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13.※ オレの気持ち

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ピピピピ、ピピピピ、・・・・・

鳴り響く電子音。 スマホの、アラーム・・・・・?


「うーん・・・・」


目をつむったまま手さぐりでスマホを探す。


と、さらっとしたものに手が触れた。



・・・『さらっ』?


重たい瞼を持ち上げると、目の前に、人のカオ・・・・・?



「あ、わりぃ。起こしたな」


あきら・・・・


どうやらオレが触れたのは、あきらのさらさらの髪だったみたいだ。




あ、昨日、あきらんちに泊まったんだっけ・・・



そこまで考えて、昨日の記憶が一気によみがえってきた。




「うわあっ!」


あまりの恥ずかしさに、体を起こそうとするけど、

「ううっ、ってえ・・・・」

とてもじゃないけど、起き上がれなかった。


体中がぎしぎしいってる。

腰は重いし、後ろ・・・尻のところは、ズキズキ痛んだ。



「レイキ、大丈夫か?」

あきらが心配そうにオレを覗き込んでくる。

「ゴメンな、ムリさせて」



ダメだ。恥ずかしすぎる。

あきらのカオ、見れねーよ・・・・!


オレはもう一度ベッドに体を預け、枕に突っ伏した。


「・・・・だいじょーぶ」


あきらはそっと、オレの頭をなでた。



「・・・・・もう少し、休んでろよ」





そう言って、あきらは体を起こすとベッドの端に腰かけた。



スマホをいじっているあきらを見つめる。



・・・・・オレ、昨日あきらに抱かれたんだよな・・・・・・・・



なんか、信じられない。

だって、昨日あんなことになるまでは、普通に親友として付き合ってたのに。


『・・・・オレ、レイキが好きだ』


昨日のあきらの言葉を思い出すと、どきどきする。

・・・・・オレ、女の子みたいだよな。。。



~♪

あきらがいじっていたスマホから、コール音が響く。


「はい?」


あきらはベッドに腰掛けたまま、電話に出た。


「ああー、うん。 今日、行けなくなった。ゴメン」


相手は・・・・女のコ、だろうな。

今日土曜日だし、約束があったのかな。


「うん。んー・・・、そういうわけじゃないんだけど」


やっぱり、あきらはモテるよなあ・・・・

実際、今あきらに何人くらい遊び相手の女のコがいるのかなんて、知らないし。


「他の日っていうかさ、悪いんだけど、もう会えない」


さらっと、結構ひどいこと言ってねーか?

『もう会えない』って、いきなり言われたらショックだろ。


「オレさ、好きなやつがいるんだよね。だから、もう会えないんだ。ゴメンな」


・・・・・・あきらの言葉に、オレのカオが熱くなる。

『好きなやつ』って・・・・オレの、ことかな。


「んーん。まだ。 でも、やっぱダメだから、さ」


相手の女のコは、諦めきれないみたいだ。

そりゃ、そうだろう。 いきなり最終宣告突きつけられたみたいになってんじゃん。


「悪い。待ってもらっても、ホントに無駄だから。  もーさ、オレのこと忘れて? ゴメンね」


あきらはそう言うと、まだ声の聞こえる電話を無情にも切った。

そのまま、スマホの電源までoffにする。



あきらはそのスマホをテーブルに置くと、オレの隣に来た。



「まだ休んでろよ。 飲み物持ってくるな。 ・・・・腹、へってねえ?」

「いや・・・大丈夫。 腹はへってねーから」

「ん。 じゃ、待ってて」


あきらは飲み物を取りに部屋を出ていった。




そういえば。


昨日オレ、あきらに抱かれてそのまま寝ちゃったんだ。



改めて自分の体を見ると、ちゃんと服を着ている。下着もつけてる。


体はべたべたしたとこもなく、すっきりしている。



・・・・全部、あきらがやってくれたんだ。

体を拭いて、服を着せてくれたんだ。



・・・・・・・なんか、恥ずかしいけど、うれしい。




ガチャッとドアが開いてあきらが戻ってきた。

水、持って来てくれたんだ。


「・・・・ありがと」


体を起こそうとすると、やっぱりいろんなところが痛い。


カオをしかめてるオレを見て、あきらはオレの肩を抑えた。


「レイキ、寝てろって」


そう言ってあきらは、自分の口に水を含んだ。



そのままオレにキスをしてきて・・・・・開いていた口から、水が流れ込んでくる。


オレはあきらが口に入れてくれた水を飲みこんだ。

食道を落ちていって、胃に入ってくのを感じる。


「・・・・もっと?」


少し口角を持ち上げて、オレを見てくる。


・・・・・恥ずかしい。

普通に体を起こして、飲みたい・・・・気もするけど、あきらが甘やかせてくれるのもなんだか心地いい。


結局コクンってうなずくと、もう一度、あきらは口移しで水をくれた。


もう一度飲み込むけど、今度は入りきらなかった水が、オレの口から少しこぼれてしまった。


手でぬぐおうとすると、その手をあきらに押さえられて、・・・・・あきらの舌で、なめとられる。


そのまま、もう一度キスされた。



「んんっ・・・・・」


深く重なり合う唇。

舌が、オレの口内に入ってきて。



朝からこんなキス・・・・っ!



ズキズキする腰に、甘いしびれが走ってく。


しばらく舌を絡めてから、あきらは唇を離した。



「・・・・レイキ、エロいカオになってる」


フッて笑って悪びれもせずいうあきらに、

「だっ、だれのせいだよ!」

思わず抗議する。



切れ長の瞳を細めて微笑むあきらに、オレは寝返りを打って背を向けた。



「・・・・あきら、ありがと。 服、着せてくれたんだろ? ・・・体も、拭いてくれたりしたのか?」


あきらはそっとオレの髪を撫でて、


「ムリさせたから。 ほんと、悪かったな。 体・・・大丈夫か?」

「うーん、まだちょっと起きれなそう・・・・かな」


あきらを振り返りながら苦笑いして答えると、あきらもすまなさそうに笑った。




「ゴメンな、あきら。今日、なんか用事あったんだろ?」

さっきの電話の事を聞いてみる。

「ああ、別に。 大丈夫」

「なあ、あれって・・・・・女のコ、だよな? ・・・・彼女、じゃないのか?」


あきらはオレの隣で横になった。

男2人じゃ狭いベットの上。 あきらと至近距離になる。


「単なる遊び相手。 でも、もう終わり」

「・・・・でも、相手のコは、あきらのこと、好きなんだろ?」

「さあ、どうかな? もともとつき合う気はなかったし、向こうも分かってたと思うけど?」


それでも、いきなり『もう会えない』は、つらいよな・・・・・


「レイキ? どうした?」


あきらが、オレの背中に手を回しながら聞いてくる。


「んー・・・・、オレのせいかな、って思って」


今日の約束を断ったのは、オレがまだ動けないからだろう。

『もう会えない』って言ったのも、オレのことがあるから・・・・?

そう思うのは、うぬぼれ過ぎだろうか。


「レイキは気にしなくていーんだよ。 オレが勝手にやってることなんだし」



あきらは、オレの背中に回している手に少し力を込めた。


「あの・・・・・さ」


あきらは目を伏せたまま、口を開く。

瞳は不安げに揺らめいていて・・・・・


「レイキは、何でオレに抱かれたの・・・・?」



・・・・そう。

あきらは昨日オレのこと好きって言ってくれたけど、オレは『抱いて』って言っただけなんだ・・・・


「オレ・・・最近さ、あきらのこと意識しまくってて。 
昨日・・・電話したのもさ・・・
あきらとキス・・・したいって思っちゃって、衝動的に電話かけちゃったんだよな・・・」


ううう。

キスしたくて電話したなんて、恥ずかしすぎる。。。


でもあきらは、黙ってオレの話を聴いている。


「で・・・キスして、すごい気持ちよくて。
あきらに抱かれるときも、怖かったけど、イヤだとは思わなかった」


オレは目を伏せて続けた。

あきらのカオは、恥ずかしくて見れねーよ・・・・・


「だから・・・・あきらのこと、好き、・・・・なんだと思う・・・・」



あきらはフッて笑った。

「レイキ、ありがとな」



あきらは『好き』って言ってくれたのに、オレは『思う』なんてつけて、なんか悪い気がする・・・・けど・・・・

でも、ホント今まで親友だと思ってたし、オレの気持ちが恋愛感情の『好き』なのかどうか、自分でもよくわからなくて・・・


ただ、あきら以外の奴に抱かれてもいいかって考えたら・・・それは絶対イヤなわけで。

だから・・・・たぶんオレはあきらが『好き』なんだと思う。


あきらはオレの頭をくしゃくしゃって撫でた。

「オレ、レイキに本気で好きんなってもらえるよう、がんばるからな」

そう言って、微笑んだ。


「でも・・・・さ。 キスとかは、しても、いいか?」


遠慮がちに聞いてくるあきらが、なんだかかわいかった。

女のコの前で、こんな姿、見せるんだろうか。


「・・・・うん」

オレはうなずいた。

だって、あきらのキスは大好きだ。

「むしろ・・・・・・して?」

言いながら、恥ずかしくなってうつむく。


「おっけ」

あきらは笑いを含んだ声で返事をすると、


ちゅっ


早速オレの唇にキスを落とした。


「レイキ・・・・好きだよ」

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