【完結】私は公爵家の娘ですけど義妹は男爵家の娘ですわよ

みちこ

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第3章 王女篇

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「はぁ~、でも私はウェンディ様の処分が永久的にこの国への立ち入り禁止だけで終わったのは納得出来ませんわ。あれだけこの国を引っ掻き回して、シャーロット様の件は殺人未遂なんじゃないですか?」

「殺人未遂になるか難しいところですね。危害を加えようとしてもあの状況では、絶対に成功しなかったでしょうし、突発的行動でしたから本気で殺す気があったかと問われたら断言するには難しいですからね」

「そうなのですか?」

「何故かあの時はいつも連れてる取り巻きは1人も居なかったですし、ウェンディ様の味方は1人もいない状態で、逆にシャーロットお姉様の味方は沢山いる状態でしたから、暴力を振るっても成功しませんでしたわ。何故あの状況でシャーロットお姉様を襲ったのか理解出来ないぐらいですもの」

頭が悪いとしか思えませんわ

陛下も重い刑にしたくても、絶対に成功しないような現場って事で、強制送還と今後一切の立ち入り禁止しか出来ませんでしたわ

「相手が隣国の者じゃなかったら、軽い刑でも奴隷落ちでしたでしょうね。隣国とは王女の件が無ければ良好な関係ですから、これ以上の処分を望んだら、隣国との確執が生まれますものね」

相手が庶民や下級貴族なら隣国も見捨てたでしょうけどね

大切なシャーロットお姉様に危害を加えられようとした此方からしたら、到底許せない結果ですわよね。

私がこんなに不満に思ってるぐらいですから、デビット兄様は憤りを感じてるでしょうね

ウェンディ様は父親である隣国の王から溺愛されてますから、隣国で何不自由ない生活をおくってると考えると納得出来ませんわ

「はぁ~、ウェンディ様が隣国で今まで通り暮らしてると考えたら怒りしか感じませんわ」

「そうでも無いわよ」

「レイチェルさんは何か知ってるんですか?」

「ブライアン様から聞いたんですけど、隣国の王太子はウェンディ様を疎ましいと思ってるみたいですわ。今は大人しくしてますけど、準備が整ったら王座を奪うんじゃないかって言ってましたわ。王太子はウェンディ様を甘やかしてる王様に不満を持ってるみたいですから、これ以上ウェンディ様が問題を起こす前に行動に移すんじゃないかしら?」

レイチェルさんの発言に近くでこっそり話を聞いてたクラスメイト達がざわつき始めた。

とんでもない話を聞いてしまったわね

「隣国の王太子は好戦的な性格でしたっけ?」

「普段は穏やかな方よ。でも理不尽なことが大っ嫌いな人ですわ。王太子が王座についたら、ウェンディ様は一生、離宮で幽閉じゃないかしら?それか急な病気でお亡くなりになるかもしれないですわね。お嫁の貰い手もないでしょうし」

確かに隣国と交流が出来ない妻は足枷にしかならないですから、わざわざウェンディ様を嫁には貰いませんわね。

それでも構わないぐらいウェンディ様を愛していたら別ですけど

「実際は隣国の王太子が王になってからじゃないとわかりませんが、満足できる結果になりそうで良かったですわ」

「エレーナの気が晴れそうで良かったですわ。ブライアン様から情報を聞き出したかいがありましたわ」

「悩みも解決しそうですし、お祝いで学校終わりに最近評判のカフェにでも行きませんか?」

「ありがたい申し出ですけど今日は早く帰らないといけませんの。当分は学校帰りに寄り道は出来なくなりそうですから、お祝いはお昼休みにでも学校のカフェテラスでしませんか?」

「私はそれでも構いませんけどお家で何かありましたの?」

「今はまだ話せませんけど近いうちにいい知らせが出来そうですの」

「あら?何かしら?やっと婚約が認められそうとかですか?」

「ふふふっ、それと同じぐらいいい知らせですわ」

「それは楽しみですね」

「皆さんに正式に知らせる日が私も楽しみですわ。それではお先に失礼させていただきます」

「楽しみにしてますわ」

レイチェルさんとナディアさんと別れて、急いで馬車に乗り込む

「お嬢様、そんなに急がなくても………」

「だって、お母様が心配なんですもの。お母様が大人しくしてるか心配ですわ」

「さすがに奥様もお腹の中に命が宿ってるんですから大人しくしてますよ」

「甘いですわよ。お母様は昨日お菓子作りをしてましたわ」

御者は黙り込んでしまった

お母様は10数年ぶりに子供を妊娠している事を5日前に判明した、妊娠がわかったお母様は私の事を心配していて、私への愛情が変わらないって事を証明するために、昨日は珍しくお菓子作りをしていた

私がお母様の妊娠で不安に思ったりするはずが無いのに、お母様とお父様は妊娠が分かってから余計に過保護になっている

私は弟か妹が産まれることをすごく楽しみにしてるのに2人は心配性過ぎるのよね

2人に私の気持ちを理解してもらわないといけないわね。

今の状態ではラッセル様との婚約を認めてもらうのも難しいわ。

昨日、執事が教えてくれたことだけど、お父様は王女の件が解決したら、私とラッセル様の婚約を進めるつもりだったみたい。

だけど今は婚約を進めたら私が厄介払いされたと勘違いするんじゃないかと心配して、何も出来ない状態みたいなのよね。

今日の夜にでもお父様にラッセル様の婚約を進めるように言わないといけないわ、

これ以上、ラッセル様を待たせるのは可哀想だもの

早くみんなに私の婚約と私に兄弟が出来る事を発表したいわね
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