チート装備のヤンデレ女勇者〜追放された幼馴染を探すのは、魔王を倒すより難しい〜

キミちゃん

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21 シャナク……遂に報われる!?

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「そういえば、どこの宿を取るか聞いてなかったわね。」


 ホクホク顔で店を出たビビアン達は、ふと帰りながらもどこに行けばいいのか疑問に思う。


「そうねぇ、シャナクさんのセンスと空き具合によるだろうけど……まぁ、この村なら断然あそこの宿ね。」

「そうですね、多分シャナクさんなら、まずはあそこを予約するはずですね。とりあえずそこに向かいましょうか。」


 この村に初めて訪れたビビアンには、マネアとミーニャが言うあそこがどこかわからない。


「ねぇ、二人して納得してるけどアタシはわからないわ。あそこってどんなとこなのよ?」


 ビビアンは当然疑問に思う。

 そしてその疑問に答えたのはマネアであった。


「失礼しました。あそこと言うのは、この村で一番大きな露天風呂があるミカヅキという宿屋です。そこは旬の食材を使った料理も提供していますので、大人気なのですよ。」


 マネアは思い出して想像しているのか、とても幸せそうな顔をしている。

 実は大の温泉好きであった。


「へぇ~いいじゃない! 露天風呂って聞いた事はあったけど初めてだわ! 今日は楽しい事でいっぱいね!」


 ビビアンも満面の笑みを浮かべる。

 その様子を微笑みながら見つめるマネアとミーニャ。


「よし! とにかくそこに行くわよビビアン!」


 ミーニャがそう仕切ると、みんなでミカヅキに向かう事にした。

 その後ビビアン達は楽しそうにガールズトークをしながら歩いていると、竹藪に囲まれた風情ある大きな旅館が見えてくる。

 その出入口には、シャナクが立っていた。


 どうやら、ここであっていたらしい。
 やるな、シャナク。


「おぉ! お待ちしておりましたよ、勇者様。この宿は本日満員でしたが、何とか頼み込んで部屋を二つ用意していただきました。ささっ、お疲れでしょう、どうぞお入り下さい。」


「凄いわね! シャナク、ナイスよ!」


 ビビアンは笑顔でサムズアップして讃えると、シャナクは少し照れ臭そうに頭をかいている。

 
「いえ、私にできる事はこれくらいですので。それより勇者様、随分とお肌がお綺麗になりましたね。見違えましたぞ。」

 女性の小さな変化に気づき、それをすかさず褒めるシャナク。


 この男、独身中年のくせに……できる!!


 そして案の定、ビビアンはシャナクの言葉にかつてない程の笑顔を向けた。


「でしょー! マネアとミーニャのお陰なの! 今日は本当に楽しいわ!」


 シャナクは、ビビアンから発せられる輝かしいオーラが眩しすぎて、目を手で覆う。


 ま、眩しい!
 これこそが女神!
 これこそが勇者様!


 そんなシャナクはひとまず置いておき、ビビアン達は早速部屋に荷物を置くと、食堂に向かった。

 この宿の食事はマネア達から聞いていた通り、滅多に食べれない旬の食材をふんだんに使ったご馳走である。

 全員がそれに舌鼓を打った後、明日以降の予定について話し合いが始まった。


「それでシャナク、予定通り明後日にはマーダ神殿に着きそう?」

「はい、馬も無理なく走れており、この分なら明後日の昼には着くかと思います。」

 シャナクとビビアンはかつてないくらいに自然と話している。

 今日一日でビビアンは、まるで呪いが解けたかのようにトゲトゲしさがなくなり、普通の少女に戻っていた。

 これでシャナクは、ビビアンと会話する度に防御魔法をかけなくてすみそうである。


「勇者様、マーダ神殿は今なおモンスターの大群に襲われています。多分、マーダ神殿に辿り着く前に、魔物との戦闘も見込まれますので、どうかご注意下さい。」


 マネアの表情は険しい。

 だがマネアとは打って変わって、ミーニャの表情は軽い感じだ。


「だーいじょうぶよ、姉さん。ビビアンはもの凄い強いみたいだし、こっちには私と姉さんもついているからね! 何かあったら私のぱふぱふダンスでみんなを元気にさせてあげるわ!」


 その言葉と同時に、シャナクの唾を飲み込む音が聞こえる。


 シャナクの目に映るは、素晴らしいほどセクシーな服をきた美女。

 さっき自然な流れで、自分が戦力に数えられていなかった事に拗ねてしまいそうになったが、そんな事はどうでもいい。

 ぱふぱふダンスが気になって、年甲斐もなくタギってきた。


「そうね、今回はシャナクの他に二人もいるし余裕だわね。今日楽しかった分、明日以降は今よりも全力で頑張るわ! 心配無用よ、マネア!」


 ビビアンは自信満々にドンと胸を叩く。

 一応ビビアンには、自分が戦力として数えられていると知り、少しだけシャナクはホッとした。


「はい、期待しています。ただ、相手は魔王ですので、くれぐれも油断だけはなさらないでください。私の水晶にも嫌な影が映っておりますので。」


 マネアは不安そうな顔で水晶を見つめている。


「まぁ明日の事は明日考えればいいっしょ! それより今日は露天風呂よ! ビビアン! 女の武器の使い方を教えてあげるわ!」


 ミーニャは セクシーなポーズをとった。


 ※シャナクは 魅了された。


「やったー! じゃあ早く行こ! ほら、マネアも行くわよ!」


 ビビアンはマネアの手を引っ張りながらミーニャと共に露天風呂に向かう。

 残されたシャナクは未だ、ハートマークの目で固まっている

……が、突如自分に向けられた視線にシャナクは気づいた。


 マネア殿?


 彼女は食堂を出ようとする瞬間、シャナクの方を振り向いて、切なそうな目を向けたのである。


 はっ!

 シャナクは正気に戻った。

 そして一瞬でキメ顔を作る。


 しかしマネアはシャナクと視線が合うと、そのまま何を言わずに出て行ってしまった。


 い、今のはなんだったのだ?


 疑問に思うシャナク。

 なぜ自分がマネアから熱い視線を向けられたのかわからない。

 たが、シャナクはこの時こう考えた。


 も、もしかして私に気があるんじゃ……


 彼女いない歴=年齢のマネア
 30代後半の独身男(一応賢者)


 お互い惹かれあってもおかしくはない。


 マネアの切なそうな目を熱い視線と捉えたシャナク……二人の運命は如何に!?

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