40 / 50
40 マネアの焦り
しおりを挟む
「シャナクさん……シャナクさん、どこにいるんですか……」
現在マネアは、町中を血眼になってシャナクを探し回っている。
しかし、どこに行っても見つからない。
マネアは探しに出る前、シャナクを直ぐに見つける自信があった。なぜならば、彼女には占いがあったからである。
だが今回、理由はわからないが、水晶にシャナクの行先は浮かんでこない。
本来見えるはずの物が、暗いモヤが掛かっていて見えなかったのだ。いつまでも見つからない現状に焦燥感だけが募る。
そんな中、酒場の前を通ると
中年の魔法使いっぽい男性がフラフラと町の外に出て行った。
という話を耳にする。
それを聞いたマネアは、鬼気迫る勢いで、その話をしていた男達に駆け寄った。
「今の話、詳しく聞かせて下さい!」
マネアがそう言って詰め寄ると、男達はその勢いに押され、後退りながら答える。
「い、いや、俺らも聞いた話だから詳しくはわからねっぺよ。でも、それを追って兵士が出て行ったって聞いたべ。」
「んだんだ。さっき聞いたっちゃよ。」
田舎訛りの男達は、直接は知らないらしい。だがそれでもマネアはしつこく聞いた。
「その出て行った人はどんな人だと聞いてますか?」
「よ、よぐわがんねぇが、中年の魔術師っぽいって聞いたべさ。知り合いだべか?」
そこまで聞いてマネアは確信した。
今の話にあった者こそ、シャナクであると。
「はい。もしまた何か聞いたら、酒場にメモを残しておいてください。謝礼はします。」
それだけ告げると、急ぎマネアは外に繋がる門に向かうのだが、その途中で空に現れたキマイラから誰かが落ちてくるのを目撃した。
「あれは……確かあの時の兵士さん……?」
その兵士は地上に着くと、そのまま蹲りながら何かを叫んでいる。
シャナクを優先したいマネアであるが、その状況を見て黙っていることもできず、その兵士にそっと近づいていった。
「あの……大丈夫ですか?」
その声を聞いた兵士は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔をガバッとあげる。
「あ、あなたは……ミーニャさん!!」
男はマネアをミーニャと勘違した。
もうお分かりだとは思うが、その男こそ、デスバトラーから逃げ延びたブライアンである。
「いえ、私はミーニャではありません。姉のマネアです。それよりもその怪我……今回復しますね。【ハイヒール】」
ブライアンの体を癒しの光が包み込むと、全身に負った火傷の傷が治っていった。
「か、かたじけない……。吾輩は……。」
「大丈夫です。まずは落ち着いてください。そして何があったかゆっくり話して下さい。」
まだうまく話せないブライアンを、マネアは優しく宥めて言った。
「かたじけないでござる。情けないところをお見せしてしまった。吾輩の名はブライアン。ライブハットの王国戦士長でござる。」
それを聞いたマネアは、直感すると尋ねた。
「もしかしてあなたは、先ほど町の外に出て行った男性を探しにいった兵士さんですか?」
しかし、ブライアンは直ぐには答えない。いや、答えるのが辛かったのである。
…………。
しばし二人の間に沈黙が流れた。
マネアは直ぐにでも詳しく聞きたいと思うが、それをグッと堪えてじっと待つ。
無理矢理話を聞いても、理路整然とした答えは期待できない。それならば、心の整理がつくまで待つ事にする。
ブライアンは早くこの状況を伝えなければと思うのと裏腹に、それを言葉にする事で、あの悲劇が現実であると認めるのを、今はまだ心が拒否していた。
その位、仲間の全滅は彼にとってショックが大きい事であり、歴戦の戦士であるブライアンをもってしても、直ぐに心の整理はつかない。
だがそれでも、ブライアンは意を決すると、ゆっくりとだが話し始める。
「その……通りでござる。吾輩達は12名で外に出て行った男性を連れ戻すため、町を出て捜索に当たったでござるよ。……しかし」
大事なところで言葉を止めたブライアン。
それに我慢出来なかったマネアは、つい気持ちが先走ってしまった。
「そ、それで! その人は見つかったのですか!?」
マネアの興奮するその声とは逆に、ブライアンは顔を俯かせながら首を横に振った。
「……残念ながら、見つかってないでござる。実は、その途中で凶悪なモンスターに襲われて……某以外、全滅したでござるよ……。」
ブライアンは悔しそうに拳を強く握り締めると、それを聞いたマネアは肩を落とす。
「そう……ですか。それで、そのモンスターはこちらに向かっているのですか?」
「否。理由はわからないでござるが、奴の目的は吾輩達を殺す事でござった。吾輩が逃げ、他が全員死んだ今、既に先程の場所にはいないでござろう。」
「それだけの脅威なのに……確認もせずにいないと断言するのですか? それに、それなら尚のこと外に出て行った者が危険ではありませんか!」
シャナクの事が頭に浮かんだマネアは、つい声を荒げてしまう。
すると、ブライアンは涙を流しながら、血の滲んだ拳で地面を殴りつけた。
「そんな事は吾輩が一番わかっているでござる! それでも……それでも今の吾輩では……奴を倒す事はできないでござるよ! 仲間も全員死んだ。無様にも生き残ったのは吾輩だけ! 貴方に何がわかるでござるか!!」
胸から溢れる怒りを言葉に乗せてぶつけるブライアン。その様子を見て、マネアは冷静になった。
「申し訳ございません。貴方の気持ちも考えず、心無い言葉を言ってしまいました。どうかお許し下さい。」
マネアは深く頭を下げてそう謝罪するも、
「ですが」と続く。
「外に出て行ってしまったのは、恐らく私達の仲間に違いありません。辛いとは思いますが、他に何か情報があれば教えて下さいませんか?」
それを聞いて、ブライアンは「……出て行った者が仲間?」と小さく呟いた。
そして徐にその顔を上げると、マネアに詰め寄る。
「貴方の……貴方達の仲間がっ!! 外にさえでなければ、こんな事にならなかったでござるよ! さすれば彼奴と出会う事も……違う! 違うでござる! あれは吾輩の失態! 今更おちおち逃げのびた吾輩が何を言うか!」
ブライアンは突然マネアを怒鳴りつけたかと思うと、今度はその怒りの矛先を自分に向ける。
それを見てわかるように、今のブライアンの精神は限界にきており、未だ混乱から醒めてはいない。
これ以上は無駄と知ったマネアは、小さく溜息をつくと話を切り上げる事にした。
「わかりました。辛い事を思い出させてしまい申し訳ありません。今は休んで下さい。私が……私が一人で探しに行きます。」
マネアはそう告げると、ブライアンに背を向けて歩き出した。
「待たれよ! いや、待つでござる!」
「時間がありません。申し訳ございませんが……」
引き止めようとするブライアンに取り合おうとしないマネア。
ーーだが、
「まだ話していない事があるでござる!」
その続く言葉でマネアの足は止まる。
未だ冷静とは言えないブライアンであったが、これだけはわかった。
今この女性を、あの悪魔がいるかもしれない場所に一人で行かせてはならないと。
自分は、まだ全てを話していない。
それを伝えない限り、目の前の女性は間違いなく外に出て行ってしまうだろう。
それだけは、何としても止めなければならなかった。
そしてその思いが通じたのか、マネアはゆっくりと振り返る。
「わかりました。聞かせて下さい、その話を。」
その言葉を聞いて少し安心したブライアンは、さっきまでとは違い、冷静に話し始めた。
その内容は、
突然、西の森から飛んできたその魔物は、人の二倍程の大きさで、頭に角を二本生やし、背中には大きな漆黒の翼がある男だった。
そいつはデスバトラーと名乗ると、自身を魔王ゲルマニウムの手下と言い、その理知的に話す姿は魔物というより、人間に近いものにも感じられたが……それ以上に残忍であった。
雄叫びを上げて馬を気絶させると、ブライアン達を逃さないようにし、その口から放った黒き炎で仲間全員を一瞬で溶かしてしまう。
その黒き炎は、通常の炎と威力が桁違いであり、耐火装備でも完全に防げないものであった。
しかし、それだけの力を持ちながらも、自分では勇者に勝てないと口にし、更にブライアンの事も知っていた事から、人間世界に精通しているのが窺える。
以上がブライアンが話した内容だった。
その全てを聞き終えたマネアは、その顔を真っ青に染め上げる。
「それがもし本当なら……こうしてはおれません! ビビアン様を呼ばなければ!」
一人ではどうすることもできないと悟ったマネアは、方針を変える。
今の話を聞く限り、シャナクは未曾有の危機に陥っている可能性が高く、それを助けるには勇者の力が必要だった。
ーーしかし、
「待つでござる!」
ブライアンは、急ぎ立ち去ろうとするマネアの腕を掴むと、再度引き止める。
「なんですか! 離してください!」
「まだ言い忘れていた事があるでござるよ。デスバトラーには、もう一つ恐ろしい技があったでござる。」
「では、手短に教えて下さい。急ぎますから。」
ブライアンは掴んだその腕を離すと、続きを話し始めた。
「奴は、こちらの魔法を無効化する技を持っているでござる。」
「えっ!?」
一瞬固まるマネア。
もしそれが本当であれば、賢者のシャナクになす術はない。
「どうしてもっと早くそれを!! ……いえ、同じ事ですね。わかりました。話してくれてありがとうございます。」
マネアはその話に激しく動揺するも、それを抑え込み、再び走り出そうとする。
ーーその時だった。
ブライアンは、その場で土下座をしながら叫ぶ。
「お願いでござる! 吾輩も……吾輩も連れて行って欲しいでごさるよ! 少なくとも、吾輩ならば道案内もできようぞ!」
その必死な叫びを聞くも、マネアの足は止まらない。
しかし、振り返り様に一言だけ言い放つ。
「ついてきてください。」
それだけ言うと、マネアは走り続けた。
神様どうかお願いします。
彼を守ってください。
と、シャナクの無事を祈りながら……。
現在マネアは、町中を血眼になってシャナクを探し回っている。
しかし、どこに行っても見つからない。
マネアは探しに出る前、シャナクを直ぐに見つける自信があった。なぜならば、彼女には占いがあったからである。
だが今回、理由はわからないが、水晶にシャナクの行先は浮かんでこない。
本来見えるはずの物が、暗いモヤが掛かっていて見えなかったのだ。いつまでも見つからない現状に焦燥感だけが募る。
そんな中、酒場の前を通ると
中年の魔法使いっぽい男性がフラフラと町の外に出て行った。
という話を耳にする。
それを聞いたマネアは、鬼気迫る勢いで、その話をしていた男達に駆け寄った。
「今の話、詳しく聞かせて下さい!」
マネアがそう言って詰め寄ると、男達はその勢いに押され、後退りながら答える。
「い、いや、俺らも聞いた話だから詳しくはわからねっぺよ。でも、それを追って兵士が出て行ったって聞いたべ。」
「んだんだ。さっき聞いたっちゃよ。」
田舎訛りの男達は、直接は知らないらしい。だがそれでもマネアはしつこく聞いた。
「その出て行った人はどんな人だと聞いてますか?」
「よ、よぐわがんねぇが、中年の魔術師っぽいって聞いたべさ。知り合いだべか?」
そこまで聞いてマネアは確信した。
今の話にあった者こそ、シャナクであると。
「はい。もしまた何か聞いたら、酒場にメモを残しておいてください。謝礼はします。」
それだけ告げると、急ぎマネアは外に繋がる門に向かうのだが、その途中で空に現れたキマイラから誰かが落ちてくるのを目撃した。
「あれは……確かあの時の兵士さん……?」
その兵士は地上に着くと、そのまま蹲りながら何かを叫んでいる。
シャナクを優先したいマネアであるが、その状況を見て黙っていることもできず、その兵士にそっと近づいていった。
「あの……大丈夫ですか?」
その声を聞いた兵士は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔をガバッとあげる。
「あ、あなたは……ミーニャさん!!」
男はマネアをミーニャと勘違した。
もうお分かりだとは思うが、その男こそ、デスバトラーから逃げ延びたブライアンである。
「いえ、私はミーニャではありません。姉のマネアです。それよりもその怪我……今回復しますね。【ハイヒール】」
ブライアンの体を癒しの光が包み込むと、全身に負った火傷の傷が治っていった。
「か、かたじけない……。吾輩は……。」
「大丈夫です。まずは落ち着いてください。そして何があったかゆっくり話して下さい。」
まだうまく話せないブライアンを、マネアは優しく宥めて言った。
「かたじけないでござる。情けないところをお見せしてしまった。吾輩の名はブライアン。ライブハットの王国戦士長でござる。」
それを聞いたマネアは、直感すると尋ねた。
「もしかしてあなたは、先ほど町の外に出て行った男性を探しにいった兵士さんですか?」
しかし、ブライアンは直ぐには答えない。いや、答えるのが辛かったのである。
…………。
しばし二人の間に沈黙が流れた。
マネアは直ぐにでも詳しく聞きたいと思うが、それをグッと堪えてじっと待つ。
無理矢理話を聞いても、理路整然とした答えは期待できない。それならば、心の整理がつくまで待つ事にする。
ブライアンは早くこの状況を伝えなければと思うのと裏腹に、それを言葉にする事で、あの悲劇が現実であると認めるのを、今はまだ心が拒否していた。
その位、仲間の全滅は彼にとってショックが大きい事であり、歴戦の戦士であるブライアンをもってしても、直ぐに心の整理はつかない。
だがそれでも、ブライアンは意を決すると、ゆっくりとだが話し始める。
「その……通りでござる。吾輩達は12名で外に出て行った男性を連れ戻すため、町を出て捜索に当たったでござるよ。……しかし」
大事なところで言葉を止めたブライアン。
それに我慢出来なかったマネアは、つい気持ちが先走ってしまった。
「そ、それで! その人は見つかったのですか!?」
マネアの興奮するその声とは逆に、ブライアンは顔を俯かせながら首を横に振った。
「……残念ながら、見つかってないでござる。実は、その途中で凶悪なモンスターに襲われて……某以外、全滅したでござるよ……。」
ブライアンは悔しそうに拳を強く握り締めると、それを聞いたマネアは肩を落とす。
「そう……ですか。それで、そのモンスターはこちらに向かっているのですか?」
「否。理由はわからないでござるが、奴の目的は吾輩達を殺す事でござった。吾輩が逃げ、他が全員死んだ今、既に先程の場所にはいないでござろう。」
「それだけの脅威なのに……確認もせずにいないと断言するのですか? それに、それなら尚のこと外に出て行った者が危険ではありませんか!」
シャナクの事が頭に浮かんだマネアは、つい声を荒げてしまう。
すると、ブライアンは涙を流しながら、血の滲んだ拳で地面を殴りつけた。
「そんな事は吾輩が一番わかっているでござる! それでも……それでも今の吾輩では……奴を倒す事はできないでござるよ! 仲間も全員死んだ。無様にも生き残ったのは吾輩だけ! 貴方に何がわかるでござるか!!」
胸から溢れる怒りを言葉に乗せてぶつけるブライアン。その様子を見て、マネアは冷静になった。
「申し訳ございません。貴方の気持ちも考えず、心無い言葉を言ってしまいました。どうかお許し下さい。」
マネアは深く頭を下げてそう謝罪するも、
「ですが」と続く。
「外に出て行ってしまったのは、恐らく私達の仲間に違いありません。辛いとは思いますが、他に何か情報があれば教えて下さいませんか?」
それを聞いて、ブライアンは「……出て行った者が仲間?」と小さく呟いた。
そして徐にその顔を上げると、マネアに詰め寄る。
「貴方の……貴方達の仲間がっ!! 外にさえでなければ、こんな事にならなかったでござるよ! さすれば彼奴と出会う事も……違う! 違うでござる! あれは吾輩の失態! 今更おちおち逃げのびた吾輩が何を言うか!」
ブライアンは突然マネアを怒鳴りつけたかと思うと、今度はその怒りの矛先を自分に向ける。
それを見てわかるように、今のブライアンの精神は限界にきており、未だ混乱から醒めてはいない。
これ以上は無駄と知ったマネアは、小さく溜息をつくと話を切り上げる事にした。
「わかりました。辛い事を思い出させてしまい申し訳ありません。今は休んで下さい。私が……私が一人で探しに行きます。」
マネアはそう告げると、ブライアンに背を向けて歩き出した。
「待たれよ! いや、待つでござる!」
「時間がありません。申し訳ございませんが……」
引き止めようとするブライアンに取り合おうとしないマネア。
ーーだが、
「まだ話していない事があるでござる!」
その続く言葉でマネアの足は止まる。
未だ冷静とは言えないブライアンであったが、これだけはわかった。
今この女性を、あの悪魔がいるかもしれない場所に一人で行かせてはならないと。
自分は、まだ全てを話していない。
それを伝えない限り、目の前の女性は間違いなく外に出て行ってしまうだろう。
それだけは、何としても止めなければならなかった。
そしてその思いが通じたのか、マネアはゆっくりと振り返る。
「わかりました。聞かせて下さい、その話を。」
その言葉を聞いて少し安心したブライアンは、さっきまでとは違い、冷静に話し始めた。
その内容は、
突然、西の森から飛んできたその魔物は、人の二倍程の大きさで、頭に角を二本生やし、背中には大きな漆黒の翼がある男だった。
そいつはデスバトラーと名乗ると、自身を魔王ゲルマニウムの手下と言い、その理知的に話す姿は魔物というより、人間に近いものにも感じられたが……それ以上に残忍であった。
雄叫びを上げて馬を気絶させると、ブライアン達を逃さないようにし、その口から放った黒き炎で仲間全員を一瞬で溶かしてしまう。
その黒き炎は、通常の炎と威力が桁違いであり、耐火装備でも完全に防げないものであった。
しかし、それだけの力を持ちながらも、自分では勇者に勝てないと口にし、更にブライアンの事も知っていた事から、人間世界に精通しているのが窺える。
以上がブライアンが話した内容だった。
その全てを聞き終えたマネアは、その顔を真っ青に染め上げる。
「それがもし本当なら……こうしてはおれません! ビビアン様を呼ばなければ!」
一人ではどうすることもできないと悟ったマネアは、方針を変える。
今の話を聞く限り、シャナクは未曾有の危機に陥っている可能性が高く、それを助けるには勇者の力が必要だった。
ーーしかし、
「待つでござる!」
ブライアンは、急ぎ立ち去ろうとするマネアの腕を掴むと、再度引き止める。
「なんですか! 離してください!」
「まだ言い忘れていた事があるでござるよ。デスバトラーには、もう一つ恐ろしい技があったでござる。」
「では、手短に教えて下さい。急ぎますから。」
ブライアンは掴んだその腕を離すと、続きを話し始めた。
「奴は、こちらの魔法を無効化する技を持っているでござる。」
「えっ!?」
一瞬固まるマネア。
もしそれが本当であれば、賢者のシャナクになす術はない。
「どうしてもっと早くそれを!! ……いえ、同じ事ですね。わかりました。話してくれてありがとうございます。」
マネアはその話に激しく動揺するも、それを抑え込み、再び走り出そうとする。
ーーその時だった。
ブライアンは、その場で土下座をしながら叫ぶ。
「お願いでござる! 吾輩も……吾輩も連れて行って欲しいでごさるよ! 少なくとも、吾輩ならば道案内もできようぞ!」
その必死な叫びを聞くも、マネアの足は止まらない。
しかし、振り返り様に一言だけ言い放つ。
「ついてきてください。」
それだけ言うと、マネアは走り続けた。
神様どうかお願いします。
彼を守ってください。
と、シャナクの無事を祈りながら……。
0
あなたにおすすめの小説
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる