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第14章
第42話 ルースside
しおりを挟む一方のルースは、エンバス商会で起こって居るドタバタを知は知ることもなく…。
パトリシアたちの仕事を手伝う気満々で気合いを入れた。
それに…自由を手に入れた気がして、気分も晴れ晴れ…これで私も自由ですかね?
実家では、どんな話し合いがされてるのかは少し興味がありますが。
でも私には関係ありませんし、金輪際仕事の事以外でエンバス商会と関わりたくはありません。
思えば、兄があの女と結婚してから私は本当に堪え忍んで来ました。(まぁ、耐えなくても良かったかも知れませんが…)
ですが唯一、行商で家を開ける期間もあってその間は家に居るよりは、少しだけ気分転換出来る旅でした…。
それでも油断はできない旅の仕事。
馬車で小さな村を回らないと為らない旅でしたから…辛い旅です。
何せ護衛4名と手伝い一人の6人旅…。
旅先での御者も、自分と手伝いで交代しながらだし立ち寄る村々は、そうひなびてはいませんがそれでも必要な物は私達が行かないと、手に入れられないような物が多い村々を渡ります。
その道中魔物も出ますし用心しながらの旅。
それでも、実家から出ていけたので率先して行きましたが……。
ですが、それももうしなくて良いと思うと心が晴れるって物です。
若干行く先々の村で、親しく為った方々の事は気になりますがね…。
父が拗ねて城から出ていき、商会に戻って行くとベルガモット王家、三兄妹殿たちと宰相様の話しを聞くのですが…。
なんとも私には、別世界の話しが多く…ハッキリ言いますと…訳が分からず頭が回りません。
例えば……。
「ルース様には、私付きの第二執事を付けますわね。それとメイドなのですが…お兄様何方か良い人を回して下さいな」
「メイドか…考えておくよ」
「お願いしますわね?」
えっ?私に執事?メイドですか…ですがそんな方たちは私には要らないような気もします。
「ええ、私に執事?メイドですか?ですが…」
と言い淀めば…反対に言い返されました。
「ですが、ルース様には必要な人事ですわよ?」
へっ?必要な…それは何故でしょうか?
「そうだな…必要だな。何せ一人だと、城では動けないぞ?執事が側に居ないとな。それに不便だと思うぞ」
「は、はぁ?」
何ででしょうか?
「そうだな、執事もメイドも居ないと城で移動は無理だしな?下手に慣れない城内を一人で歩くと迷う」
「迷うですか?」
「ええ、迷うわよ」
「はぁ……?」
「城で迷ってるとねぇ……危険ですから。フフフ」
「「フフフ」」
とパトリシア様たちが笑います。
何故笑うのかが分かりません。
と、兎に角何かにつけて私に話す話題がちんぷんかんぷんです。
これは本当に覚える事が多くて大変そうです。
それに……父との事も、このままでは駄目な気もしますし、何より兄さんが悲しみますからね。
そこはちゃんと話をしないと為りませんよね?
何気に父たちとの話しが一番厄介な気がしますが。
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