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第14章
第22話 お父様…突然登場!
しおりを挟む「さて、シア?私達に話しが有ると聞いたが」
「え、ええ……あの……」
話を切り出そうとしたら、目の前に昼食が置かれたわ今日の昼食はカルボナーラとサラダにパンとコンソメスープですか。
うん…美味しそうです。
「お兄様、食べながらでも宜しくて?」
「ああ、構わないよ?折角の料理が冷めて仕舞うからね。では食べながら聞こう」
四人で昼食を取りながら、話を始めようとするものの……お兄様達のお食事のスピードが早すぎて話に為らないですわよ!
もう……まったく話に為らないわね、お兄様達いつまでお代わりするのかしら?
お兄様達の食事が、ある程度まで進まないと話しをするの駄目かしら?
それなら、私も料理が冷めないうちに食べてしまいましょう。
カルボナーラを一口、口にして一言。
「うん!ん美味しい」
結局食事を全員で済ませてしまい、私の話しはサロンでと謂うことに為りましたわ。
「シア、それで……なんだ?」
パーラーメイドからお茶を受け取ったアレクお兄様が口を開きます。
「それは……えぇと、ルース様の件ですわよ」
「ルースか……それで決めたのか?」
「えぇ、ですがその前にダルト宰相?」
「…はい?私ですか」
「ええ、貴方のお父様はちゃんと了承してますの?」
勝手に話を進めて無いでしょうが……一応確認したいし謝りたいし。
「ええ、父は今回の話はちゃんと了承してますよ。ベルガモット家の役に立てると、寧ろ喜んで居ります」
「そ、そうですのね?ご迷惑を掛けます。どうせ、お兄様のお考えなのでしょうが…」
「いえ?違いますよ?ルース殿の件は私が言い出しましたし。私もお役に立ちたいと思ったのです」
「そ、そうでしたの」
「それで、ルース殿からの申し込みは受けるのか?」
「えっと…婚約は受けようと思いますわ」
「………そ、そうか……」
あら?アレクお兄様がしゅんとしてますわ。
「おお、それでは早くエンバスに連絡を!マルス!早馬でルースに連絡を!明日城へ登城しろと召喚状を出せ!」
「は、はい!直ぐに」
「ちょ、ちょっとヴァンスお兄様!気が早いですわよ」
「良いから、こう言う事は早い方が良いんだよ!」
「シア……諦めろ。兄上ああなると止まらないぞ」
「うぅぅ……。そ、そうでしたわね……」
分かっては居るけど……そんなに焦って呼ばなくても良くないかしら?
アレクお兄様とヴァンスお兄様の事で、こそこそと話をしていれば、サロンの扉が突然乱暴に開いて誰かが入って来くる【バン!】と大きな音が……して驚くわよ!全く乱暴ですわね?
そして、サロンに入ってきた人物が私に声を掛けて来ました。ですが……この声は…。
「パトリシア!」
その大きな声で、部屋に居た四人と執事達全員が同時に驚く。
「な、な、なに?ってか何方……って、お父様…どうされたのですか?」
「父上!突然入って来ないで頂きたい!」
「そうですよ!父上」
「………」
ほら、ダルト宰相が固まってますわよ?
「…煩いぞ、お前達!それにパトリシア!どうされたではないわ!お前、私に何の相談もなく縁談の話を受けるのか?」
誰から聞いたのかしら?相談してないわよね?誰にも。
「…………父上…いきなり遣って来て、騒がしくしないで下さい!今パトリシアと、その件で話をしていたのですから」
「ぬ!私を蔑ろにするのか?私はパトリシア…お前達の父親だぞ!」
その父親が、私に何をしたからこうなったのを忘れてませんかお父様?
「父上、今回は良い縁談の話しですよ?」
「良い縁談等あるものか!毎回パトリシアの縁談を持ち込む男は碌でも無いではないか!」
「まあ、今まではそうでしたね?頭の軽い王子やら、慇懃無礼な王子に…躾の為って居ない伯爵家の息子と色々でしたが。今回は違いますよ?」
「どう、違うと謂うのだ?」
私の娘を、拐って行くのには変わらないだろう?とお父様は言いますが…拐うって何かしら?
私は何処にも行きませんわよ。
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