上 下
152 / 409
第八章

二十話 【異色の下着モデル!】

しおりを挟む
弁慶を追加で乗せる荷車に心配する惣一郎だったが、荷車は軋む事もなく、クロも変わらずスイスイと進む。

あっという間に本隊に追いつき、先発隊も追い越し、午後にはアリマヌの町に着く。

先発隊が着くのは夕方だろう。

先を急ぐ為、町も素通りして行く惣一郎達。

防衛隊は町で一泊し、明日には防衛線を張る計画だ。

少し進むと、国境を守っていた兵達が列を作り防衛線まで下がる為、退軍していた。

「なぁ、べ、弁慶、俺達これから危険な厄災とやりあうんだぞ?」

「さすが旦那様」

「いやそうじゃなくて、命懸けの危険な旅になるんだ! 本当に付いてくる気なのか?」

「もちろんだ」

「そうですか……」

国境が見えてくる頃には、陽は落ち始めていた。

誰もいない国境でテントを出し、食事の準備を始める。

弁慶も例外なく全てに驚く、誰もが通る道だった。

「家を持ち歩くとは…… さすが旦那様」

「はぁ~ 夕飯なんにすっか~」

「ご主人様、ベンゾウ肉が良いと思うよ!」

「弁慶は? 何か食いたい物あるか?」

「食事か? ギュノなら少し残ってるが足りなければ、取ってこよう!」

「あぁ~ いや飯は俺が作るんだ」

「旦那様が?」

「ご主人様のご飯、美味しいよ~」 ワン!

「まぁ、明日から忙しいし、肉にすっか!」

惣一郎は焼肉を焼き始め、焼けた肉をどんどん皿に盛っていく。

ベンゾウとクロは喜んで食べ、焼肉初の弁慶は涙を流しながら食べていた。

「最高だ……最高の旦那様を見つけた……」

見た目通り、凄い食欲だった。

ベンゾウは何処に入るのかわからん。

この日、過去最高額を出した……

腹を膨らませるふたりにクリーンをかけ、寝る準備をする。

クリーンを掛けると、弁慶の髪は真っ白なサラサラヘアーになり、薄汚れた肌も綺麗な小麦色だった。

弁慶はベッドからはみ出るので2個並べると、当たり前の様に裸になる。

「ちょ、服は!」

「え? 宿では、裸で寝るのだが違うのか?」

大きな体だがスタイルは良く、引きしまった体には脇腹と背中に大きな古傷があった。

「寝巻きとか無いなら下着はせめて!」

「下着?」

ワイルド過ぎるな…… この子。

「仕方ないベンゾウ、測ってあげなさい」

ベンゾウがサイズを読み上げ、見ないように惣一郎が書き取る…… デカいしなんか凄い!

サイズ的に限られるが流石はネットショップ! 惣一郎の心配を他所に、お洒落な下着があった。

取り敢えず数着セットで購入してベンゾウに渡す。

惣一郎の後ろで、弁慶に着方を教えるベンゾウだったが、妙にエロかった。

「これで良いのか?」

真っ赤な顔で振り返る惣一郎。

古傷を除けば、下着モデルも真っ青な鬼人だった。

「よろしい……のでは…ないでしょうか」

数秒目を奪われる惣一郎、我に帰ると恥ずかしそうに!

「よ、よし、寝るぞ!」



明かりを消して寝ると、気を遣って離したベッドを寄せて、寝る弁慶だった……

翌朝大きな女性と小柄な少女に抱きつかれ目を覚ます惣一郎。

精神衛生上良くない……

朝食の準備をしてると弁慶も起き出して、

「朝も食べれるのか!」

と、驚いていた。

食後着替えて出発しようとすると、弁慶は黒いブラのままだった。

ビキニじゃ無いので目のやり場に困る。

仕方がないのでボディーアーマーの胸部用の大きいサイズを渡し、上に着るように勧める。

不満顔の弁慶に、防御面の強化だ!っと、ベンゾウに木の棒で叩かせると、その防御力に納得し、嬉しそうに礼を言っていた。

そして、ジビカガイライは国境を越える。






しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

あなたの妻にはなれないのですね

恋愛 / 完結 24h.ポイント:49,068pt お気に入り:401

最愛の人がいるのでさようなら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:64,602pt お気に入り:651

俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:589pt お気に入り:38

優しい手に守られたい

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:49pt お気に入り:1,545

あみだくじで決める運命【オメガバース】

BL / 完結 24h.ポイント:497pt お気に入り:163

あなたにはもう何も奪わせない

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:48,453pt お気に入り:2,733

【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:560pt お気に入り:4,955

処理中です...