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第十一章

六話 【幼女は熟女?】

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ギルドに着く頃には空は真っ暗だった。

すっかり遅くなってしまった様だ。

すると、

「ジビカガイライの方ですか?」

っと、声をかけられる。

だが振り返っても誰もいない。

「ここです!」

視線を下げると、小さい女の子がこちらを見上げていた。

ドワーフの子供?

「遅かったですね! 初めましてギルドマスターの[クオン]と申します」

「はぁ…… 初めまして…… ギルドマスターのお子さん?」

「違います! こう見えてもクオンがギルドマスターなんです!」

背丈と変わらない大きさの杖を持つ、髪を一つに編み込んだ少女は、どう見ても10歳位だった。

「連絡は受けてます。中庭へ案内しますのでどうぞこちらへ」

怒ってる様な少女は、裏口から中庭へ案内してくれた。

「まったく、遅れるなら遅れると言ってくれれば……」

それで怒ってる様だ……

解体用の倉庫の隣に案内され、

「では、こちらをご自由にお使いください。お話は明日また! ではおやすみなさい」

ぷんぷんしながら去っていく少女。

子供に夜ふかしさせてしまった様だ。

惣一郎はテントを出し中へ入る。

するとここにも不機嫌なふたりがいた。

「旦那様! 女が欲しいならこの弁慶が!」

「ご主人様、ベンゾウがいるのになんで!」

惣一郎は、黙って正座する……





翌朝、身動きが出来ないほど挟まれた惣一郎が目を覚ます。

目元に何か当たっている……

ブラからはみ出た、弁慶の胸の先端。

背中にはベンゾウの熱い寝息。

そのベンゾウの手が後ろから、朝から元気な惣一郎の惣一郎に当たる。

ヤバイ……

そのピンチを救う救世主が現れた。

「ジビカガイライの皆さん! 起きてますか」

「は、はい! 今着替えて行きます!」

慌てて飛び起きる惣一郎。

「ほら君たちも起きなさい! ギルドマスターが呼んでらっしゃる!」

背中で話しかける惣一郎が慌てて着替える。

テントを出ると、全然違う方向を見てるクオンが驚く。

「そちらでしたか、本当に見えないんですね!」

解体倉庫でも作業が始まっていた。

どうやら寝過ぎた様だ。

「すいません、寝過ぎた様で」

外套の前を閉じる惣一郎。

「その様ですね…… 部屋へ案内します。どうぞこちらへ」

寝ぼけてるふたりにクリーンをかけて、クオンの後を追う。





案内されたギルマスの部屋でソファーに座る。

本当にこの子がギルドマスターだった様だ。

「早速ですが、ザイラスの[三號街]に行くのですよね?」

「さんごうがい?」

「ええ、ザイラスの街に名前は無いので呼び名が番号なんです」

「なるほど、国に入って直ぐの街としか聞いてなかったです」

「いえ、正式にはザイラスは国でも無いです」

「国じゃない?」

話によると、ザイラスには3つの種族が領土を築き、睨み合っているだけの土地である。

国としての機能はしておらず、領土ごとに[獣王][賢王][美王]と呼ばれる3人が統治しているそうだ。

目指すのは賢王のいる三號街。

ちなみにザイラスとは(ゴミ溜め)と言う意味だとか…… 治安悪そうだな。

「そこで、私クオンが生まれ育った街である三號街まで、ご案内する様にと言い使っております」

クオンがいれば、国境越えもすんなり行くだろうと、ヒロヨシーの配慮だった。

「でも子供連れだと……」

「クオンは39です! 子供じゃありません!」

「え? 10才位にしか……」

「クオンは魔族です! これから大きくなるんです!」

そうですか……

気難しい子だ。

魔族か…… ビルゲンを思い出す。





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