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【猛猫リンネの物語】2024.4.15〜

第18話:仔猫たちのトイレと掃除用具

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「リンネ、子供たちのトイレを用意してみたよ」
「シャーッ! ウゥゥ~ッ (ふんっ、イマイチね)」
「って、砂をまき散らさないで~」

 順調に育てば、仔猫は生後21日以降は自力で排泄できるようになる。
 そろそろだな~と思って、チビたちのために縁が浅いトイレを追加してみたら、リンネが入って砂を掘り出してしまった。
 ケージの床に散らばる猫砂を片付けるため、ホウキとチリトリを使用。
 猛猫がいるケージの床を掃くと、ホウキが噛まれた。

「ウアーオ! ガウゥゥ~! (なんだこいつは!)」
「はいはい、すぐ片付けるから噛まないで」
「シャーッ! カッ! (てめぇブッ飛ばす!)」
「こらこら、砂を飛ばさないで」

 リンネにホウキをガブガブされながら、どうにか掃き寄せた猫砂を、チリトリに集めるのもままならない。
 ホウキとチリトリにパンチが浴びせられ、バラバラと猫砂が散らばってしまった。
 そんなにホウキとチリトリが嫌いなら、避けていればいいのに。
 猛猫の辞書に「逃げる」という文字は無いようだ。

「ウゥゥ~ッ! カッ! (このやろ~っ、出てけ!)」
「はいはい、邪魔しないで」

 結局、ケージの前の方まで猫砂を掃き寄せた後、引き出せるようになっている床トレーを20cmほど手前に引っ張り出して、チリトリで掬い取る方法で片付けた。
 怒りまくるリンネは、ホウキとチリトリが視界から消えると、暴れるのをやめて唸り続けている。

「ほら、ゴハンあげるから怒らないで」
「ウゥゥ~ッ (早くよこせ)」
「それ齧っても美味しくないよ」
「シャーッ! (カリカリを出せ!)」
「はいはい、今出てくるよ~」

 ケージの格子の隙間からサランラップの芯を差し入れたら、八つ当たりみたいにガブリと噛まれた。
 紙製なので、破れるのは時間の問題かもしれない。
 もうちょっと頑丈な筒型の物を用意しようかな?
 ザラザラ~ッとドライフードを注ぎ入れたら、リンネは注ぐ途中でガツガツと食べ始めた。
 そこへそっとちゅーるを差し出すと、迷わず口を付けて5秒くらいで完食。
 その5秒間だけは、リンネは唸りもせず静かになる。

 リンネの背後をチラリと見れば、仔猫たちが思い思いに転がってくつろいでいた。
 この大騒ぎにも全く驚く様子がない彼らは、度胸があるのか? 何も分かってないだけなのか?
 仔猫の聴力と視力が完成するのは生後4週頃らしいので、まだあんまり聞こえてない・見えてないのかも?
 或いは毎日騒ぐ母猫の声を聞いているから、いつものBGMくらいに認識しているのかもしれない。

 さて、仔猫用トイレをどうしようか?
 離乳するまでは、ケージの手前側に少し猫砂を置いておけばいいかな?
 そうすれば床トレーを少し引き出すだけで掃除ができる。
 もしも床中に散らかされたら、またホウキの出番になりそうだけど。
 ケージの中に物を出し入れするたびにパンチが飛ぶ猛猫の御世話は、なるべく扉を開け閉めせずに済む方法にしよう。
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