄も部屋にいた。
えっと……これは……不味いのかな?
お二人とも……お怒りですよね?アハハ……汗。
「ルース、そこに座りなさい」
「は、はい、失礼します」
「ルース、お前先日……王城に赴いたよな?そしてアレク殿下に何を渡した?いったい何した?」
「へ?あっええっと………」
「ルース何をした?お前は城に、金を届けに行ったのではなかったか?」
「そ、そうです」
「そうだよな?それで?」
「ええっと……それは…パトリシア王女様に…その…」
「パトリシア王女様に?」
「…………あの」
これは不味いです……私の気持ちを父上達には話しをしていませんでした。
これは怒られますね…多分?いや確実にです。
ですが、なぜ責められるのでしょうか?
「ルース……!」
「あのパトリシア様に手紙をその……私の気持ちをその……」
手紙に託してしまいました!すみません父上、兄上!ですが、後悔はありませんよ!私は。
「お前はまさか?!」
「その……まさかです………兄上」
「ルース、お前王女様になんという不敬な!恥を知れ!馬鹿者」
「も、申し訳ございません!父上ですが、私は………」
「はぁ~お前は…!家の商売は王家…ベルガモット家のお陰で商売ができているんだそ!忘れたか?」
「い、いえ忘れては、いませんが……。所で」
「なんだ?」
私がアレク殿下に手紙をお渡ししたのは3日前ですが。
なぜこんなに早く父上達に知れたのか?
「あ、あの王城からなにか?」
「………ああ、来たぞ!召喚状がな!」
「召喚状ですか?」
「ああ、ヴァンス陛下から3日後にと、書かれてあったぞ!」
み、3日後………ですか……。
「それは、私だけ呼ばれてたのですか?」
「そんな訳がないだろ?」
「私とお前の二人で来いと、書かれてるよ」
アハハこれは不味いですね……。
「あ、あの!父上私はその、王女様をその……好いて居りました!ですので……その、私と」
「馬鹿者!私達の様な商人と、王女様とお前が結婚など出来る訳が無いだろ!」
「そうだぞ?うちは商人だ。貴族とは多少の繋がりもあるが。それは商売上の付き合いだ!捏ねも何もないんだぞ!」
「父上これは不味いですよ?陛下はいたく王女様を可愛がって居られる。それにアレク殿下は、陛下より更に輪を掛けて、王女様を可愛がられていると聞きますよ?」
そうでしたね…それは私も存じてますよ。
ですが……私の気持ちを王女様に、知って貰いたかったのです。捏ねなんて要りません。
この際玉砕覚悟なのです!
「ルース!」
「は、はい!」
「兎に角、お詫びの品を持って3日後、城に出向くぞ!お前は………ちゃんと王家の方々に詫びてくれよ」
「は、はい………」
うう、詫びろと謂うだけで誰も応援はしてくれ無いのですね…。
応援ありがとうございます!
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